クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第11話
 「フゥ~・・・・・・ただいまー」
 お店でエイドさん達と別れた後に、銀色の竜亭を目指して真っ直ぐ歩いて帰ってきた。
 「おかえり。と言いたいところなんだけども、ここはアンタの家じゃないよ!」
 うん・・・・・・いつも通りの返事だ。ホント、お婆さんその性格でよく結婚が出来た上に孫を持てたね。リマちゃんにはこうならないで欲しいよ。
 「なんだい、もう試験が終わったんかい。で試験の調子はどうだったんだい?」
 試験の結果を気にしてくれるとは根はいい人なんだな、この人は。
 「王都周辺で起きた出来事のせいで中止になりました」
 「ハァー、中止ねぇ~」
 「まぁ仕方ない事ですよ」
 「そうねぇ~、残念だったわねぇ」
 まぁ試験延期は本当に残念だったけど、延期なら延期で伸びた時間を下準備に当てられる。って考えれば、そんなに落ち込む事じゃないと思える。
 「それもあるけどアタシャの場合はね、賭けの結果が延期になるのが残念なんだよ」
 「え! ・・・・・・賭けですか?」
 「アンタが試験に合格するかしないか? でアタシャは賭けをしてたんだよ」
 お婆さん、そんな事をしてたんかい!? やっぱアンタは最低だよ!!
 「お婆さぁ~ん?」
 今すぐハンドガンを抜いてヘッドショットしたい! しかし犯罪者になるし、なによりもリマちゃんを悲しませたくないので殺らない。
 「そんな顔をしないでしないておくれよ! アタシャはアンタが合格するの方に賭けたんだから!」
 ・・・・・・もうこの人を怒るのは無駄かもしれない。
 「ハァー・・・・・・それよりも、これをカウンターに飾ってくれますか?」
 ラベンダーをアイテムボックスから出して見せると、なぜかお婆さんは驚いた顔をする。
 「アンタ、そんなもんでアタシャに借りを作るつもりかい?」
 「違いますよっ!? カウンターが殺風景な感じたので飾ってもらおうと思っただけですっ!!」
 「そうなのかい。タダなら貰っておくよ」
 お婆さんはそう言った後にラベンダーを俺の手からぶんどると、店の奥へ行ってしまう。
 「・・・・・・お礼ぐらい言わないまま行っちゃった」
 「アンタにお礼を言ったら、また照れて顔を赤くするでしょうが!」
 「うっ!?」
 戻って来たお婆さんに痛いところを突かれてしまった。
 「まぁ、殺風景よりはマシになったね。ほら、アンタの部屋の鍵だよ」
 「ありがとうごさいます。それじゃ部屋に戻らせて頂きますね」
 「あいよ」
 お婆さんにお礼を言った後に自分の部屋に戻ると念のためにドアに鍵をかけてから、装備している物を全部外す。
 「さてと、神様から貰った新しい能力を見てみよう。ロボットだから、多分格納庫の方にあるはず。えーっとぉ・・・・・・」
 そう言いながら、メニューを出してヒューマノイドを探していると。
 「これじゃない・・・・・・これでもない・・・・・・あった!」
ヒューマノイドを見つけたので、すぐに実体化させると俺の目の前に現れる。
 『マスター、ご命令をお願いします』
 おおーっ! 喋らないはずのコイツら喋ったよっ!!
