チートなお家と精霊とスローライフ!
・・・・・・安心して良いよ
「フゥ〜〜〜・・・・・・リィン・・・・・・これぐらい取れば充分だと思うよ」
 リーザさんは疲れたのか腕で汗を拭っている。
 「そうですか?」
 「そうだよ・・・・・・四つぐらいで充分だったのに十五個もいらない・・・・・・て言うより三十分でこの数は取れすぎ・・・・・・この周囲にどれだけの数が埋まってるの?」
 取れすぎって・・・・・・もしかしてマナ石ってこんなに取れない素材なの?
 「あのぉ、一応確認しておきたいんですけどぉ、マナ石ってどんなところで取れる素材なんですか?」
 「ん・・・・・・マナ石はマナの濃い森か世界樹の根元で見つかる素材で・・・・・・エルフが独占している販売している地域が多い・・・・・・で、マナ石は見つけようとしてもなかなか見つけ出せない素材・・・・・・だから六人ひと組みのパーティーが半日頑張って探して採取出来た数が私達と同じぐらいなら良い方・・・・・・運が悪かったら一個から二個しか取れない」
 半日で十五個しか取れないって、本当に貴重な素材なんだこれ。
 「ま、まぁ貴重な素材を楽に手に入れられるのは良いことだよねっ!!」
 「ん・・・・・・そうだけどぉ」
 「そうだけど?」
 「堅実派のエルフがこの状態を見たらどう言うんだろう? ・・・・・・下手したら・・・・・・土地を明け渡せって言うかもしれない」
 「ファッ!?」
 「でも安心して・・・・・・エルフが住んでる土地は近くて三つ先の国だから・・・・・・こっちまで来ることなんてことは先ずないから・・・・・・安心して良いよ」
 リーザさん、フラグめいたことを言わないでよおおおおおおぉぉぉぉぉぉ〜〜〜・・・・・・。
 「二人とも調子はどうかしら?」
 あ、ウッドデッキから居なくなっていたメディーラが戻って来てる。てか、こっちに来て大丈夫なのかな?
 「メディーラ・・・・・・今までどこに行ってたの?」
 「二人とも汗と土で汚れるだろうなぁ。と思ってたからお風呂を用意していたのよ」
 汚れてる。と言えばそうかもしれない。だって服は汗ばんでいて土で薄汚れているし、手のひらなんて土まみれのマナ石を触ったせいで土色になってる。誰がどう見たって 不潔 って言うと思う。
 「ん・・・・・・メディーラ、ありがとう」
 「家に戻ったら私がマナ石に付いてる土を洗い落としてあげるから、リーザたちはお風呂に入って来てちょうだい」
 「ん・・・・・・わかった」
 「はぁーいっ!」
 お家に向かって歩いてる途中、リーザさんが不意に立ち止まりから振り返ると、なにかを探すように辺りを見回す。
 「リーザさん、どうしたんですか?」
 「いま・・・・・・誰かに見られてたような気がする」
 「誰かに?」
 「ん・・・・・・誰かに・・・・・・」
 「リーザ、この家とリィンちゃんの安全を守る為に結界を張ったんでしょう?」
 「ん・・・・・・それはそうだけどぉ・・・・・・」
 「それに私たちが作り上げた結界は人に危害を加える魔物だけじゃなく、盗賊とか結界内で悪さをしようとする人は一切中に入って来れないようにしたの忘れたの?」
 「ん・・・・・・忘れたわけじゃないけどぉ・・・・・・」
 「けど?」
 「結界の外から中はまる見えだから・・・・・・ちょっと心配」
 「あっ! そういえば結界に不可視の魔法を組み込んでなかったわね。忘れてたわ」
 「ん・・・・・・そうそう」
 「でもまぁ心配いらないと思うわよ。さっきも言った通り悪さをしようとする人は結界の中に入れないようにしてるから、そんなに心配しなくても良いんじゃないかしら」
 「う〜〜〜ん・・・・・・それもそうか」
 「さぁ二人とも、早く家の中に入りましょう」
 「ん・・・・・・わかった」
 「はーい!」
 この時まではまさかあんな事態になるとは微塵も思わなかった・・・・・・。
 三人が家の中へ入って行ったのと同時に、木の陰からフード被った人が出てくると結界に近づくと、手をかざしてなにかブツブツ言うと手のひらに魔方陣が浮かび上がる。
 「・・・・・・この私の解読魔法が通用しないなんて、なんて強固な結界なんだ」
 そして魔方陣を消すとかざしていた手をそのまま結界内に入れると、なにかを確かめるように手を開いたり閉じたりする。
 「なにかしらの魔術が身体に負荷を与えるということはないみたいだな。するとこれは・・・・・・魔物よけの結界って考えて良さそうだ。このまま入っても問題なさそうだな」
 その人は何が起きても良いようにゆっくりと結界内に入って行く。そして、結界内に完全に入ったところで、驚いているのか忙しく辺りを仕切りに見回している。
 なんて濃いマナなんだっ!? 世界樹から発せられるマナと比べものにならないっ!! ・・・・・・もしかしてここは聖地なのか? しかも遠くてわからなかったが、足元に生えてる草これ全部薬草じゃないかっ!!
