高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。
新技に名を付けよう
 〜〜〜 アニス side 〜〜〜
 「これで仕事が終わりっと」
 ハァ〜、何で私がこんな面倒なことをしなくちゃいけないんだ。
 アニスは目の前に積み上げられた書類を見つめて、ため息を吐いた。
 何が 強力な魔法を作った者を、ここへ呼んで来い! だ。コウヤくんから魔法を聞き出す気満々だったじゃないか。しかも私が何度も 本人にしか扱えない魔法だから、覚えようにも無理だ。 と言ったのに、それでも呼べって言いやがって。
 「そんなに気になるんだったら、自分から学園に足を運んで来ればいいのにな」
 何で王宮魔道士達は、手っ取り早い答えに行き着かないのだろうか?
 「魔法ばかり考えている馬鹿共だから、あんなことを言っているんだろうな」
 コウヤくんが作った魔力をゼリー状に魔法は、龍騎士団の間で採用されているのに王宮魔道士達は10年、いや20年以上何の結果を出せていないんだぞ。
 アイツら自分達が何て言われているかわかっているのか? ジジィ達のおママごと だぞ。恥ずかしいとか悔しいとかないのか?
 「・・・・・・そう考えると、私はここに就職していてよかったんじゃないか?」
 若い魔道士達が論文を書けば上の連中に否定されて没になり、そこでやって行けず渋々他のところ転職してしまうからな。
 現にコウヤくんの担任をしているルコアもその1人だったからな。
 「あのクソジジィ共がいなくなれば、この国の魔法がもっと発展するのでは?」
 ・・・・・・いや、物騒なことを考えるのは止めておこう。
 「むしろ逆転の発想で、この学園の生徒達がアイツらを超えれば・・・・・・・」
 そうすれば王宮魔道士達の立場が無くなって、辞任に追い込まれる可能性があるな。現にコウヤくんが来てからは、勉強熱心な生徒が増えて来たらしいしな。
 そう思っていると、ドアを叩く音がした。
 「ん? 入っていいぞ」
 「失礼します」
 噂をすれば彼からやって来たか。
 「放課後に私のところに来るとは、何かあっのかい。コウヤくん?」
 「今日はアニス学園長にご相談があってやって来ました」
 「相談?」
 魔法のことか? それとも武術に関してのことか?
 「コウヤがねぇ。アイアンゴーレムを倒した時に使っていた魔法に、名前を付けて欲しいんだって」
 「名前。何でなんだ?」
  「クリスタルブレードに比べると、魔力の消費量どころか威力が別物に感じたので・・・・・・」
 「区別を付けたくて名前を付けるのか」
 なるほど、 確かにあれを使って倒せ。 何て言うのも締まりが悪いな。
 「そうだなぁ〜。この世界の勇者が使っていた剣の名前はエクスカリバーだったから、エクスブレード。いや、あれは完全な剣の形だったからな。
 エクスセイバーと言う名前はどうだ?」
 「エクスセイバーかぁ〜・・・・・・」
 おや? どうやら気に入らないみたいだね。
 「エクスカリバーは俺の世界でも、物語で出て来ましたよ」
 へぇ〜、向こうの世界にもエクスカリバーは存在していたのか。意外だなぁ。
 「その物語りで出て来る剣は普通の長剣だったので、何かしっくり来ない気がするんですよね」
 「ああ、なるほど。それじゃあ仕方ないな」
 しかし、こっちの世界のエクスカリバーは大剣で、コウヤくんが結晶化で作った剣と合う気がするんだがな。
 「勇者が作った剣は長剣の延長線上で作った感じだし、コウヤの方は剣先が2つに割れていたからねぇ〜。違うといえば違うよね」
 ああそっか。確かにコウヤくんが作った剣は、勇者の剣とは全く違う形状だったな。
 「そうすると、全く違う名前を考える必要がありそうだね」
 「そうですね」
 プルセス? イルガナ? どちらも存在している剣だが、彼が作った剣に比べると能力が劣るので何とも言えない。
 それにコウヤくんはコウヤくん自身で考えているようだな。
 「そう言えばあの形状は、神話に出て来た剣の形に似ていたな」
 「神話? どんな神話だい?」
 「ジークフリートと言う男が、悪竜ファヴニールを倒す為に大きな剣を携えて立ち向かい、倒した」
 「ふむふむ」
 よくある話だな。
