高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。
第37話 救出作戦会議
 自宅の方で準備を終えた終えた俺は、色んな物を入れたリュックを背負って転移を唱えた。
 「戻って来ました」
 「お帰りなさい。準備の方は整いましたか? と言うよりもその格好は何ですか?」
 「これですか? これは迷彩服って言って草や木に擬態しやすいようにした服です」
 ミリタリーベースの上下を着ているのだ。まぁ、父さんの借り物なんだけどな。
 「格好はどうであれ、学園の方へ向かいましょうか」
 「はい」
 今更何だが、この格好をしなくてもよかった気がする。
 「コウヤくん!」
 「ん?」
 「私も、途中までなら付いて行っていいかな?」
 やっぱり、ルノアのことが心配なんだな。
 「それなら別に構わないぞ」
 そう言ったら笑顔を見せるセリア。
 「そんじゃあ、時間もないから向かおう」
 「うん!」
 「ええ」
 こうしてマーガレットさん達と共に、学園へと向かった。
 「ん? この状況は・・・・・・」
 「本当に不味そうな雰囲気だね」
 学園に着くと門の前で騎士団と思わしき人が学園に向かって何かを語り掛けていて、学園2階の窓からフード被った男が顔を出して喚き散らしている。素人の目でもわかるぐらいの膠着状態だ。
 「さて・・・・・・この状況。どうしたものか」
 どう言う状況なのか知る為にリュックから双眼鏡を取り出して窓を見つめる。
 「1階に警備がぁ〜・・・・・・誰かと話しているから3人かな? 2階にはぁ〜・・・・・・2人だけ? 学園を占領したって割には数が少ない気がするなぁ〜」
 それに校庭には警備がいないのが不自然に感じるなぁ。
 「もしかしたら、籠城する覚悟があるのかもしれない」
 「えっとぉ〜・・・・・・私が【透過】の魔法で身を隠して見て来ようか?」
 「その手があったな。学校の裏側を中心に見てくれないか?」
 「了解! 【透過】」
 俺にはリタの姿が半透明に見えるが、マーガレットさんには消えたように見えるのかビックリした表情になった。
 『それじゃあ、行って来ます!』
 「行ってらっしゃい。危なそうって感じたら飛んで帰って来るんだぞ」
 リタは校舎へと飛んで行った。
 「さて、俺は俺で話を進めるか」
 「話?」
 「ああ、ここの責任者に潜入する事を話そうと思って・・・・・・」
 「コウヤ殿ではないかぁ!?」
 オルコシスさんが俺の元へ走ってやって来ると、両肩をバンバン叩いて来る。
 「ど、どうも。オルコシスさん」
 「それにマーガレットにセリア。どうしてここにいるんだ? それにコウヤ殿の格好は一体どういう事だ?」
 「えっとぉ〜。何から話していいのやらぁ〜・・・・・・」
 「コウヤさんは生徒達を助けようと策を練っています」
 「え? そうなのか?」
 「え、ええ」
 正確には俺とルノアと出来る限りの学園の生徒を助けるのが目的だけどな。
 「有り難い! と言いたいのだが、コウヤ殿は騎士でもなければ兵士でもないからなぁ〜・・・・・・参加は認められない」
 「ですよねぇ〜」
 「しかし、策があるようじゃな」
 「まぁ、警戒が薄いところからこっそりと侵入しようと思ってただけです」
 「ッ!? その発想はなかった」
 「え?」
 何を言っているんだ。この人は?
 「イヤ、こうやって交渉をしている間にどう潜入するのかとか、人質は何処にいるのかとかを調べようとする人がいないのですか?」
 「ああ、あそこに集まっている者達は正面突破を考えている連中ばかりだからな」
 「それじゃあ人質が危ないじゃないですか」
 「それも国の為なら仕方のことと割り切るだろう」
 チッ!? これが異文化の常識か。
 「俺の国でそういう考えで突入をすると、確実に非難の対象になりますよ」
 「ムゥ〜・・・・・・やはり、キミと我々の国では軍の水準が桁違いなのだな」
 「考え方が違うだけですよ」
 『お〜い!』
 おっ!? リタがやっと戻って来た!
