東京PMC’s
入浜警察予備高校達の元へと向かう紫音達
 「・・・・・・どうしよう」
 彼らはあのGT-Rを追い掛けに行ってしまった。でもぉ・・・・・・。
 「彼らはGT-Rに追い付ける車を持っているんですかね?」
 あの車はGTレースに出ている車だって言ってたよ・・・・・・通学途中に住んでいるおじさんがさ。
 「持っていないと思うよ」
 「多分あの子達は待ち伏せをするんじゃないかしら?」
 「待ち伏せ? GT-Rが何処を走って逃げているのかわからないのに、そんな事は出来ないと思いますよ」
 そう言ったら、天野さんが僕の頭にポンッと手を置いた。
 「恐らく俺達が戦っている間にヘリを飛ばしたんだろう。その連絡を頼りに最短距離を割り出して追い掛けている。
 なぁ、そうだろう。お嬢ちゃん達?」
 天野さんが舞ちゃん達にそう問い掛けたら、2人は頷いて返事をした。
 「今私達の持っている無線では、ヘリから送られる指示で瀧口くん達が動いている状況です」
 「アナタ達が言うように、先回りして待ち伏せをする班と追い込む班で別れて行動しているわ」
 密輸業者達を追い詰めようとしているんだね。それはそうと・・・・・・。
 「舞ちゃん達は本当に付いて行かなくてよかったの? このまま無視し続けたら、命令違反になっちゃうんじゃないの?」
 僕がそう聞くと、2人は顔を合わせた後に口を開き話し始めた。
 「授業中で下谷先生から言われたの。もしも危険を感じたりしたら、無理をせずに逃げたり任務の破棄したりしなさいって」
 日野谷さん達の担任が?
 「もしかしたら下谷先生も、今の私達じゃ無理ってわかっていたんだと思うの。でもぉ・・・・・・」
 「こんな事をしたら、私達怒られるに決まってるよね」
 不安そうな顔をしている2人にリトアさんが近付き、2人を抱き締めた。
 「その先生の言う事は合っているわ。だから気に病まないで」
 「そうだよ。何か言われるような事があれば、ボク達に連絡をして来て。キミ達の行動は間違っていないって言ってあげるから」
 リュークさんがそう言うと、2人は目に涙を浮かべた。
 「お心遣い感謝します」
 「ありがとうございます」
 「天野。こっちの方は終わったぞ」
 周囲の確認と密輸業者達を捕縛をしていた他のチームが、僕達のところに戻って来た。
 「ああ、ご苦労さん」
 「密輸品の確保も出来たがなぁ・・・・・・」
 「ん? 何かあったのか?」
 「いや、残りの連中を追い掛けに行った子達は大丈夫なんだろうか? って思ってな」
 ああ、この人達も心配していたんだ。
 「全くもぉ〜、カッテにも程があると思いますよぉ!」
 「まぁ、コニーの言う事も一理あるがアイツらは俺達と共闘している訳じゃないから、勝手に動いたって文句の言いようがないんだよ」
 「確かに。任務の邪魔をされたのなら文句が言えるね」
 いや、さっき狙撃の邪魔になったんですけど。
 「ん? ・・・・・・え?」
 「嘘ぉ! どう言う事なの?」
 「どうしたの、2人共?」
 「瀧口くん達がターゲットと交戦しているみたいなんですけど、何故か増援を寄越して欲しいって連絡が入っているんです」
 「ハァ? GT-Rはツーシーターだから2人しか乗っていない筈だろう。何で増援なんか?」
 天野さんの言葉を聞いた2人は困ったような顔を浮かべた。
 「それが私達にもわからないんです。無線が混雑していて、そのぉ〜・・・・・・」
 「何を言っているのか、聞き取れない状態なんです」
 無線が混雑している? 確かぁ、無線の混雑を避ける為に、必要最低限の話ししかしないように言われている筈。
 「・・・・・・もしかしたら、現場が混乱状態に陥ってしまっているんじゃないかな? ねぇ2人共、今でも会話が聴こえてくるの?」
 「はい。被害が。とか、指示を・・・・・・さい。とか、今も話し声が聞こえて来ます」
 「もう、私達では手に負えません。どうか力を貸して頂けませんか?」
 「・・・・・・少し待ってろ」
 天野さんはそう言うと、ポケットからスマホを取り出して耳に当てた。
