クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第28話
 子供達と共にボムコーンを食べた後に、笑顔でさようならと別れた。
 「美味しかったね、ネネちゃん」
 「はい、お姉様!」
 ネネちゃんもこの様子なので、ボムコーンをアレンジしてよかったなぁ〜。と今でも思っている。
 「宿に帰ったら、なにをしようかなぁ〜」
 「夕食までゆっくりして、ご飯を食べましょうよ」
 「それが無難な選択かなぁ」 
 このまま外室をしていたところで、ただぶらぶらと歩いているだけで意味がないし、なによりも勇者達と不要な接触を増やす可能性があるからなぁ。
 そんな事を思っていたら宿に着いてしまったが、中から大声が聞こえて来る。
 「ん? なんかあったのかな?」
 「迷惑なお客様が来たのかな?」
 「確かめる必要性がありそうだね」
 そう言いつつ宿の中へと入って行くと、なんとマルコさんが三人のお客さんに絡まれているではないか!
 「マルコさん!?」
 「あ、エルライナさん・・・・・・」
 しまったぁ〜。と言いたそうな顔に手を当てていると、その内の一人が俺の元へやって来た。
 「お前がエルライナだな」
 「ええ、そうですよ。アナタの名前は?」
 そう言うけど知ってる。俺を目の敵にしていた不良のリーダーだ。なんでコイツがここにいるんだ?
 「名前なんて関係ねぇ。お前のせいで北山と相場が牢屋に入れられたんだぞ。どう責任を取るんだよ! なぁ!?」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハァ?」
 目の前にいるコイツがなにを言っているのか、俺には理解出来ないんですけどぉ。
 ネネちゃんを見つめてみると、彼女も俺と同じなのかポカーンとして能無しの顔を見つめている。
 「やれやれ、その二人が私になにをしたのか兵士から説明を受けたのですか?」
 「ああ、聞いた!」
 「聞いてその答えを導き出すとは。もう呆れたどころか存在が痛い」
 つーかもう日本人の恥さらしだろ、コイツ。
 「なんだとぉ!?」
 「さっきも他の勇者に話したけれども、アナタの国はお店の物を盗んだ上に店員さんに暴力を振るって、さらには剣で斬りつけようとする人に対して、無罪放免って判決を出すんですか?」
 少なくとも俺が知っている限りじゃ、留置所送りだと思う。
 「う、うるせぇ! そんなの関係ねぇだろっ!?」
 クソガキが使う、理由の言葉ベスト3。そんなの関係ねだろっ!? と言って話題を有耶無耶にする方法。
 「関係あるから言ってるんじゃないんですか。それが許される世界から来たのなら、どれだけ文化水準が低いか目に見えますね。それともただアナタが無能だから、そう言ってるのでしょうかねぇ」
 「な、テメェ馬鹿にしてんのか?」
 馬鹿を馬鹿にしてなにが悪いよ。
 「それに良し悪しの区別も出来ないなんて、勇者の前に人間としてどうかと思いますよ?」
 「う、うぐっ!?」
 「それを踏まえて言わせて貰います。アナタ達は勇者じゃない」
 俺がそう言うと不良リーダーが握り拳を作り、俺を怒りの目で見つめて来た。
 「それに、アナタ方がこれ以上問題を起こすのであれば私も行動させて頂きます」
 「ああ? なにをする気だよ、テメェ?」
 「総合ギルドの撤退。及び敵対行為を受けたので戦争です。そうなった場合、アナタ達の立場はどうなるんでしょうね」
 俺がそう言ったら不良リーダーの顔が青くなって行き、そして俺から離れる。どうやら事の重大さに気づいたらしい。
 「もう用がないのでしたら、この場から消えてください。目障りです」
 「わ、分かった。行くぞ」
 不良リーダーはそう言うと仲間を引き連れて宿を出て行ってしまった。
 「フゥ〜・・・・・・」
 どうやらあの馬鹿は、脅しには弱いみたいだ。
 「マルコさん、大丈夫ですか?」
 「あ、ああ。平気だよ。お店にも被害がないから安心して」