 「ジークフリートは悪竜の血を浴びて雫を飲んだことによって不老不死になったが、ファヴニールと戦う前に背中に傷を負ってしまったので、万端樹の葉を付けていた部分だけは不死にならなかった。
 暗殺されるときに、その部分を狙われた」
 本物の不死になれなかったのかぁ。
 「ふ〜ん、それでその人が携えていた剣の名前は?」
 「確か名前がぁ〜・・・・・・グで始まっていた気がする」
 覚えてないのか。
 「グラムじゃよ。グラム」
 「うわぁ!? 神様! 一体何時からそこにいたんですか?」
 「ついさっき来たんじゃよ。ティアラ殿と一緒にのぉ」
 「そうですよぉ〜。コウヤさん、面白そうなことを考えてますねぇ〜」
 ティアラ様まで来るとは・・・・・・本当は懺悔をしなければいけないのに、普通な顔をしていられるなんて、私の感覚がおかしくなっているのかもしれないな。
 「北欧神話をモデルに出て来る剣を作るとは、お主も中々やるのぉ〜。お主があの剣を振るっている姿をオーディンに見せてやったら、大喜びしておったわい」
 「どうして喜ぶんですか?」
 「北欧系を再現してくれたからじゃろう。その反面、スサノオくんは残念そうにしておったぞ」
 「何か、申し訳ない気持ちになって来ました」
 ん? オーディン? スサノオ? ま、まぁコウヤくんの世界の神様の名前だろうな。
 「それで、そのオーディンから伝言があるぞい」
 「はぁ、伝言ですか?」
 「グラムとストレートに名前を付けるのも味気がないから、もう1つの名であるバルムンクと言う名前を付けるのはどうかと」
 「バルムンクですか。悪くないですね」
 コウヤくんはその気になっているが、ちょっと待ってくれ!
 「剣に2つ名があるんですか?」
 「あるぞぉ。エクスカリバーならカリバーン、カリブヌスとな」
 「人種や語源の違いで、そうなってしまったみたいですよぉ〜」
 まさか、コウヤくんの世界ではエクスカリバーがそうなっていたとは・・・・・・。
 「それで、コウヤはバルムンクでいいの?」
 「俺はいいと思っている。リタの方はどう思ってる?」
 「私もそれでいいと思うよ。グラムって名前よりもカッコイイ名前だし。アニスはどう思う?」
 おいおい、女神様達がいる前で私に振らないでくれよ。こう見えて心臓バクバクな状態なんだぞ。
 「そ、そうだなぁ〜・・・・・・神様達の仰る通り、いい名前だと思うぞ」
 「じゃあバルムンクで決定ですねぇ〜。でもコウヤくん。わかっていると思いますがぁ〜・・・・・・」
 「決してバルムンクを使うことがないように。って言いたいんですよね?」
 「はい〜、今の状態で使うのは余りにも危険過ぎるので、使うのはもう少し実力を付けてからにして下さいねぇ〜。
 そうすれば今よりも安定して扱えるようになる筈ですからぁ〜」
 「はい」
 あれが安定して扱える? つまりあの剣を何度も振るうってことなのか、何て恐ろしいことを考えているんだ。
 だが面白い。王宮魔道士共は一撃で倒すだけしか考えていなかったが、安定した状態を保ったままなんて考えは、私を含めて考えていなかった。
 「あの強力な魔法が安定して使えるようになるかぁ〜・・・・・・一体何年先になることやら」
 「わかりませんよぉ〜。コウヤくんの魔力は私が出会った当初に比べてかなり上がっていますからねぇ〜」
 「しかし、ワシの力の一部が一向に上がっていないのが丸見えじゃな。まぁ役に立たない能力じゃから、何とも言えぬがのぉ〜」
 まぁ過去で起きた起きたことを、たまに見るだけだからな。あってもなくてもって感じだがな。
 「まぁ、その力で面白いものを見ているようじゃから、持ってて損はないじゃろうな」
 「その通りかもしれませんね」
 その後、面白い可笑しそうな顔で笑い合っていた姿を、アニスは微笑みながら見つめていたのだった。
 「これで仕事が終わりっと」
 ハァ〜、何で私がこんな面倒なことをしなくちゃいけないんだ。
 アニスは目の前に積み上げられた書類を見つめて、ため息を吐いた。
 何が 強力な魔法を作った者を、ここへ呼んで来い! だ。コウヤくんから魔法を聞き出す気満々だったじゃないか。しかも私が何度も 本人にしか扱えない魔法だから、覚えようにも無理だ。 と言ったのに、それでも呼べって言いやがって。
 「そんなに気になるんだったら、自分から学園に足を運んで来ればいいのにな」
 何で王宮魔道士達は、手っ取り早い答えに行き着かないのだろうか?