 「ああ〜、俺だ・・・・・・ああ、密輸商品の確保の方は出来たが、2人逃げられた・・・・・・ああ・・・・・・ああ、話しを聞いていたのなら早い。どうする? 助けに行った方がいいか?」
 天野さんはそう聞いたら、 わかった。 と言って通話を切って僕達の方を向く。
 「とりあえずその馬鹿達の様子を見に行く事になった。それでピンチな状況に陥っていたら、助けると言う形だ」
 「本当ですかぁ!?」
 「ああ。仲間がここに来るまでこの場所の確保をするグループと、高校生達の様子を見に行くグループの2手に別れるがどうする?」
 天野さんがそう聞くと、Cチームが前に出て来た。
 「お前ら2チームが高校生達の様子を見に行け。俺達はここの確保をする」
 「だ、そうだが異論はないか?」
 「俺達は異論はないが、その子達をどうする?」
 「俺達の車に乗せる。紫音、お前荷台に乗れ」
 「またですかぁ!?」
 僕がそう言うと天野さんが近づいて来て、ヘッドクローを掛けて来た。
 「お前は反射神経もいいし、寒さには強いんだろう。なら荷台に乗ってもいいと思うんだがぁ?」
 「痛い痛い痛いっ!? わっ、わかりましたぁ! 荷台に乗るので止めて下さいいいいいいっ!!」
 「素直でよろしい」
 天野さんはそう言うと、パッと手を離してくれた。
 「念の為にこれを持って行け」
 Cチームから物を投げられたので慌ててキャッチする。
 「これは・・・・・・救急セット?」
 「もしかしたら治療が必要なヤツがいるかもしれないからな。俺達はそれを使わない事を切に願ってる」
 多分他のチームのメンバーも高校生達を心配しているんだと思う。
 「ありがとうございます!」
 「礼はいいから、早くアイツらの元へ行け」
 「はい!」
 そうお礼を言ってから、ピックアップトラックに乗り込んだ。
 「ねぇ2人共」
 「何でしょうか?」
 「無線の方に何か変化はないかしら?」
 リトアさんがそう聞くと2人はイヤホンに手を当て、会話を聞き取ろうとする。
 「・・・・・・何か、校長先生の声がさっきよりも混じった気がします」
 「じょう? ふ・・・・・・た? ねぇ何を言っているの? 聞き取れないんだけど?」
 「無駄だよヒノヤくん。もう彼らは混乱し過ぎて冷静な状態じゃないんだ」
 「だな。もうこれは俺達が現場に行って指示を飛ばした方がいいな。っと、もう一つ先の信号を左に曲がってくれ」
 天野さんの言葉を聞いた舞ちゃんは身体を震わせた。
 「みんな、無事かなぁ?」
 「大丈夫よ。瀧口達だったら、自分で何とかしていると思うわ!」
 しかし、その言葉が裏切られる結果になっていたのを彼女達はまだ知らない。
 「もうすぐ現場近くだ。あの角を曲がったら現場だから、この近辺に停めて置いてくれ」
 「わかった!」
 リュークさんが車を停めるのと同時に、僕は荷台から降りて周囲の安全確認をした。
 「クリア!」
 「紫音。お前何か聴こえているのか?」
 「はい。天野さんが言っていた方向から銃声が聴こえて来るんですけどぉ・・・・・・」
 「けど、どうした?」
 「何か発砲音が5.56mmNATOのしか聴こえて来ないので、おかしいなぁ。って感じています」
 僕の話しに天野さんが考えているのか、眉間にシワを寄せた。
 「確か密輸業者は、私と同じAK系の銃ばかり使っていたわよね?」
 「そうだな。もしかしたらぁ、相手も5.56mmの銃を使っているのかもしれないな。
 まぁとにかく。現場に向かうぞ! 紫音は先行してくれ」
 「はい!」
 「嬢ちゃん達は俺達の後を付いて来てくれ。いいか、自分の身は自分で守るようにな」
 「「はっ、はい!」」
 舞ちゃん達は緊張しているのか、身体をビクッとさせた。
 「紫音、行ってくれ」
 「了解!」
 天野さんの指示の下、周囲を警戒しつつ現場へと向かう。
 「ん? ボクの耳にも発砲音が届いて来たね」
 「僕の方は悲鳴が聴こえて来ました」
 「アイツら、まだ戦っているのか? 弾どんぐらい持って歩いているんだよ」
 天野さんは呆れた様子を見せながら言った。
 「あ、見えて来ましたよ」
 「ああ・・・・・ん?」
 現場の近くまで来た僕達が見たのは、何とそこら中に向かって撃ち続けている入浜警察予備高校の生徒達の姿だった。
