高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。
人生ゲームは何が起きるのかわからない!
 「陰口ですか? 誰がそんなことを・・・・・・」
 「それはそれで仕方のないことだと俺は思うぞ」
 「コウヤくんは、どうしてそう思うの?」
 「理由はいくつかあるけど、その1つがさっき話していた彼女の出生で、もう1つは話のネタになるからと、俺は思っている」
 「「話のネタ?」」
 首を傾げているリタとセリアに対して、続けて説明をする。
 「友人や知人の話をする為に、何かしらの話のネタを振らなきゃいけない。難しい話を振ると、振られた相手は気まずいと思うだろう?
 だから 何々に付いてどう思う? って言い方をすれば、相手の反応次第で違う話に振ることが出来るし、喰い付いて来たらその話をすればいいと言うことになる」
 そう、これがお喋りな人の技の1つ。
 「なるほど、そう考えると短かにいて誰の目にも留まり、更に誰もが知っている私が適任って訳だな」
 「そう言うことです。だから話題を振られた相手も聞いて来た相手に話を合わせようとするので、ドンドン話がエスカレートして行って・・・・・・」
 「最終的に悪口になるってことだね!」
 「まぁなりやすいって言った方が当たりかもしれない」
 結果的にそうなる人もいれば、なる人もいるのでどっちとも言えないので、このネタ振りは当てにはなりない。
 でもその中の悪い方向へ行く人達の声を聞いてしまっている状態が今のイレイラ王女様なのだと俺は思う。
「一応聞くけど、アナタの周りで悪口ばかり言われているの?」
 「そんなことはありません。生徒会のメンバー達は私に感謝をしているといつも言っています」
 「そう。なら洸夜の言う通りだと私は思うわ。その悪口の言う人の言葉を聞いてしまうのを、止める様にしたら?」
 「・・・・・・」
 イレイラ王女様は自分の中で何か葛藤しているのか、目線を下に向けている。
 「まぁ、今すぐにそうしなさいって話じゃないから、そんな悩ましい顔をしなくてもいいわよ」
 母さんはそう言うと、台所の方へ戻って行った。
 おっと。そう言えば重要なことを忘れていた。
 「と言う訳だから、イレイラ王女様をここで預かっているんだ。このことは他言無用で・・・・・・ルノア?」
 ルノアは緊張している様子なのか、目を点にさせていた。そのようすを見ていたリタが、確かめるように指でツンツンと突いた。
 「緊張し過ぎで気絶しているみたい」
 「これは連れて来るべきじゃなかったか?」
 「ううん。ルノアも社交会に出る歳だから、これぐらいで気絶するのはね」
 セリアはそう言うと、ルノアの太ももを指で抓った。
 「いたぁあああいっ!?」
 抓られたルノアの方は驚いた顔をさせながら飛び上がった。
 「あ、意識が戻った」
 「ハッ!? ここは! そうだ。私はコウヤの家に遊びに来ていて、それで目の前にいる筈のない・・・・・・」
 イレイラ王女様を見つめた瞬間、また固まってしまったルノア。イレイラ王女様も流石にこの状況に困ったのか、手を上げて挨拶をする。
 「ルノア、いい加減イレイラを見て固まるのを止めてよ。見ているこっちが飽きて来たからさぁ」
 いや、飽きるとか飽きないとか言う話じゃないだろ。
 「ルノアもいい加減現実逃避をするのを止めろ」
 「げ、げげげっ! 現実なんだぁ!?」
 ルノアはそう言うと、セリアの後ろに隠れてしまった。
 「うわぁ!? 何でこんなところにイレイラ王女様がいるの?」
 「さっき説明したと思うが、ここで匿っているんだよ」
 「匿ってるぅ!? コウヤの家で?」
 だからそう言っているじゃなか。
 「まぁ考えてみれば向こうの世界で隠れるよりも、コウヤの世界にいた方が命を狙われるリスクはないか。でも、何時までもここにはいられないから、どうするべきかよねぇ」
 どうやらルノア自身もイレイラ王女様の身を案じているのか、考える仕草を見せる。
 「一連のゴタゴタが収まったら、向こうの世界に帰るつもりだ。しかしキミは本当にあがり症だなぁ」
 「あ、はい。しゅみましぇん」
 シュンとしているルノアを放っておいて、俺はイレイラ王女様に話をする。
 「ところで、今日はどうしていらしたんですか?」
 「ああ、午前中は学園の教科書を見ながら勉強をしていて、午後からはサエさんの家事を手伝っていた」
 「イレイラちゃんに買い物袋を持ってくれたから助かったよぉ。後はお風呂の掃除もしてくれたからね」
 あらまぁ。そんなこともしてくれていたのか。
 「ついさっきまで洗濯物を畳んでいてね。洗濯物の中にあった・・・・・・」
 「うわぁ! サエさん、それ以上言ってはダメです!」
 「そう? イレイラちゃんのようすが面白いかったのになぁ」
 面白かったって、一体何があったんだ?
