高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。
第9話 夢のような現実のような・・・・・・。
 神様達と寿司を楽しんだ後、その場で解散をした。アニス先生は自分の世界へ帰る際に、 明日からみっちり教育をするから、覚悟をしておけよ。 と言われた。恐い恐い。
 「いやぁ美味しかったぁ」
 自室にある椅子に座り、もたれ掛かりながら魔力の塊りを作り見つめる。
 まさか一日で魔法が使えるようになって、異世界へ行って魔法学園の理事長と挨拶をするとは・・・・・・。
 「何か、夢を見ているみたいだ」
 その魔力の塊を結晶化させたのを見つめながらそう言う。
 「夢じゃないわよ」
 後ろを振り向くと、リタが両手を組んで飛んでいた。
 「リタ、いたのか」
 「暇だったから来たの」
 「暇だったのか。ん? てか、リタって向こうでどんな仕事をしてるんだ?」
 もしかしたらリタは無職かもしれないし。
 「私?」
 「うんうん」
 「近衛騎士団を引退した身で、悠々と過ごしているわ。たまに私に戦いの指導をお願いして来ることがあるから、それに答えて指導したりもしているの」
 「そうなんだ。もしかしてリタは見た目の割に歳とって、わぁっ!?」
 リタが急に突っ込んで来たので、反射的に避けた。
 「女の子に歳の話をするのはよくないっ! 今すぐ謝りなさいっ!」
 「ご、ゴメンなさいリタさんっ!?」
 「わかればよろしい」
 ムスッとした顔をしている彼女を見て、今後リタに対して歳の話をするのは止めておこう。そう心に誓うのであった。
 「ハァ〜・・・・・・全くイヤになっちゃうわ」
 「イヤになるって、一体どうしたんだ?」
 まさかさっきのことを怒っているのか?
 「違うわ。向こうに帰ったら同僚だった子に職場に復帰してくれないか? って言われたのよ」
 「やりたいんなら、復帰すればいいし、イヤなら断っていいと俺は思う。まさかと思うけど、その人がしつこく言うのか?」
 「その通りよ。でもまぁ、もう人と契約をしたから。とそいつに言ったから、もう勧誘して来ないでしょう」
 人と契約したからって、俺のことだよな?
 「どういう事?」
「何が?」
 「人と契約をしたから。って理由で断れるもんなのか?」
 まさかと思うけど、産休みたいな扱いじゃないよな?
 「ああ、そっか知ってる訳ないかぁ。私達は人と契約をすれば、そっちを優先することが出来るのよ。アナタだって肝心なときにいないなんて、困るでしょ? 特に戦闘のときとか、ゴメン忙しいから無理なんて理由にならないわよね?」
 「まぁそうだな」
 それに戦闘途中に、 ゴメン、向こうの仲間に呼ばれたから! なんて言って抜けるのも大問題だからな。
 「だから仕事を辞めてそっちの方に専念をする子もいるわ。中でも冒険者と組んでいる子なんて、 昨日はこんなことをしたんだぁ〜。 って自慢話をする子もね」
 「へぇ〜、そうなんだ」
 俺はそう言うと、机の上に置いているニュートンの揺り籠に付いている玉を1つ持ち上げて離す。するとパチッ、パチッ、パチッ。というようなリズミカルな音と共に両先端の球が交互に揺れる。
 「え、ええっ!? 何これ? 面白い!」
 「ニュートンの揺り籠って言う道具。2個持って離せば、反対側の2個が弾かれるぞ」
 2個持って離して見せたら、 本当だっ!! と言って驚いていた。
 「これずっと見ていられるわ」
 「俺は毎日見てるせいで見飽きたよ」
 暇があればこれを使って遊んでいたからな。
 「これカンタンそうだから、再現出来そうね」
 「そうか? 構造はシンプルだが、意外と微調整に苦労するみたいだぞ」
 確か、ヒモの長さが均等で、5つの玉が同じ重さじゃないとダメだったような気がする。
 「歯も磨いたし、風呂も入ってやることもないから、もう寝ようと思っていたんだけど」
 「お風呂? アナタの家にお風呂あるの?」
 「ああ、あるよ。もしかして、そっちの世界のお風呂って貴族しか持ってないのか?」
 「そうよ。大抵の人はお湯を張った桶で身体を洗ったり、川で身体を洗ったりしているわ」
 わぉ、貧富の差が激しいのか。
 「まぁこっちの世界もお風呂がないところがあるけど、大抵近くに安く金額で入れる共同浴場があるみたい」
 「そうなんだぁ」
 「そうしないと衛生面で困るからな」
 そう言ったら、顎に手を当てて考え仕草をする。
 「・・・・・・ねぇ、コウヤはあっちの世界に物を持ち込んだりとか出来るの?」
 「出来ると思う、現にスマホとハンカチとティッシュをポケットに入れたまんま転移してみたら、入れたまんまだったから」
 「ねぇコウヤ、あっちに持ち物を持っていくときは気を付けてね」
 「気を付けるも何も、この筆記用具とノートとスマホを持って行くだけだから大丈夫だろう?」
 大した物じゃないよな?