 『ご命令をお願いします』
 命令か・・・・・・ちょっと試してみよう。
 「私と握手してみて」
 『かしこまりました』
 ヒューマノイドはそう返事をすると、差し出した手を握るが俺の手がミシミシと音を立て始める。
 「いだだだだだぁぁぁああああああっっt!!!? 痛いっ!! 痛いから離してっ!!!」
 『かしこまりました』
 ヒューマノイドはすぐに手を離してくれた為、俺の右手は握り潰されずに済んだ。
 「あー痛かったぁ。今度からは手加減をしようよ。さっきのは色々と危ないからさ」
 『了解。握力、対象人間の計算の再設定を開始します・・・・・・計算完了。マスター、これでもう大丈夫です』
 ホントかなぁ~? 試してみよう。
 「もう一回握ってみて」
 『了解しました』
 「・・・・・・おっ!」
 俺の手をまた握るが今度は痛くない。ちゃんと調整が出来ているみたいだ。
 『マスター、いかがですか?』
 「うん、大丈夫。今日呼んだのは挨拶だけだからね。これからよろしく!」
 『こちらこそ、よろしくお願いします』
 お互いに挨拶も済んだのでヒューマノイドを格納庫にしまい、休憩する為にそのまま近くにある椅子に座った。
 「・・・・・・ん?」
 通信? メルティナからだ。一体なんのようだろう?
 『こんにちはエルライナさん』
 なんかちょっと怒り口調だけど、なにかあったのかな?
 「ど、どうしたんですか、メルティナさん?」
 『エルライナさん・・・・・・アナタは忘れてましたね』
 「忘れて、って一体なにをですか?」
 なにか部屋に忘れ物をしたのなら大丈夫だったけど。
 『朝洗顔を忘れましたね』
 「洗が、あっ!」
 しまった!? 総合ギルドに行く前に洗顔する。 って約束したんだ! もしかしてあの時に神様が秘密と言ってたのはこれの事なのだったのかっ!!
 「いや、あの、そのぉ・・・・・・すみません! ど忘れてしてしまっただけでぇ・・・・・・」
 『言いわけは結構ですから、そこに正座しなさい』
 「え! それはぁ・・・・・・」
 『い・い・か・ら・そこにぃ、座りなさぁぁぁああああああいっっっ!!?』
 「は、はいっ!!?」
 スクリーンに映る般若のような顔をしたメルティナさんの迫力に気圧されてしまい、即座に床に正座をしてしまう。
 『いいですかエルライナさん。アナタは元男なのは分かりますが、それはもう過去の事です! 前にも言いましたが今は女性なので淑女の嗜みを身につけて頂かなければならなりません! そもそも、私がアナタに教えているのは・・・・・・』
 ああ〜・・・・・・メルティナさんのマシンガントークが始まっちゃったよ。しかも神様がメルティナさんの後ろでニヤニヤしながらようすを見てるから、メチャクチャムカつく!
 『ちょっと、聞いてますかっ!?』
 「はい! 大丈夫ですっ!!」
 『それでですね。これからは・・・・・・』
 「エルライナ~! アタシだけど、ドアを開けて欲しいんだぁっ!!」
 お! この声はバルデック公爵様の妻、アイーニャ様の声だ! 助かったっ!!
 『・・・・・・チッ!? お客様が来たのですね。今日はこれぐらいにしておます。ですが次忘れたら承知しませんよ』
 彼女はそう言った後に一方的に通信を切ってきた。
 こ、怖かったぁ。ってそれよりもアイーニャ様は、なんのようで俺のところに来たのかな?
 「い、今開けますから待って下さい!」
 正座のせいで足に痺れを感じながら、ドアまで歩きカギを開けた途端にドアが開かれアイーニャ様が抱きついてくる。
 「ふっふっふっふっ、捕まえた! これでアタシからは逃げられないよっ!!」
 「あのぉ~、逃げるつもりはないので離れてくれませんか?」
 「このままの方が良いのよ。うりゃっ!!」
 「え? ・・・・・・う、うわあっ!?」
 行きなり俺の体を持ち上げてからベッドまで行くと、ベッドの上に強制的に寝かされてアイーニャ様が俺の上に乗っかってくる。
 「ちょ、ちょっとアイーニャ様っ! どいて下さいっ!!」
 振りほどく事が出来ない! この人力強いすぎっ!!
 「アタシはどく気ないわぁ。それとアタシはエルライナにお礼を言いに来たんよ。聞いてくれる?」
 「は、はい。聞きますよ」
 大人しく話を聞いていればどいてくれるよね?