 「魔法ばかり考えている馬鹿共だから、あんなことを言っているんだろうな」
 コウヤくんが作った魔力をゼリー状に魔法は、龍騎士団の間で採用されているのに王宮魔道士達は10年、いや20年以上何の結果を出せていないんだぞ。
 アイツら自分達が何て言われているかわかっているのか? ジジィ達のおママごと だぞ。恥ずかしいとか悔しいとかないのか?
 「・・・・・・そう考えると、私はここに就職していてよかったんじゃないか?」
 若い魔道士達が論文を書けば上の連中に否定されて没になり、そこでやって行けず渋々他のところ転職してしまうからな。
 現にコウヤくんの担任をしているルコアもその1人だったからな。
 「あのクソジジィ共がいなくなれば、この国の魔法がもっと発展するのでは?」
 ・・・・・・いや、物騒なことを考えるのは止めておこう。
 「むしろ逆転の発想で、この学園の生徒達がアイツらを超えれば・・・・・・・」
 そうすれば王宮魔道士達の立場が無くなって、辞任に追い込まれる可能性があるな。現にコウヤくんが来てからは、勉強熱心な生徒が増えて来たらしいしな。
 そう思っていると、ドアを叩く音がした。
 「ん? 入っていいぞ」
 「失礼します」
 噂をすれば彼からやって来たか。
 「放課後に私のところに来るとは、何かあっのかい。コウヤくん?」
 「今日はアニス学園長にご相談があってやって来ました」
 「相談?」
 魔法のことか? それとも武術に関してのことか?
 「コウヤがねぇ。アイアンゴーレムを倒した時に使っていた魔法に、名前を付けて欲しいんだって」
 「名前。何でなんだ?」
  「クリスタルブレードに比べると、魔力の消費量どころか威力が別物に感じたので・・・・・・」
 「区別を付けたくて名前を付けるのか」
 なるほど、 確かにあれを使って倒せ。 何て言うのも締まりが悪いな。
 「そうだなぁ〜。この世界の勇者が使っていた剣の名前はエクスカリバーだったから、エクスブレード。いや、あれは完全な剣の形だったからな。
 エクスセイバーと言う名前はどうだ?」
 「エクスセイバーかぁ〜・・・・・・」
 おや? どうやら気に入らないみたいだね。
 「エクスカリバーは俺の世界でも、物語で出て来ましたよ」
 へぇ〜、向こうの世界にもエクスカリバーは存在していたのか。意外だなぁ。
 「その物語りで出て来る剣は普通の長剣だったので、何かしっくり来ない気がするんですよね」
 「ああ、なるほど。それじゃあ仕方ないな」
 しかし、こっちの世界のエクスカリバーは大剣で、コウヤくんが結晶化で作った剣と合う気がするんだがな。
 「勇者が作った剣は長剣の延長線上で作った感じだし、コウヤの方は剣先が2つに割れていたからねぇ〜。違うといえば違うよね」
 ああそっか。確かにコウヤくんが作った剣は、勇者の剣とは全く違う形状だったな。
 「そうすると、全く違う名前を考える必要がありそうだね」
 「そうですね」
 プルセス? イルガナ? どちらも存在している剣だが、彼が作った剣に比べると能力が劣るので何とも言えない。
 それにコウヤくんはコウヤくん自身で考えているようだな。
 「そう言えばあの形状は、神話に出て来た剣の形に似ていたな」
 「神話? どんな神話だい?」
 「ジークフリートと言う男が、悪竜ファヴニールを倒す為に大きな剣を携えて立ち向かい、倒した」
 「ふむふむ」
 よくある話だな。
 「ジークフリートは悪竜の血を浴びて雫を飲んだことによって不老不死になったが、ファヴニールと戦う前に背中に傷を負ってしまったので、万端樹の葉を付けていた部分だけは不死にならなかった。
 暗殺されるときに、その部分を狙われた」