 「と、とにかく! 色々やった! うん!」
 何か無理くりな気もしなくはないが、触れない方が身の為だと思ったので話を流すことにする。
 「ここで話すのもなんだから、何かして遊びますか?」
 「それはいいな。そう言えばコウヤが前に買ったとか言う人生ゲームをやるのはどうだろうか?
 マージャンの方はどうもルールが複雑過ぎて覚えきれないんだ」
 ああ、俺の部屋に眠っているあれねぇ。
 「いいんじゃないですか。こっちに持って来ますよ」
 そう言うと部屋に一旦戻り、押し入れから人生ゲームを取り出して来た。
 「何これ?」
 「人生ゲーム。リタとセリアで楽しんだ双六の進化版だと思ってくれ」
 「あのスゴロクの?」
 「ああ、双六と違うところはお金や仕事が入っているところで、進める歩数も1〜10まである。後、借金制度もある」
 「ホントッ!? 面白そう!」
 リタの方はやる気なったらしく、早く開けて欲しそうに俺の周りを飛び回る。
 「う〜む。何だかわからないが、遊びならやってみようか」
 「あ、あああアタシもやる」
 「うん。みんなやるなら私も遊ぼう」
 こうして5人で人生ゲームをやることになったので、簡単なルール説明をした後に始めた。
 序盤の頃はみんな持ち金を持っていてよかったのだが、ゲーム中盤になると雲泥の差というか、格差というか・・・・・・スゴイことになってしまっていた。
 「やったぁ! 給料日で借金がチャラになったぁ!」
 ゲームの途中で借金を作ってしまったリタだったが、仕事はちゃんとあったので給料日で返せて万々歳。
 「コウヤくんとの子・・・・・・コウヤくんとの子・・・・・・」
 家族持ちになったセリアは、旦那を迎えて1人子供が出来た。しかし、何でちっっちゃい棒が俺との子になっているんだ?
 「ムムムッ!? リタ殿に先を越されてしまった」
 そう、イレイラ王女もリタと同じで借金を持っているので、ちょっと恨めかしそうにリタを見つめている。
 「フッフッフッ! このまま行けばアタシが1位になれるわ!」
 一方ルノアの方は絶好調の状態なので、有り余るぐらいにお金を持っているのだ。
 「う〜ん。何とか追い付きたいなぁ」
 俺の方はと言うと2位の位置いて、お金の方もセリア少し勝っているぐらいなので、この状況をどうにかしたいと思っている。って言うか、さっきの緊張した姿は何処に行ったんだよ、お前。
 「ムフフ。このアタシに追い付けると思っているの?」
 「ゲームの中盤だから、この先どうなるのかわからないぞ」
 「ふっふ〜ん。それはどうかしらねぇ」
 そう言ってからルーレットを回した。
 「8! いち、にー、さん、よん、ごー、ろく、なな、はち! ん? 何かヤバそうなマスに止まった感じに見えるけど、何て書いてあるの?」
 「えっとぉ。謎のブラックホールに巻き込まれた! 絶望のループゾーンへワープへと行く」
 「えっ!? 何それ! もしかして隣にあるこの暗いマスのこと?」
 「ああ、そうだ。そこを出るには脱出マスを踏まなきゃいけないらしい」
 「ええ〜っ!? 振り直し出来ない?」
 ルノアが上目遣いで言って来る。
 「残念だけどルールなので、従って下さい」
 「そんなああああああああああああっ!?」
 この後、ルノアは絶望を見たのであった。
 「それはそれで仕方のないことだと俺は思うぞ」
 「コウヤくんは、どうしてそう思うの?」
 「理由はいくつかあるけど、その1つがさっき話していた彼女の出生で、もう1つは話のネタになるからと、俺は思っている」
 「「話のネタ?」」
 首を傾げているリタとセリアに対して、続けて説明をする。
 「友人や知人の話をする為に、何かしらの話のネタを振らなきゃいけない。難しい話を振ると、振られた相手は気まずいと思うだろう?
