高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。
第23話 自室へ帰って来た洸夜とヤツの今
 親が帰って来た後にアニス学園長が家を借りたことを話したら、今度の休みの日に家具を揃えるのを手伝ってくれると言ってくれた。
 「しかし、両親が帰って来るとは思いもしなかった」
 「そうだよねぇ。私もビックリしたよぉ!」
 因みに姉さんは俺よりも先に帰って来ることを聞いていたらしく、父さんと母さんが俺にサプライズをしたいから、黙っていて欲しいと言われたそうだ。
 「ところでぇ〜、何でリタは俺の部屋で寝ようとしているんだ?」
 俺が買ってあげたアザラシの人形を机に置いていて、その上に布団を敷いているのだ。
 「実はね。向こうのお家に帰ったら、騎士がいてね。またしつこく勧誘して来たの。余りにもしつこいからこっちに来たんだけどぉ〜・・・・・・迷惑だった?」
 「いや、迷惑じゃないけど、どうして騎士達はお前のことを勧誘するんだ?」
 しつこくリタのことを勧誘していると言うことは、リタが根負けするのを待っているのか?
 「何か聞いている限りじゃ、どうしても戻って来て貰いたいって気がしてならないんだが」
 「う〜〜〜ん。実際問題今の騎士団達は強いと言えば強いけど、私ほど強くないから自信がないんじゃないのかなぁ?」
「騎士団って言うのだから、強いんじゃないのか?」
 「確かに実力者揃いだけれども、私と同じぐらい強い妖精達は旅に出たり人と契約をしているからねぇ〜」
 ああ、なるほど。用はリタの代の騎士達のほとんどが辞めてしまったせいで、残された妖精達は自信をなくしているのかもしれない。
 「私も引退した身で復帰したら、女王様が怒られると思うの」
 「女王様に怒られる?」
 「まぁコウヤには関係ない話だから気にしないで。おやすみぃ〜!」
 彼女はそう言うと布団を被った姿を見て まぁリタが関係ないと言うのだったら、無理に聞くことはないな。 と思った。
 「おやすみリタ」
 俺はリタにそう言ってから明かりを消して布団に潜り込んで眠りに着いた。
 ・・・・・・ん? んん? ここは何処だ? 夢なのはわかるけどぉ〜。
 壁は鉄板が貼られていて、足元は金網。更に俺の目の前には荷物が山積みにされているのだが、1つだけ部屋(?)の片隅に大きな木箱が置かれていた。
 何だ? あれだけ分けられてるような気がしてならない。
 俺が恐る恐る近付いて行くと、その箱がガタッ!? と動いたので思わずビックリして後退りしてしまった。
 中に何か入っているのか?
 そんなことを思っていたら4人の人が俺の脇から近付いて行き、固定されていないのか手で蓋を開けたのだ。
 『もうすぐ着くからその中から出て来い』
 『あ、ああ。わかった!』
 そう言って出て来たのは、何とハゲ校長こと駄爆がバックを大事そうに抱えながら出て来たのだ。後、ヅラがズレているので自分で戻した。
 『それとほら、これに着替えろ』
 男がそう言って繋ぎと靴を渡した。多分これは偽装の為だと思う。
 『わ、わかった』
 駄爆はそう言うと繋ぎを着て靴を履き替えた後に、男達に付いて行くので俺も慌てて追い掛けて行く。
 船? コンテナがあるってことは貨物船なのか。それにしても風景がおかしい。
 そう思いながら、ハゲ校長・・・・・・いや、もう校長ではないので駄爆と言うべきか。
 しばらく経った後に男の後に付いて行くので追い掛けて行くと、船を降りて倉庫の中へと入って行った。その倉庫中では威厳のある風貌のお爺さんが椅子に座っていて駄爆を見つめる。
 『やっと来たか。まぁそこに座れ』
 『あ、ああ。失礼する』
 駄爆もビクビクしながらも、お爺さんとは反対側の椅子に座る。この時点でもうお爺さんが何者なのか、見当が付いた。
 『海の旅はどうだったかな?』
 『え、ええ。いいものでしたよ』
 『そうですかぁ。ダバクさん。アナタ、世間じゃ大変なことになっていますねぇ。このままじゃ日本に帰れないよ』
 『そうですよね。私がやったことが世界中に知れ渡っていますからねぇ。アハハハハ。アナタ方にお頼みしてよかったですよ』
 駄爆は平然を装いながら、国外逃亡の手助けしたお爺さんに話す。
 『いいんですよ。我々からしてみれば煙草を密輸するよりも簡単なお仕事でしたから。それでお金の方をお支払いして貰いましょうか』
 『あ、はい。今取り出しますね』
 駄爆はそう言うとバッグの中からぶ厚い札束を4束テーブルに出したので、見た瞬間思わずビックリしてしまった。
 あれ1束いくらあるんだよっ!?
