東京PMC’s

青空鰹

殺し屋と対決する紫音

 「カバー!」


 神崎さんがそう言うと、僕が狙って撃っている個所に撃ち始める。


 「リロード!」


 神崎さんが射撃してくれている間に、H&K UMP45のリロード装填をする。


 「シオン、前の壁まで行くから俺を援護しろ!」


 「了解です!」


 リガードさんにそう言うと、先に銃を構えてながら顔を出した瞬間に、入り口からAKらしき銃を持った男が出て来た。


 「コンタクト!」


 僕はその人を狙いトリガーを3回連続で引き、3発弾丸を放った瞬間、男は身体に重い石をぶつけてられたような仕草をしてから、入り口の隅へ身を隠した。しかし撃った張本人紫音は興奮をしているせいなのか、自分が放った弾が相手に当たった事に気づいてない。


 「建物の入り口にいる敵を抑えました! 行くなら今です!」


 「建物の入り口だな。わかった!」


 リガードさんはそう言うと、ステアーAUG A3(5.56×45mm使用)で紫音が撃っていた場所を撃ちながら移動して行く。そして壁まで行くとこっちを向き、大声で話しかける。


 「お前の番だ、こっちまで来い!」


 「了解です!」


 リガードさんがステアーAUG A3で制圧射撃をしている中、リガードさんへ向かって走り出すが、パパパンッ!? という音と共に足元のアスファルトが削れて破片が跳ね上がったが、何とかリガードさんと合流出来た。


 「大丈夫かシオン! 撃たれたか?」


 「大丈夫です。擦りもしませんでした」


 「そうか、ならいい。アグス達の方が準備出来次第突入するぞ」


 「は、はい!」


 リガード入り口を警戒しているリガードさんに対して、僕は反対側の壁伝いを警戒すると見覚えのある人達がこっちに向かって来たのだ。


 「あ、天野さん達がやっと来ました!」


 「やっと来たか」


 天野さん達は銃を構えてながら、僕の方へ向かって来たのだ。


 「首尾はどうだ?」


 「何とか建物に近づけた。ここからどうするんだ」


 「フラッシュバンを投げてから建物に突撃するしかないだろう?」


 「それしかないか。シオン、俺の代わりに警戒をしていてくれ」


 「は、はい!」


 リガードが警戒していた場所に紫音が着き、警戒をする。一方、紫音の後ろに下がったリガードはプレートキャリの胸部分に付いているトランシーバーのスイッチを押すとアグスさんと会話を始めた。


 「こちらリガード、天野が来た。オーバー・・・・・・・・・・・・ああそうだ。天野が家に突入する事を提案して来たんだが、どうする? オーバー・・・・・・そうか、わかった。オーバー・・・・・・・・・・・・わかった。そういう方法で行こう。通信アウト」


 トランシーバーから手を離すと、天野達に向かって話し始める。


 「シオンと俺が正面から突入をするから、3人は左側の窓を突き破って侵入してくれ」


 「わかった」


 「チャンネルは83.35だ」


 「わかった」


 天野さんはそう言うと、リトアさんとリュークさんを引き連れて、塀を辿るようにして建物の左側面へと行く。


 「シオン、俺達はオズマと天野達の準備が終わるまで、ここで待機するぞ」


「はい・・・・・・ん?」


 正面玄関の床に流れている赤い液体って、まさか。


 「どうしたシオン?」


 「先ほど撃っていた正面玄関の床に、血らしきものが見えます」


 「何、本当か?」


 リガードさんはそう言って顔を出して確認する。


 「本当だ。お前、当てたのか?」


 「リガードさんが当てたんじゃないんですか?」


 僕も引っ込んだところしか見てないから、正直わからない。


 「俺が当てていたら知らせているが、それよりも好都合だ」


「好都合ですか?」


 「ああ、相手が負傷しているって事は、敵の動きが鈍くなっている可能性がある。生きたまま捕まえられるかもな。
 しかし、早く突入しないと回復される可能性があるからな、どうするかぁ・・・・・・」


 リガードさんがそう言った瞬間、こちらオズマ、突入の用意が出来た。オーバー。 と来た後に、 こちら天野、こちらも準備が出来た。オーバー。 と連絡が来た。


 「了解。これから突入する。オーバー。シオン、突入の準備しろ」


 「はい」


 僕が身体を引っ込めるのと同時に、リガードさんがフラッシュバンのピンを引っこ抜く。


 「行くぞ」


 小声でそう言うと紫音の側面から身体を出し、玄関へ向けて放り投げるとすぐさま身を隠してから、自身がスリングを使ってぶら下げているステアーAUG A3を構える。


 バァンッ!?