 「ネルソンからアンタがゾンビ達を蹴散らしたのと、ウルブ商会を捕まえるのに協力した事を聞いたわ。ありがとね」
 「ひにゅっ!? あうぅぅぅ・・・・・・・」
 真っ赤になった顔を両手で隠しながら悶えてしまう。
 「アッハッハッ! その反応良いわ! もっと誉めようかしら・」
 「きゃ、きゃらかわひゃいれぇ〜・・・・・・」
 呂律の回らない俺を余所にアイーニャ様は話を続けて行く。
 「それと、アンタにお礼をしなきゃいけないね」
 「お、おれひ?」
 「そう、お礼。アンタに大きな借りが出来たからね。だからアタシ達がアンタの希望を叶えてあげようと言う事になったから教えて欲しいんだ。何が欲しい?」
 「欲しい物はありましぇ、んにゃああああああああああああっっっ!!!?」
 アイーニャ様がいきなり脇腹をくすぐってきたから変な声が出てしまった。
 「エルライナ、それはなしよ。もう一回言ったら次はぁ・・・・・・そうだ、おっぱいを揉んで遊ぶぞ! それが嫌なら正直に答えるんだね」
 「な、ないです。だから離れて下ひゃぁぁぁああああああっ!!?」
 アイーニャ様の両手で胸を鷲掴みされてから円を書くように手を動かし揉んでくる。
 「ヤ、ヤメ! ひゃうんっ!?」
 「アンタがそう言うからいけないの。罰として堪能させて貰うからねぇ~〜〜」
 「えっ!? ちょっ・・・・・・・ヤ、ヤァッ! ひゃあっ!! ンン~~~〜〜〜っっっ!!?」
 な、なんでこんなに気持ち良いの?
 「良い声で鳴くねぇ~、もうちょい本気だしてみるかい」
 「も、もうゆるひて。はなひましゅかりゃ・・・・・・おへきゃいし・・・・・・」
 「楽しいから断るっ!!」
 「いやああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!?」
 その後もアイーニャ様に散々胸を揉まれてしまい。気力、そして体力共に根こそぎ抜き取られてしまった。
 「ハァ~、ハァ~・・・・・・もう、ゆ、ゆるひて。おねぇがいしゅましゅ」
 身体は汗ばんだ上に涙目で荒い呼吸しながら自分の胸を揉んだ張本人に懇願する。
 「正直言えばいいの。次言わなかったらぁ・・・・・・下の方もやるから」
 アイーニャ様にベルトを緩められたその瞬間に身体が強ばってしまう。
 「ひいっ!? い、家を買おうとしてましたっ!!」
 「家? ・・・・・・もしかして王都に住む気だったのかい?」
 「住むと言うより拠点です! だから一軒家で一人暮らしに良いお家を探しているんですっ!!」
 「・・・・・・なるほどねぇ~、それぐらいの事ならアタシに任せなさいっ!」
 彼女はそう言うと俺から離れてから椅子に座る。
 た、助かったぁ~!
 そう思いながら上半身を起こしてアイーニャ様を見る。
 「良いんですか? 私なんかの為に家を用意するなんて」
 「アンタがやってくれた事に比べたら、ちっぽけな物さ。楽しみしていな!」
 「は、はぁ?」
 本当に任せて大丈夫なのかな。変な事にならないよね?
 「それはそうとエルライナ」
 「はい」
 なんだろう? アイーニャ様が真剣な顔つきになるなんて。
 「ラクスラード帝国にいる勇者がこの王都に向かって来ているみたいなんだけど、理由は分かってるね?」
 勇者が王都に向かっている? まさか!