 だから 何々に付いてどう思う? って言い方をすれば、相手の反応次第で違う話に振ることが出来るし、喰い付いて来たらその話をすればいいと言うことになる」
 そう、これがお喋りな人の技の1つ。
 「なるほど、そう考えると短かにいて誰の目にも留まり、更に誰もが知っている私が適任って訳だな」
 「そう言うことです。だから話題を振られた相手も聞いて来た相手に話を合わせようとするので、ドンドン話がエスカレートして行って・・・・・・」
 「最終的に悪口になるってことだね!」
 「まぁなりやすいって言った方が当たりかもしれない」
 結果的にそうなる人もいれば、なる人もいるのでどっちとも言えないので、このネタ振りは当てにはなりない。
 でもその中の悪い方向へ行く人達の声を聞いてしまっている状態が今のイレイラ王女様なのだと俺は思う。
「一応聞くけど、アナタの周りで悪口ばかり言われているの?」
 「そんなことはありません。生徒会のメンバー達は私に感謝をしているといつも言っています」
 「そう。なら洸夜の言う通りだと私は思うわ。その悪口の言う人の言葉を聞いてしまうのを、止める様にしたら?」
 「・・・・・・」
 イレイラ王女様は自分の中で何か葛藤しているのか、目線を下に向けている。
 「まぁ、今すぐにそうしなさいって話じゃないから、そんな悩ましい顔をしなくてもいいわよ」
 母さんはそう言うと、台所の方へ戻って行った。
 おっと。そう言えば重要なことを忘れていた。
 「と言う訳だから、イレイラ王女様をここで預かっているんだ。このことは他言無用で・・・・・・ルノア?」
 ルノアは緊張している様子なのか、目を点にさせていた。そのようすを見ていたリタが、確かめるように指でツンツンと突いた。
 「緊張し過ぎで気絶しているみたい」
 「これは連れて来るべきじゃなかったか?」
 「ううん。ルノアも社交会に出る歳だから、これぐらいで気絶するのはね」
 セリアはそう言うと、ルノアの太ももを指で抓った。
 「いたぁあああいっ!?」
 抓られたルノアの方は驚いた顔をさせながら飛び上がった。
 「あ、意識が戻った」
 「ハッ!? ここは! そうだ。私はコウヤの家に遊びに来ていて、それで目の前にいる筈のない・・・・・・」
 イレイラ王女様を見つめた瞬間、また固まってしまったルノア。イレイラ王女様も流石にこの状況に困ったのか、手を上げて挨拶をする。
 「ルノア、いい加減イレイラを見て固まるのを止めてよ。見ているこっちが飽きて来たからさぁ」
 いや、飽きるとか飽きないとか言う話じゃないだろ。
 「ルノアもいい加減現実逃避をするのを止めろ」
 「げ、げげげっ! 現実なんだぁ!?」
 ルノアはそう言うと、セリアの後ろに隠れてしまった。
 「うわぁ!? 何でこんなところにイレイラ王女様がいるの?」
 「さっき説明したと思うが、ここで匿っているんだよ」
 「匿ってるぅ!? コウヤの家で?」
 だからそう言っているじゃなか。
 「まぁ考えてみれば向こうの世界で隠れるよりも、コウヤの世界にいた方が命を狙われるリスクはないか。でも、何時までもここにはいられないから、どうするべきかよねぇ」
 どうやらルノア自身もイレイラ王女様の身を案じているのか、考える仕草を見せる。
 「一連のゴタゴタが収まったら、向こうの世界に帰るつもりだ。しかしキミは本当にあがり症だなぁ」
 「あ、はい。しゅみましぇん」
 シュンとしているルノアを放っておいて、俺はイレイラ王女様に話をする。
 「ところで、今日はどうしていらしたんですか?」
 「ああ、午前中は学園の教科書を見ながら勉強をしていて、午後からはサエさんの家事を手伝っていた」
 「イレイラちゃんに買い物袋を持ってくれたから助かったよぉ。後はお風呂の掃除もしてくれたからね」
 あらまぁ。そんなこともしてくれていたのか。
 「ついさっきまで洗濯物を畳んでいてね。洗濯物の中にあった・・・・・・」
 「うわぁ! サエさん、それ以上言ってはダメです!」
 「そう? イレイラちゃんのようすが面白いかったのになぁ」
 面白かったって、一体何があったんだ?