 本物の不死になれなかったのかぁ。
 「ふ〜ん、それでその人が携えていた剣の名前は?」
 「確か名前がぁ〜・・・・・・グで始まっていた気がする」
 覚えてないのか。
 「グラムじゃよ。グラム」
 「うわぁ!? 神様! 一体何時からそこにいたんですか?」
 「ついさっき来たんじゃよ。ティアラ殿と一緒にのぉ」
 「そうですよぉ〜。コウヤさん、面白そうなことを考えてますねぇ〜」
 ティアラ様まで来るとは・・・・・・本当は懺悔をしなければいけないのに、普通な顔をしていられるなんて、私の感覚がおかしくなっているのかもしれないな。
 「北欧神話をモデルに出て来る剣を作るとは、お主も中々やるのぉ〜。お主があの剣を振るっている姿をオーディンに見せてやったら、大喜びしておったわい」
 「どうして喜ぶんですか?」
 「北欧系を再現してくれたからじゃろう。その反面、スサノオくんは残念そうにしておったぞ」
 「何か、申し訳ない気持ちになって来ました」
 ん? オーディン? スサノオ? ま、まぁコウヤくんの世界の神様の名前だろうな。
 「それで、そのオーディンから伝言があるぞい」
 「はぁ、伝言ですか?」
 「グラムとストレートに名前を付けるのも味気がないから、もう1つの名であるバルムンクと言う名前を付けるのはどうかと」
 「バルムンクですか。悪くないですね」
 コウヤくんはその気になっているが、ちょっと待ってくれ!
 「剣に2つ名があるんですか?」
 「あるぞぉ。エクスカリバーならカリバーン、カリブヌスとな」
 「人種や語源の違いで、そうなってしまったみたいですよぉ〜」
 まさか、コウヤくんの世界ではエクスカリバーがそうなっていたとは・・・・・・。
 「それで、コウヤはバルムンクでいいの?」
 「俺はいいと思っている。リタの方はどう思ってる?」
 「私もそれでいいと思うよ。グラムって名前よりもカッコイイ名前だし。アニスはどう思う?」
 おいおい、女神様達がいる前で私に振らないでくれよ。こう見えて心臓バクバクな状態なんだぞ。
 「そ、そうだなぁ〜・・・・・・神様達の仰る通り、いい名前だと思うぞ」
 「じゃあバルムンクで決定ですねぇ〜。でもコウヤくん。わかっていると思いますがぁ〜・・・・・・」
 「決してバルムンクを使うことがないように。って言いたいんですよね?」
 「はい〜、今の状態で使うのは余りにも危険過ぎるので、使うのはもう少し実力を付けてからにして下さいねぇ〜。
 そうすれば今よりも安定して扱えるようになる筈ですからぁ〜」
 「はい」
 あれが安定して扱える? つまりあの剣を何度も振るうってことなのか、何て恐ろしいことを考えているんだ。
 だが面白い。王宮魔道士共は一撃で倒すだけしか考えていなかったが、安定した状態を保ったままなんて考えは、私を含めて考えていなかった。
 「あの強力な魔法が安定して使えるようになるかぁ〜・・・・・・一体何年先になることやら」
 「わかりませんよぉ〜。コウヤくんの魔力は私が出会った当初に比べてかなり上がっていますからねぇ〜」
 「しかし、ワシの力の一部が一向に上がっていないのが丸見えじゃな。まぁ役に立たない能力じゃから、何とも言えぬがのぉ〜」
 まぁ過去で起きた起きたことを、たまに見るだけだからな。あってもなくてもって感じだがな。
 「まぁ、その力で面白いものを見ているようじゃから、持ってて損はないじゃろうな」
 「その通りかもしれませんね」
 その後、面白い可笑しそうな顔で笑い合っていた姿を、アニスは微笑みながら見つめていたのだった。
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