 「ゾンビの軍勢を倒した事を調べに来たんですか?」
 「その通り、どこの誰が倒したのかをね。あわよくばパーティーに入れようとしてくると思う。
 今現在ワイバーンで向かっていて明日にはここに着くんだけどぉ・・・・・・アタシらの国が今こんな状態だからすぐには謁見は出来ないんだよ。だから明後日の予定になるんだよ」
 「えっと、つまり私が倒した事を勇者達に話すって事ですよね?」
 「いいや、みんな言わないからそこんところは安心しな。アタシが言いたいのは明日には勇者がここに着くから会わないように注意して欲しいだけね」
 「そ、そうですか。分かりました」
 まぁ明日は試験会場になるダンジョンに潜るだけだから、会う事はないと思うけどね。
 「アタシからの話はこんなもんかね? ところでエルライナ」
 「はい」
 まだなにかあるの?
 「アンタのその乳はパッドじゃなかったのね。あまり揺れたりしないから疑ってたわぁ~」
 俺の胸、パッドって疑われてたの!?
 「気持ちいいからもう一回触らせて貰うからね。今度は直で」
 アイーニャ様はそう言った後に椅子から立ち上がり、卑猥な手つきで俺に近づいてくる。
 「ちょっ!? ちょっと待って下さいっ!! 今さっき私の胸を散々揉んだじゃないですかっ!!」
 「そうねぇ~、触ってたらなんかムラムラ来たから・・・・・・おっと! 逃がすつもりはないよぉ〜」
 ドアの方へ逃げようとしたところをアイーニャ様の両手に捕まれてしまう。
 「は、離して下さいっ! これはもう立派な浮気じゃないですかっ!! ヘブッ!?」
 そのままアイーニャ様にベッドに押し倒されて、今度は馬乗りの状態で見下ろしてくる。
 「浮気ってのは男と女が付き合ってる事。女同士で愛もなく触り合うのは、ただのじゃれあいさ。さぁ、観念してアタシに身を任せるんだね」
 「理由になってないっ!! どこ触っ、ひゃんっ!? も、もうやめ、アーーーーッ!!?」
 その後、アイーニャ様にたっぷり堪能されてしまったのは言うまでもない。
 お店でエイドさん達と別れた後に、銀色の竜亭を目指して真っ直ぐ歩いて帰ってきた。
 「おかえり。と言いたいところなんだけども、ここはアンタの家じゃないよ!」
 うん・・・・・・いつも通りの返事だ。ホント、お婆さんその性格でよく結婚が出来た上に孫を持てたね。リマちゃんにはこうならないで欲しいよ。
 「なんだい、もう試験が終わったんかい。で試験の調子はどうだったんだい?」
 試験の結果を気にしてくれるとは根はいい人なんだな、この人は。
 「王都周辺で起きた出来事のせいで中止になりました」
 「ハァー、中止ねぇ~」
 「まぁ仕方ない事ですよ」
 「そうねぇ~、残念だったわねぇ」
 まぁ試験延期は本当に残念だったけど、延期なら延期で伸びた時間を下準備に当てられる。って考えれば、そんなに落ち込む事じゃないと思える。
 「それもあるけどアタシャの場合はね、賭けの結果が延期になるのが残念なんだよ」
 「え! ・・・・・・賭けですか?」
 「アンタが試験に合格するかしないか? でアタシャは賭けをしてたんだよ」
 お婆さん、そんな事をしてたんかい!? やっぱアンタは最低だよ!!