 「そう、すみません。私のせいでこんな事になってしまって」
 「いやいや、エルライナ様のせいではありやせんよ。むしろワイはスカッとやしたよ」
 マルコさんがニコニコしながらそう言うので安心していると、ネネちゃんが服の裾をクイクイッと引っ張って来た。
 「お姉様、あの人は一体誰だったんでしょうか?」
 「あれが勇者グループの二代勢力の一つ、ユウジ・オカノでっせ」
 「あれがそうなんですかぁ!?」
 ビックリしているネネちゃんに頷いて答える。
 「彼は勇者の中では一番強かった人間でやした」
 「「強かったぁ?」」
 「ええ、来た当初は一番強いと謳われていやしたけど最近では周りに追いつかれているみたいなんすよ」
 ゲームで例えると初期ステータスは強いけど後になって来てそうでもないってキャラポジションなのか、それとも単に彼が鍛えているのを怠っているからそうなっているのか、二択に一つだろうな。
 「でも、そんなに強くないのなら周りから見放されてもおかしくないのでは?」
 特にアイツが引き連れていた取り巻きとか。
 「ワイも最初はそう思っていやした。しかし、オカノにカリスマとは違いやすけど、それに近い才能がオカノにはありやした」
 「カリスマとは違う才能?」
 一体どんな才能なんだ?
 「危機管理っていった方がいいんすかね? なにかと危険を感じると、すぐに周りに知らせるんすよ。そして人を上手く操っていやす」
 「頭のキレが良い?」
 「っと言うよりも、指揮力があるって言った方がいいかもしれないでやす」
 「・・・・・・なるほどぉ」
 言われてみれば確かにそうかもしれない。だって最初俺に突っかかって来た時は喧嘩腰だったが、俺が説明をした時は不利と悟ったのか、逃げるようにしてこの場を去ったからなぁ。
 「集団生活をしている生き物の中には、群れを守る力とそれに見合った危険察知能力を持ったものが群れのリーダーになるからなぁ」
 例えば、マウンテンゴリラとか。
 「どういう事ですか、お姉様?」
 「危機管理と人材の使い方が人よりも少し優れていると思っているから、あんなふうにリーダーぶっているのかなぁ? って思ってね」
 もしかしたらだけど、チーム内で自分よりも優秀なヤツが出て来たら岡野のリーダーの地位は落ちる可能性があるかもしれない。あるいは・・・・・・。
 「お姉様」
 「ん?」
 「今そんな事を考えていても、仕方がありませんよ」
 「そうだね」
 そんな事を考えていても、俺には何も得もないからな。
 「とりあえず部屋に行こうか。マルコさん、部屋の鍵をお願いします」
 「はい、どうぞぉ」
 マルコさんから部屋の鍵を受け取り、部屋の中へと入る。
 「んん〜! 何だかんだ色々あったけど、無事に宿に帰ってこれてよかったぁ〜!」
 「そうですねぇ〜!」
 とりあえず、身につけているプレートキャリアやニーパッドなどの装備品を外して備品庫の中へと戻すと、近くに置いてあるイスに腰かける。
 「夕食までどう時間を過ごそうかなぁ?」
 「お姉様、私は本を読んでいますね。お姉様も一緒になって・・・・・・」
 「いや、私は遠慮しておくよ」
 美化された自分の物語なんて読みたくない。
 「そうですか。とても良い話が書いてあるのに、勿体ない」
 ネネちゃんはそう言うと、残念そうな顔をさせながら本を読み始めた。
 「私は私で備品チェックしておきますか」
 念の為に格納庫、武器庫、備品庫、ストレージの中を見て足りない物がないのかチェックしていく。
 う〜ん、弾はまだ有り余っているから平気だけど、生活用品が少なくなって来たなぁ。レンカさん宛てにシャンプーとリンスを送ったのは間違いだったかなぁ〜?
 「とにかく、一品づつ買っておこうかなぁ?」
 「お姉様、なにを買うんですか?」
 「ん? いや、こっちの話だから、気にしないで!」
 危ない危ない。普段は一人だけの空間で作業していたから、うっかりしていた!
