チートなお家と精霊とスローライフ!

青空鰹

セラはもしかしてリィンのことを・・・・・・す、好きなのかな?

 セラにお姫様抱っこされながら脱衣所まできたのは良いけれどぉ〜・・・・・・一つ、問題が起こっている。


 「リィン様、両手を上げてください」


 「リィンは一人で脱げるから大丈夫だよ」


 お世話好きなのかどうかわからないけど、今回もまたリィンの服を脱がそうとしてくるのだ。


 「リィン様のお手を煩わすわけには参りません。さぁ、両手を上げてください」


 「でもぉ〜・・・・・・」


 メディーラさんとリーザさんの目の前で、セラに脱がされている姿を見られるのは正直気が引けるよぉ〜。


 その二人に目線を向けると、なぜかニコニコと笑顔を向けてくる。


 「気にしなくていいわよリィンちゃん。アナタはまだ子供ですからねぇ〜」


 「ん・・・・・・大人しくセラに従うのが吉・・・・・・このまま拒否していると、テンプレな展開になるから」


 うわぁ〜、セラを説得する気がゼロだ。っていうか! リーザさんは拒否し続けた先の展開を知ってるように言ってるけど・・・・・・もしかして未来が見えてるの?


 「リィン様、お風呂が冷めてしまうので早く手を上げてください」


 「ウゥ〜・・・・・・わかったよ。セラァ〜」


 リィンは諦めたような顔をしながらバンザイのポーズをすると、セラはテキパキと服を脱がしていく。


 ウゥ〜・・・・・・メディーラさんたちに見られているから、恥ずかしいよぉ〜。ッ!?


 「パ、パンツぐらい自分で脱ぐよっ!!」


 「ダメです。お任せください」


 セラはそう言った途端、リィンの履いているパンツを一気に下げたので反射的に顔を真っ赤にさせながら股を手で覆い隠した!


 「キャアアアアアアーーーーーーッッッ!!?」


 セラはリィンの悲鳴を気にせずに、そのまま脱がしてしまう。


 「リィンの羞恥プレイ・・・・・・おもしろ過ぎて草生える」


 「笑ったら可愛そうよ、リーザ」


 「・・・・・・ん、笑わないから大丈夫」


 うにゅ〜〜〜、こんな恥ずかしいことをされたら、もうお嫁さんに行けないよぉ〜・・・・・・。


 「私の方も脱ぐので、少々お待ちください」


 「うん」


 そう返事したあとにセラの着替え終わるのを見つめながら待つのだけれども、セラのモデルとも言えるようなプロポーションに見とれてしまった。


 前にお風呂に入ったときはセラの身体を気にしてなかったけど、改めて見るとスゴいんだなぁ〜。


 「リィンがセラの身体に見惚れている・・・・・・なんてえっちぃ子なの」


 「ふえっ!?」


 え、えっちぃ子って! それは仕方ないじゃないですかっ!! だって元々は男の子だったんだもん!!


 「私はリィン様に見られるのは構いませんよ」


 「えっ!?」


 セラはもしかしてリィンのことを・・・・・・す、好きなのかな?


 「リィン様はもう女の子ですからね。男性のように発情して、私に襲いかかったりはしないでしょう」


 ああ、うん。前にも同じようなことを言ってたね。てか、リィンがセラに襲いかかっても勝てる気がしないだけど! 秒殺される結末しか考えられないよ!!


 などと思っていたらセラは服を脱ぎ終わっていて、バスタオルを身体に巻いて素肌を隠していた。


 「リィン様、お風呂へ行きましょうか」


 「・・・・・・うん。ふわぁっ!?」


 セラはまたリィンをお姫様抱っこしてくる。


 「ちょっ、ちょっとセラァ!」


 「はい、なんでしょうかリィン様?」


 「いや、なんでしょうか? じゃないよっ! リィンはもう歩けるから下ろして!」


 しかもメディーラさんたちが見てるから、恥ずかしいったらありゃしない!!


 「私たちは気にしてないから、大丈夫よリィンちゃん」


 「ん・・・・・・そのままユリユリしていて大丈夫」


 「いや、ユリユリって!そんなことをぉぉぉおおおおおお〜〜〜っ!!!?」


 否定しようとしたら、なぜかそのままお風呂へと向かって行かれてしまう。


 「肌をさらしたままでここにい続けると風邪を引いてしまいます。イットウ様こちらへきてください」


 「コンッ!」


 イットウは元気な声で、 わかった! と言いながらセラについて行く。


 「ウゥ〜〜〜・・・・・・でもさぁ〜〜〜!」


 「リィン様のお世話をするのが私の生きがいですから」


 あのぉ〜、セラさん? 過保護って言葉をご存知ですか?
 そのままだとお姉ちゃんと同じロリコンにぃ〜・・・・・・。


 「どうかされました、リィン様?」


 「な、なんでもです! ハイッ!」


 笑顔で見つめられてるんだけれども、なんか威圧感があるのはなぜ?


 などと思っていたら、イスに座らせられた。


 「まずはリィン様の頭を洗いましょうか」


 「そうだね。って、もしかして今回もセラがリィンの身体を洗うの?」


 「そうですけどぉ・・・・・・なにか不満があるんですか?」


 「ある! リィン、一人身体洗えるから大丈夫! だからセラは自分の身体を洗ってねっ!」


 このままセラに任せっきりにしたら、完全なダメ人間になってしまう! 自分自身のためにもここは頑となして断らなければっ!!


 「セラ、桶を」


 ザバァーーー!!?


 えっ、水!? 冷たっ・・・・・・いや、暖かいからお湯だ。でもなんでセラはリィンにお湯をかけてきたんだろう?


