クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第18話
 オイオイオイ、最悪だ。さっき出て行った二人が戻ってくるとはな。
 「二人共、ここになにしに来たんだよ!」
 「なにって・・・・・・気分で来た」
 「そうそう、俺達が壊した店がどんな風になってるのかなぁ?ってな」
 謝りに来たんじゃねぇのかよ。しかも面白い半分で来ている時点で俺自身も腹が立つ。
 「ふざけんなよっ! 話は聞いているっ! その剣を持ち逃げしたんだってなぁ!!」
 「それにお店の人を怪我させておいて、その態度は何様のつもりなの?」
 委員長と男の子がそう言って詰め寄るが、野球部二人はヘラヘラとムカつく表情で答える。
 「世界を救う勇者様のつもりですが、なにか?」
 「そうそう、俺らがいなきゃ滅んじゃうザコ世界」
 マジでふざけてんのか、コイツらは?
 「ふざけてんのかお前らはっ!? ウチの店をこんなふうにしやがって!」
「あぁ? テメェ誰に向かって口答えしてんのか分かってんのか?」
 「ブッ飛ばしてやろうかぁ?」
 こんな事で暴力に出るとか、中坊以下だな。
 剣を取り出して店員に近づいて行く野球部二人。これはこれでマズイと感じたので、店員さんの前に出る。 
 「ストップ。これ以上店内で何かしようとするのなら、私も黙って見ていられないよ」
 「うわぁ美人じゃん!」
 「胸でけぇな!」
 オイオイ・・・・・・さっきの怒りどこへ行ったんだよ。と言いたくなるぐらいにやらしい目で俺の身体を見つめて来るので、気味悪く感じる。
 「一応聞くけど、ここになにをしに来たの? 謝りに来たのなら、さっさと頭を下げるのがスジじゃないのかい?」
 「なぁなぁ、俺と付き合わないか?」
 「おい、抜け駆けすんなよ! 俺が告白しようとしてたのによ!」
 「うるせぇな! 言ったもん勝ちだろ! な、アンタもそう思うよな?」
 ・・・・・・・・・・・・ハァ?
 「おい、お前のせいで困ってんじゃねぇか!」
 「お前のせいだろ!」
 こんなヤツらが勇者って、逃げた大野の気持ちが少しだけ分かった気がする。
 「私はアナタ達に呆れ返っているの」
 「「えっ!?」」
 「聞かれた問いに答えずに告白してくるなんて、3歳児の方が頭が良いと思えてくるわぁ〜」
 「「んだとぉ!?」」
 ムッとするどころか怒るなんて、どんだけ沸点が低いんだよコイツら。
 「それになに? 例え勇者でも剣を盗むどころか店員さんに暴行を加えた挙句、店を壊すなんて事して良いの?
 良いわけがないよね? アナタ達がやっている事は勇者がやる行為じゃないよね?」
 「う、うるさいなっ! お前には関係ないだろ!!」
 小学生の反論をすんなよ。
 「悪いけど関係ないってわけじゃないよ。だって私達総合ギルドに加入している冒険科。その冒険科にとって武具店がないと武器や防具の購入どころか修理も出来なくなるから困るし、迷惑なの。それが分からないの? その歳で?」
 「一軒潰れたって王都にはまだあるだろ!」
 「その一軒にお世話になっている人達がいるんだよ。特に常連さんとか、オーダーメイドで頼んでいる人とか困るでしょ」
 俺がそう言うと、反論出来なくなったのか。北なんとかがミスリルの剣を振り被った。
 「ぶっ殺してやる!」
 そう言ってから剣を振り下ろすが、手首を握り自分の右側に受け流してから左ひじで顔をど突く。
 「ウグッ!?」
 そして手首を素早く捻り上げるようにして剣を奪ったら、相手の喉の頸動脈に剣を当てた。なぜ刃を当てたかって? そのまま引くか押すかすれば確実に殺せるからだ。
 「ヒィッ!?」
 「よくもまぁこんな実力で、世界の救世主を名乗れるね」
 「テメェ、北山を!」
 「キミの行動次第で、私は彼を殺せるのが分からないのかな?」
 そう言った瞬間、ピタリともう一人の方がピタリと動きを止めた。
 「お、俺達を誰だと思っているんだよ?」
 「その言葉、そっくりそのまま返しますよ。下手すれば、アナタ達のせいで戦争になるのだから」
 「ハァ? どういう事だよ?」
 「私の容姿を見て分からないの? 常識不足だね」
 コイツらが称号を笠にかけるのなら、俺だって言いたくなかったけど言ってやる。
 「私の名ま・・・・・・」
 「そこでなにをしている!?」
 ん、誰だ?
