高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。
イレイラ王女の訪問
 セリアの混乱があったが、何とか話が纏まったのでセリアとイレイラ王女。それに説明の為にマーガレットさんが俺の家に行くことになった。
 「それじゃあ、行って来る」
 「イレイラお嬢様、お気を付けて下さい!」
 「我々の方でもお調べをしますので、どうかご無事でいて下さい」
 ご無事でいて下さい。って、向こうで挨拶をしたら荷物を取りにこっち戻って来るんだぞ! そこのところわかっているのか、コイツらは?
 「コウヤさん、向こうの世界へ行きましょう」
 「あ、はい。【転移】」
 転移を使って家に戻って来ると、母さんと姉さん。それにティアラ様達がそこにいた。
 「お帰りコウヤ」
 「ホント、アンタは何で面倒なことに巻き込まれるのかしらね?」
 「あ、姉さん。帰って来ていたんだ」
 「まぁね。実家に帰って来ていたら、洸夜がお姫様を助けたって聞いてビックリよ。それよりも靴」
 「あ、ああ! そうだった。皆さん、靴を脱いで下さい」
 イレイラ王女以外が気が付いた顔をして、靴を脱ぎ始めた。
 「どうして靴を脱ぐんだ?」
 「この国の常識なので、従って下さい」
 「常識か。わかった、従おう」
 そう返事をすると、ローファーを脱いだ。
 「さて、ここでお話しをするのもなんだから、リビングに行きましょうか」
 「そうですねぇ〜」
 「お茶菓子も用意しておかないとのぉ〜」
 緊急事態なのに、呑気な人達だなぁ。いや、むしろこっちの世界にいて安全だから、呑気にいられるんじゃないか?
 そんなことを思った後に、玄関に靴を置いてリビングへと向かう。その間、イレイラ王女は興味深そうにキョロキョロと見ていた。
 「さて、話を聞いた上で私はこう言うわ。イレイラ王女様はこれからどうするつもりなのですか?」
 「どうするって・・・・・・」
 「例えば、自分を襲わせた主犯格を探すのか、それともこのまま私達の実家で暮らすの?」
 「それは・・・・・・」
 イレイラ王女は先のことを何も考えてもなかったのか、目を左右に動かして戸惑っている。
 仕方ない。ここは助け舟を出してやるか。
 「姉さん。さっき殺されそうになったばかりなんだから、どうするのか何も決められる訳がないだろう」
 「それもそうね。でもね、これだけは言えるわ。早めに物事を決めた方がいいわよ。じゃないと、どんどん相手の方が優位になっていくわよ」
 姉さんの一言が効いたのか、イレイラ王女は目を逸らしてしまった。
 「さて、話は済んだことだし、アナタのお部屋に案内してあげるわ」
 「私の部屋?」
 「部屋がないと不便でしょ。私達の方で用意したの。付いて来て!」
 母さんはそう言うとイレイラ王女の手を引っ張り、リビングを出ようとするので、俺達も付いて行く。
 「ここがアナタのお部屋よ」
 そう言って案内をしたのは、リビングの隣にある客間だった。
 「必要最低限の物以外は何もないのは仕方がないのじゃが、ご満足出来るかのぉ?」
 「ああ、はい。ベッドと机があれば充分です」
 「そうなの? 何か欲しい物があったら、私達に言ってね」
 「はい」
 今の会話。何か引っ掛かる感じがするな。
 「セリアさんは私の部屋を使っていいからね」
 「えっ!? それは流石に申し訳ないですよ!」
 「私の部屋を使うの嫌なのかしら?」
 「いえ、そう言う話ではなくてですね。コウヤくんのお姉様のお部屋を借りるのはちょっと申し訳ないと言うか、何と言いますかぁ〜・・・・・・」
 姉さんはしどろもどろになっているセリアの耳元に顔を近付けると、何かを言った。
 「ふぇっ!?」
 「そういう形になっちゃうけど、どうする?」
 「わ、私! お姉様のお部屋を借りますっ!!」
 「うんうん、私もセリアなら構わないと思っていたから」
 その後何故かマーガレットさんが姉さんに向かってサムズアップをすると、それに答えるように姉さんもサムズアップをする。
 「一体何を話したんだ。セリア?」