 「お婆さぁ~ん?」
 今すぐハンドガンを抜いてヘッドショットしたい! しかし犯罪者になるし、なによりもリマちゃんを悲しませたくないので殺らない。
 「そんな顔をしないでしないておくれよ! アタシャはアンタが合格するの方に賭けたんだから!」
 ・・・・・・もうこの人を怒るのは無駄かもしれない。
 「ハァー・・・・・・それよりも、これをカウンターに飾ってくれますか?」
 ラベンダーをアイテムボックスから出して見せると、なぜかお婆さんは驚いた顔をする。
 「アンタ、そんなもんでアタシャに借りを作るつもりかい?」
 「違いますよっ!? カウンターが殺風景な感じたので飾ってもらおうと思っただけですっ!!」
 「そうなのかい。タダなら貰っておくよ」
 お婆さんはそう言った後にラベンダーを俺の手からぶんどると、店の奥へ行ってしまう。
 「・・・・・・お礼ぐらい言わないまま行っちゃった」
 「アンタにお礼を言ったら、また照れて顔を赤くするでしょうが!」
 「うっ!?」
 戻って来たお婆さんに痛いところを突かれてしまった。
 「まぁ、殺風景よりはマシになったね。ほら、アンタの部屋の鍵だよ」
 「ありがとうごさいます。それじゃ部屋に戻らせて頂きますね」
 「あいよ」
 お婆さんにお礼を言った後に自分の部屋に戻ると念のためにドアに鍵をかけてから、装備している物を全部外す。
 「さてと、神様から貰った新しい能力を見てみよう。ロボットだから、多分格納庫の方にあるはず。えーっとぉ・・・・・・」
 そう言いながら、メニューを出してヒューマノイドを探していると。
 「これじゃない・・・・・・これでもない・・・・・・あった!」
ヒューマノイドを見つけたので、すぐに実体化させると俺の目の前に現れる。
 『マスター、ご命令をお願いします』
 おおーっ! 喋らないはずのコイツら喋ったよっ!!
 『ご命令をお願いします』
 命令か・・・・・・ちょっと試してみよう。
 「私と握手してみて」
 『かしこまりました』
 ヒューマノイドはそう返事をすると、差し出した手を握るが俺の手がミシミシと音を立て始める。
 「いだだだだだぁぁぁああああああっっt!!!? 痛いっ!! 痛いから離してっ!!!」
 『かしこまりました』
 ヒューマノイドはすぐに手を離してくれた為、俺の右手は握り潰されずに済んだ。
 「あー痛かったぁ。今度からは手加減をしようよ。さっきのは色々と危ないからさ」
 『了解。握力、対象人間の計算の再設定を開始します・・・・・・計算完了。マスター、これでもう大丈夫です』
 ホントかなぁ~? 試してみよう。
 「もう一回握ってみて」
 『了解しました』
 「・・・・・・おっ!」
 俺の手をまた握るが今度は痛くない。ちゃんと調整が出来ているみたいだ。
 『マスター、いかがですか?』
 「うん、大丈夫。今日呼んだのは挨拶だけだからね。これからよろしく!」
 『こちらこそ、よろしくお願いします』
 お互いに挨拶も済んだのでヒューマノイドを格納庫にしまい、休憩する為にそのまま近くにある椅子に座った。
 「・・・・・・ん?」
 通信? メルティナからだ。一体なんのようだろう?
 『こんにちはエルライナさん』
 なんかちょっと怒り口調だけど、なにかあったのかな?
 「ど、どうしたんですか、メルティナさん?」
 『エルライナさん・・・・・・アナタは忘れてましたね』
 「忘れて、って一体なにをですか?」
 なにか部屋に忘れ物をしたのなら大丈夫だったけど。
 『朝洗顔を忘れましたね』
 「洗が、あっ!」
 しまった!? 総合ギルドに行く前に洗顔する。 って約束したんだ! もしかしてあの時に神様が秘密と言ってたのはこれの事なのだったのかっ!!
 「いや、あの、そのぉ・・・・・・すみません! ど忘れてしてしまっただけでぇ・・・・・・」
 『言いわけは結構ですから、そこに正座しなさい』
 「え! それはぁ・・・・・・」
 『い・い・か・ら・そこにぃ、座りなさぁぁぁああああああいっっっ!!?』
 「は、はいっ!!?」
 スクリーンに映る般若のような顔をしたメルティナさんの迫力に気圧されてしまい、即座に床に正座をしてしまう。
 『いいですかエルライナさん。アナタは元男なのは分かりますが、それはもう過去の事です! 前にも言いましたが今は女性なので淑女の嗜みを身につけて頂かなければならなりません! そもそも、私がアナタに教えているのは・・・・・・』
 ああ〜・・・・・・メルティナさんのマシンガントークが始まっちゃったよ。しかも神様がメルティナさんの後ろでニヤニヤしながらようすを見てるから、メチャクチャムカつく!
