東京PMC’s
到着と事務所のメンバーたち
 「サァ、着イタヨ シオン。目ノ前ニアル建物ガ、天野 雄二ノ事務所 JOKER ダヨ」
 「ここが・・・・・・事務所?」
 錆が目立つシャッター、多分あそこがガレージだと思う。その隣に人が一人しか通れなそうな薄暗い階段が見えるが、汚れが目立つから掃除が行き届いてないみたい。
 「・・・・・・なんか想像していたのと違う気がします」
 「アッハッハッ!? 天野サン ノ事務所ヲ初メテ見ル人ハ ソウ言ウヨ! ソレヨリモ、車カラ降リテ 後ロ二積ンダ荷物ヲ下ロシテクダサイ」
 「あ! ゴメンなさい!」
 「ワタシハ 急イデナイカラ、ユックリ荷降ロシシテイイヨ」
 車の後ろに回って荷物を下ろしている最中に教官とは違う足音が近づいてるのに気づいたので、そっちに顔を向けると見知った人と目が合う。
 「よぉ、シオン。元気にしてたか?」
 「オズマさん、お久しぶりです」
 相変わらず背が僕より低くてお酒臭い。ウィスキーが軍用の水筒を右手に持ってるってことは、今お酒を飲んでいるんだろう。
 「・・・・・・まだお昼なのにお酒飲んで大丈夫ですか?」
 「お前さん、何言ってんだ? アルコールに強いドワーフ族のワシが、ウィスキーで酔うと思っているのか?」
 ウィスキーって、アルコール度数高いんじゃなかったけ?
 「まぁそれはともかく、三ヶ月間よく頑張ったな。天野のヤツも驚いてたよ」
 「それは、ライセンスを取ろうと必死になって頑張ってたからですよ」
 身寄りがない僕にとって、頼みの綱がここしかないんだから必死になるのは当たり前だと思う。
「そうだな。それに教官がお前の実力を認めた証拠だろう。そうだよな?」
 「彼ノ言ウ通リデスヨ。シオンクン ハ、PMCトシテ活動出来ルホドノ実力ハ チャントアリマスヨ! 後ハ、実戦アルノミデス!!」
 「だそうだ。これから忙しくなるから頑張れよ。そうそう、俺から試験合格のお祝いだ。受け取ってくれ」
 オズマさんはそう言うと、腰から一丁の銃を取り出して僕の目の前に差し出す。
 「リボルバー?」
 オズマさんからリボルバーを受け取ると、まじまじと見つめ始める。
 「そう、 S&W M&P R8 だ。これとは別のリボルバー、 M29 や M10 に比べてシリンダーの弾がニ発多く入るようになっている。早撃ち競技には持ってこいの銃だ」
 確か、オートマチックよりもリボルバーの方が連射に向いているって教官が言ってたね。
 「それに他にもあるぞ」
 オズマさんは背中に背負っているリュックを地面に置くと、チャックを開き中に手を突っ込む。
 「カイデックス製のホルスターにフルムーンクリップが付いた弾薬を二つ入れられるローダホルスターを二つ、それと・・・・・・お前用のナイフ。これで全部だ」
 「うわっ! とっとっ!?」
 オズマさんがバックから取り出した物を僕の手にポンポン置いてきたので、一番上に置かれたナイフを落としそうになってしまう。
 「ハハッ! シオンクン、プレゼント イッパイ貰エテ 良カッタデスネェ。ソロソロ、ワタシハ 帰ラセテ頂キマス!!」
 「もう帰っちゃうんですか?」
 「ハイ、キミヲ 天野ノ事務所ニ送ル ミッション ヲ達成シタノデ、帰ラセテ頂キマス。コノ先何ガアッテモ、キミ ナラ乗リ越エラレルト ワタシハ信ジテイマスヨ!」
 「ダニエル教官・・・・・・今までお世話になりました。ありがとうございます」
 僕はそう言いながらダニエル教官に深く頭を下げると、ダニエル教官の「ハッハッハッ!」と笑う声が聞こえてくる。
 「シオンクン、頭ヲ上ゲテクダサイ」
 「はい」
 頭を上げてダニエル教官を見ると、僕に向かってサムズアップしていた。
 「 good luck」
 ダニエル教官はそう言い残すと、車を発進させた。
 「・・・・・・ダニエル教官、行っちゃいましたね」
 「名残惜しいのか?」
