高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。
父の帰宅! そして無乃の行き先は?
 夕飯を食べ終えたので、ジャージに着替えて外へと出る。
 「何処に行くつもりなんだ?」
 「何処って、日課の修行をしに行くだけですが」
 「そ、そうなのか。なら私も一緒に付いて行こうかな?」
 う〜ん、正直言って俺のペースに付いて行けるどうか怪しいところがあると思うし、何かあったときに責任が取れないからなぁ・・・・・・。
 「イッ、イレイラ様が行くのでしたら、私も付き添います!」
 「イヤイヤイヤ、セリアは行っちゃダメでしょ」
 「そうそう、聞くところによるとキミは筋肉痛なんだって?」
 うん、まさしくその通りだから、しばらく安静にして貰いたい。
 「大丈夫ですよ! このくらいでしたら問題ありません!」
 その場でピョンピョンと飛んでアピールをしたのだが、段々遅くなって行き、最後には床にへたり込んでしまった。
 「無理をするからそうなるんだよ」
 「全く、家で大人しくしてるんだぞ」
 それと湿布の方も用意しておこうか。ある程度はそれで緩和出来る筈だからな。
 「う、うん・・・・・・わかったよ、コウヤくん」
 「それと、今回は付いて来るのは無しということでいいですか?」
 「そうだよ。付いて行ったらコウヤが困っちゃうよ」
 「う、うむ。わかった。セリアの面倒を見ることにする」
 よかった。聞き分けがいい人で。
 「それじゃあ行って来ます!」
 「気を付けてねぇ〜!」
 3人に見送られながら、いつもの修行場へと走って向かい修行に励む。
 今日は色々あったなぁ〜。そんなことを思いながら鍛えていると、見知った顔が俺の元にやって来た。
 「また来たのか」
 そう、俺の親友の真吾だ。
 「ああ」
 「俺に会いに来たってことは、無蔵の情報を手に入れたのか?」
 「無蔵の情報は手に入れられなかったが、無乃についての情報を手に入れることが出来たんだ」
 「無乃について?」
 893に拉致られたのは夢で見たからわかるんだが、そう言ったら問題になりそうだから黙っていよう。
 「無乃は孤児院から出た後に、駅周辺で人に絡んだ。ヤツのことだから、喧嘩を吹っ掛けて財布を取ろうとしたんだろう」
 うん、知っている。
 「しかし、絡んだ相手が悪かった。地元のヤクザに連れ去られてしまった」
 ・・・・・・うん、それも知っている。
 「・・・・・・ん? 驚くと思ってたが、意外と冷静だな」
 「あ、ああ。驚きを通り越しているだけだから、気にしないでくれ」
 「そうかぁ。まぁアイツが破天荒な状況に陥っていて、付いていけないのはわかる。
 そうそう、アイツが連れ去られた場所はまだ特定出来ていないが、最後に目撃された場所なら特定出来たぞ」
 「そこは何処なんだ?」
 「四国のパーキングエリア。恐らくだが、そこで休憩をしていたんだろうな」
 「四国のパーキングエリアって、一体無乃は何処に向かっているんだよ?」
 「まぁ情報を手に入れ次第、お前に伝える」
 「わかった。色々教えてくれてありがとうな、真吾」
 「なに、これぐらい気にしないでくれ」
 そう言うと手を振り去って行ったので、俺も家に帰ることにした。
 「・・・・・・ん? 雲行きが怪しくなって来たな」
 空を見上げてみると、雨雲らしき雲が遠くに見える。
 「この分だと夜には雨が降りそうだから、母さんに言っておくか」
 そう言うと、走るペースを上げて家へと向かう。そしたらちょうど家の前まで帰って来た父さんと鉢合わせした。
 「お帰り、父さん」
 「・・・・・・」
 相変わらず声が小さいので聞き取れないが、多分 ただいま。 か、 洸夜もお帰り。 と言っているんだと思う。
 「母さんから聞いていると思うけど、ホームステイしている子が家にいるんだけど、父さんは大丈夫? 他の人が家にいても」
 そう聞いたら 全然平気だよ。 と言いたいのか、首を縦に振った。