 「ゴーゴーゴーッ!!」


 リガードさんの声を合図に共に、銃を構えるながら建物の中へ突入して行く。そして入り口から入ると、すぐに部屋を見回してクリアリングをする。


 「正面クリア」


 「左クリア」


 リガードさんの言葉を聞いた瞬間、次の部屋へと向かいクリアリングをするが。


 ドドドンッ!? ドドドンッ!?


 銃声がしたので、反射的に姿勢を低くする。銃声が鳴り止んだ瞬間に身体を起こしから、また周りを見る。


 「クリア!」


 「クリア、前進!」


 僕がドアに近づき開こうとした瞬間、勢いよくドアがぶつかって来てしまったので、仰反るようにして倒れてしまった。


 「クゥッ!?」


 苦悶の表情を浮かべながら正面を見てみると、右肩から血を流した男の人が顔をニヤけさせながらM92F(9×19mmパラベラム使用)を構えていた。


 撃たれるッ!?


 そう思った瞬間もう遅かった。紫音の胸に、ダンッ!? ダンッ!? と2発撃ち込んで来た。


 「シオン!」


 リガードはそう言うと、その男に向けて撃つが避けられてしまった。その隠れた隙にリガードさんが側に来る。


 「シオン!」


 「ゲホッ、ゲホッ・・・・・・大丈夫です。防弾ベストを付けてましたから」


スゴく痛い。だけど動けないほどじゃないから、作戦を実行出来る。


 立ち上がろうとした瞬間、敵が向こうの部屋から顔を覗かせていたのに気づき、ホルスターからS&W M327 R8 を手早く引き抜き、顔を狙って一発撃ち込む。すると、ドサッ! という音と共に男の人の手が床に着いた。


 「ッ!? シオン、そこにいろ。俺が確認してくる」


 「は、はい」


 顔を青くした紫音をその場に待機させ、リガードは警戒をしつつ隣の部屋へと入って行く。そして寝そべっている男の近くまで行くと、膝を着き見つめた後に、戻って来た。


 「シオン、もう大丈夫だ」


 「あの、敵は?」


 「しん・・・・・・倒した。だから大丈夫だ」


 倒した。って事は僕がその人を殺したんだ。


 自分が手を掛けたと理解をした瞬間、小刻みに歯を鳴らして身体を震わせた。そう、彼は人を殺したと言う罪悪感が頭の中を過っていた。


 「僕が、僕が・・・・・・あ、あの人を。ッ!?」


 罪悪感に押しつぶされそうになっている中、突然リガードが紫音の顔を殴ったのだ。


 「え?」


 紫音自身も突然の事だった事だったので、呆けた顔をさせながらリガードを見つめていた。


 「しっかりしろシオン! 仕事の途中だ! そんな事は後にしろ!」


 「へ、あ・・・・・・はい」


 「声が小さい、もう一回!」


 「は、はい!」


 そう返事をした後に落としてしまった H&K UMP45 を拾ってから構える。


「わかればいい」


 リガードさんがそう言った瞬間、けたたましい銃声と共に、窓ガラスがバリンッ!? と破れる音がした。その後に通信が入ったのか、リガードさんがイヤホンに指を当てる。


 「・・・・・・何だとっ!?」


 「ど、どうしたんですか。リガードさん?」


 「残り2人のターゲットが窓を割って逃走した!」


 「じゃあ、さっきの発砲音と窓ガラスが割れた音って・・・・・・」


 天野さんかオズマさんが交戦している最中に、窓ガラスを割って逃走したらしい。


 「このまま逃したらマズイ、オズマ達と合流してから、追いかけに行くぞ!」


 「は、はい! あ、でも合流する場所は?」


 「それはもうトランシーバーで聞いているから安心しろ」


 「あ、もう聞いていたのですか。すみません」


 そんなやり取りをした後、リガードさんと共に急いで合流地点へ向かうのであった。

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