 そう思いながら詰め替えタイプのシャンプーとリンスを購入するのであった。
 「美味しかったね、ネネちゃん」
 「はい、お姉様!」
 ネネちゃんもこの様子なので、ボムコーンをアレンジしてよかったなぁ〜。と今でも思っている。
 「宿に帰ったら、なにをしようかなぁ〜」
 「夕食までゆっくりして、ご飯を食べましょうよ」
 「それが無難な選択かなぁ」 
 このまま外室をしていたところで、ただぶらぶらと歩いているだけで意味がないし、なによりも勇者達と不要な接触を増やす可能性があるからなぁ。
 そんな事を思っていたら宿に着いてしまったが、中から大声が聞こえて来る。
 「ん? なんかあったのかな?」
 「迷惑なお客様が来たのかな?」
 「確かめる必要性がありそうだね」
 そう言いつつ宿の中へと入って行くと、なんとマルコさんが三人のお客さんに絡まれているではないか!
 「マルコさん!?」
 「あ、エルライナさん・・・・・・」
 しまったぁ〜。と言いたそうな顔に手を当てていると、その内の一人が俺の元へやって来た。
 「お前がエルライナだな」
 「ええ、そうですよ。アナタの名前は?」
 そう言うけど知ってる。俺を目の敵にしていた不良のリーダーだ。なんでコイツがここにいるんだ?
 「名前なんて関係ねぇ。お前のせいで北山と相場が牢屋に入れられたんだぞ。どう責任を取るんだよ! なぁ!?」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハァ?」
 目の前にいるコイツがなにを言っているのか、俺には理解出来ないんですけどぉ。
 ネネちゃんを見つめてみると、彼女も俺と同じなのかポカーンとして能無しの顔を見つめている。
 「やれやれ、その二人が私になにをしたのか兵士から説明を受けたのですか?」
 「ああ、聞いた!」
 「聞いてその答えを導き出すとは。もう呆れたどころか存在が痛い」
 つーかもう日本人の恥さらしだろ、コイツ。
 「なんだとぉ!?」
 「さっきも他の勇者に話したけれども、アナタの国はお店の物を盗んだ上に店員さんに暴力を振るって、さらには剣で斬りつけようとする人に対して、無罪放免って判決を出すんですか?」
 少なくとも俺が知っている限りじゃ、留置所送りだと思う。
 「う、うるせぇ! そんなの関係ねぇだろっ!?」
 クソガキが使う、理由の言葉ベスト3。そんなの関係ねだろっ!? と言って話題を有耶無耶にする方法。
 「関係あるから言ってるんじゃないんですか。それが許される世界から来たのなら、どれだけ文化水準が低いか目に見えますね。それともただアナタが無能だから、そう言ってるのでしょうかねぇ」
 「な、テメェ馬鹿にしてんのか?」
 馬鹿を馬鹿にしてなにが悪いよ。
 「それに良し悪しの区別も出来ないなんて、勇者の前に人間としてどうかと思いますよ?」
 「う、うぐっ!?」
 「それを踏まえて言わせて貰います。アナタ達は勇者じゃない」
 俺がそう言うと不良リーダーが握り拳を作り、俺を怒りの目で見つめて来た。
 「それに、アナタ方がこれ以上問題を起こすのであれば私も行動させて頂きます」
 「ああ? なにをする気だよ、テメェ?」
 「総合ギルドの撤退。及び敵対行為を受けたので戦争です。そうなった場合、アナタ達の立場はどうなるんでしょうね」
 俺がそう言ったら不良リーダーの顔が青くなって行き、そして俺から離れる。どうやら事の重大さに気づいたらしい。
 「もう用がないのでしたら、この場から消えてください。目障りです」
 「わ、分かった。行くぞ」
 不良リーダーはそう言うと仲間を引き連れて宿を出て行ってしまった。
 「フゥ〜・・・・・・」
 どうやらあの馬鹿は、脅しには弱いみたいだ。
 「マルコさん、大丈夫ですか?」
 「あ、ああ。平気だよ。お店にも被害がないから安心して」
 「そう、すみません。私のせいでこんな事になってしまって」
 「いやいや、エルライナ様のせいではありやせんよ。むしろワイはスカッとやしたよ」
