クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第35話
 「クソッ、脚が・・・・・・立てねぇ! なんでだよ、クソッ!?」
 この顔忘れもしない。自分の保身だけを考えていたあのクソ教師、大野 元久 だ!
 その 大野 元久 は自身が持っている剣を杖代わりにして、なんとか立ち上がってみせるが誰がどう見ても戦える状態じゃないのが見て分かる。
 「日本人・・・・・・だよな?」
 しかも大輝くん、復活してるし。
 「ええ、紛れもない日本人ね。なんでここにいるの?」
 「ん・・・・・・もしかして、失踪した勇者?」
 伊織ちゃんのその言葉に、大野はピクッと反応させた後に身体を震わせる。
 なんか様子がおかしいぞ?
 「・・・・・・だから」
 「ん?」
 「だからなんだってんだよっ!!」
 訳も分からず突然キレてスゴい剣幕で睨みつけて来たので、思わず一歩下がってしまった。
 「異世界人とクソ使えねぇ学生とテメェらのせいで、俺の人生はメチャクチャになったんだぞ!」
 俺らのせいで人生メチャクチャ?
 俺は大輝くん達と顔を合わせて見るが、お互いに心当たりがない。と言いたそうな顔をする。
 「異世界に来たら、 戦ってください! だの、 他の大陸の勇者は成果を出しているから、実戦をしましょう。 だの、ウダウダ言って来てよぉ! なによりもお前だよ、お前!」
 そう言って俺に指を差したのだ。
 「私?」
 転生してから、そんな恨まれるような事をしたっけ? 前世ならぁ・・・・・・いや、前世でも恨まれる事をしてないな。
 「そうだよっ! テメェが魔人を撃退したせいで、この世界の住人が魔人を撃退出来るのでしたら、 勇者様達なら倒せますよね。 とかほざきやがって、俺達の訓練が厳しくなったんだよっ!」
 「いや、それは・・・・・・」
 俺のせいじゃないと思う。
 「で、結局。なんでアナタは裏切ったの? アナタ教師でしょ? 可愛い教え子を見捨てるの?」
 オウカさんがそう聞くと、大野はニタリと顔を歪めながら嗤った。
 「クックックッ!?  アーッハッハッハッハッハッ!!?」
 「一体なにがおかしいんだよ!」
 怒り混じりに大輝くんがそう言うと、怒りか可笑しいのか見て分からない異常とも言えるような表情させながら、話し出した。
 「教え子ぉ? アイツらがぁ? バッカじゃねぇの!俺にとってはアイツらはなぁ、金の種だったんだよ!」
 金の種? 飯の種じゃねぇの?
 「教師になればよぉ、不景気問わず安定した収入が貰えるのは、お前も分かるよなぁ? その安定した収入を得る為にだけに俺は教師になったんだぜぇ〜」
 「生徒を正しい方向へ導く。って志ざしはアナタになかったの?」
 「そんなもん、ハナっからねぇよ。教員になる為に面接だって綺麗事をほざいたぐらいなんだぜ、俺はよぉ」
 こんなヤツが俺の担任をやっていたなんて・・・・・・。
 今すぐにでもブチのめしたい気持ちを抑えつつも、大野の話に耳を傾ける。
 「全く、俺の連中は馬鹿ばっかりだったぜ。授業を丁寧に教えてやっても赤点取るヤツもいれば、問題を起こすクソ猿もいてよぉ。
 こんな頭の悪い連中と一年過ごすと思うと、頭が痛てぇって思ってたぜ。道路に捨てられた汚ねぇ犬を飼った方がマシじゃねぇかって思うぐらいになぁ!」
 「テメェが言うなよ。腐れ脳みそ教師が」
 俺は周りに気づかれないようにボソッと言った。
 「でももう終わりよ。大人しく私達に捕まりなさい」
 美羽さんは大野がもう逃げられないと見たのか、少しづつ近づいて行くが大野も一歩づつ下がる。しかし、脚の腱を切断されたせいで歩幅がない。
 「クソッ! こんなところで捕まってたまるかぁ! おいキラヤ、なんとかしろぉっ!!」
 キラヤ? ひょっとして、リヴァイスの本名なのか?
 そう思っていると、ユウゼンさんと戦いを中断してこっちにやって来た。
 「そうねぇ、そろそろ潮時かしら」
 逃げるつもりか?