 「はい、訓練所でお世話になりましたから」
 「まぁとにかく、事務所に入るか。天野たちがお前さんを待ってるからな。それ、カバンに閉まっておけよ」
 「はい」
 オズマさんから貰った物をカバンに詰め終わるとチャックを閉めて背負うが、重くて身体をフラつかせてしまう。
 「大丈夫か紫音?」
 「だ、大丈夫です。事務所に行きましょう」
 心配しているオズマさんの後ろを付いて行くようにして階段を登って行くが、煙草の匂いがキツいので鼻を摘んでしまう。
 「ライカンスロープのお前さんにとって、煙草の匂いはキツく感じるか」
 そう、僕は父親が狼族の獣人で母親が人間。その間に生まれたのがライカンスロープの僕なのだ。
 獣人は顔が狼や猫や熊など種族によって顔は異なるが獣の顔をしていて大柄なのが多い。ライカンスロープ二つの種族の間から稀に生まれてくる子、いわゆるハーフの場合は見た目は人の姿をしているが耳と尻尾が付いているのが特徴的だが親のどちらかが獣人だからライカンスロープやデミヒューマンと言ったハーフになると言うわけではない。
 確率で言えば十人に一人生まれてくるかどうかなので僕は自分と同じライカンスロープを街で歩いて見掛けることは余りないし、むしろ僕のことを珍しそうに見つめてくる人の方が多いし、しかも勝ってに写真を撮られることなんてしばしばあるので迷惑な上に嫌気を感じてしまう。
 僕みたいに産まれてくる子の場合は、異種族である親のから力を受け継いでいるところがあるがその反面欠点が大きい。僕の場合だと運動神経や聴覚や嗅覚が狼族と同じぐらい優れているけれども、とても打たれ弱い。
 「ふぁい、しかほここは空気がよほんでいまふから、つふぁいれふ」
 僕が鼻を抑えるぐらいツラいってことは、たぶん普通の人にとっては煙草の臭いが鼻に付くぐらいの臭いだと思う。
 「無理に話さなくていいから、鼻から手を離しておけ。相手に失礼だからな」
 「ふぁい」
 背筋を真っ直ぐ伸ばして鼻から手を離すと口呼吸をしてなるべく煙草の臭いを嗅がないようにするけども、ツラいものはツラい。
 ドンドンドンドンッ!?
 「おーい、天野! 居るかぁーっ!?」
 「ちょっ!? オズマさん! インターホンがあるじゃないですかっ! そんなことしたら近所迷惑ですよ!!」
 「いいんだよ。天野は一回や二回インターホンを押したぐらいじゃ出て来ねえんだからよ。近所迷惑になるぐらいに大声を出してドアを叩いた方が早く出てくるっての!」
 「いやいやいや、インターホンを押して、ん?」
 ドアの向こうから足音が近づいて来てる。多分、天野さんって人が来たのかもしれない。
 「僕達がここに居るから、そこまでしなくてもいいよ」
 この眼鏡を掛けた背の高い龍族の人が天野さん? ・・・・・・じゃないよね。だって、オズマさんやダニエル教官が話していた姿と違うし、さっき 僕達もここに居るから って言ってからね。
 「ああー、そう言えばお前さん達は ここに移り住む って言ってたな。大声出して悪かった」
 「別に構わないよ。天野くんはそれぐらいしないとドアを開けないからね。それと、隣にいる子がそうなのかい?」
 「ああそうだ。ヒューリーのところのガキ、シオンだ」
 「大園 紫音です。えっと・・・・・・種族は見ての通りライカンスロープです。よ、よろしくお願いします!」
 「礼儀正しいね。僕の名前は リューク・ラザーグ 種族は見ての通り龍族、よろしくね。立ち話も何だから入って来て、天野くんとリトアくんが応接室で待ってるからさ」
 「おうっ! 上がらせて貰うぜ」
 「お、お邪魔します」
 目の前の二人に付いて行くように事務所に入って行くと、さっきまで感じていた不快な煙草の臭いが薄れたのに、すぐに気がつく。
 「・・・・・ふぅ」
 よかったぁー。あの階段と違って臭いがキツくない。階段と違ってここの事務所内は定期的に換気してるのかな?