 「そう、ここで立ち話も何だから、家に入ろうか」
 父さんはコクリッと頷くとドアの前に行き、開いて家の中へと入った。なので俺も続くようにして家へと入る。
 「ただ今、母さん」
 「お帰り洸夜! 英治さんもお仕事お疲れ様!」
 母さんはそう言うと、父さんの鞄を持った。
 「お帰り! コウヤのパパ!」
 「あの、お邪魔しています」
 2人の言葉に答えるように、父さんは手を振った。
 「貴殿がコウヤの父上か?」
 父さんはイレイラ王女の問いに頷いた。
 「私の名は イレイラ・ミッド・サリアス 第3王女。以後よろしく」
 「・・・・・・」
 「ここまで無言無表情を貫き通すとは・・・・・・コウヤの父上はスゴイ方なんだな。何を考えているのか、わからない」
 「いや、違うんです」
 「何が違うんだ?」
 疑問に思っているイレイラ王女様を横目に、母さんがメガホンを渡した。
 『初めまして、海山 英治 と申します』
 その言葉を聞いたイレイラ王女様は、驚いたのか身体をビクつかせた。
 『キミのことはゼウス様から聞いているよ。私達の家でゆっくりしていってくれ』
 「・・・・・・え?」
 何で話せるようになったんだ? と言いたそうな顔で俺を見つめて来る。
 「俺の父親は声が小さいんです」
 「声が・・・・・・小さい?」
 「はい。コウヤくんの父親は人に聞き取れないぐらいの声なので、あのメガホンという道具を使わないと聞こえるまでにならないんです」
 イレイラ王女は信じられないような顔で父さんに顔を向けると、コクリと頷いた。
 『声が小さくてゴメンね』
 「い、いや・・・・・・私は気にしていませんから」
 「ルノアもそんな感じの反応だったねぇ〜」
 いや、アイツの場合はズッコケていたぞ。
 『話も終わったことだし、リビングに行こう。僕お腹が減ったんだ』
 「今日はカレーを作ったからね」
 『そうなんだ。楽しみだなぁ〜』
 母さんは父さんの手を取り、リビングへ行こうと促す。そんなに自分の料理を食べさせたいんかい!
 「俺は風呂に入ってもいいか?」
 「ああ、うん。お風呂沸いている筈だから入っても問題ないよ」
 「ならお言葉に甘えて先に入らせて貰う。あ! そうそう。何か雨が降りそうなんだけど、洗濯もんとか干してないよな?」
 「日が沈む前に取り込んだから、心配いらないわよぉ!」
 うん、心配はいらなかったみたいだ。
 そう思いながら風呂場へと向かうのだが、洸夜はセリアが顔を赤らめているのに気付いていなかったのだ。
 「あ〜、風呂に汗を洗い流すのは気持ちいいなぁ」
 シャワーを頭からかぶりながら、下を向いた。
 無乃がヤクザに捕まったのは知っていたが、何で四国の方へ連れ去られたんだ?
 しかも四国のパーキングエリアの監視カメラに映っていたなんて、一体何処に連れて行くつもりなんだ?
 「四国の会社でぇ・・・・・・いやいや、そんなことはないか。あるいは山奥で。って、そんなことをしたら賠償金にならないよな」
 夢の中で払わせる。って言っていたから、殺すようなマネはしない筈だ。
 「・・・・・・考えても仕方ないか」
 何かしらの情報が来る筈だから、待っていた方がいい。
 そう思った後にシャワーを止めて身体を洗う準備に取り掛かったときに、更衣室に繋がるドアが開いた音がした。
 何だ? 母さんが湯加減を聞きに来たのか?
 「コ、コウヤくん、湯加減はどう?」
 あ、セリアが母さんの代わりに来たか。
 「あ〜、ちょっと待ってくれ! 今湯加減をみるから!」
 そう言って風呂釜の中に入っているお湯を掻き混ぜてから、お湯の中に手を入れる。
 「うん、ちょうどいい湯加減だ」
 「そ、そそそそうなんだぁ〜! それはよかったぁ〜〜〜」
 ん? 何か話し方がおかしくないか?
 「セリア、何か緊張していないか?」
 「べ、別に! 全然平気だよ! 私元気だから!」
 いやいや、今のは風邪を引いたときの返事じゃないか?