 出入口を横目で見ると、鎧を着た屈強な男が店に入って来た。
 「またキサマらが問題を起こしたのかっ!?」
 「ち、ちげぇよ! そこの女に・・・・・・」
 「言い訳は無用! これで何度めだと思っているっ!!」
 屈強な男の言葉に恐れをなしているのか、身体を縮こませてしまった。
 「すまないが、そこのお嬢さん」
 「ん、私?」
 「そうだ。その剣を下ろしてくれないか?」
 「お断りします」
 「なぜですか?」
 なぜって、見れば分かるだろ。
 「下ろした瞬間、隣の子が襲って来そうなので下せません」
 そう、隣にいる馬鹿2号が剣に手をかけているのが見えているので、なにをしようとしているのか丸分かりだ。
 「アイバ! 剣から手を離して彼女から離れろ! 今すぐにだ!」
 「は、はいっ!?」
 あい、いや・・・・・・馬鹿2号はそう返事をすると、剣から手を離して俺から離れた。
 「・・・・・・それでよろしい」
 俺はそう言ってから、首元から離した。
 「ハァ〜・・・・・・ハァ〜・・・・・・」
 「命拾いしたね」
 「ヒィッ!?」
 馬鹿1号は悲鳴を上げると、走って俺から離れた。
 「スゴイ、あの人ただ者じゃない」
 「あ、ああ。そうだな」
 「あの人は一体何者なのかしら?」
 「ん? 白い髪にアメジストの様な瞳・・・・・・」
 一人気づきかけているな。
 「失礼ですが、名をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
 「名を聞く前に謝るべきではないでしょうか? 私は彼らに剣を振るわれたのですよ。因みにこの剣は彼が持っていた物ですよ」
 「なんだって!?」
 彼はそう言いながら、馬鹿ブラザーズを睨んだ。
 「今の話は本当か?」
 「違う! 俺達、あの女に・・・・・・」
 「ウソを言わないで! あの人にお店の人に謝って。って言葉に逆上して剣を抜いたでしょ!」
 「それにお前ら、このお店のミスリルの剣を奪って、お店を壊した上に店員を怪我させただろう!」
 委員長達がそう言うと、馬鹿ブラザーズの顔色が青くなっていく。
 「・・・・・・もういい。分かった」
 なにが分かったんだ?
 「その二人を牢にぶち込んでおけ! 国王と俺の許可が下りるまで絶対に外に出すな! 良いなっ!!」
 「「えっ!?」」
 連れ添い人が驚いている二人を取り押さえて縄で締めると担ぎ上げた。
 「離せぇっ!? 俺は勇者だぞっ!!」
 「こんな事をやって、世界がどうなっても良いのかよ!」
 そう言って叫ぶが、ドナドナされて行く二人。
 「勇者達がご迷惑をおかけしてしまい、大変申しわけありませんでした」
 そう言うが騎士の誇りなのか頭を下げない。でも反省している気持ちは伝わっているので、OKという事にしておこう。
 「申し遅れました。私の名前はこの国の騎士団長を勤めている オルト・ギルバーツ と申します。アナタの名前は?」
 「先ほど無礼な態度を取ってしまい、申しわけありませんでした。私の名は エルライナ・ディア ・バルデック 。バルデック公爵家の娘です。以後お見知り置きを」
 ネネちゃんの紹介を・・・・・・いや、止めておこう。ネネちゃんはスパイだからな。
 「エ、エルライナ・ディア ・バルデック 公爵!?」
 「あの有名な!?」
 「本物なの?」
 「本物ですよ。ほら、ちゃんと総合ギルドカードにも書いてありますよ」
 そう言って見せると、騎士団長は顔を青ざめさせる。
 「も、申しわけありませんでしたああああああっ!!?」
 事の重大さを察したのか、今度は平謝りをする騎士団長。後ろにいる四人の勇者達は、騎士団長がなんで謝っているのか、理解出来ない顔をしている。