 彼らはあのGT-Rを追い掛けに行ってしまった。でもぉ・・・・・・。
 「彼らはGT-Rに追い付ける車を持っているんですかね?」
 あの車はGTレースに出ている車だって言ってたよ・・・・・・通学途中に住んでいるおじさんがさ。
 「持っていないと思うよ」
 「多分あの子達は待ち伏せをするんじゃないかしら?」
 「待ち伏せ? GT-Rが何処を走って逃げているのかわからないのに、そんな事は出来ないと思いますよ」
 そう言ったら、天野さんが僕の頭にポンッと手を置いた。
 「恐らく俺達が戦っている間にヘリを飛ばしたんだろう。その連絡を頼りに最短距離を割り出して追い掛けている。
 なぁ、そうだろう。お嬢ちゃん達?」
 天野さんが舞ちゃん達にそう問い掛けたら、2人は頷いて返事をした。
 「今私達の持っている無線では、ヘリから送られる指示で瀧口くん達が動いている状況です」
 「アナタ達が言うように、先回りして待ち伏せをする班と追い込む班で別れて行動しているわ」
 密輸業者達を追い詰めようとしているんだね。それはそうと・・・・・・。
 「舞ちゃん達は本当に付いて行かなくてよかったの? このまま無視し続けたら、命令違反になっちゃうんじゃないの?」
 僕がそう聞くと、2人は顔を合わせた後に口を開き話し始めた。
 「授業中で下谷先生から言われたの。もしも危険を感じたりしたら、無理をせずに逃げたり任務の破棄したりしなさいって」
 日野谷さん達の担任が?
 「もしかしたら下谷先生も、今の私達じゃ無理ってわかっていたんだと思うの。でもぉ・・・・・・」
 「こんな事をしたら、私達怒られるに決まってるよね」
 不安そうな顔をしている2人にリトアさんが近付き、2人を抱き締めた。
 「その先生の言う事は合っているわ。だから気に病まないで」
 「そうだよ。何か言われるような事があれば、ボク達に連絡をして来て。キミ達の行動は間違っていないって言ってあげるから」
 リュークさんがそう言うと、2人は目に涙を浮かべた。
 「お心遣い感謝します」
 「ありがとうございます」
 「天野。こっちの方は終わったぞ」
 周囲の確認と密輸業者達を捕縛をしていた他のチームが、僕達のところに戻って来た。
 「ああ、ご苦労さん」
 「密輸品の確保も出来たがなぁ・・・・・・」
 「ん? 何かあったのか?」
 「いや、残りの連中を追い掛けに行った子達は大丈夫なんだろうか? って思ってな」
 ああ、この人達も心配していたんだ。
 「全くもぉ〜、カッテにも程があると思いますよぉ!」
 「まぁ、コニーの言う事も一理あるがアイツらは俺達と共闘している訳じゃないから、勝手に動いたって文句の言いようがないんだよ」
 「確かに。任務の邪魔をされたのなら文句が言えるね」
 いや、さっき狙撃の邪魔になったんですけど。
 「ん? ・・・・・・え?」
 「嘘ぉ! どう言う事なの?」
 「どうしたの、2人共?」
 「瀧口くん達がターゲットと交戦しているみたいなんですけど、何故か増援を寄越して欲しいって連絡が入っているんです」
 「ハァ? GT-Rはツーシーターだから2人しか乗っていない筈だろう。何で増援なんか?」
 天野さんの言葉を聞いた2人は困ったような顔を浮かべた。
 「それが私達にもわからないんです。無線が混雑していて、そのぉ〜・・・・・・」
 「何を言っているのか、聞き取れない状態なんです」
 無線が混雑している? 確かぁ、無線の混雑を避ける為に、必要最低限の話ししかしないように言われている筈。
 「・・・・・・もしかしたら、現場が混乱状態に陥ってしまっているんじゃないかな? ねぇ2人共、今でも会話が聴こえてくるの?」
 「はい。被害が。とか、指示を・・・・・・さい。とか、今も話し声が聞こえて来ます」
 「もう、私達では手に負えません。どうか力を貸して頂けませんか?」
 「・・・・・・少し待ってろ」
 天野さんはそう言うと、ポケットからスマホを取り出して耳に当てた。
 「ああ〜、俺だ・・・・・・ああ、密輸商品の確保の方は出来たが、2人逃げられた・・・・・・ああ・・・・・・ああ、話しを聞いていたのなら早い。どうする? 助けに行った方がいいか?」
