クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第5章 プロローグ

  〜〜〜  ??? side  〜〜〜


 薄暗い部屋の中で、一人の子供が机の上に置かれている物を見つめながら頭を手でかいていた。


 「う〜〜〜ん」


 どうも分からないなぁ〜・・・・・・僕が作ったは知性が低いせいか言うことを聞かなくて使い物にならなかったけど力はあったから、どれぐらい強いのかデーター収集する為に亜人の迷宮へ送り込んだ。
 でも仲間の話しによれば総合ギルドの人達に倒されてしまったらしい。試作品とは言え僕の自信作の一つだったからなくなってしまって悲しいと言えば悲しいけど、 また作れるからなぁ〜。 と思えば、 気にしなくてもいいかなぁー。 と思ってしまう。ぶっちゃけ、どうでもよくなってしまってる。


 「そんなに悩んでどうしたのかしら、ヤハン?」


 「あ、リヴァイス! 」


 「相変わらずお前は変な物ばかり作っているな」


 「そんな事言わないでよぉ〜。ここに置いてあるのだって必要なサンプルなんだからさぁ!」


 机の上に置いてあるウネウネと薄気味悪い生き物に指をさしながら言うヤハンに対して、リヴァイスは若干引きながらカバンから資料を取り出す。


 「この前の情報まとめたのを持って来たわよ」


 「この前って言うと、僕が試作品が倒されたって言うあれの事だよね?」


 まさかアナタ、自分でキメラを作っといて 忘れてたよぉ〜。なんて言わないわよね? と言いたいが、そう話したら面倒くさい事になりそうなので言わずにいる。


 「そうだ、お前も読んどいた方がいいぞ。気になる事があったからな」


 「気になる情報? それってどんな情報なの? 教えて!」


 「例の白い髪の女の子が、アナタの作ったの試作品を倒したみたいなのよ」


 「フ〜〜〜ン・・・・・・そうなんだぁ〜。それさえ聞ければ後はどうでも良いから、ここら辺は読まなくてよさそうだね」


 二〜三枚の紙を一気にめくる姿を見たリヴァイスは心の中で、 ちゃんと読んで欲しい。 と思いながら呆れてしまう。


 「ん!? あの寄生魔虫、サンプルに寄生を成功させたんだっ!!」


 「そうみたいだな。しかしぃ〜・・・・・・」


 「結果は分かってるよ。失敗したんでしょ?」


 「ええ、でも良かったの? 結果的にアナタがせっかく作ったキメラが倒されちゃったのよ? しかもあれ、大事にしていただろう?」


 「う〜〜〜ん・・・・・・まぁ大事にしていたけどさ、前よりも良いものが作れる様になって来たら、なんかどうでもよくなって来たしね。
 それにあれは失敗作だったし、管理するのも面倒になって来たから戦闘データーと寄生魔虫のデーターを取るのにちょうどいいかなぁ? と思って迷宮へ送り込んだだけだよ」


 出来たのをあんなに喜んでいたのに、興味がなくなったら粗大ゴミ扱いか。とリヴァイスは思ってしまった。


 「う〜ん・・・・・・やっぱり、それなりに魔力が高くないと寄生しないっぽいし、核が身体の外に出ちゃうみたいだね。
 核が傷ついたら死んじゃうのかぁ〜・・・・・・ここら辺の弱点をどうにかしないとねぇ〜」


 「それをなんとかするのがアナタの役目でしょう?」


 「まぁ魔力に関しては未解明なところがあるから改良出来ないけど、弱点の方は改良出来そうだから頑張ってみる。
 そうそう、今度の任務にあの新人くんを連れて行くんだよね?」


 「・・・・・・新人?」


 嬉々せまるヤハンに対してリヴァイスは首を傾げて言ってしまうが、すぐに思い出した。


 「ああ、あの人の事ね」


 「うん、あの人の事。あの人と一緒に行動するんだったら、これを渡しておいてね」


 ヤハンは机の中から紫色の宝石がついたバングルを取り出しリヴァイスに見せると、 これはね。 と丁寧に説明をしだす。






 〜〜〜 エルライナ side 〜〜〜


 化け物との死闘から三日が経った。亜人の迷宮は内部調査する為に閉鎖を余儀なくされたのは言うまでもないが、ラミュールさんが言うには 近いうちには開放するから安心してくれ。 だそうだ。
 ちなみに化け物との戦いで一番報酬が多く貰えたのは無論俺である。緊急クエストの報酬配分には、 一悶着あるかもしれない。とエイド教官から聞いていたが全くなかった。
 まぁ主に戦ってたのはエイド教官達と俺だしね。
 それと、今回の事でアグス団長は監督責任を問われているので、亜人の迷宮の管理はダレンさんが仮団長として管理しているそうだ。
本人の話しによると、誰も迷宮に入りにこないから暇らしい。閉鎖中だから当然と言えば当然か。


 そんな穏やか日々が続いている中だが、俺は現在戦いをしていたっ!!