 「ああー、もしかして階段を上がるとき煙草臭かったかい?」
 「ワシは気にならないが、コイツはツラそうにしていたぞ」
「やっぱり、天野くんはあそこの階段で煙草を吸ってることが多いからね。しかも風の通りが悪いから臭いが充満するしね。扇風機でも置いて換気しようかな? 」
 うん、個人的にそうして貰えると助かります。
 「天野くん、彼を連れてきたよ!」
 「ん、来たか」
 白髪混じりの黒髪で、いつも眠たそうにしていて左目に傷跡ある人。このソファーに座っている人がオズマさん達が言ってた天野さんに間違えなさそう。
 「彼? 彼女じゃないの?」
天野さんの隣にいる金髪のエルフ族のこの人が リトアさん かな?
 「ああー、コイツの身体が華奢だからそう見えるんだなぁ。ちゃんとした男だからな」
「フーン、紫音 って名前だから女の子だと思ってたわ。それにしてもこの子可愛いわねぇ~」
リトアさんは僕の側まで来ると、抱きついて頬擦りしてくる。
「ひにゃっ!?」
この人の胸が・・・・・・胸が大きい!?
「あら、可愛い声も出すのね。それじゃあここら辺も、スリスリ~」
「うぅ~・・・・・・」
頭やアゴの下を撫でてくるの気持ちいいけど止めて欲しい。
「仕事の話しがしたいから、その辺にしておけ」
「はぁ~い」
撫でるのを止めてくれたのは有り難いけど、何で抱きついたままなの?
「今日着いたばかりで悪いが、俺達と一緒に仕事をして貰うぞ」
「あ! 仕事ですねわかりまし、え? ・・・・・・えぇ〜〜〜!?」
唐突な話しだったのでビックリしてしまう。
 「ここが・・・・・・事務所?」
 錆が目立つシャッター、多分あそこがガレージだと思う。その隣に人が一人しか通れなそうな薄暗い階段が見えるが、汚れが目立つから掃除が行き届いてないみたい。
 「・・・・・・なんか想像していたのと違う気がします」
 「アッハッハッ!? 天野サン ノ事務所ヲ初メテ見ル人ハ ソウ言ウヨ! ソレヨリモ、車カラ降リテ 後ロ二積ンダ荷物ヲ下ロシテクダサイ」
 「あ! ゴメンなさい!」
 「ワタシハ 急イデナイカラ、ユックリ荷降ロシシテイイヨ」
 車の後ろに回って荷物を下ろしている最中に教官とは違う足音が近づいてるのに気づいたので、そっちに顔を向けると見知った人と目が合う。
 「よぉ、シオン。元気にしてたか?」
 「オズマさん、お久しぶりです」
 相変わらず背が僕より低くてお酒臭い。ウィスキーが軍用の水筒を右手に持ってるってことは、今お酒を飲んでいるんだろう。
 「・・・・・・まだお昼なのにお酒飲んで大丈夫ですか?」
 「お前さん、何言ってんだ? アルコールに強いドワーフ族のワシが、ウィスキーで酔うと思っているのか?」
 ウィスキーって、アルコール度数高いんじゃなかったけ?