 「どうだったリタ?」
 「表の方は5人警戒していて、裏の方は無警戒だよ」
 「無警戒? 罠でも張ってあるのか?」
 「私も最初そう思ったけど、そういうの全然なかったよ」
 罠を張っていないかぁ〜・・・・・・。
 「そうするとやっぱり、人質が集まっている場所を中心に警備を固めている感じか」
 ひょっとしたら、大人数ではなく10人以下のメンバーで占領した感じかもしれない。
「もう少し詳しく偵察したいと思うけれども、そんな時間はなさそうな感じだな」
 「え? どういうこと?」
 「リタ、向こうを見てみな」
 「ん?」
 兵士長と騎士団長。それにお偉いさん達が集まって何かを話し合っている。
 「ムゥ、どうやら突入の準備を進めているようだな」
 「貴族の息子や娘とか人質に取られている可能性があるのにですか?」
 つーか、犯人から見えるところでやるなよ。
 「ああ、国の為になるなら犠牲を気にしなくてもいいと考えているのだろう。全く、国王の判断も煽らないで勝手にやるところは、我が国の悪いところだな。止めに入るから少し待っててくれ」
 オルコシスさんはそう言ってお偉いさんの元へ行くと説得を始めたのだが、何故かそのお偉いさん達が俺の方を見つめる。
 「ん? 何か俺、見られてないか?」
 「って言うよりも睨まれているって言った方が正しいんじゃない?」
 「あ、ああ・・・・・・リタの方が正しいかもしれないな」
 オルコシスさんは話が終わったのか、同僚の肩をポンと叩くとこちらに戻って来た。
 「お待たせしてすまない、コウヤ殿。彼らを説得出来た」
 「そ、そうですか。ならよかったです」
 「それで、どうやって潜入するのだ?」
 「う〜ん・・・・・・その前に頼まれてもいいですか?」
 「構わないが、内容にもよるぞ」
 「とにかく嘘でもいいから、彼らと話し続けて注目を正面の方に引き付けて下さい。そうすれば潜入しやすくなるので」
 俺のお願いを聞いてくれれば、潜入しやすくなるんだが・・・・・・ダメか?
 「構わない。出来る限り注意を弾こう」
 よかった。お願いを聞いてくれた。
 「それともう1つ。誰か5人ほど潜入に長けた人を呼んで頂けませんか?」
 「5人か・・・・・・すまないがこの場に潜入に長けたヤツは、2人しかいないんだ」
 「2人でも構いません。リタと俺を含めて4人いれば何とかなる可能性があるので」
 「・・・・・・そうか。ちょっと待っててくれ」
 オルコシスさんはそう言って騎士団の方へ向かったら、男性と女性を連れて来た。
 「コウヤ殿、彼女の名前はルシア。男性の方はユークと言うんだ」
 「コウヤ・ミヤマ です。よろしく」
 「ルシアです。よろしく」
 「ユークです。よろしく」
 「リタだよ。よろしくね」
 お互いに握手を交わした後にオルコシスさんを見つめる。
 「よし。それでは作戦を伝える前に、向こうの家の影に移動しましょうか」
 「ん? ここで伝えないのですか?」
 「ここで話していると、何かを企んでいると悟られてるので見えないところで話した方がよさそうです」
 「・・・・・・わかった。移動しよう」
 オルコシスさん達と共に家の影へと移動するのだが、何故かセリア達も付いて来た。
 「セリア、どうしてここまで付いて来たんだ?」
 「私もルノアが心配だからぁ〜・・・・・・」
 「まぁ、聞くだけなら構わない」
 さっきみたいに行きたいって言ったら、酷いことを言ってでも止めるつもりだけどな。
 「アイツらの注意を充分引いてから、裏から潜入をするのだけれども。2つほど不安要素がある」
 「不安? それは何ですか?」
 「1つ目は学園の裏から潜入するのはいいが、その裏まで行く手段をどうするのか?」
 路上を歩いているところを見られたら、完全にアウトだからな。
 「商人用の馬車に乗れば大丈夫だと思いますよ」
 「じゃあその案で行こうか」
 「2つ目は?」
 「2つ目は、この作戦は迅速かつ静かに行動しないといけない。俺はそれを出来るけど、他の人達は出来るか?」