 そう思っている内にお爺さんの仲間がお金の束を持つと、ペラペラと捲り偽札じゃないか確認していった後にお爺さんに向かって頷いた。
 『おや? 金額が少々足りないようですねぇ?』
 『ええっ!? そんなぁっ!! ちゃんと1束100万円あるのであっている筈ですよ!』
 『ああ〜、ここまでの渡航日は貰いましたよ。しかし食費と宿泊費は貰ってませんねぇ』
 『なっ!? 私に話していなかったじゃないですか』
 『こちらの書面には書いてありましたよ』
 そう言って駄爆に契約内容が書かれた契約書を提示するので、間に入って契約書の内容を確認する。
 日本語書かれているけど最後の文章が中国語で書かれていて読めない。何て書いてあるんだ?
 『この最後の文に宿泊費と食費は別料金を取りますと、ちゃんと書かれていますよぉ』
 『なっ!? お前ら最後の文は気にしなくてもいいと言っていただろうっ!?』
 『払うのが嫌と仰るのでしたら、我々にも考えがありますよ』
 お爺さんがそう言った瞬間、駄爆の周りに人が集まって逃げられないように取り囲んだ。そのようすを見ていた駄爆の顔がみるみる青くなっていく。
 『まぁアナタとっても悪いことではありませんよ。お支払いして頂けるとあれば、こちらのパスポートをお渡ししますよ』
 そう言ってテーブルに出したのは、駄爆の顔写真が付いているパスポートだが名前の欄が 鈴木 優馬 で住所が東京の後がめちゃくちゃな住所が書かれていた。
 あ、これってもしかしたらぁ〜・・・・・・足元を見られている感じだな。
 『・・・・・・わ、わかった。払おう。いくらだ?』
 『その束をもう2つほど頂きます』
 『わ・・・・・・わかった』
 駄爆はそう言った後に札束を2枚テーブルへと置いた。
 『毎度ありがとうございました』
 そう言って偽造パスポートを駄爆に渡したら、お爺さんの部下らしき人が札束をバッグの中へと入れて行く。
 『も、もう行っていいのか?』
 『ええもちろん。ビジネスは終わりましたから、観光するなり永住地を見つけるなり好きにして下さい』
 『お、お世話になりました』
 『いいえ、こちらこそ』
 駄爆は一刻も早くここから逃げ出したいのか、足早に倉庫から出て行ってしまった。
 『ボス、彼を放置していて大丈夫なのですか?』
 『いいんじゃよ。取るもん取れたしなぁ』
 『しかし、あの男は本当に馬鹿ですよね。息子に答えを渡すならともかく、名前の書き替えなんて中国だってやらないだろ』
 『ああ、中国の方がもっとバレにくいことをやっているからのぉ。ひょっとしたら切羽詰まった状況だったから、名前の書き替えをしたんじゃないかのぉ?』
 うん、ボスの言う通りだと思いますよ。
 『アイツ大丈夫なんですかね?』
 『何だ? お前アイツの心配しているのかぁ?』
 『あ、いえ。ボスが思っているような心配はしていません。ただ、アイツは日本で暮していた身ですから、その感覚で中国で暮しているとぉ〜・・・・・・』
 『痛い目に遭うと?』
 『はい』
 ボスは部下の言葉が可笑しかったのか、頬を吊り上げた。
 『まぁ何にしてもヤツはこれから苦労する身になるのだからな。ワシら以外の組織か警察に捕まらないことだけは願おうか』
 『そうですね』
 『さてと、このお金を換金したら今日は豪華な夕食にするぞ』
 『え、いいんですかボスッ!?』
 『ああ、久々に大金が入ったからな。今日はワシの奢りじゃ』
 老人は喜んでいる部下達を引き連れて、倉庫を後にしたところで夢が終わったのだった。
 「しかし、両親が帰って来るとは思いもしなかった」
 「そうだよねぇ。私もビックリしたよぉ!」
 因みに姉さんは俺よりも先に帰って来ることを聞いていたらしく、父さんと母さんが俺にサプライズをしたいから、黙っていて欲しいと言われたそうだ。
 「ところでぇ〜、何でリタは俺の部屋で寝ようとしているんだ?」
 俺が買ってあげたアザラシの人形を机に置いていて、その上に布団を敷いているのだ。
 「実はね。向こうのお家に帰ったら、騎士がいてね。またしつこく勧誘して来たの。余りにもしつこいからこっちに来たんだけどぉ〜・・・・・・迷惑だった?」
 「いや、迷惑じゃないけど、どうして騎士達はお前のことを勧誘するんだ?」
 しつこくリタのことを勧誘していると言うことは、リタが根負けするのを待っているのか?