 社会の勉強をしてるんだから、彼が頭を下げて意味ぐらい分かれよ!? 仕方ない。これも勉強の一環だと思ってくれ。
 「アナタの国の勇者が私を殺そうとして来た。これがどういう事を示唆しているか、分かりますよね?」
 「は、はい! 存じております。エルライナ様!」
 「アナタの国はリードガルム王国と総合ギルドに戦争を仕掛けるつもりでしたか?」
 「滅相もございません!?」
 後ろの四人は せ、戦争!? と言って驚いていた。
 「ちょっと待ってよ! アナタに切り掛かって戦争問題ってどういう事なのよ!?」
 「黙れっ!! 例え勇者と言えど頭が高い!!」
 「頭が、って」
 「良いから、私に任せるんだ」
 彼は四人の勇者達にそう言うと、俺の前で剣を抜き跪いた。
 「国王から授かったこの剣に誓って言います。我々はリードガルム王国と戦争を望んでおりません」
 「・・・・・・そうですか。でしたら誠意を見せて頂きましょうか?」
 「誠意ですか?」
 震えている騎士団長に対して、威厳たっぷりに見下ろしながら語る。
 「ええ、この店は総合ギルド系列の店なので店の修理費とミスリルの剣の弁償。それに加えて怪我を負わせた彼に対しての治療費と謝罪料を出して貰います」
 「もちろん、責任を持ってやらせて頂きましす」
 「そして、国王から謝罪文を総合ギルド経緯で頂きます。それで和解としましょう」
 要求が意外だったのか、目を丸くしていた。
 「ほ、本当にその条件でよろしいのですか?」
 「ええ、構いませんが、先ほど述べた条件の一つでも違えれば、どうなるか理解してますよね?」
 「ハハッ!? 理解しております」
 なんか、この人が可哀想に思えて来たぞ。
 「・・・・・・よろしい。話は以上です。立ち上がりなさい」
 「ハハッ! キミ達、俺についてくるんだ!」
 「えっ!? でもぉ・・・・・・」
 「良いからついて来るんだ!!」
 オルトさんは剣を仕舞い、戸惑っている勇者達を引き連れて出て行くのであった。
 「二人共、ここになにしに来たんだよ!」
 「なにって・・・・・・気分で来た」
 「そうそう、俺達が壊した店がどんな風になってるのかなぁ?ってな」
 謝りに来たんじゃねぇのかよ。しかも面白い半分で来ている時点で俺自身も腹が立つ。
 「ふざけんなよっ! 話は聞いているっ! その剣を持ち逃げしたんだってなぁ!!」
 「それにお店の人を怪我させておいて、その態度は何様のつもりなの?」
 委員長と男の子がそう言って詰め寄るが、野球部二人はヘラヘラとムカつく表情で答える。
 「世界を救う勇者様のつもりですが、なにか?」
 「そうそう、俺らがいなきゃ滅んじゃうザコ世界」
 マジでふざけてんのか、コイツらは?
 「ふざけてんのかお前らはっ!? ウチの店をこんなふうにしやがって!」
「あぁ? テメェ誰に向かって口答えしてんのか分かってんのか?」
 「ブッ飛ばしてやろうかぁ?」
 こんな事で暴力に出るとか、中坊以下だな。
 剣を取り出して店員に近づいて行く野球部二人。これはこれでマズイと感じたので、店員さんの前に出る。 
 「ストップ。これ以上店内で何かしようとするのなら、私も黙って見ていられないよ」
 「うわぁ美人じゃん!」
 「胸でけぇな!」
 オイオイ・・・・・・さっきの怒りどこへ行ったんだよ。と言いたくなるぐらいにやらしい目で俺の身体を見つめて来るので、気味悪く感じる。
 「一応聞くけど、ここになにをしに来たの? 謝りに来たのなら、さっさと頭を下げるのがスジじゃないのかい?」
 「なぁなぁ、俺と付き合わないか?」
 「おい、抜け駆けすんなよ! 俺が告白しようとしてたのによ!」
 「うるせぇな! 言ったもん勝ちだろ! な、アンタもそう思うよな?」
 ・・・・・・・・・・・・ハァ?