 作戦に参加するメンバーを見渡したら誰も不安そうな顔をしていない。
 「自分は可能です」
 「私も可能よ」
 「私も出来るわ」
 「それじゃあ、作戦を話そう」
 そう言ってから全員に作戦内容を伝えたのであった。
 「戻って来ました」
 「お帰りなさい。準備の方は整いましたか? と言うよりもその格好は何ですか?」
 「これですか? これは迷彩服って言って草や木に擬態しやすいようにした服です」
 ミリタリーベースの上下を着ているのだ。まぁ、父さんの借り物なんだけどな。
 「格好はどうであれ、学園の方へ向かいましょうか」
 「はい」
 今更何だが、この格好をしなくてもよかった気がする。
 「コウヤくん!」
 「ん?」
 「私も、途中までなら付いて行っていいかな?」
 やっぱり、ルノアのことが心配なんだな。
 「それなら別に構わないぞ」
 そう言ったら笑顔を見せるセリア。
 「そんじゃあ、時間もないから向かおう」
 「うん!」
 「ええ」
 こうしてマーガレットさん達と共に、学園へと向かった。
 「ん? この状況は・・・・・・」
 「本当に不味そうな雰囲気だね」
 学園に着くと門の前で騎士団と思わしき人が学園に向かって何かを語り掛けていて、学園2階の窓からフード被った男が顔を出して喚き散らしている。素人の目でもわかるぐらいの膠着状態だ。
 「さて・・・・・・この状況。どうしたものか」
 どう言う状況なのか知る為にリュックから双眼鏡を取り出して窓を見つめる。
 「1階に警備がぁ〜・・・・・・誰かと話しているから3人かな? 2階にはぁ〜・・・・・・2人だけ? 学園を占領したって割には数が少ない気がするなぁ〜」
 それに校庭には警備がいないのが不自然に感じるなぁ。
 「もしかしたら、籠城する覚悟があるのかもしれない」
 「えっとぉ〜・・・・・・私が【透過】の魔法で身を隠して見て来ようか?」
 「その手があったな。学校の裏側を中心に見てくれないか?」
 「了解! 【透過】」
 俺にはリタの姿が半透明に見えるが、マーガレットさんには消えたように見えるのかビックリした表情になった。
 『それじゃあ、行って来ます!』
 「行ってらっしゃい。危なそうって感じたら飛んで帰って来るんだぞ」
 リタは校舎へと飛んで行った。
 「さて、俺は俺で話を進めるか」
 「話?」
 「ああ、ここの責任者に潜入する事を話そうと思って・・・・・・」
 「コウヤ殿ではないかぁ!?」
 オルコシスさんが俺の元へ走ってやって来ると、両肩をバンバン叩いて来る。
 「ど、どうも。オルコシスさん」
 「それにマーガレットにセリア。どうしてここにいるんだ? それにコウヤ殿の格好は一体どういう事だ?」
 「えっとぉ〜。何から話していいのやらぁ〜・・・・・・」
 「コウヤさんは生徒達を助けようと策を練っています」
 「え? そうなのか?」
 「え、ええ」
 正確には俺とルノアと出来る限りの学園の生徒を助けるのが目的だけどな。
 「有り難い! と言いたいのだが、コウヤ殿は騎士でもなければ兵士でもないからなぁ〜・・・・・・参加は認められない」
 「ですよねぇ〜」
 「しかし、策があるようじゃな」
 「まぁ、警戒が薄いところからこっそりと侵入しようと思ってただけです」
 「ッ!? その発想はなかった」
 「え?」
 何を言っているんだ。この人は?
 「イヤ、こうやって交渉をしている間にどう潜入するのかとか、人質は何処にいるのかとかを調べようとする人がいないのですか?」
 「ああ、あそこに集まっている者達は正面突破を考えている連中ばかりだからな」
 「それじゃあ人質が危ないじゃないですか」
 「それも国の為なら仕方のことと割り切るだろう」
 チッ!? これが異文化の常識か。
 「俺の国でそういう考えで突入をすると、確実に非難の対象になりますよ」
 「ムゥ〜・・・・・・やはり、キミと我々の国では軍の水準が桁違いなのだな」
 「考え方が違うだけですよ」
 『お〜い!』
 おっ!? リタがやっと戻って来た!