 「べ、別に! コウヤくんは気にしなくていいよ!!」
 いや、何か気になって仕方ないんだが。
 「コウヤ、そろそろ向こうの世界に戻った方がいいんじゃない?」
 「そうか?」
 「そうじゃな。向こうの世界に置いて行った護衛達が心配をしておるからのぉ。戻った方がよさそうじゃわい」
 まぁそうか。人が目の前で消えたんだから、慌てるのも無理はないか。
 「とりあえず詳しい説明は向こうでするから、戻ろうか」
 「そうですね。そう致しましょう」
 とりあえず家族に行って来ますを伝えた後に、全員靴を持ってセリアの実家へ戻って来た。
 「イレイラ王女様ぁ!」
 「ご無事で何よりです!」
 2人の護衛が心配した顔でイレイラ王女に近づく。
 「心配を掛けてすまない。この通り私は無事だから」
 「それで、先程の話しの続きをしたいのですが、お掛けになって頂けますか?」
 「ああ、わかった。あの光景を見て、私自身もキミのことが気になったからね」
 イレイラ王女が座った後、俺が異世界の住人であることや、どうしてこの世界で魔法学園に通うこととなったのかを話した。
 「アナタに、そのようなことがあったとは・・・・・・」
 「酷い話ですね。その方達は一体どうされているのですか?」
 「1人は収容所でお勤めしていて、もう1人は無職で借金地獄に逆戻り。校長の息子は関わっちゃいけない人達に、いいように使われているかもしれない。まぁ何をしているのかは、想像もしたくもないけど」
 とは言ったものの、無乃がワァンワァンと情けなく泣いている姿が目に浮かんでしまう。
 「確かに、キミが酷い目に遭って可哀想と思う。しかし、その主犯格の校長は今どうしているんだ?」
 「国外に逃亡した後に、お金を全部持って行かれたよ」
 リタの言葉に驚いた表情を見せるイレイラ王女様達。
 そう、中国に渡った無蔵は有り金を全て盗まれてしまった。そこから何をしているのか不明だし、盗んだ相手も知らない。
 「まぁ、お金がなければコウヤさんに何も出来ないでしょうし、そうなってしまったのも自業自得なので気にすることはありませんよ」
 マーガレットはそう言うと、紅茶を一口飲んだ。
 「ほんほ、ほうへふほへぇ〜」
 「ティアラ様、口に入っている食べ物を飲み込んでから話して下さい」
 何を言っているのか、わからないからさぁ。
 「とにかく、コウヤ殿のご自宅に住むのじゃから、粗相のないようにのぉ」
 「重々承知しております」
 とりあえず話は纏まったな。
 「このことをどう言う風に陛下に伝えればいいんだろう?」
 私、異世界に身を隠すことにしました! 何てことをいきなり言い出したら、 何を言っているんだぁ。コイツは? てなことを言われるのが目に見えている。
 「そのことに関してでしたら、私の方で手を打っているのでご安心下さい」
 「手を打っている?」
 「そうです・・・・・・ちょうど帰って来たようですね」
 ちょうど帰って来たぁ? と疑問に思っていると、何と客室にマルコシスさんが部屋に入って来たのだ。
 「イレイラ王女様、失礼致します」
 「お父様! どうしてここに?」
 「そのことを含めて説明すると、私が陛下の元へ行き、我がオルコス家ゆかりの地でイレイラ王女様を匿うと話したのだ」
 イレイラ王女様をオルコス家の・・・・・・あっ!
 「なるほど。そう説明することによって相手の目を欺けるってことですね」
 「その通りだコウヤ殿。イレイラ王女の命を狙う者達はそちらを中心に探し回るだろう」
 「その間に犯人探しと証拠集めをする手筈です。しかし、今回はスピードが命だから、わかってますよね?」
 「ああ、早めに解決をしないと怪しまれるのはわかっている」
 そうだよな。いつまでも俺の実家に置いていたら、陛下だって不審に思うだろうな。
 「それはそうとセリア」
 「はい、何でしょうかお父様?」
 「イレイラ王女様に取られないよう、しっかりしているんだぞ」
 「ッ!?」
 セリアが顔を真っ赤にさせるのと同時に、隣にいたマーガレットさんが持っていた扇子でマルコシスさんの頭を叩いたのであった・・・・・・何故?