 『ちょっと、聞いてますかっ!?』
 「はい! 大丈夫ですっ!!」
 『それでですね。これからは・・・・・・』
 「エルライナ~! アタシだけど、ドアを開けて欲しいんだぁっ!!」
 お! この声はバルデック公爵様の妻、アイーニャ様の声だ! 助かったっ!!
 『・・・・・・チッ!? お客様が来たのですね。今日はこれぐらいにしておます。ですが次忘れたら承知しませんよ』
 彼女はそう言った後に一方的に通信を切ってきた。
 こ、怖かったぁ。ってそれよりもアイーニャ様は、なんのようで俺のところに来たのかな?
 「い、今開けますから待って下さい!」
 正座のせいで足に痺れを感じながら、ドアまで歩きカギを開けた途端にドアが開かれアイーニャ様が抱きついてくる。
 「ふっふっふっふっ、捕まえた! これでアタシからは逃げられないよっ!!」
 「あのぉ~、逃げるつもりはないので離れてくれませんか?」
 「このままの方が良いのよ。うりゃっ!!」
 「え? ・・・・・・う、うわあっ!?」
 行きなり俺の体を持ち上げてからベッドまで行くと、ベッドの上に強制的に寝かされてアイーニャ様が俺の上に乗っかってくる。
 「ちょ、ちょっとアイーニャ様っ! どいて下さいっ!!」
 振りほどく事が出来ない! この人力強いすぎっ!!
 「アタシはどく気ないわぁ。それとアタシはエルライナにお礼を言いに来たんよ。聞いてくれる?」
 「は、はい。聞きますよ」
 大人しく話を聞いていればどいてくれるよね?
 「ネルソンからアンタがゾンビ達を蹴散らしたのと、ウルブ商会を捕まえるのに協力した事を聞いたわ。ありがとね」
 「ひにゅっ!? あうぅぅぅ・・・・・・・」
 真っ赤になった顔を両手で隠しながら悶えてしまう。
 「アッハッハッ! その反応良いわ! もっと誉めようかしら・」
 「きゃ、きゃらかわひゃいれぇ〜・・・・・・」
 呂律の回らない俺を余所にアイーニャ様は話を続けて行く。
 「それと、アンタにお礼をしなきゃいけないね」
 「お、おれひ?」
 「そう、お礼。アンタに大きな借りが出来たからね。だからアタシ達がアンタの希望を叶えてあげようと言う事になったから教えて欲しいんだ。何が欲しい?」
 「欲しい物はありましぇ、んにゃああああああああああああっっっ!!!?」
 アイーニャ様がいきなり脇腹をくすぐってきたから変な声が出てしまった。
 「エルライナ、それはなしよ。もう一回言ったら次はぁ・・・・・・そうだ、おっぱいを揉んで遊ぶぞ! それが嫌なら正直に答えるんだね」
 「な、ないです。だから離れて下ひゃぁぁぁああああああっ!!?」
 アイーニャ様の両手で胸を鷲掴みされてから円を書くように手を動かし揉んでくる。
 「ヤ、ヤメ! ひゃうんっ!?」
 「アンタがそう言うからいけないの。罰として堪能させて貰うからねぇ~〜〜」
 「えっ!? ちょっ・・・・・・・ヤ、ヤァッ! ひゃあっ!! ンン~~~〜〜〜っっっ!!?」
 な、なんでこんなに気持ち良いの?