 カランッ! カランッ!


 「いらっしゃいませ! ご主人様ぁ!」


 「うわぁ〜、エルライナさんだ! 本当にエルライナさんがメイド喫茶で働いているぅぅぅううううううっっっ!!?」


 「違うよ、ご主人様。私の名前は エルエルだよ! よろしくねぇ〜!」


 お店に来たご主人様萌えブタをメイド服姿でお出迎えする。


 「エルエル?」


 「え? いや・・・・・・だってアナタは、亜人の迷宮から出てきた化け物を倒したエルライナさんでしょう?」


 「エルエル って言ってくれないとぉ〜、エルエルはぁ〜、ご主人様の事をキライになっちゃうかもよ?」


 「いや、でもぉ・・・・・・」


 前かがみになって悲しそうな顔をながら、上目遣いでご主人様を見つめてこう言う。


 「エルエル じゃあ・・・・・・ダメなのぉ」


 「ふ、ふぁぁぁあああぁぁぁあああ〜〜〜〜〜〜っっっ!!?」


満面の笑みを浮かべながら意味のない言葉を言うご主人様(笑)の姿を見た俺は、 よしっ! ヤツを墜とした! 間違えた戦闘機じゃなかった! ヤツを堕とした! と心の中でガッツポーズをしながら喜ぶ。


 「よ、よろしくお願いしますっ!! エルエルさんっ!!」


 「エ〜ルゥ〜エ〜ルゥ〜〜〜」


 「ハッ!? ゴメンなさい! エルエル!」


 「うんうん、ご主人様お一人ご案内しまぁ〜すっ!」


 ご主人様(笑)を営業スマイルで案内しながら心でこう思っていた。


 クッソオオオオオオッッッ!!!? あんな事しなきゃよかったぁぁぁあああああああああああああっっっっっっ!!!!?




 約一時間半前。


 総合ギルドで受けた依頼を達成したので報告をしに行こうと王都の道を歩いている途中で、気になるお店を見つけたので思わず足を止めてしまう。


 「ムムムムムゥ〜〜〜? これは・・・・・・」


 お店の前に立てかけている看板を凝視してしまう。書かれている内容はと言うと。


 メイド喫茶 @オレンジ&ライム@ 開店中!


 「こ、これはっ!?」


 メイド喫茶だとっ!? こ、この世界のにも聖地メイド喫茶が存在していたのかぁぁぁああああああっっっ!!?


 「・・・・・・入ってみようかな?」


 いや、今はもう女の子だから、お店に入るのはおかしいよね?
 いや待てよ、それはそれで偏見じゃないか? それに一度は行ってみたかったところだから、ここで行かなきゃいつ行くの?


 「今でしょ!」


 そう言いながらお店の中に入って行くと、可愛らしいメイドさんが萌えブタの俺を出迎えてくれた!


 「いらっしゃいませ! ご主人様ぁ! ミハルン がアン、じゃなかった! ご主人様の事をぉ〜・・・・・・」


 「・・・・・・あ」


 前言撤回。メイド喫茶に知っている顔が働いていた。


 「・・・・・・なんで」


 「ん?」


 「なんでアンタがここにくるのよおおおおおおっっっ!!?」


 「まぁ、うん・・・・・・興味があったから入ってみたんだ〜」


 「さっさと店から出て行きなさいよっ!!」


 ちょっと! ご主人様に向かってその言い方は失礼じゃないか? ・・・・・・いや待てよ。ミハルちゃんの性格自体を考えるとぉ〜・・・・・・ハッ!? そう言う事なのか!?


 「ミハルちゃんはツンデレ担当だから、そう言ってるんだね!」


 「ミハルは素でアンタに言ってるのよおおおおおおっっっ!!?」


 「ヤダ帰らないよ。席空いてる?」


 「ヌグググググゥゥゥゥゥゥ〜〜〜・・・・・・」


 ミハルちゃんが睨んでくるが気にしない。だってミハルちゃんをイジり倒そうと悪巧みをしているんだからさ。


 「こぉ〜ら、ミハルン。ご主人様に失礼な態度取っちゃダメニャ」


 ミハルちゃ・・・・・・いや、ミハルンの声を聞いたネコミミメイドさんが、お店の奥からこちらにやって来た。
 しかもその人のネコミミはピコピコ動いる上に、尻尾はフリフリ動いている! 前世とは違ってカチューシャとかじゃないっ!!
 そうか、夢にまで見た本物のネコミミメイドさんなんだっ!! 異世界に転生してよかったぁ〜〜〜っっっ!!! 異世界ばんざぁぁぁああああああいっっっ!!!!


 「て、店長っ!?」


 えっ!この人店長だったのっ!?