 「それじゃあ、行って来る」
 「イレイラお嬢様、お気を付けて下さい!」
 「我々の方でもお調べをしますので、どうかご無事でいて下さい」
 ご無事でいて下さい。って、向こうで挨拶をしたら荷物を取りにこっち戻って来るんだぞ! そこのところわかっているのか、コイツらは?
 「コウヤさん、向こうの世界へ行きましょう」
 「あ、はい。【転移】」
 転移を使って家に戻って来ると、母さんと姉さん。それにティアラ様達がそこにいた。
 「お帰りコウヤ」
 「ホント、アンタは何で面倒なことに巻き込まれるのかしらね?」
 「あ、姉さん。帰って来ていたんだ」
 「まぁね。実家に帰って来ていたら、洸夜がお姫様を助けたって聞いてビックリよ。それよりも靴」
 「あ、ああ! そうだった。皆さん、靴を脱いで下さい」
 イレイラ王女以外が気が付いた顔をして、靴を脱ぎ始めた。
 「どうして靴を脱ぐんだ?」
 「この国の常識なので、従って下さい」
 「常識か。わかった、従おう」
 そう返事をすると、ローファーを脱いだ。
 「さて、ここでお話しをするのもなんだから、リビングに行きましょうか」
 「そうですねぇ〜」
 「お茶菓子も用意しておかないとのぉ〜」
 緊急事態なのに、呑気な人達だなぁ。いや、むしろこっちの世界にいて安全だから、呑気にいられるんじゃないか?
 そんなことを思った後に、玄関に靴を置いてリビングへと向かう。その間、イレイラ王女は興味深そうにキョロキョロと見ていた。
 「さて、話を聞いた上で私はこう言うわ。イレイラ王女様はこれからどうするつもりなのですか?」
 「どうするって・・・・・・」
 「例えば、自分を襲わせた主犯格を探すのか、それともこのまま私達の実家で暮らすの?」
 「それは・・・・・・」
 イレイラ王女は先のことを何も考えてもなかったのか、目を左右に動かして戸惑っている。
 仕方ない。ここは助け舟を出してやるか。
 「姉さん。さっき殺されそうになったばかりなんだから、どうするのか何も決められる訳がないだろう」
 「それもそうね。でもね、これだけは言えるわ。早めに物事を決めた方がいいわよ。じゃないと、どんどん相手の方が優位になっていくわよ」
 姉さんの一言が効いたのか、イレイラ王女は目を逸らしてしまった。
 「さて、話は済んだことだし、アナタのお部屋に案内してあげるわ」
 「私の部屋?」
 「部屋がないと不便でしょ。私達の方で用意したの。付いて来て!」
 母さんはそう言うとイレイラ王女の手を引っ張り、リビングを出ようとするので、俺達も付いて行く。
 「ここがアナタのお部屋よ」
 そう言って案内をしたのは、リビングの隣にある客間だった。
 「必要最低限の物以外は何もないのは仕方がないのじゃが、ご満足出来るかのぉ?」
 「ああ、はい。ベッドと机があれば充分です」
 「そうなの? 何か欲しい物があったら、私達に言ってね」
 「はい」
 今の会話。何か引っ掛かる感じがするな。
 「セリアさんは私の部屋を使っていいからね」
 「えっ!? それは流石に申し訳ないですよ!」
 「私の部屋を使うの嫌なのかしら?」
 「いえ、そう言う話ではなくてですね。コウヤくんのお姉様のお部屋を借りるのはちょっと申し訳ないと言うか、何と言いますかぁ〜・・・・・・」
 姉さんはしどろもどろになっているセリアの耳元に顔を近付けると、何かを言った。
 「ふぇっ!?」
 「そういう形になっちゃうけど、どうする?」
 「わ、私! お姉様のお部屋を借りますっ!!」
 「うんうん、私もセリアなら構わないと思っていたから」
 その後何故かマーガレットさんが姉さんに向かってサムズアップをすると、それに答えるように姉さんもサムズアップをする。
 「一体何を話したんだ。セリア?」
 「べ、別に! コウヤくんは気にしなくていいよ!!」
 いや、何か気になって仕方ないんだが。
 「コウヤ、そろそろ向こうの世界に戻った方がいいんじゃない?」
 「そうか?」