 「どうだったリタ?」
 「表の方は5人警戒していて、裏の方は無警戒だよ」
 「無警戒? 罠でも張ってあるのか?」
 「私も最初そう思ったけど、そういうの全然なかったよ」
 罠を張っていないかぁ〜・・・・・・。
 「そうするとやっぱり、人質が集まっている場所を中心に警備を固めている感じか」
 ひょっとしたら、大人数ではなく10人以下のメンバーで占領した感じかもしれない。
「もう少し詳しく偵察したいと思うけれども、そんな時間はなさそうな感じだな」
 「え? どういうこと?」
 「リタ、向こうを見てみな」
 「ん?」
 兵士長と騎士団長。それにお偉いさん達が集まって何かを話し合っている。
 「ムゥ、どうやら突入の準備を進めているようだな」
 「貴族の息子や娘とか人質に取られている可能性があるのにですか?」
 つーか、犯人から見えるところでやるなよ。
 「ああ、国の為になるなら犠牲を気にしなくてもいいと考えているのだろう。全く、国王の判断も煽らないで勝手にやるところは、我が国の悪いところだな。止めに入るから少し待っててくれ」
 オルコシスさんはそう言ってお偉いさんの元へ行くと説得を始めたのだが、何故かそのお偉いさん達が俺の方を見つめる。
 「ん? 何か俺、見られてないか?」
 「って言うよりも睨まれているって言った方が正しいんじゃない?」
 「あ、ああ・・・・・・リタの方が正しいかもしれないな」
 オルコシスさんは話が終わったのか、同僚の肩をポンと叩くとこちらに戻って来た。
 「お待たせしてすまない、コウヤ殿。彼らを説得出来た」
 「そ、そうですか。ならよかったです」
 「それで、どうやって潜入するのだ?」
 「う〜ん・・・・・・その前に頼まれてもいいですか?」
 「構わないが、内容にもよるぞ」
 「とにかく嘘でもいいから、彼らと話し続けて注目を正面の方に引き付けて下さい。そうすれば潜入しやすくなるので」
 俺のお願いを聞いてくれれば、潜入しやすくなるんだが・・・・・・ダメか?
 「構わない。出来る限り注意を弾こう」
 よかった。お願いを聞いてくれた。
 「それともう1つ。誰か5人ほど潜入に長けた人を呼んで頂けませんか?」
 「5人か・・・・・・すまないがこの場に潜入に長けたヤツは、2人しかいないんだ」
 「2人でも構いません。リタと俺を含めて4人いれば何とかなる可能性があるので」
 「・・・・・・そうか。ちょっと待っててくれ」
 オルコシスさんはそう言って騎士団の方へ向かったら、男性と女性を連れて来た。
 「コウヤ殿、彼女の名前はルシア。男性の方はユークと言うんだ」
 「コウヤ・ミヤマ です。よろしく」
 「ルシアです。よろしく」
 「ユークです。よろしく」
 「リタだよ。よろしくね」
 お互いに握手を交わした後にオルコシスさんを見つめる。
 「よし。それでは作戦を伝える前に、向こうの家の影に移動しましょうか」
 「ん? ここで伝えないのですか?」
 「ここで話していると、何かを企んでいると悟られてるので見えないところで話した方がよさそうです」
 「・・・・・・わかった。移動しよう」
 オルコシスさん達と共に家の影へと移動するのだが、何故かセリア達も付いて来た。
 「セリア、どうしてここまで付いて来たんだ?」
 「私もルノアが心配だからぁ〜・・・・・・」
 「まぁ、聞くだけなら構わない」
 さっきみたいに行きたいって言ったら、酷いことを言ってでも止めるつもりだけどな。
 「アイツらの注意を充分引いてから、裏から潜入をするのだけれども。2つほど不安要素がある」
 「不安? それは何ですか?」
 「1つ目は学園の裏から潜入するのはいいが、その裏まで行く手段をどうするのか?」
 路上を歩いているところを見られたら、完全にアウトだからな。
 「商人用の馬車に乗れば大丈夫だと思いますよ」
 「じゃあその案で行こうか」
 「2つ目は?」
 「2つ目は、この作戦は迅速かつ静かに行動しないといけない。俺はそれを出来るけど、他の人達は出来るか?」
 作戦に参加するメンバーを見渡したら誰も不安そうな顔をしていない。
 「自分は可能です」
 「私も可能よ」
 「私も出来るわ」
 「それじゃあ、作戦を話そう」
 そう言ってから全員に作戦内容を伝えたのであった。
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