 その人はその場にしゃがみ込んで薬草を一本詰むと、品定めをするようにいろんな角度から見る。
 「これはなんて質の良い薬草だ! やっぱり薬草もマナの濃度で質が変わるのか?」
 ・・・・・・そこらへんの調査は他の者にまかせるとして、人間が聖域とも言える場所を我が物顔で住んでいることだ。
 「下等な人間の分際がこの聖域に住み着くなど言語道断っ!! いますぐにでも追い出してやりたいが、今日は時間に余裕がない。日を改めてくるとしよう」
 そう言うと来た道を戻って行くのだった。
 〜〜〜  セラフィスト side 〜〜〜
 「やっと街に着きました。しかし・・・・・・」
 街に入るための検問所に少し長い列が出来ていて、入るまでに時間がかかりそうである。
 列の進む具合からして、もう十五分ぐらい待たないと街へ入れなさそうですね。すんなり入れると思ったのですが予想が外れてしまいました。
 暇つぶしのために本を持ってくるべきでしたね。しかしリィン様のお家にある本は錬金術関連しかないと思いますから、暇つぶしとして借りて読むのはちょっと考えものですね。それに本を買うとしてもいまは私欲のためにお金を使うのはよくありませんし、なによりもリィン様のお金ですから許されるわけがありません。
 「仕方ありません。このまま待つしかなさそうですね」
 ・・・・・・しかし、なにもしないまま待つというのは暇なものである。このままボーッとしているのも私的には時間が勿体ないと思うので、今日の晩御飯をどうするか。リィン様がなにをしているのか。どうすればリィン様に勘づかれずに馬鹿女神を始末できるのかを考えていたら、なぜか不安になってきました。
 「・・・・・・メディーラ様とリーザ様とイットウ様とともにいますが、リィン様はちゃんとお留守番出来てるでしょうか?」
 アホ女神に任せるよりもだんぜんマシなのですが・・・・・・。
 「次っ! ・・・・・・どうした? アンタの番だぞ」
 そんなことを思っていたら自分の番が回ってきていたらしい。
 「はい」
 そう言うと検問を受ける為に門番に近づく。すると相手は不思議そうな顔をしながら、頭の先から足元まで一瞥してくる。
 「えっとぉ・・・・・一応確認なんだが身分証は持っているか?」
 「すみませんが持ってません」
 「そうか、その場合だとこの街に来た目的言うのと通行料として500レミル、銅貨五枚を払わないといけないが持っているか?」
 「目的ですか?」
 「ああ、言ってくれきゃいけない決まりだからな」
 ・・・・・・まぁ長引くと時間の無駄ですから、なるべく早く済ませましょう。
 「ここにはポーションを売りに来ました」
 「ポーション? アンタは錬金術師なのか?」
 「私は錬金術師ではありませんが、私がお世話している子が錬金術師です。ただ、まだ錬金術を始めたばかりなので失敗作の方が多いんですよね」
 「そうか・・・・・・そのポーションを売るんなら出来れば冒険者ギルドで売ってくれないか?」
 「道具屋ではダメなのですか?」
 「ああ、ここらへんの道具屋はちょっと素性が悪いからな・・・・・・下手したら、こんなもん使えねぇ。って言って持ってるポーションを壊されるかもしれねぇぞ。それにそっちに売ってもらった方がありがたい」
 「なるほど、そうですか・・・・・・覚えておきます」
 元より冒険者ギルドに行くつもりですが、なんでしょうか。門番の言ったことが少し気になりますね。
 「それと、こちら500レミルです」
 「おう、どうも」
 ポシェットの中から取り出た500レミルを門番に手渡しすると、机から白いカードを私に渡してきた。
 「いま渡したカードは仮身分証だ。知ってると思うが、なくしたりしたら罰金1500レミル払わなきゃいけない。払えない場合は留置所に行かなきゃいけなくなる。そこで素性が悪いと判断された場合は奴隷になるから、なくしたりしないようにな」
 「わかりました」
 まぁ私は知っているのでその説明は不要ですが、ことを荒立てないようにするために相づちだけにしておきましょう。
 「それと冒険者ギルドはこのまままっすぐ進んで、二つ目の十字路を過ぎたところの左手にあるからな。迷うなよ」
 「わかりました。色々とありがとうございました」
 「おうっ! 気をつけてな!」
 セラは軽く会釈をすると冒険者ギルドに向かって歩き出した。
 リーザさんは疲れたのか腕で汗を拭っている。
 「そうですか?」
 「そうだよ・・・・・・四つぐらいで充分だったのに十五個もいらない・・・・・・て言うより三十分でこの数は取れすぎ・・・・・・この周囲にどれだけの数が埋まってるの?」
 取れすぎって・・・・・・もしかしてマナ石ってこんなに取れない素材なの?