 「そうじゃな。向こうの世界に置いて行った護衛達が心配をしておるからのぉ。戻った方がよさそうじゃわい」
 まぁそうか。人が目の前で消えたんだから、慌てるのも無理はないか。
 「とりあえず詳しい説明は向こうでするから、戻ろうか」
 「そうですね。そう致しましょう」
 とりあえず家族に行って来ますを伝えた後に、全員靴を持ってセリアの実家へ戻って来た。
 「イレイラ王女様ぁ!」
 「ご無事で何よりです!」
 2人の護衛が心配した顔でイレイラ王女に近づく。
 「心配を掛けてすまない。この通り私は無事だから」
 「それで、先程の話しの続きをしたいのですが、お掛けになって頂けますか?」
 「ああ、わかった。あの光景を見て、私自身もキミのことが気になったからね」
 イレイラ王女が座った後、俺が異世界の住人であることや、どうしてこの世界で魔法学園に通うこととなったのかを話した。
 「アナタに、そのようなことがあったとは・・・・・・」
 「酷い話ですね。その方達は一体どうされているのですか?」
 「1人は収容所でお勤めしていて、もう1人は無職で借金地獄に逆戻り。校長の息子は関わっちゃいけない人達に、いいように使われているかもしれない。まぁ何をしているのかは、想像もしたくもないけど」
 とは言ったものの、無乃がワァンワァンと情けなく泣いている姿が目に浮かんでしまう。
 「確かに、キミが酷い目に遭って可哀想と思う。しかし、その主犯格の校長は今どうしているんだ?」
 「国外に逃亡した後に、お金を全部持って行かれたよ」
 リタの言葉に驚いた表情を見せるイレイラ王女様達。
 そう、中国に渡った無蔵は有り金を全て盗まれてしまった。そこから何をしているのか不明だし、盗んだ相手も知らない。
 「まぁ、お金がなければコウヤさんに何も出来ないでしょうし、そうなってしまったのも自業自得なので気にすることはありませんよ」
 マーガレットはそう言うと、紅茶を一口飲んだ。
 「ほんほ、ほうへふほへぇ〜」
 「ティアラ様、口に入っている食べ物を飲み込んでから話して下さい」
 何を言っているのか、わからないからさぁ。
 「とにかく、コウヤ殿のご自宅に住むのじゃから、粗相のないようにのぉ」
 「重々承知しております」
 とりあえず話は纏まったな。
 「このことをどう言う風に陛下に伝えればいいんだろう?」
 私、異世界に身を隠すことにしました! 何てことをいきなり言い出したら、 何を言っているんだぁ。コイツは? てなことを言われるのが目に見えている。
 「そのことに関してでしたら、私の方で手を打っているのでご安心下さい」
 「手を打っている?」
 「そうです・・・・・・ちょうど帰って来たようですね」
 ちょうど帰って来たぁ? と疑問に思っていると、何と客室にマルコシスさんが部屋に入って来たのだ。
 「イレイラ王女様、失礼致します」
 「お父様! どうしてここに?」
 「そのことを含めて説明すると、私が陛下の元へ行き、我がオルコス家ゆかりの地でイレイラ王女様を匿うと話したのだ」
 イレイラ王女様をオルコス家の・・・・・・あっ!
 「なるほど。そう説明することによって相手の目を欺けるってことですね」
 「その通りだコウヤ殿。イレイラ王女の命を狙う者達はそちらを中心に探し回るだろう」
 「その間に犯人探しと証拠集めをする手筈です。しかし、今回はスピードが命だから、わかってますよね?」
 「ああ、早めに解決をしないと怪しまれるのはわかっている」
 そうだよな。いつまでも俺の実家に置いていたら、陛下だって不審に思うだろうな。
 「それはそうとセリア」
 「はい、何でしょうかお父様?」
 「イレイラ王女様に取られないよう、しっかりしているんだぞ」
 「ッ!?」
 セリアが顔を真っ赤にさせるのと同時に、隣にいたマーガレットさんが持っていた扇子でマルコシスさんの頭を叩いたのであった・・・・・・何故?
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