 「その筆箱の中身を見せて」
 「あ、うん」
 そう返事をした後に、筆箱の中身を見て あ〜、なるほど。 と言う。
 「この中に入っている物は誤魔化せるけれども、スマホの方は学校にいる間は私が預かるわ」
 「何で?」
 こっちの世界の必需品を他人に預けられないっての!
 「変な輩が珍しい魔道具として、盗もうとする可能性があるわ」
 「そうなのか?」
 「そうよ。だから預けておいて」
 言う通りにしてと言わんばかりに睨んで来るので、俺は ハァ〜。っとため息を吐いた。
 「・・・・・・わかった。言う通りにするけど、スマホが鳴ったりしたら俺のところに持って来てくれる」
 「うん、それは約束するわ。私じゃ使い方がわからないもの」
 まぁ使い方はシンプルだから、覚えようと思えば覚えられるだろう。
 「そろそろ寝るとするか。リタはこっちの世界で寝るのか、それとも向こうの世界で寝るのか?」
 「向こうの世界で寝るわ。おやすみなさい、コウヤ」
 「おやすみ、リタ」
 彼女を見送ると、スマホのアラームをセットしてから充電器を繋げてベッドへと潜り込んで目を瞑ったら、疲れていたのか、すぐに眠りに落ちた。
 『おい、どうなってんだよクソ親父!』
 そう言いながらスーツ姿の中年の男性に掴みかかるガラの悪い少年。その2人は見覚えがあった。
 コイツらは、ハゲ校長の 駄爆 無蔵と 駄爆 無乃 じゃないか! 後カツラがズレている!
 『どうもこうもあるか、こうしてお前のテストの点を有耶無耶にして、再テストにありつけたんだぞ。やったじゃないか』
 『やったじゃないかぁ? ふざけんなっ! テメェが余計なことをしたせいで、俺に変な疑いが掛けられちまったじゃないか! どうしてくれるんだよ!』
 『うるさいっ! 元はと言えば、お前が赤点を取らなければ、こんなことをしなくても済んだんだ! それに、誰のおかげで高校に通えていると思っているんだ? この私が権力を使ってお前を入学させたから、こうやって高校に通えているんだろう、違うか?』
 ゼウス様が言ってた裏口入学マジだったんだ! あ、でも。これ夢だよな?
 『んだとコラァッ!? 』
 そう言いながら、ソファーへと突き倒す息子の姿を見て、俺は うわぁ、恐。 と思いながら引いてしまう。
 『だ、第一に、お前だってこの私がいれば大丈夫と安心していただろう!』
 駄馬がそう言うと、無乃は思い当たる節があるのか顔をしかめる。
 『・・・・・・チッ、担任の教師もPTAに相談すると言ってんだぞ』
 『なっ、それは本当か?』
 『ああ、本当だ。この耳でちゃんと聞いたからな』
 無乃のその言葉を聞いた駄馬は、マズイと感じたのか顔を青ざめさせた。
 『なら、お前の担任をクビにすればいい話だ』
 『はぁ? バカなのか、そんなことをすれば余計に怪しまれるだろ! それに、他の教師や生徒もおかしいとか言い始めてんだぞ! 特に濡れ衣を着せようとしたアイツと同じ中学の連中がよっ!』
 『何だとぉ!?』
 本格的にマズイと感じたのか、身体を震わせる。
 『あの2人のように金を払って黙らせるか』
 『金を渡して説得出来るような相手じゃねぇだろっ! SNSの方にも拡散されてるんだぞっ! どうすんだよぉ?』
 『だ、大丈夫だ無乃。私にはアテがあるがあるから何とか出来る。いや、するから安心しろ』
 無乃はその言葉を聞くと、 チッ!? と舌打ちをしてから部屋を出て行く。残された駄馬は震える手で煙草を取ると、ライターで火を着けて一服するが全身を震わせていて動揺しているのが丸わかりだ。
 ヅラ校長のアテは、果たして本当なのか? それとも嘘なのか? そもそもこれは夢の・・・・・・。
 そう考えていると視界が白くなっていき、ヅラ校長の姿が見えなくなっていった。
 「いやぁ美味しかったぁ」
 自室にある椅子に座り、もたれ掛かりながら魔力の塊りを作り見つめる。
 まさか一日で魔法が使えるようになって、異世界へ行って魔法学園の理事長と挨拶をするとは・・・・・・。
 「何か、夢を見ているみたいだ」
 その魔力の塊を結晶化させたのを見つめながらそう言う。
 「夢じゃないわよ」