 「おい、お前のせいで困ってんじゃねぇか!」
 「お前のせいだろ!」
 こんなヤツらが勇者って、逃げた大野の気持ちが少しだけ分かった気がする。
 「私はアナタ達に呆れ返っているの」
 「「えっ!?」」
 「聞かれた問いに答えずに告白してくるなんて、3歳児の方が頭が良いと思えてくるわぁ〜」
 「「んだとぉ!?」」
 ムッとするどころか怒るなんて、どんだけ沸点が低いんだよコイツら。
 「それになに? 例え勇者でも剣を盗むどころか店員さんに暴行を加えた挙句、店を壊すなんて事して良いの?
 良いわけがないよね? アナタ達がやっている事は勇者がやる行為じゃないよね?」
 「う、うるさいなっ! お前には関係ないだろ!!」
 小学生の反論をすんなよ。
 「悪いけど関係ないってわけじゃないよ。だって私達総合ギルドに加入している冒険科。その冒険科にとって武具店がないと武器や防具の購入どころか修理も出来なくなるから困るし、迷惑なの。それが分からないの? その歳で?」
 「一軒潰れたって王都にはまだあるだろ!」
 「その一軒にお世話になっている人達がいるんだよ。特に常連さんとか、オーダーメイドで頼んでいる人とか困るでしょ」
 俺がそう言うと、反論出来なくなったのか。北なんとかがミスリルの剣を振り被った。
 「ぶっ殺してやる!」
 そう言ってから剣を振り下ろすが、手首を握り自分の右側に受け流してから左ひじで顔をど突く。
 「ウグッ!?」
 そして手首を素早く捻り上げるようにして剣を奪ったら、相手の喉の頸動脈に剣を当てた。なぜ刃を当てたかって? そのまま引くか押すかすれば確実に殺せるからだ。
 「ヒィッ!?」
 「よくもまぁこんな実力で、世界の救世主を名乗れるね」
 「テメェ、北山を!」
 「キミの行動次第で、私は彼を殺せるのが分からないのかな?」
 そう言った瞬間、ピタリともう一人の方がピタリと動きを止めた。
 「お、俺達を誰だと思っているんだよ?」
 「その言葉、そっくりそのまま返しますよ。下手すれば、アナタ達のせいで戦争になるのだから」
 「ハァ? どういう事だよ?」
 「私の容姿を見て分からないの? 常識不足だね」
 コイツらが称号を笠にかけるのなら、俺だって言いたくなかったけど言ってやる。
 「私の名ま・・・・・・」
 「そこでなにをしている!?」
 ん、誰だ?
 出入口を横目で見ると、鎧を着た屈強な男が店に入って来た。
 「またキサマらが問題を起こしたのかっ!?」
 「ち、ちげぇよ! そこの女に・・・・・・」
 「言い訳は無用! これで何度めだと思っているっ!!」
 屈強な男の言葉に恐れをなしているのか、身体を縮こませてしまった。
 「すまないが、そこのお嬢さん」
 「ん、私?」
 「そうだ。その剣を下ろしてくれないか?」
 「お断りします」
 「なぜですか?」
 なぜって、見れば分かるだろ。
 「下ろした瞬間、隣の子が襲って来そうなので下せません」
 そう、隣にいる馬鹿2号が剣に手をかけているのが見えているので、なにをしようとしているのか丸分かりだ。
 「アイバ! 剣から手を離して彼女から離れろ! 今すぐにだ!」
 「は、はいっ!?」
 あい、いや・・・・・・馬鹿2号はそう返事をすると、剣から手を離して俺から離れた。
 「・・・・・・それでよろしい」
 俺はそう言ってから、首元から離した。
 「ハァ〜・・・・・・ハァ〜・・・・・・」
 「命拾いしたね」
 「ヒィッ!?」
 馬鹿1号は悲鳴を上げると、走って俺から離れた。
 「スゴイ、あの人ただ者じゃない」
 「あ、ああ。そうだな」
 「あの人は一体何者なのかしら?」
 「ん? 白い髪にアメジストの様な瞳・・・・・・」
 一人気づきかけているな。
 「失礼ですが、名をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
 「名を聞く前に謝るべきではないでしょうか? 私は彼らに剣を振るわれたのですよ。因みにこの剣は彼が持っていた物ですよ」
 「なんだって!?」
 彼はそう言いながら、馬鹿ブラザーズを睨んだ。
 「今の話は本当か?」
 「違う! 俺達、あの女に・・・・・・」
 「ウソを言わないで! あの人にお店の人に謝って。って言葉に逆上して剣を抜いたでしょ!」
 「それにお前ら、このお店のミスリルの剣を奪って、お店を壊した上に店員を怪我させただろう!」
 委員長達がそう言うと、馬鹿ブラザーズの顔色が青くなっていく。
 「・・・・・・もういい。分かった」
 なにが分かったんだ?