 「あのぉ、一応確認しておきたいんですけどぉ、マナ石ってどんなところで取れる素材なんですか?」
 「ん・・・・・・マナ石はマナの濃い森か世界樹の根元で見つかる素材で・・・・・・エルフが独占している販売している地域が多い・・・・・・で、マナ石は見つけようとしてもなかなか見つけ出せない素材・・・・・・だから六人ひと組みのパーティーが半日頑張って探して採取出来た数が私達と同じぐらいなら良い方・・・・・・運が悪かったら一個から二個しか取れない」
 半日で十五個しか取れないって、本当に貴重な素材なんだこれ。
 「ま、まぁ貴重な素材を楽に手に入れられるのは良いことだよねっ!!」
 「ん・・・・・・そうだけどぉ」
 「そうだけど?」
 「堅実派のエルフがこの状態を見たらどう言うんだろう? ・・・・・・下手したら・・・・・・土地を明け渡せって言うかもしれない」
 「ファッ!?」
 「でも安心して・・・・・・エルフが住んでる土地は近くて三つ先の国だから・・・・・・こっちまで来ることなんてことは先ずないから・・・・・・安心して良いよ」
 リーザさん、フラグめいたことを言わないでよおおおおおおぉぉぉぉぉぉ〜〜〜・・・・・・。
 「二人とも調子はどうかしら?」
 あ、ウッドデッキから居なくなっていたメディーラが戻って来てる。てか、こっちに来て大丈夫なのかな?
 「メディーラ・・・・・・今までどこに行ってたの?」
 「二人とも汗と土で汚れるだろうなぁ。と思ってたからお風呂を用意していたのよ」
 汚れてる。と言えばそうかもしれない。だって服は汗ばんでいて土で薄汚れているし、手のひらなんて土まみれのマナ石を触ったせいで土色になってる。誰がどう見たって 不潔 って言うと思う。
 「ん・・・・・・メディーラ、ありがとう」
 「家に戻ったら私がマナ石に付いてる土を洗い落としてあげるから、リーザたちはお風呂に入って来てちょうだい」
 「ん・・・・・・わかった」
 「はぁーいっ!」
 お家に向かって歩いてる途中、リーザさんが不意に立ち止まりから振り返ると、なにかを探すように辺りを見回す。
 「リーザさん、どうしたんですか?」
 「いま・・・・・・誰かに見られてたような気がする」
 「誰かに?」
 「ん・・・・・・誰かに・・・・・・」
 「リーザ、この家とリィンちゃんの安全を守る為に結界を張ったんでしょう?」
 「ん・・・・・・それはそうだけどぉ・・・・・・」
 「それに私たちが作り上げた結界は人に危害を加える魔物だけじゃなく、盗賊とか結界内で悪さをしようとする人は一切中に入って来れないようにしたの忘れたの?」
 「ん・・・・・・忘れたわけじゃないけどぉ・・・・・・」
 「けど?」
 「結界の外から中はまる見えだから・・・・・・ちょっと心配」
 「あっ! そういえば結界に不可視の魔法を組み込んでなかったわね。忘れてたわ」
 「ん・・・・・・そうそう」
 「でもまぁ心配いらないと思うわよ。さっきも言った通り悪さをしようとする人は結界の中に入れないようにしてるから、そんなに心配しなくても良いんじゃないかしら」
 「う〜〜〜ん・・・・・・それもそうか」
 「さぁ二人とも、早く家の中に入りましょう」
 「ん・・・・・・わかった」
 「はーい!」
 この時まではまさかあんな事態になるとは微塵も思わなかった・・・・・・。
 三人が家の中へ入って行ったのと同時に、木の陰からフード被った人が出てくると結界に近づくと、手をかざしてなにかブツブツ言うと手のひらに魔方陣が浮かび上がる。
 「・・・・・・この私の解読魔法が通用しないなんて、なんて強固な結界なんだ」
 そして魔方陣を消すとかざしていた手をそのまま結界内に入れると、なにかを確かめるように手を開いたり閉じたりする。
 「なにかしらの魔術が身体に負荷を与えるということはないみたいだな。するとこれは・・・・・・魔物よけの結界って考えて良さそうだ。このまま入っても問題なさそうだな」
 その人は何が起きても良いようにゆっくりと結界内に入って行く。そして、結界内に完全に入ったところで、驚いているのか忙しく辺りを仕切りに見回している。
 なんて濃いマナなんだっ!? 世界樹から発せられるマナと比べものにならないっ!! ・・・・・・もしかしてここは聖地なのか? しかも遠くてわからなかったが、足元に生えてる草これ全部薬草じゃないかっ!!