 前方には勇者達と俺。後方ではユウゼンさんがいる絶体絶命の中、キラヤは大野の右手を取ると、残った方の手で腕につけた紫色の宝石がついたバングルに触れる。
 「その前に、お前をパワーアップさせてやろう」
 「パワーアップ? やってくれ! そうすればここから逃げ出せるんだろう?」
 「ええ、逃げ出せるわ。ただし俺だけはな」
 キラヤがそう言うと、バングルの宝石部分が妖しく光り出した。
 「え? なに、うぎゃああああああああああああっっっ!!?」
 大野が悲痛な叫び声を上げながら、身体を踞った。
 「い、一体、俺の腕に・・・・・・なにをしたぁっ!?」
 「腕輪の力を解放しただけよ」
 「解放、だとぉ?」
 苦痛な表情でキラヤを見つめるが、本人は楽しいのか クックックッ。 と笑っている。
 「そうだ。その宝石は改良した寄生形のモンスターを閉じ込めるだけのものだ」
 「寄生形のモンスターを、グゥッ・・・・・・閉じ込める? お前、つければ強くなるって・・・・・・」
 「あれはウソよ。怪しむ様子もなくつける姿を見て、バカねって私は思ったわ」
 「グッ、ガァッ!?」
 剣を横なぎに振るうが、ヒラリとカンタンに避けられてしまう。
 「あの腕は・・・・・・なに?」
 伊織ちゃんが驚くのも無理はない。だって大野の右腕が異常なまでに膨れ上がっていて、皮膚には血管とは思えないスジが浮かび上がっていたのだから。
 「残念だったな。この仕事が成功していれば我々の仲間として迎え入れたのだが、失敗してしまってはな」
 「ウゥッ・・・・・・ま、待ってくれ! まだ失敗した訳じゃない・・・・・・俺と一緒に戦えば、なんとかなる、はずだっ!」
 「この人数相手にさすがに戦えないわよ。それに、使えなかったら見捨てても良いとあの方も仰っていた」
 あの方?
 「ウソ・・・・・・だろう?」
 「本当よ。こうなる事は想定していらしたのかも」
 つまりこの状況はその人の想定内で、大野はただの捨て駒だった。でも、成功すればこのまま引き仲間に入れも構わない。と考えていたんだろうな。
 「ウガァァァアアアアアアアアアアアアッッッ!!?」
おいおい、キラヤの話に夢中になっていて気がつかなかったが、大野の身体がヤバい事になってないか?
 そう、大野の腕どころか上半身も赤く膨れ上がっていて、上半身がビリビリと服を引き裂いていた。
 「そろそろ頃合いだな。さぁコイツら蹴散らせ」
 「なにを言って、ッ!?」
 なんと大野がこっちに目掛けてぶっ太い右腕を振りかざして来たのだ。俺は反射的に避けたのだが、大輝くんが避け切れなかった。
 「大輝くんっ!?」
 「大丈夫です、エルライナさん。防ぎましたから」
 どうやら横なぎを剣で防いだようだ。
 「ギャアアアアアアアアアアアアッッッ!? イテェッ! いてぇよぉっ!?」
 それに対して大野の方は、剣が腕に食い込んでいるせいで痛みを訴えている上に横向きになって倒れていた。
 「イデェッ、イデェよっ!? 早く取ってグレェ〜ッ!?」
 大輝くんは、大野の太い腕を払ってから距離を取った。
 「どうやら実験は成功したみたいね」
 「実験だと?」
 「そうだ。一つだけ、良い事教えてやろう」
「良い事?」
 良い事ってなんだ?
 「その実験体の身体に埋め込んだ寄生型モンスターは、アナタが以前ダンジョンで戦ったキメラに埋め込まれたモノの改良型よ」
 「あの化け物の事?」
 「そうだ。戦闘能力が高いだけで命令を無視するからな。戦闘データを取るついでに寄生虫を埋め込んだんだ」
 だとすると、あの首についていたのが寄生虫が入った宝石だったのか。
 「なるほど・・・・・・ねっ!・」
 そう言いつつ89式小銃素早く構えてキラヤに向かって3点バーストを撃ったのだが、大野がキラヤの目の前に立ち弾丸を防いだのだ。
 防いだ張本人の身体からは血が流れていて、痛いのかギャアギャア叫いている。
 「マジですか」
 自発的に守ろうとするとは思いもしなかった。
 「残念、ちゃんとご主人様を守ってくれる良い子よ」
 「それを踏まえて改良型って事ですね」
 「そうだ」
 このゲス野郎! 言いたい気持ちをグッと堪える。
 「そろそろお暇しましょうかしら。後はよろしくね。モルモッドくん」
 キラヤはそう言うと一人で庭へと出て、どこかへ走り去ってしまった。
 この顔忘れもしない。自分の保身だけを考えていたあのクソ教師、大野 元久 だ!