 「何か聞いている限りじゃ、どうしても戻って来て貰いたいって気がしてならないんだが」
 「う〜〜〜ん。実際問題今の騎士団達は強いと言えば強いけど、私ほど強くないから自信がないんじゃないのかなぁ?」
「騎士団って言うのだから、強いんじゃないのか?」
 「確かに実力者揃いだけれども、私と同じぐらい強い妖精達は旅に出たり人と契約をしているからねぇ〜」
 ああ、なるほど。用はリタの代の騎士達のほとんどが辞めてしまったせいで、残された妖精達は自信をなくしているのかもしれない。
 「私も引退した身で復帰したら、女王様が怒られると思うの」
 「女王様に怒られる?」
 「まぁコウヤには関係ない話だから気にしないで。おやすみぃ〜!」
 彼女はそう言うと布団を被った姿を見て まぁリタが関係ないと言うのだったら、無理に聞くことはないな。 と思った。
 「おやすみリタ」
 俺はリタにそう言ってから明かりを消して布団に潜り込んで眠りに着いた。
 ・・・・・・ん? んん? ここは何処だ? 夢なのはわかるけどぉ〜。
 壁は鉄板が貼られていて、足元は金網。更に俺の目の前には荷物が山積みにされているのだが、1つだけ部屋(?)の片隅に大きな木箱が置かれていた。
 何だ? あれだけ分けられてるような気がしてならない。
 俺が恐る恐る近付いて行くと、その箱がガタッ!? と動いたので思わずビックリして後退りしてしまった。
 中に何か入っているのか?
 そんなことを思っていたら4人の人が俺の脇から近付いて行き、固定されていないのか手で蓋を開けたのだ。
 『もうすぐ着くからその中から出て来い』
 『あ、ああ。わかった!』
 そう言って出て来たのは、何とハゲ校長こと駄爆がバックを大事そうに抱えながら出て来たのだ。後、ヅラがズレているので自分で戻した。
 『それとほら、これに着替えろ』
 男がそう言って繋ぎと靴を渡した。多分これは偽装の為だと思う。
 『わ、わかった』
 駄爆はそう言うと繋ぎを着て靴を履き替えた後に、男達に付いて行くので俺も慌てて追い掛けて行く。
 船? コンテナがあるってことは貨物船なのか。それにしても風景がおかしい。
 そう思いながら、ハゲ校長・・・・・・いや、もう校長ではないので駄爆と言うべきか。
 しばらく経った後に男の後に付いて行くので追い掛けて行くと、船を降りて倉庫の中へと入って行った。その倉庫中では威厳のある風貌のお爺さんが椅子に座っていて駄爆を見つめる。
 『やっと来たか。まぁそこに座れ』
 『あ、ああ。失礼する』
 駄爆もビクビクしながらも、お爺さんとは反対側の椅子に座る。この時点でもうお爺さんが何者なのか、見当が付いた。
 『海の旅はどうだったかな?』
 『え、ええ。いいものでしたよ』
 『そうですかぁ。ダバクさん。アナタ、世間じゃ大変なことになっていますねぇ。このままじゃ日本に帰れないよ』
 『そうですよね。私がやったことが世界中に知れ渡っていますからねぇ。アハハハハ。アナタ方にお頼みしてよかったですよ』
 駄爆は平然を装いながら、国外逃亡の手助けしたお爺さんに話す。
 『いいんですよ。我々からしてみれば煙草を密輸するよりも簡単なお仕事でしたから。それでお金の方をお支払いして貰いましょうか』
 『あ、はい。今取り出しますね』
 駄爆はそう言うとバッグの中からぶ厚い札束を4束テーブルに出したので、見た瞬間思わずビックリしてしまった。
 あれ1束いくらあるんだよっ!?