 そんなことを思っていたら、浴室に通じる扉が開いた音がしたので振り返った。
 「セ、セリア・・・・・・さん?」
 「お、お背中を流します」
 水着姿で顔を赤らめているセリアがそこにいたのであった。
 「何処に行くつもりなんだ?」
 「何処って、日課の修行をしに行くだけですが」
 「そ、そうなのか。なら私も一緒に付いて行こうかな?」
 う〜ん、正直言って俺のペースに付いて行けるどうか怪しいところがあると思うし、何かあったときに責任が取れないからなぁ・・・・・・。
 「イッ、イレイラ様が行くのでしたら、私も付き添います!」
 「イヤイヤイヤ、セリアは行っちゃダメでしょ」
 「そうそう、聞くところによるとキミは筋肉痛なんだって?」
 うん、まさしくその通りだから、しばらく安静にして貰いたい。
 「大丈夫ですよ! このくらいでしたら問題ありません!」
 その場でピョンピョンと飛んでアピールをしたのだが、段々遅くなって行き、最後には床にへたり込んでしまった。
 「無理をするからそうなるんだよ」
 「全く、家で大人しくしてるんだぞ」
 それと湿布の方も用意しておこうか。ある程度はそれで緩和出来る筈だからな。
 「う、うん・・・・・・わかったよ、コウヤくん」
 「それと、今回は付いて来るのは無しということでいいですか?」
 「そうだよ。付いて行ったらコウヤが困っちゃうよ」
 「う、うむ。わかった。セリアの面倒を見ることにする」
 よかった。聞き分けがいい人で。
 「それじゃあ行って来ます!」
 「気を付けてねぇ〜!」
 3人に見送られながら、いつもの修行場へと走って向かい修行に励む。
 今日は色々あったなぁ〜。そんなことを思いながら鍛えていると、見知った顔が俺の元にやって来た。
 「また来たのか」
 そう、俺の親友の真吾だ。
 「ああ」
 「俺に会いに来たってことは、無蔵の情報を手に入れたのか?」
 「無蔵の情報は手に入れられなかったが、無乃についての情報を手に入れることが出来たんだ」
 「無乃について?」
 893に拉致られたのは夢で見たからわかるんだが、そう言ったら問題になりそうだから黙っていよう。
 「無乃は孤児院から出た後に、駅周辺で人に絡んだ。ヤツのことだから、喧嘩を吹っ掛けて財布を取ろうとしたんだろう」
 うん、知っている。
 「しかし、絡んだ相手が悪かった。地元のヤクザに連れ去られてしまった」
 ・・・・・・うん、それも知っている。
 「・・・・・・ん? 驚くと思ってたが、意外と冷静だな」
 「あ、ああ。驚きを通り越しているだけだから、気にしないでくれ」
 「そうかぁ。まぁアイツが破天荒な状況に陥っていて、付いていけないのはわかる。
 そうそう、アイツが連れ去られた場所はまだ特定出来ていないが、最後に目撃された場所なら特定出来たぞ」
 「そこは何処なんだ?」
 「四国のパーキングエリア。恐らくだが、そこで休憩をしていたんだろうな」
 「四国のパーキングエリアって、一体無乃は何処に向かっているんだよ?」
 「まぁ情報を手に入れ次第、お前に伝える」
 「わかった。色々教えてくれてありがとうな、真吾」
 「なに、これぐらい気にしないでくれ」
 そう言うと手を振り去って行ったので、俺も家に帰ることにした。
 「・・・・・・ん? 雲行きが怪しくなって来たな」
 空を見上げてみると、雨雲らしき雲が遠くに見える。
 「この分だと夜には雨が降りそうだから、母さんに言っておくか」
 そう言うと、走るペースを上げて家へと向かう。そしたらちょうど家の前まで帰って来た父さんと鉢合わせした。
 「お帰り、父さん」
 「・・・・・・」
 相変わらず声が小さいので聞き取れないが、多分 ただいま。 か、 洸夜もお帰り。 と言っているんだと思う。
 「母さんから聞いていると思うけど、ホームステイしている子が家にいるんだけど、父さんは大丈夫? 他の人が家にいても」
 そう聞いたら 全然平気だよ。 と言いたいのか、首を縦に振った。
 「そう、ここで立ち話も何だから、家に入ろうか」
 父さんはコクリッと頷くとドアの前に行き、開いて家の中へと入った。なので俺も続くようにして家へと入る。