 「まぁそれはともかく、三ヶ月間よく頑張ったな。天野のヤツも驚いてたよ」
 「それは、ライセンスを取ろうと必死になって頑張ってたからですよ」
 身寄りがない僕にとって、頼みの綱がここしかないんだから必死になるのは当たり前だと思う。
「そうだな。それに教官がお前の実力を認めた証拠だろう。そうだよな?」
 「彼ノ言ウ通リデスヨ。シオンクン ハ、PMCトシテ活動出来ルホドノ実力ハ チャントアリマスヨ! 後ハ、実戦アルノミデス!!」
 「だそうだ。これから忙しくなるから頑張れよ。そうそう、俺から試験合格のお祝いだ。受け取ってくれ」
 オズマさんはそう言うと、腰から一丁の銃を取り出して僕の目の前に差し出す。
 「リボルバー?」
 オズマさんからリボルバーを受け取ると、まじまじと見つめ始める。
 「そう、 S&W M&P R8 だ。これとは別のリボルバー、 M29 や M10 に比べてシリンダーの弾がニ発多く入るようになっている。早撃ち競技には持ってこいの銃だ」
 確か、オートマチックよりもリボルバーの方が連射に向いているって教官が言ってたね。
 「それに他にもあるぞ」
 オズマさんは背中に背負っているリュックを地面に置くと、チャックを開き中に手を突っ込む。
 「カイデックス製のホルスターにフルムーンクリップが付いた弾薬を二つ入れられるローダホルスターを二つ、それと・・・・・・お前用のナイフ。これで全部だ」
 「うわっ! とっとっ!?」
 オズマさんがバックから取り出した物を僕の手にポンポン置いてきたので、一番上に置かれたナイフを落としそうになってしまう。
 「ハハッ! シオンクン、プレゼント イッパイ貰エテ 良カッタデスネェ。ソロソロ、ワタシハ 帰ラセテ頂キマス!!」
 「もう帰っちゃうんですか?」
 「ハイ、キミヲ 天野ノ事務所ニ送ル ミッション ヲ達成シタノデ、帰ラセテ頂キマス。コノ先何ガアッテモ、キミ ナラ乗リ越エラレルト ワタシハ信ジテイマスヨ!」
 「ダニエル教官・・・・・・今までお世話になりました。ありがとうございます」
 僕はそう言いながらダニエル教官に深く頭を下げると、ダニエル教官の「ハッハッハッ!」と笑う声が聞こえてくる。
 「シオンクン、頭ヲ上ゲテクダサイ」
 「はい」
 頭を上げてダニエル教官を見ると、僕に向かってサムズアップしていた。
 「 good luck」
 ダニエル教官はそう言い残すと、車を発進させた。
 「・・・・・・ダニエル教官、行っちゃいましたね」
 「名残惜しいのか?」
 「はい、訓練所でお世話になりましたから」
 「まぁとにかく、事務所に入るか。天野たちがお前さんを待ってるからな。それ、カバンに閉まっておけよ」
 「はい」
 オズマさんから貰った物をカバンに詰め終わるとチャックを閉めて背負うが、重くて身体をフラつかせてしまう。
 「大丈夫か紫音?」
 「だ、大丈夫です。事務所に行きましょう」
 心配しているオズマさんの後ろを付いて行くようにして階段を登って行くが、煙草の匂いがキツいので鼻を摘んでしまう。
 「ライカンスロープのお前さんにとって、煙草の匂いはキツく感じるか」
 そう、僕は父親が狼族の獣人で母親が人間。その間に生まれたのがライカンスロープの僕なのだ。
 獣人は顔が狼や猫や熊など種族によって顔は異なるが獣の顔をしていて大柄なのが多い。ライカンスロープ二つの種族の間から稀に生まれてくる子、いわゆるハーフの場合は見た目は人の姿をしているが耳と尻尾が付いているのが特徴的だが親のどちらかが獣人だからライカンスロープやデミヒューマンと言ったハーフになると言うわけではない。
 確率で言えば十人に一人生まれてくるかどうかなので僕は自分と同じライカンスロープを街で歩いて見掛けることは余りないし、むしろ僕のことを珍しそうに見つめてくる人の方が多いし、しかも勝ってに写真を撮られることなんてしばしばあるので迷惑な上に嫌気を感じてしまう。
 僕みたいに産まれてくる子の場合は、異種族である親のから力を受け継いでいるところがあるがその反面欠点が大きい。僕の場合だと運動神経や聴覚や嗅覚が狼族と同じぐらい優れているけれども、とても打たれ弱い。
 「ふぁい、しかほここは空気がよほんでいまふから、つふぁいれふ」
 僕が鼻を抑えるぐらいツラいってことは、たぶん普通の人にとっては煙草の臭いが鼻に付くぐらいの臭いだと思う。
 「無理に話さなくていいから、鼻から手を離しておけ。相手に失礼だからな」
 「ふぁい」
 背筋を真っ直ぐ伸ばして鼻から手を離すと口呼吸をしてなるべく煙草の臭いを嗅がないようにするけども、ツラいものはツラい。
 ドンドンドンドンッ!?