 その人はその場にしゃがみ込んで薬草を一本詰むと、品定めをするようにいろんな角度から見る。
 「これはなんて質の良い薬草だ! やっぱり薬草もマナの濃度で質が変わるのか?」
 ・・・・・・そこらへんの調査は他の者にまかせるとして、人間が聖域とも言える場所を我が物顔で住んでいることだ。
 「下等な人間の分際がこの聖域に住み着くなど言語道断っ!! いますぐにでも追い出してやりたいが、今日は時間に余裕がない。日を改めてくるとしよう」
 そう言うと来た道を戻って行くのだった。
 〜〜〜  セラフィスト side 〜〜〜
 「やっと街に着きました。しかし・・・・・・」
 街に入るための検問所に少し長い列が出来ていて、入るまでに時間がかかりそうである。
 列の進む具合からして、もう十五分ぐらい待たないと街へ入れなさそうですね。すんなり入れると思ったのですが予想が外れてしまいました。
 暇つぶしのために本を持ってくるべきでしたね。しかしリィン様のお家にある本は錬金術関連しかないと思いますから、暇つぶしとして借りて読むのはちょっと考えものですね。それに本を買うとしてもいまは私欲のためにお金を使うのはよくありませんし、なによりもリィン様のお金ですから許されるわけがありません。
 「仕方ありません。このまま待つしかなさそうですね」
 ・・・・・・しかし、なにもしないまま待つというのは暇なものである。このままボーッとしているのも私的には時間が勿体ないと思うので、今日の晩御飯をどうするか。リィン様がなにをしているのか。どうすればリィン様に勘づかれずに馬鹿女神を始末できるのかを考えていたら、なぜか不安になってきました。
 「・・・・・・メディーラ様とリーザ様とイットウ様とともにいますが、リィン様はちゃんとお留守番出来てるでしょうか?」
 アホ女神に任せるよりもだんぜんマシなのですが・・・・・・。
 「次っ! ・・・・・・どうした? アンタの番だぞ」
 そんなことを思っていたら自分の番が回ってきていたらしい。
 「はい」
 そう言うと検問を受ける為に門番に近づく。すると相手は不思議そうな顔をしながら、頭の先から足元まで一瞥してくる。
 「えっとぉ・・・・・一応確認なんだが身分証は持っているか?」
 「すみませんが持ってません」
 「そうか、その場合だとこの街に来た目的言うのと通行料として500レミル、銅貨五枚を払わないといけないが持っているか?」
 「目的ですか?」
 「ああ、言ってくれきゃいけない決まりだからな」
 ・・・・・・まぁ長引くと時間の無駄ですから、なるべく早く済ませましょう。
 「ここにはポーションを売りに来ました」
 「ポーション? アンタは錬金術師なのか?」
 「私は錬金術師ではありませんが、私がお世話している子が錬金術師です。ただ、まだ錬金術を始めたばかりなので失敗作の方が多いんですよね」
 「そうか・・・・・・そのポーションを売るんなら出来れば冒険者ギルドで売ってくれないか?」
 「道具屋ではダメなのですか?」
 「ああ、ここらへんの道具屋はちょっと素性が悪いからな・・・・・・下手したら、こんなもん使えねぇ。って言って持ってるポーションを壊されるかもしれねぇぞ。それにそっちに売ってもらった方がありがたい」
 「なるほど、そうですか・・・・・・覚えておきます」
 元より冒険者ギルドに行くつもりですが、なんでしょうか。門番の言ったことが少し気になりますね。
 「それと、こちら500レミルです」
 「おう、どうも」
 ポシェットの中から取り出た500レミルを門番に手渡しすると、机から白いカードを私に渡してきた。
 「いま渡したカードは仮身分証だ。知ってると思うが、なくしたりしたら罰金1500レミル払わなきゃいけない。払えない場合は留置所に行かなきゃいけなくなる。そこで素性が悪いと判断された場合は奴隷になるから、なくしたりしないようにな」
 「わかりました」
 まぁ私は知っているのでその説明は不要ですが、ことを荒立てないようにするために相づちだけにしておきましょう。
 「それと冒険者ギルドはこのまままっすぐ進んで、二つ目の十字路を過ぎたところの左手にあるからな。迷うなよ」
 「わかりました。色々とありがとうございました」
 「おうっ! 気をつけてな!」
 セラは軽く会釈をすると冒険者ギルドに向かって歩き出した。
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