 「その二人を牢にぶち込んでおけ! 国王と俺の許可が下りるまで絶対に外に出すな! 良いなっ!!」
 「「えっ!?」」
 連れ添い人が驚いている二人を取り押さえて縄で締めると担ぎ上げた。
 「離せぇっ!? 俺は勇者だぞっ!!」
 「こんな事をやって、世界がどうなっても良いのかよ!」
 そう言って叫ぶが、ドナドナされて行く二人。
 「勇者達がご迷惑をおかけしてしまい、大変申しわけありませんでした」
 そう言うが騎士の誇りなのか頭を下げない。でも反省している気持ちは伝わっているので、OKという事にしておこう。
 「申し遅れました。私の名前はこの国の騎士団長を勤めている オルト・ギルバーツ と申します。アナタの名前は?」
 「先ほど無礼な態度を取ってしまい、申しわけありませんでした。私の名は エルライナ・ディア ・バルデック 。バルデック公爵家の娘です。以後お見知り置きを」
 ネネちゃんの紹介を・・・・・・いや、止めておこう。ネネちゃんはスパイだからな。
 「エ、エルライナ・ディア ・バルデック 公爵!?」
 「あの有名な!?」
 「本物なの?」
 「本物ですよ。ほら、ちゃんと総合ギルドカードにも書いてありますよ」
 そう言って見せると、騎士団長は顔を青ざめさせる。
 「も、申しわけありませんでしたああああああっ!!?」
 事の重大さを察したのか、今度は平謝りをする騎士団長。後ろにいる四人の勇者達は、騎士団長がなんで謝っているのか、理解出来ない顔をしている。
 社会の勉強をしてるんだから、彼が頭を下げて意味ぐらい分かれよ!? 仕方ない。これも勉強の一環だと思ってくれ。
 「アナタの国の勇者が私を殺そうとして来た。これがどういう事を示唆しているか、分かりますよね?」
 「は、はい! 存じております。エルライナ様!」
 「アナタの国はリードガルム王国と総合ギルドに戦争を仕掛けるつもりでしたか?」
 「滅相もございません!?」
 後ろの四人は せ、戦争!? と言って驚いていた。
 「ちょっと待ってよ! アナタに切り掛かって戦争問題ってどういう事なのよ!?」
 「黙れっ!! 例え勇者と言えど頭が高い!!」
 「頭が、って」
 「良いから、私に任せるんだ」
 彼は四人の勇者達にそう言うと、俺の前で剣を抜き跪いた。
 「国王から授かったこの剣に誓って言います。我々はリードガルム王国と戦争を望んでおりません」
 「・・・・・・そうですか。でしたら誠意を見せて頂きましょうか?」
 「誠意ですか?」
 震えている騎士団長に対して、威厳たっぷりに見下ろしながら語る。
 「ええ、この店は総合ギルド系列の店なので店の修理費とミスリルの剣の弁償。それに加えて怪我を負わせた彼に対しての治療費と謝罪料を出して貰います」
 「もちろん、責任を持ってやらせて頂きましす」
 「そして、国王から謝罪文を総合ギルド経緯で頂きます。それで和解としましょう」
 要求が意外だったのか、目を丸くしていた。
 「ほ、本当にその条件でよろしいのですか?」
 「ええ、構いませんが、先ほど述べた条件の一つでも違えれば、どうなるか理解してますよね?」
 「ハハッ!? 理解しております」
 なんか、この人が可哀想に思えて来たぞ。
 「・・・・・・よろしい。話は以上です。立ち上がりなさい」
 「ハハッ! キミ達、俺についてくるんだ!」
 「えっ!? でもぉ・・・・・・」
 「良いからついて来るんだ!!」
 オルトさんは剣を仕舞い、戸惑っている勇者達を引き連れて出て行くのであった。
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