 天野さんはそう聞いたら、 わかった。 と言って通話を切って僕達の方を向く。
 「とりあえずその馬鹿達の様子を見に行く事になった。それでピンチな状況に陥っていたら、助けると言う形だ」
 「本当ですかぁ!?」
 「ああ。仲間がここに来るまでこの場所の確保をするグループと、高校生達の様子を見に行くグループの2手に別れるがどうする?」
 天野さんがそう聞くと、Cチームが前に出て来た。
 「お前ら2チームが高校生達の様子を見に行け。俺達はここの確保をする」
 「だ、そうだが異論はないか?」
 「俺達は異論はないが、その子達をどうする?」
 「俺達の車に乗せる。紫音、お前荷台に乗れ」
 「またですかぁ!?」
 僕がそう言うと天野さんが近づいて来て、ヘッドクローを掛けて来た。
 「お前は反射神経もいいし、寒さには強いんだろう。なら荷台に乗ってもいいと思うんだがぁ?」
 「痛い痛い痛いっ!? わっ、わかりましたぁ! 荷台に乗るので止めて下さいいいいいいっ!!」
 「素直でよろしい」
 天野さんはそう言うと、パッと手を離してくれた。
 「念の為にこれを持って行け」
 Cチームから物を投げられたので慌ててキャッチする。
 「これは・・・・・・救急セット?」
 「もしかしたら治療が必要なヤツがいるかもしれないからな。俺達はそれを使わない事を切に願ってる」
 多分他のチームのメンバーも高校生達を心配しているんだと思う。
 「ありがとうございます!」
 「礼はいいから、早くアイツらの元へ行け」
 「はい!」
 そうお礼を言ってから、ピックアップトラックに乗り込んだ。
 「ねぇ2人共」
 「何でしょうか?」
 「無線の方に何か変化はないかしら?」
 リトアさんがそう聞くと2人はイヤホンに手を当て、会話を聞き取ろうとする。
 「・・・・・・何か、校長先生の声がさっきよりも混じった気がします」
 「じょう? ふ・・・・・・た? ねぇ何を言っているの? 聞き取れないんだけど?」
 「無駄だよヒノヤくん。もう彼らは混乱し過ぎて冷静な状態じゃないんだ」
 「だな。もうこれは俺達が現場に行って指示を飛ばした方がいいな。っと、もう一つ先の信号を左に曲がってくれ」
 天野さんの言葉を聞いた舞ちゃんは身体を震わせた。
 「みんな、無事かなぁ?」
 「大丈夫よ。瀧口達だったら、自分で何とかしていると思うわ!」
 しかし、その言葉が裏切られる結果になっていたのを彼女達はまだ知らない。
 「もうすぐ現場近くだ。あの角を曲がったら現場だから、この近辺に停めて置いてくれ」
 「わかった!」
 リュークさんが車を停めるのと同時に、僕は荷台から降りて周囲の安全確認をした。
 「クリア!」
 「紫音。お前何か聴こえているのか?」
 「はい。天野さんが言っていた方向から銃声が聴こえて来るんですけどぉ・・・・・・」
 「けど、どうした?」
 「何か発砲音が5.56mmNATOのしか聴こえて来ないので、おかしいなぁ。って感じています」
 僕の話しに天野さんが考えているのか、眉間にシワを寄せた。
 「確か密輸業者は、私と同じAK系の銃ばかり使っていたわよね?」
 「そうだな。もしかしたらぁ、相手も5.56mmの銃を使っているのかもしれないな。
 まぁとにかく。現場に向かうぞ! 紫音は先行してくれ」
 「はい!」
 「嬢ちゃん達は俺達の後を付いて来てくれ。いいか、自分の身は自分で守るようにな」
 「「はっ、はい!」」
 舞ちゃん達は緊張しているのか、身体をビクッとさせた。
 「紫音、行ってくれ」
 「了解!」
 天野さんの指示の下、周囲を警戒しつつ現場へと向かう。
 「ん? ボクの耳にも発砲音が届いて来たね」
 「僕の方は悲鳴が聴こえて来ました」
 「アイツら、まだ戦っているのか? 弾どんぐらい持って歩いているんだよ」
 天野さんは呆れた様子を見せながら言った。
 「あ、見えて来ましたよ」
 「ああ・・・・・ん?」
 現場の近くまで来た僕達が見たのは、何とそこら中に向かって撃ち続けている入浜警察予備高校の生徒達の姿だった。
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