 後ろを振り向くと、リタが両手を組んで飛んでいた。
 「リタ、いたのか」
 「暇だったから来たの」
 「暇だったのか。ん? てか、リタって向こうでどんな仕事をしてるんだ?」
 もしかしたらリタは無職かもしれないし。
 「私?」
 「うんうん」
 「近衛騎士団を引退した身で、悠々と過ごしているわ。たまに私に戦いの指導をお願いして来ることがあるから、それに答えて指導したりもしているの」
 「そうなんだ。もしかしてリタは見た目の割に歳とって、わぁっ!?」
 リタが急に突っ込んで来たので、反射的に避けた。
 「女の子に歳の話をするのはよくないっ! 今すぐ謝りなさいっ!」
 「ご、ゴメンなさいリタさんっ!?」
 「わかればよろしい」
 ムスッとした顔をしている彼女を見て、今後リタに対して歳の話をするのは止めておこう。そう心に誓うのであった。
 「ハァ〜・・・・・・全くイヤになっちゃうわ」
 「イヤになるって、一体どうしたんだ?」
 まさかさっきのことを怒っているのか?
 「違うわ。向こうに帰ったら同僚だった子に職場に復帰してくれないか? って言われたのよ」
 「やりたいんなら、復帰すればいいし、イヤなら断っていいと俺は思う。まさかと思うけど、その人がしつこく言うのか?」
 「その通りよ。でもまぁ、もう人と契約をしたから。とそいつに言ったから、もう勧誘して来ないでしょう」
 人と契約したからって、俺のことだよな?
 「どういう事?」
「何が?」
 「人と契約をしたから。って理由で断れるもんなのか?」
 まさかと思うけど、産休みたいな扱いじゃないよな?
 「ああ、そっか知ってる訳ないかぁ。私達は人と契約をすれば、そっちを優先することが出来るのよ。アナタだって肝心なときにいないなんて、困るでしょ? 特に戦闘のときとか、ゴメン忙しいから無理なんて理由にならないわよね?」
 「まぁそうだな」
 それに戦闘途中に、 ゴメン、向こうの仲間に呼ばれたから! なんて言って抜けるのも大問題だからな。
 「だから仕事を辞めてそっちの方に専念をする子もいるわ。中でも冒険者と組んでいる子なんて、 昨日はこんなことをしたんだぁ〜。 って自慢話をする子もね」
 「へぇ〜、そうなんだ」
 俺はそう言うと、机の上に置いているニュートンの揺り籠に付いている玉を1つ持ち上げて離す。するとパチッ、パチッ、パチッ。というようなリズミカルな音と共に両先端の球が交互に揺れる。
 「え、ええっ!? 何これ? 面白い!」
 「ニュートンの揺り籠って言う道具。2個持って離せば、反対側の2個が弾かれるぞ」
 2個持って離して見せたら、 本当だっ!! と言って驚いていた。
 「これずっと見ていられるわ」
 「俺は毎日見てるせいで見飽きたよ」
 暇があればこれを使って遊んでいたからな。
 「これカンタンそうだから、再現出来そうね」
 「そうか? 構造はシンプルだが、意外と微調整に苦労するみたいだぞ」
 確か、ヒモの長さが均等で、5つの玉が同じ重さじゃないとダメだったような気がする。
 「歯も磨いたし、風呂も入ってやることもないから、もう寝ようと思っていたんだけど」
 「お風呂? アナタの家にお風呂あるの?」
 「ああ、あるよ。もしかして、そっちの世界のお風呂って貴族しか持ってないのか?」
 「そうよ。大抵の人はお湯を張った桶で身体を洗ったり、川で身体を洗ったりしているわ」
 わぉ、貧富の差が激しいのか。
 「まぁこっちの世界もお風呂がないところがあるけど、大抵近くに安く金額で入れる共同浴場があるみたい」
 「そうなんだぁ」
 「そうしないと衛生面で困るからな」
 そう言ったら、顎に手を当てて考え仕草をする。
 「・・・・・・ねぇ、コウヤはあっちの世界に物を持ち込んだりとか出来るの?」
 「出来ると思う、現にスマホとハンカチとティッシュをポケットに入れたまんま転移してみたら、入れたまんまだったから」
 「ねぇコウヤ、あっちに持ち物を持っていくときは気を付けてね」
 「気を付けるも何も、この筆記用具とノートとスマホを持って行くだけだから大丈夫だろう?」
 大した物じゃないよな?