 「おーい、天野! 居るかぁーっ!?」
 「ちょっ!? オズマさん! インターホンがあるじゃないですかっ! そんなことしたら近所迷惑ですよ!!」
 「いいんだよ。天野は一回や二回インターホンを押したぐらいじゃ出て来ねえんだからよ。近所迷惑になるぐらいに大声を出してドアを叩いた方が早く出てくるっての!」
 「いやいやいや、インターホンを押して、ん?」
 ドアの向こうから足音が近づいて来てる。多分、天野さんって人が来たのかもしれない。
 「僕達がここに居るから、そこまでしなくてもいいよ」
 この眼鏡を掛けた背の高い龍族の人が天野さん? ・・・・・・じゃないよね。だって、オズマさんやダニエル教官が話していた姿と違うし、さっき 僕達もここに居るから って言ってからね。
 「ああー、そう言えばお前さん達は ここに移り住む って言ってたな。大声出して悪かった」
 「別に構わないよ。天野くんはそれぐらいしないとドアを開けないからね。それと、隣にいる子がそうなのかい?」
 「ああそうだ。ヒューリーのところのガキ、シオンだ」
 「大園 紫音です。えっと・・・・・・種族は見ての通りライカンスロープです。よ、よろしくお願いします!」
 「礼儀正しいね。僕の名前は リューク・ラザーグ 種族は見ての通り龍族、よろしくね。立ち話も何だから入って来て、天野くんとリトアくんが応接室で待ってるからさ」
 「おうっ! 上がらせて貰うぜ」
 「お、お邪魔します」
 目の前の二人に付いて行くように事務所に入って行くと、さっきまで感じていた不快な煙草の臭いが薄れたのに、すぐに気がつく。
 「・・・・・ふぅ」
 よかったぁー。あの階段と違って臭いがキツくない。階段と違ってここの事務所内は定期的に換気してるのかな?
 「ああー、もしかして階段を上がるとき煙草臭かったかい?」
 「ワシは気にならないが、コイツはツラそうにしていたぞ」
「やっぱり、天野くんはあそこの階段で煙草を吸ってることが多いからね。しかも風の通りが悪いから臭いが充満するしね。扇風機でも置いて換気しようかな? 」
 うん、個人的にそうして貰えると助かります。
 「天野くん、彼を連れてきたよ!」
 「ん、来たか」
 白髪混じりの黒髪で、いつも眠たそうにしていて左目に傷跡ある人。このソファーに座っている人がオズマさん達が言ってた天野さんに間違えなさそう。
 「彼? 彼女じゃないの?」
天野さんの隣にいる金髪のエルフ族のこの人が リトアさん かな?
 「ああー、コイツの身体が華奢だからそう見えるんだなぁ。ちゃんとした男だからな」
「フーン、紫音 って名前だから女の子だと思ってたわ。それにしてもこの子可愛いわねぇ~」
リトアさんは僕の側まで来ると、抱きついて頬擦りしてくる。
「ひにゃっ!?」
この人の胸が・・・・・・胸が大きい!?
「あら、可愛い声も出すのね。それじゃあここら辺も、スリスリ~」
「うぅ~・・・・・・」
頭やアゴの下を撫でてくるの気持ちいいけど止めて欲しい。
「仕事の話しがしたいから、その辺にしておけ」
「はぁ~い」
撫でるのを止めてくれたのは有り難いけど、何で抱きついたままなの?
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