 その 大野 元久 は自身が持っている剣を杖代わりにして、なんとか立ち上がってみせるが誰がどう見ても戦える状態じゃないのが見て分かる。
 「日本人・・・・・・だよな?」
 しかも大輝くん、復活してるし。
 「ええ、紛れもない日本人ね。なんでここにいるの?」
 「ん・・・・・・もしかして、失踪した勇者?」
 伊織ちゃんのその言葉に、大野はピクッと反応させた後に身体を震わせる。
 なんか様子がおかしいぞ?
 「・・・・・・だから」
 「ん?」
 「だからなんだってんだよっ!!」
 訳も分からず突然キレてスゴい剣幕で睨みつけて来たので、思わず一歩下がってしまった。
 「異世界人とクソ使えねぇ学生とテメェらのせいで、俺の人生はメチャクチャになったんだぞ!」
 俺らのせいで人生メチャクチャ?
 俺は大輝くん達と顔を合わせて見るが、お互いに心当たりがない。と言いたそうな顔をする。
 「異世界に来たら、 戦ってください! だの、 他の大陸の勇者は成果を出しているから、実戦をしましょう。 だの、ウダウダ言って来てよぉ! なによりもお前だよ、お前!」
 そう言って俺に指を差したのだ。
 「私?」
 転生してから、そんな恨まれるような事をしたっけ? 前世ならぁ・・・・・・いや、前世でも恨まれる事をしてないな。
 「そうだよっ! テメェが魔人を撃退したせいで、この世界の住人が魔人を撃退出来るのでしたら、 勇者様達なら倒せますよね。 とかほざきやがって、俺達の訓練が厳しくなったんだよっ!」
 「いや、それは・・・・・・」
 俺のせいじゃないと思う。
 「で、結局。なんでアナタは裏切ったの? アナタ教師でしょ? 可愛い教え子を見捨てるの?」
 オウカさんがそう聞くと、大野はニタリと顔を歪めながら嗤った。
 「クックックッ!?  アーッハッハッハッハッハッ!!?」
 「一体なにがおかしいんだよ!」
 怒り混じりに大輝くんがそう言うと、怒りか可笑しいのか見て分からない異常とも言えるような表情させながら、話し出した。
 「教え子ぉ? アイツらがぁ? バッカじゃねぇの!俺にとってはアイツらはなぁ、金の種だったんだよ!」
 金の種? 飯の種じゃねぇの?
 「教師になればよぉ、不景気問わず安定した収入が貰えるのは、お前も分かるよなぁ? その安定した収入を得る為にだけに俺は教師になったんだぜぇ〜」
 「生徒を正しい方向へ導く。って志ざしはアナタになかったの?」
 「そんなもん、ハナっからねぇよ。教員になる為に面接だって綺麗事をほざいたぐらいなんだぜ、俺はよぉ」
 こんなヤツが俺の担任をやっていたなんて・・・・・・。
 今すぐにでもブチのめしたい気持ちを抑えつつも、大野の話に耳を傾ける。
 「全く、俺の連中は馬鹿ばっかりだったぜ。授業を丁寧に教えてやっても赤点取るヤツもいれば、問題を起こすクソ猿もいてよぉ。
 こんな頭の悪い連中と一年過ごすと思うと、頭が痛てぇって思ってたぜ。道路に捨てられた汚ねぇ犬を飼った方がマシじゃねぇかって思うぐらいになぁ!」
 「テメェが言うなよ。腐れ脳みそ教師が」
 俺は周りに気づかれないようにボソッと言った。
 「でももう終わりよ。大人しく私達に捕まりなさい」
 美羽さんは大野がもう逃げられないと見たのか、少しづつ近づいて行くが大野も一歩づつ下がる。しかし、脚の腱を切断されたせいで歩幅がない。
 「クソッ! こんなところで捕まってたまるかぁ! おいキラヤ、なんとかしろぉっ!!」
 キラヤ? ひょっとして、リヴァイスの本名なのか?
 そう思っていると、ユウゼンさんと戦いを中断してこっちにやって来た。
 「そうねぇ、そろそろ潮時かしら」
 逃げるつもりか?