 「と、とにかく! 色々やった! うん!」
 何か無理くりな気もしなくはないが、触れない方が身の為だと思ったので話を流すことにする。
 「ここで話すのもなんだから、何かして遊びますか?」
 「それはいいな。そう言えばコウヤが前に買ったとか言う人生ゲームをやるのはどうだろうか?
 マージャンの方はどうもルールが複雑過ぎて覚えきれないんだ」
 ああ、俺の部屋に眠っているあれねぇ。
 「いいんじゃないですか。こっちに持って来ますよ」
 そう言うと部屋に一旦戻り、押し入れから人生ゲームを取り出して来た。
 「何これ?」
 「人生ゲーム。リタとセリアで楽しんだ双六の進化版だと思ってくれ」
 「あのスゴロクの?」
 「ああ、双六と違うところはお金や仕事が入っているところで、進める歩数も1〜10まである。後、借金制度もある」
 「ホントッ!? 面白そう!」
 リタの方はやる気なったらしく、早く開けて欲しそうに俺の周りを飛び回る。
 「う〜む。何だかわからないが、遊びならやってみようか」
 「あ、あああアタシもやる」
 「うん。みんなやるなら私も遊ぼう」
 こうして5人で人生ゲームをやることになったので、簡単なルール説明をした後に始めた。
 序盤の頃はみんな持ち金を持っていてよかったのだが、ゲーム中盤になると雲泥の差というか、格差というか・・・・・・スゴイことになってしまっていた。
 「やったぁ! 給料日で借金がチャラになったぁ!」
 ゲームの途中で借金を作ってしまったリタだったが、仕事はちゃんとあったので給料日で返せて万々歳。
 「コウヤくんとの子・・・・・・コウヤくんとの子・・・・・・」
 家族持ちになったセリアは、旦那を迎えて1人子供が出来た。しかし、何でちっっちゃい棒が俺との子になっているんだ?
 「ムムムッ!? リタ殿に先を越されてしまった」
 そう、イレイラ王女もリタと同じで借金を持っているので、ちょっと恨めかしそうにリタを見つめている。
 「フッフッフッ! このまま行けばアタシが1位になれるわ!」
 一方ルノアの方は絶好調の状態なので、有り余るぐらいにお金を持っているのだ。
 「う〜ん。何とか追い付きたいなぁ」
 俺の方はと言うと2位の位置いて、お金の方もセリア少し勝っているぐらいなので、この状況をどうにかしたいと思っている。って言うか、さっきの緊張した姿は何処に行ったんだよ、お前。
 「ムフフ。このアタシに追い付けると思っているの?」
 「ゲームの中盤だから、この先どうなるのかわからないぞ」
 「ふっふ〜ん。それはどうかしらねぇ」
 そう言ってからルーレットを回した。
 「8! いち、にー、さん、よん、ごー、ろく、なな、はち! ん? 何かヤバそうなマスに止まった感じに見えるけど、何て書いてあるの?」
 「えっとぉ。謎のブラックホールに巻き込まれた! 絶望のループゾーンへワープへと行く」
 「えっ!? 何それ! もしかして隣にあるこの暗いマスのこと?」
 「ああ、そうだ。そこを出るには脱出マスを踏まなきゃいけないらしい」
 「ええ〜っ!? 振り直し出来ない?」
 ルノアが上目遣いで言って来る。
 「残念だけどルールなので、従って下さい」
 「そんなああああああああああああっ!?」
 この後、ルノアは絶望を見たのであった。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
4112
-
-
1168
-
-
440
-
-
35
-
-
4
-
-
4405
-
-
23252
-
-
149
-
-
124
コメント