 「その筆箱の中身を見せて」
 「あ、うん」
 そう返事をした後に、筆箱の中身を見て あ〜、なるほど。 と言う。
 「この中に入っている物は誤魔化せるけれども、スマホの方は学校にいる間は私が預かるわ」
 「何で?」
 こっちの世界の必需品を他人に預けられないっての!
 「変な輩が珍しい魔道具として、盗もうとする可能性があるわ」
 「そうなのか?」
 「そうよ。だから預けておいて」
 言う通りにしてと言わんばかりに睨んで来るので、俺は ハァ〜。っとため息を吐いた。
 「・・・・・・わかった。言う通りにするけど、スマホが鳴ったりしたら俺のところに持って来てくれる」
 「うん、それは約束するわ。私じゃ使い方がわからないもの」
 まぁ使い方はシンプルだから、覚えようと思えば覚えられるだろう。
 「そろそろ寝るとするか。リタはこっちの世界で寝るのか、それとも向こうの世界で寝るのか?」
 「向こうの世界で寝るわ。おやすみなさい、コウヤ」
 「おやすみ、リタ」
 彼女を見送ると、スマホのアラームをセットしてから充電器を繋げてベッドへと潜り込んで目を瞑ったら、疲れていたのか、すぐに眠りに落ちた。
 『おい、どうなってんだよクソ親父!』
 そう言いながらスーツ姿の中年の男性に掴みかかるガラの悪い少年。その2人は見覚えがあった。
 コイツらは、ハゲ校長の 駄爆 無蔵と 駄爆 無乃 じゃないか! 後カツラがズレている!
 『どうもこうもあるか、こうしてお前のテストの点を有耶無耶にして、再テストにありつけたんだぞ。やったじゃないか』
 『やったじゃないかぁ? ふざけんなっ! テメェが余計なことをしたせいで、俺に変な疑いが掛けられちまったじゃないか! どうしてくれるんだよ!』
 『うるさいっ! 元はと言えば、お前が赤点を取らなければ、こんなことをしなくても済んだんだ! それに、誰のおかげで高校に通えていると思っているんだ? この私が権力を使ってお前を入学させたから、こうやって高校に通えているんだろう、違うか?』
 ゼウス様が言ってた裏口入学マジだったんだ! あ、でも。これ夢だよな?
 『んだとコラァッ!? 』
 そう言いながら、ソファーへと突き倒す息子の姿を見て、俺は うわぁ、恐。 と思いながら引いてしまう。
 『だ、第一に、お前だってこの私がいれば大丈夫と安心していただろう!』
 駄馬がそう言うと、無乃は思い当たる節があるのか顔をしかめる。
 『・・・・・・チッ、担任の教師もPTAに相談すると言ってんだぞ』
 『なっ、それは本当か?』
 『ああ、本当だ。この耳でちゃんと聞いたからな』
 無乃のその言葉を聞いた駄馬は、マズイと感じたのか顔を青ざめさせた。
 『なら、お前の担任をクビにすればいい話だ』
 『はぁ? バカなのか、そんなことをすれば余計に怪しまれるだろ! それに、他の教師や生徒もおかしいとか言い始めてんだぞ! 特に濡れ衣を着せようとしたアイツと同じ中学の連中がよっ!』
 『何だとぉ!?』
 本格的にマズイと感じたのか、身体を震わせる。
 『あの2人のように金を払って黙らせるか』
 『金を渡して説得出来るような相手じゃねぇだろっ! SNSの方にも拡散されてるんだぞっ! どうすんだよぉ?』
 『だ、大丈夫だ無乃。私にはアテがあるがあるから何とか出来る。いや、するから安心しろ』
 無乃はその言葉を聞くと、 チッ!? と舌打ちをしてから部屋を出て行く。残された駄馬は震える手で煙草を取ると、ライターで火を着けて一服するが全身を震わせていて動揺しているのが丸わかりだ。
 ヅラ校長のアテは、果たして本当なのか? それとも嘘なのか? そもそもこれは夢の・・・・・・。
 そう考えていると視界が白くなっていき、ヅラ校長の姿が見えなくなっていった。
コメント