 「先ほども申し上げた通り、私の生きがいはリィン様のお世話することです」


 「う、うん」


 「なので身体の隅々まで洗わせていただきますよ」


 う、うわぁ〜! 絶対にイヤ! って言も断れないのが目に見えてるよこれっ!!


 「ウゥ〜・・・・・・わかったよセラ、好きにして良いよ」


 「ではさっそく頭から洗いましょうか」


 「・・・・・・うん」


 あああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・セラの説得力に負けたぁ〜〜〜。
 錬金術をするだけのヒモ生活確定したよぉ〜〜〜。あ、そうだ忘れてた!


 「イットウくん、洗ってあげるからこっちにきて!」


 「コンッ!」


 え、なに? 大丈夫だよ! ってなにが大丈夫なの? ・・・・・・もしかして、汚れたままお風呂に入ろうとしているの? それはダメだよっ!!


 「リィンちゃん、私たちがイットウくんの身体を洗ってあげてるから大丈夫よ」


 「えっ!?」


 メディーラさんがいる方に顔を向けて見ると、イットウくんの身体を洗ってるではないか! しかも洗われてる本人は気持ち良さそうに目を細めているし!


 「安心して大丈夫・・・・・・イットウくんはこっちに任せておいて」


 「キュ〜ン」


 あのモフモフの身体を手で洗っている姿、なんて羨ましいのっ!! しかもイットウくん、 気持ちいい〜。 って言ってるし!


 「リィンがイットウくんを洗ってあげようと思ってたのにぃ〜・・・・・・」


 「リィン様。明日一緒に入ったときにでも、イットウ様の洗えばよろしいかと」


 「それもそうだね」


 「さぁ、髪を洗うので目を閉じてください」


 「うん」


 そう言って目を閉じると、またお湯を頭から浴びせられた。そして、シャカシャカと心地い音が頭からくる。


 「うにゅ〜〜〜・・・・・・」


 「気持ちいいですか、リィン様?」


 「うん、気持ちいいよセラ」


 頭皮を優しく揉むように洗ってるから、髪が抜ける心配をしなくていいかも。
 これだけ上手く髪を洗えるのなら、もしかしたらセラは美容院で働けるかもしれない。あ、そうだ! 聞いておかなきゃいけないことがあった!


 「ねぇ、セラ」


 「なんでしょうか、リィン様?」


 「街はどうだった?」


 「街ですか。そのぉ、なんと言いましょうかぁ・・・・・・」


 ん? 歯切れの悪い言い方をするとは・・・・・・なんかあったのかな?


 「怒ったりしないから、正直に話して」


 「・・・・・・はい。街に着いてリィン様がお造りになられたポーションを冒険者ギルドで売ったのまでは良いのですが、街に入るときに門番に払ったお金を含めて利益を計算すると、お金が少ししか手元にない状態になってしまったんです」


 「えっとぉ〜、売ったポーションの価格と門番に払ったお金がいくらなのか教えて」


 「ポーションが一つ100レミル、6つすべてを売ったので合計600レミル。門番に払ったお金は500レミルです。なので、単純計算すると100レミルしか残らないことになります」


 お金の単位はレミルなんだ。それはそうと、100レミルしか儲からない結果になるのはちょっとマズいかなぁ〜。


 「リィンがもっと頑張ってポーションを作ればなんとかなる問題だけどぉ〜」


 リィンのレベルが低いから、いますぐに増産出来るような状態じゃない。


 「う〜ん・・・・・・このままだと改築が出来ないどころか食料の問題が出てくるね」


 「あら? 私たちがたくさんポイントをあげたから、しばらくの間は大丈夫でしょう?」


 「そうそう・・・・・・私たちは大サービスをした・・・・・・通販で買い物すれば大丈夫」


 ああ、たしかにスゴい数字のポイントがあったね・・・・・・でもさ。


 「お姉ちゃんに問答無用で数値を下げられたから、いまは少ない」


 「「なん・・・・・・・・・・・・だとぉっ!?」」


 おお、なんて息のピッタリな発言なんだ! それよりも。


 「セラ、リィンもっと頑張るよ」


 「いえ、私に任せてください。なんとかしますから」


 目を開けて振り向き、セラを見つめながらこう言いだす。


 「イヤ、セラはリィンにとって家族だから」


 「私が? 家族・・・・・・ですか?」


 セラが驚いた顔をしているが、気にせずにそのまま話し続ける。


 「うん、セラがリィンをお世話したいように、リィンもセラのために力になりたいって思っているの。
 だからなにかあったときは、 全部自分でなんとかしよう。 って考えないで、困ったときはリィンに話してね」


 「・・・・・・そうですか。わかりました」


 セラはそう言いながら髪に付いているシャンプーの泡をシャワーで洗い流していく。


 「早速ですがリィン様にお願いがあります」


 「え? なにかな?」


 また行くときのために、ポーションを増産して欲しい。ってお願いするのかな?


 「身体の方も洗うので、そのままおとなしくしていてくださいね」


 「ヒィッ!?」


 後ろからイヤな気配がする。しかも逃げようにも両肩をガッチリ掴まれてるから逃げられないっ!!?


 「ちょっ!? 待って!! ウニャッ!? そんな抱きつかなくても洗えって、前側は自分で・・・・・・そこは自分で、アッーーーーーーーーーーーー!!!?」


 「リィンの羞恥プレイ・・・・・・笑笑」


 そんなことを言ってないで助けてよぉぉぉおおおおおおっっっ!!!?


 セラに身体を洗われている間は悲鳴が絶えなかった。

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