 「良い声で鳴くねぇ~、もうちょい本気だしてみるかい」
 「も、もうゆるひて。はなひましゅかりゃ・・・・・・おへきゃいし・・・・・・」
 「楽しいから断るっ!!」
 「いやああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!?」
 その後もアイーニャ様に散々胸を揉まれてしまい。気力、そして体力共に根こそぎ抜き取られてしまった。
 「ハァ~、ハァ~・・・・・・もう、ゆ、ゆるひて。おねぇがいしゅましゅ」
 身体は汗ばんだ上に涙目で荒い呼吸しながら自分の胸を揉んだ張本人に懇願する。
 「正直言えばいいの。次言わなかったらぁ・・・・・・下の方もやるから」
 アイーニャ様にベルトを緩められたその瞬間に身体が強ばってしまう。
 「ひいっ!? い、家を買おうとしてましたっ!!」
 「家? ・・・・・・もしかして王都に住む気だったのかい?」
 「住むと言うより拠点です! だから一軒家で一人暮らしに良いお家を探しているんですっ!!」
 「・・・・・・なるほどねぇ~、それぐらいの事ならアタシに任せなさいっ!」
 彼女はそう言うと俺から離れてから椅子に座る。
 た、助かったぁ~!
 そう思いながら上半身を起こしてアイーニャ様を見る。
 「良いんですか? 私なんかの為に家を用意するなんて」
 「アンタがやってくれた事に比べたら、ちっぽけな物さ。楽しみしていな!」
 「は、はぁ?」
 本当に任せて大丈夫なのかな。変な事にならないよね?
 「それはそうとエルライナ」
 「はい」
 なんだろう? アイーニャ様が真剣な顔つきになるなんて。
 「ラクスラード帝国にいる勇者がこの王都に向かって来ているみたいなんだけど、理由は分かってるね?」
 勇者が王都に向かっている? まさか!
 「ゾンビの軍勢を倒した事を調べに来たんですか?」
 「その通り、どこの誰が倒したのかをね。あわよくばパーティーに入れようとしてくると思う。
 今現在ワイバーンで向かっていて明日にはここに着くんだけどぉ・・・・・・アタシらの国が今こんな状態だからすぐには謁見は出来ないんだよ。だから明後日の予定になるんだよ」
 「えっと、つまり私が倒した事を勇者達に話すって事ですよね?」
 「いいや、みんな言わないからそこんところは安心しな。アタシが言いたいのは明日には勇者がここに着くから会わないように注意して欲しいだけね」
 「そ、そうですか。分かりました」
 まぁ明日は試験会場になるダンジョンに潜るだけだから、会う事はないと思うけどね。
 「アタシからの話はこんなもんかね? ところでエルライナ」
 「はい」
 まだなにかあるの?
 「アンタのその乳はパッドじゃなかったのね。あまり揺れたりしないから疑ってたわぁ~」
 俺の胸、パッドって疑われてたの!?
 「気持ちいいからもう一回触らせて貰うからね。今度は直で」
 アイーニャ様はそう言った後に椅子から立ち上がり、卑猥な手つきで俺に近づいてくる。
 「ちょっ!? ちょっと待って下さいっ!! 今さっき私の胸を散々揉んだじゃないですかっ!!」
 「そうねぇ~、触ってたらなんかムラムラ来たから・・・・・・おっと! 逃がすつもりはないよぉ〜」
 ドアの方へ逃げようとしたところをアイーニャ様の両手に捕まれてしまう。
 「は、離して下さいっ! これはもう立派な浮気じゃないですかっ!! ヘブッ!?」
 そのままアイーニャ様にベッドに押し倒されて、今度は馬乗りの状態で見下ろしてくる。
 「浮気ってのは男と女が付き合ってる事。女同士で愛もなく触り合うのは、ただのじゃれあいさ。さぁ、観念してアタシに身を任せるんだね」
 「理由になってないっ!! どこ触っ、ひゃんっ!? も、もうやめ、アーーーーッ!!?」
 その後、アイーニャ様にたっぷり堪能されてしまったのは言うまでもない。
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