 「ミハルン♡がご主人様へ粗相な事をしてしまい、申しわけありません」


 店長さんが深々と頭を下げて謝罪するので俺は慌てながらこう言う。


 「き、気にしなくて大丈夫ですよ店長さん! ミハルちゃんと友達なので、さっきの様な言い方をされるのは分かってましたから!」


 「あら、そうだったのですか。ミハルンにちゃんとお友達がいたのですかぁ・・・・・・」


 まぁ本人は、 友達じゃなわよっ! って言いたそうな顔をしているけどね。


 「立ち話しもなんですから、どうぞこちらのお席の方に座って下さい。ご主人様」


 うんうん、これがメイド喫茶の接客・・・・・・のはずだよね? と思いながら席に座ると、立っているミハルに話しかける。


 「それで、どうしてミハルちゃんがここで働いてるの?」


 「師匠に、 ここで働いてその態度を直してこいっ!! って言って、ここの求人募集の依頼を受けさせられたのよ!」


 「へぇー、そうなんだぁ〜」


 「他人事みたく言うわねっ!!」


 「実際他人事だもん。それよりもぉ〜・・・・・・このメニューに書いてる。フワフワ@トロトロの大好きオムライス と、 愛情まぜまぜ! トロピカルミックスジュース♡ を下さい。ミハルン」


 「ウゥ〜〜〜・・・・・・かしこまりました。ご主人様」


 「ご主人様、かしこまりましたにゃん☆」


 笑顔でカウンターに向かう店長、本名かどうかは分からないけど、 みぃ と名札に書いてる店長と、不服そうな顔をして店長について行くミハルちゃんことミハルンを見送ると、店内を見回す。


 店内がキレイだし、塗料の匂いも残ってる。って事は最近始めたばっかりなのか? それにお客が俺しかいないのは、なんでだろう?
 最近始めばっかりだから。って可能性もあるし、お店を宣伝をしてないからと言うのもありそうな気がする。だってこのお店を紹介するようなチラシを見かけてないからなぁ〜。
 それと従業員が二人だけって言うのも気になるなぁ〜・・・・・・ピークの時に二人だけじゃお客を捌ききれないだろう。


 「出来上がったから持って来たわよぉ〜」


 ミハルンはそう言って料理をこっちに持ってくると、そのままテーブルの上に置いた。


 「さぁどうぞ、召し上がれ!」


 「・・・・・・え?」


 こ・・・・・・ここ、メイド喫茶だよね? ファミレスや居酒屋やマ◯クじゃないよね? 俺はのお店にいるんだよねぇっ!?


 「な、なによ! その不満そうな顔はっ!?」


 ・・・・・・コイツは、ヲタクの夢をブチ壊したっ!!


 「不合格っっっ!!!!!!」


 「ハァ? いきなりなにを言ってるのよ。アンタは?」


 「私が見本を見せてあげるから、ここで座ってなさいっ!!」


 「えっ!? ちょっ! なになにっ!?」


 戸惑っている駄メイドのミハルンを無理やり座らせると、テーブル置いてある料理を持つとカウンターの方へ行く・・・・・・そして。


 笑顔で料理をご主人様のところへ持っていくと、ご主人様の目の前でこう言う。


「お待たせしました! ご主人様☆ お料理をお持ちして来ましたぁ〜!」


 「え? な、なにぃ?」


 戸惑っているミハルンを余所に料理をテーブルの上へ置くと、ケチャップを取り出す。


 「それじゃあ私が愛情を注ぎまぁ〜す!」


 「ハ、ハァ?」


 オムライスにケチャップでハートマークを描くと、胸のあたりで手でハートマークを作ってメイド喫茶特有のおまじないを言う。


 「おいしくなぁ〜れ! 萌え萌えキュン」


 「なぁっ!?」


 俺のおまじないを見たミハルンは顔を真っ赤にさせて、陸に上げた魚の様に口をパクパクさせる。そんな様子を余所にスプーンwオムライスに刺してひと匙援うと、ミハルンの前に持っていく。


 「ご主人様、あ〜ん」


 「そ、そんな事出来るわけないでしょっ!!」


 そう言いながらそっぽを向かれてしまった。


 「もぉ〜っ! 食べてくれないと仕事にならないよぉ〜」


 「仕事って、アンタ今のやってて恥ずかしくないのっ!?」


 「いや、楽しかったよ。っていうか、ミハルンが今のをやらなきゃいけないんだよ。店長から教わらなかったの?」


 「あんな恥ずかしい事、出来るわけないじゃないっ!!」


 いや、メイド喫茶で働くのだからやらなきゃダメでしょ。


 ガシッ!?


 「ん?」


 後ろから右肩を掴まれたので、振り向いて見ると店長がいつの間にかいた。
 しかも獲物を見つけた獣の目している。


 「ねぇキミ、ウチで働いてみないかニャ?」


 「・・・・・・はい?」

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