 前方には勇者達と俺。後方ではユウゼンさんがいる絶体絶命の中、キラヤは大野の右手を取ると、残った方の手で腕につけた紫色の宝石がついたバングルに触れる。
 「その前に、お前をパワーアップさせてやろう」
 「パワーアップ? やってくれ! そうすればここから逃げ出せるんだろう?」
 「ええ、逃げ出せるわ。ただし俺だけはな」
 キラヤがそう言うと、バングルの宝石部分が妖しく光り出した。
 「え? なに、うぎゃああああああああああああっっっ!!?」
 大野が悲痛な叫び声を上げながら、身体を踞った。
 「い、一体、俺の腕に・・・・・・なにをしたぁっ!?」
 「腕輪の力を解放しただけよ」
 「解放、だとぉ?」
 苦痛な表情でキラヤを見つめるが、本人は楽しいのか クックックッ。 と笑っている。
 「そうだ。その宝石は改良した寄生形のモンスターを閉じ込めるだけのものだ」
 「寄生形のモンスターを、グゥッ・・・・・・閉じ込める? お前、つければ強くなるって・・・・・・」
 「あれはウソよ。怪しむ様子もなくつける姿を見て、バカねって私は思ったわ」
 「グッ、ガァッ!?」
 剣を横なぎに振るうが、ヒラリとカンタンに避けられてしまう。
 「あの腕は・・・・・・なに?」
 伊織ちゃんが驚くのも無理はない。だって大野の右腕が異常なまでに膨れ上がっていて、皮膚には血管とは思えないスジが浮かび上がっていたのだから。
 「残念だったな。この仕事が成功していれば我々の仲間として迎え入れたのだが、失敗してしまってはな」
 「ウゥッ・・・・・・ま、待ってくれ! まだ失敗した訳じゃない・・・・・・俺と一緒に戦えば、なんとかなる、はずだっ!」
 「この人数相手にさすがに戦えないわよ。それに、使えなかったら見捨てても良いとあの方も仰っていた」
 あの方?
 「ウソ・・・・・・だろう?」
 「本当よ。こうなる事は想定していらしたのかも」
 つまりこの状況はその人の想定内で、大野はただの捨て駒だった。でも、成功すればこのまま引き仲間に入れも構わない。と考えていたんだろうな。
 「ウガァァァアアアアアアアアアアアアッッッ!!?」
おいおい、キラヤの話に夢中になっていて気がつかなかったが、大野の身体がヤバい事になってないか?
 そう、大野の腕どころか上半身も赤く膨れ上がっていて、上半身がビリビリと服を引き裂いていた。
 「そろそろ頃合いだな。さぁコイツら蹴散らせ」
 「なにを言って、ッ!?」
 なんと大野がこっちに目掛けてぶっ太い右腕を振りかざして来たのだ。俺は反射的に避けたのだが、大輝くんが避け切れなかった。
 「大輝くんっ!?」
 「大丈夫です、エルライナさん。防ぎましたから」
 どうやら横なぎを剣で防いだようだ。
 「ギャアアアアアアアアアアアアッッッ!? イテェッ! いてぇよぉっ!?」
 それに対して大野の方は、剣が腕に食い込んでいるせいで痛みを訴えている上に横向きになって倒れていた。
 「イデェッ、イデェよっ!? 早く取ってグレェ〜ッ!?」
 大輝くんは、大野の太い腕を払ってから距離を取った。
 「どうやら実験は成功したみたいね」
 「実験だと?」
 「そうだ。一つだけ、良い事教えてやろう」
「良い事?」
 良い事ってなんだ?
 「その実験体の身体に埋め込んだ寄生型モンスターは、アナタが以前ダンジョンで戦ったキメラに埋め込まれたモノの改良型よ」
 「あの化け物の事?」
 「そうだ。戦闘能力が高いだけで命令を無視するからな。戦闘データを取るついでに寄生虫を埋め込んだんだ」
 だとすると、あの首についていたのが寄生虫が入った宝石だったのか。
 「なるほど・・・・・・ねっ!・」
 そう言いつつ89式小銃素早く構えてキラヤに向かって3点バーストを撃ったのだが、大野がキラヤの目の前に立ち弾丸を防いだのだ。
 防いだ張本人の身体からは血が流れていて、痛いのかギャアギャア叫いている。
 「マジですか」
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 「残念、ちゃんとご主人様を守ってくれる良い子よ」
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