 そう思っている内にお爺さんの仲間がお金の束を持つと、ペラペラと捲り偽札じゃないか確認していった後にお爺さんに向かって頷いた。
 『おや? 金額が少々足りないようですねぇ?』
 『ええっ!? そんなぁっ!! ちゃんと1束100万円あるのであっている筈ですよ!』
 『ああ〜、ここまでの渡航日は貰いましたよ。しかし食費と宿泊費は貰ってませんねぇ』
 『なっ!? 私に話していなかったじゃないですか』
 『こちらの書面には書いてありましたよ』
 そう言って駄爆に契約内容が書かれた契約書を提示するので、間に入って契約書の内容を確認する。
 日本語書かれているけど最後の文章が中国語で書かれていて読めない。何て書いてあるんだ?
 『この最後の文に宿泊費と食費は別料金を取りますと、ちゃんと書かれていますよぉ』
 『なっ!? お前ら最後の文は気にしなくてもいいと言っていただろうっ!?』
 『払うのが嫌と仰るのでしたら、我々にも考えがありますよ』
 お爺さんがそう言った瞬間、駄爆の周りに人が集まって逃げられないように取り囲んだ。そのようすを見ていた駄爆の顔がみるみる青くなっていく。
 『まぁアナタとっても悪いことではありませんよ。お支払いして頂けるとあれば、こちらのパスポートをお渡ししますよ』
 そう言ってテーブルに出したのは、駄爆の顔写真が付いているパスポートだが名前の欄が 鈴木 優馬 で住所が東京の後がめちゃくちゃな住所が書かれていた。
 あ、これってもしかしたらぁ〜・・・・・・足元を見られている感じだな。
 『・・・・・・わ、わかった。払おう。いくらだ?』
 『その束をもう2つほど頂きます』
 『わ・・・・・・わかった』
 駄爆はそう言った後に札束を2枚テーブルへと置いた。
 『毎度ありがとうございました』
 そう言って偽造パスポートを駄爆に渡したら、お爺さんの部下らしき人が札束をバッグの中へと入れて行く。
 『も、もう行っていいのか?』
 『ええもちろん。ビジネスは終わりましたから、観光するなり永住地を見つけるなり好きにして下さい』
 『お、お世話になりました』
 『いいえ、こちらこそ』
 駄爆は一刻も早くここから逃げ出したいのか、足早に倉庫から出て行ってしまった。
 『ボス、彼を放置していて大丈夫なのですか?』
 『いいんじゃよ。取るもん取れたしなぁ』
 『しかし、あの男は本当に馬鹿ですよね。息子に答えを渡すならともかく、名前の書き替えなんて中国だってやらないだろ』
 『ああ、中国の方がもっとバレにくいことをやっているからのぉ。ひょっとしたら切羽詰まった状況だったから、名前の書き替えをしたんじゃないかのぉ?』
 うん、ボスの言う通りだと思いますよ。
 『アイツ大丈夫なんですかね?』
 『何だ? お前アイツの心配しているのかぁ?』
 『あ、いえ。ボスが思っているような心配はしていません。ただ、アイツは日本で暮していた身ですから、その感覚で中国で暮しているとぉ〜・・・・・・』
 『痛い目に遭うと?』
 『はい』
 ボスは部下の言葉が可笑しかったのか、頬を吊り上げた。
 『まぁ何にしてもヤツはこれから苦労する身になるのだからな。ワシら以外の組織か警察に捕まらないことだけは願おうか』
 『そうですね』
 『さてと、このお金を換金したら今日は豪華な夕食にするぞ』
 『え、いいんですかボスッ!?』
 『ああ、久々に大金が入ったからな。今日はワシの奢りじゃ』
 老人は喜んでいる部下達を引き連れて、倉庫を後にしたところで夢が終わったのだった。
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