 「ただ今、母さん」
 「お帰り洸夜! 英治さんもお仕事お疲れ様!」
 母さんはそう言うと、父さんの鞄を持った。
 「お帰り! コウヤのパパ!」
 「あの、お邪魔しています」
 2人の言葉に答えるように、父さんは手を振った。
 「貴殿がコウヤの父上か?」
 父さんはイレイラ王女の問いに頷いた。
 「私の名は イレイラ・ミッド・サリアス 第3王女。以後よろしく」
 「・・・・・・」
 「ここまで無言無表情を貫き通すとは・・・・・・コウヤの父上はスゴイ方なんだな。何を考えているのか、わからない」
 「いや、違うんです」
 「何が違うんだ?」
 疑問に思っているイレイラ王女様を横目に、母さんがメガホンを渡した。
 『初めまして、海山 英治 と申します』
 その言葉を聞いたイレイラ王女様は、驚いたのか身体をビクつかせた。
 『キミのことはゼウス様から聞いているよ。私達の家でゆっくりしていってくれ』
 「・・・・・・え?」
 何で話せるようになったんだ? と言いたそうな顔で俺を見つめて来る。
 「俺の父親は声が小さいんです」
 「声が・・・・・・小さい?」
 「はい。コウヤくんの父親は人に聞き取れないぐらいの声なので、あのメガホンという道具を使わないと聞こえるまでにならないんです」
 イレイラ王女は信じられないような顔で父さんに顔を向けると、コクリと頷いた。
 『声が小さくてゴメンね』
 「い、いや・・・・・・私は気にしていませんから」
 「ルノアもそんな感じの反応だったねぇ〜」
 いや、アイツの場合はズッコケていたぞ。
 『話も終わったことだし、リビングに行こう。僕お腹が減ったんだ』
 「今日はカレーを作ったからね」
 『そうなんだ。楽しみだなぁ〜』
 母さんは父さんの手を取り、リビングへ行こうと促す。そんなに自分の料理を食べさせたいんかい!
 「俺は風呂に入ってもいいか?」
 「ああ、うん。お風呂沸いている筈だから入っても問題ないよ」
 「ならお言葉に甘えて先に入らせて貰う。あ! そうそう。何か雨が降りそうなんだけど、洗濯もんとか干してないよな?」
 「日が沈む前に取り込んだから、心配いらないわよぉ!」
 うん、心配はいらなかったみたいだ。
 そう思いながら風呂場へと向かうのだが、洸夜はセリアが顔を赤らめているのに気付いていなかったのだ。
 「あ〜、風呂に汗を洗い流すのは気持ちいいなぁ」
 シャワーを頭からかぶりながら、下を向いた。
 無乃がヤクザに捕まったのは知っていたが、何で四国の方へ連れ去られたんだ?
 しかも四国のパーキングエリアの監視カメラに映っていたなんて、一体何処に連れて行くつもりなんだ?
 「四国の会社でぇ・・・・・・いやいや、そんなことはないか。あるいは山奥で。って、そんなことをしたら賠償金にならないよな」
 夢の中で払わせる。って言っていたから、殺すようなマネはしない筈だ。
 「・・・・・・考えても仕方ないか」
 何かしらの情報が来る筈だから、待っていた方がいい。
 そう思った後にシャワーを止めて身体を洗う準備に取り掛かったときに、更衣室に繋がるドアが開いた音がした。
 何だ? 母さんが湯加減を聞きに来たのか?
 「コ、コウヤくん、湯加減はどう?」
 あ、セリアが母さんの代わりに来たか。
 「あ〜、ちょっと待ってくれ! 今湯加減をみるから!」
 そう言って風呂釜の中に入っているお湯を掻き混ぜてから、お湯の中に手を入れる。
 「うん、ちょうどいい湯加減だ」
 「そ、そそそそうなんだぁ〜! それはよかったぁ〜〜〜」
 ん? 何か話し方がおかしくないか?
 「セリア、何か緊張していないか?」
 「べ、別に! 全然平気だよ! 私元気だから!」
 いやいや、今のは風邪を引いたときの返事じゃないか?
 そんなことを思っていたら、浴室に通じる扉が開いた音がしたので振り返った。
 「セ、セリア・・・・・・さん?」
 「お、お背中を流します」
 水着姿で顔を赤らめているセリアがそこにいたのであった。
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