 マルコさんがニコニコしながらそう言うので安心していると、ネネちゃんが服の裾をクイクイッと引っ張って来た。
 「お姉様、あの人は一体誰だったんでしょうか?」
 「あれが勇者グループの二代勢力の一つ、ユウジ・オカノでっせ」
 「あれがそうなんですかぁ!?」
 ビックリしているネネちゃんに頷いて答える。
 「彼は勇者の中では一番強かった人間でやした」
 「「強かったぁ?」」
 「ええ、来た当初は一番強いと謳われていやしたけど最近では周りに追いつかれているみたいなんすよ」
 ゲームで例えると初期ステータスは強いけど後になって来てそうでもないってキャラポジションなのか、それとも単に彼が鍛えているのを怠っているからそうなっているのか、二択に一つだろうな。
 「でも、そんなに強くないのなら周りから見放されてもおかしくないのでは?」
 特にアイツが引き連れていた取り巻きとか。
 「ワイも最初はそう思っていやした。しかし、オカノにカリスマとは違いやすけど、それに近い才能がオカノにはありやした」
 「カリスマとは違う才能?」
 一体どんな才能なんだ?
 「危機管理っていった方がいいんすかね? なにかと危険を感じると、すぐに周りに知らせるんすよ。そして人を上手く操っていやす」
 「頭のキレが良い?」
 「っと言うよりも、指揮力があるって言った方がいいかもしれないでやす」
 「・・・・・・なるほどぉ」
 言われてみれば確かにそうかもしれない。だって最初俺に突っかかって来た時は喧嘩腰だったが、俺が説明をした時は不利と悟ったのか、逃げるようにしてこの場を去ったからなぁ。
 「集団生活をしている生き物の中には、群れを守る力とそれに見合った危険察知能力を持ったものが群れのリーダーになるからなぁ」
 例えば、マウンテンゴリラとか。
 「どういう事ですか、お姉様?」
 「危機管理と人材の使い方が人よりも少し優れていると思っているから、あんなふうにリーダーぶっているのかなぁ? って思ってね」
 もしかしたらだけど、チーム内で自分よりも優秀なヤツが出て来たら岡野のリーダーの地位は落ちる可能性があるかもしれない。あるいは・・・・・・。
 「お姉様」
 「ん?」
 「今そんな事を考えていても、仕方がありませんよ」
 「そうだね」
 そんな事を考えていても、俺には何も得もないからな。
 「とりあえず部屋に行こうか。マルコさん、部屋の鍵をお願いします」
 「はい、どうぞぉ」
 マルコさんから部屋の鍵を受け取り、部屋の中へと入る。
 「んん〜! 何だかんだ色々あったけど、無事に宿に帰ってこれてよかったぁ〜!」
 「そうですねぇ〜!」
 とりあえず、身につけているプレートキャリアやニーパッドなどの装備品を外して備品庫の中へと戻すと、近くに置いてあるイスに腰かける。
 「夕食までどう時間を過ごそうかなぁ?」
 「お姉様、私は本を読んでいますね。お姉様も一緒になって・・・・・・」
 「いや、私は遠慮しておくよ」
 美化された自分の物語なんて読みたくない。
 「そうですか。とても良い話が書いてあるのに、勿体ない」
 ネネちゃんはそう言うと、残念そうな顔をさせながら本を読み始めた。
 「私は私で備品チェックしておきますか」
 念の為に格納庫、武器庫、備品庫、ストレージの中を見て足りない物がないのかチェックしていく。
 う〜ん、弾はまだ有り余っているから平気だけど、生活用品が少なくなって来たなぁ。レンカさん宛てにシャンプーとリンスを送ったのは間違いだったかなぁ〜?
 「とにかく、一品づつ買っておこうかなぁ?」
 「お姉様、なにを買うんですか?」
 「ん? いや、こっちの話だから、気にしないで!」
 危ない危ない。普段は一人だけの空間で作業していたから、うっかりしていた!
 そう思いながら詰め替えタイプのシャンプーとリンスを購入するのであった。
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