クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第3章 プロローグ
 ~~~ [ラクスラード帝国]帝都寝室 ラクスラード帝王 side ~~~
 「なんと! そのような事があったのか!」
 「・・・・・・はい」
 「それは真の話なのか?」
 「はい、確かにリードガルム王国の草原で起き、私もその現場を見て来ました」
 ラクスラード皇帝国の皇帝の寝室で、年老いた男と仮面を付けた者のたった二人だけで交わされる話をしていて仮面を被った男は年老いた男に向かって膝を付いている。
 「うーむ、我が大陸の勇者達はここに戻って来ているのだろう?」
 「はい、皇帝様。今はまだ朝早いので、寝室で就寝しておられると思います」
 男は顎に蓄えた髭を擦りながら考える。
 「まさかと思うが、噂で聞いていた別大陸で召喚された二十七人の勇者達がここまで来て魔人とゾンビ達を倒して帰った。なんて事はあり得るか?」
 「恐れながら申し上げますと、あり得ないと私は思っております」
 「やはり、お主もそう思うか」
 「はい、あの大陸とリードガルムを結ぶ魔方陣はどこにも存在しませんし、ましてや事件から二日たっても、なにも言わないのでその可能性は低いかと」
 「うーむ。考えれば考えるほど謎が深まるばかりで答えが出んな・・・・・・よし、暗部長よ。ワシの話しをよく聞け」
 「ハッ!」
 暗部長はラクスラード皇帝に伝わるぐらいの声で静かに返信する。
 「リードガルムに事件の詳細を我が国に伝えるように手紙を出し、その渡し役に勇者を向かわせる」
 暗部長は声は出さないが仮面の下からでも分かるぐらい皇帝の言葉に驚きの表情を見せる。
 「勇者達が我が国から離れてもよろしいのですか?」
 「大丈夫だ。彼らもいずれは他の国を回らないといけない身。それに、ここからリードガルムまでの距離なら旅の練習には、ちょうど良い距離だとワシは思っている」
 「馬車で一週間ぐらいですから仰っている事は分かりますが・・・・・・」
 「それに彼らは魔人と対等に渡り合える力がある。そこらへんにいる盗賊なら勝てるだろうし、ましてやリードガルムは我ら三国が同盟の証に建てた国なのだから、勇者達を悪用するような事はないだろう。他の者には明日ワシから話そう」
 「・・・・・・分かりました。ではリードガルムにいる者達に伝えます」
 「うむ、それと例の件、はぐれてしまった勇者について進展はあったか?」
 皇帝がそう聞くと暗部長は首を横へ振った後に話し始める。
 「我々一同になって別大陸にも捜索隊を派遣してみましたが一向に見つかりません。もしかしたら、もうお亡くなりになられた可能性があるかと思いますが・・・・・・」
 皇帝は彼の言った言葉を否定するように首を横に振った。
 「いや、その可能性は少ない。現に勇者召喚した国が探し続けているのが何よりの証拠だ。
 それに、もし我ら三国以外の・・・・・・いや、クズみたいな国がその勇者を捕まえてしまったら、とんでもない事に使われてしまうのは・・・・・・理解出来るだろう?」
 その言葉を聞いた暗部長は少しうつむいた後に、皇帝をまっすぐ見て口を開き始める。
 「申し訳ありません皇帝陛下。私は軽率な考えを持っておりました。引き続き捜索を続けていきます。他になにかありますか?」
 「ない。後はお前達に任せる」
 「御意」
 暗部長は返事をした後、そのまま姿を何処かへ消して行く。
 「その者が無事でいてくれれば良いのだが・・・・・・さて、ワシの方も着替えて準備に取りかかるとするか」
 皇帝はそう言うと呼び鈴鳴らし使用人を部屋に呼ぶと、公務の準備をするのであった。
 ~~~ リードガルム王国 王都北門番  side ~~~
 「はい、終わりました。ようこそリードガルム王都へ! どうぞお通り下さい!」
 リードガルムの東門の門番達は謙虚な心をモットーに、いつも通り朝早くからリードガルムを訪れる人達を検問していたのだが・・・・・・今日だけは違った。
 「次の方どうぞ、おぉぉぉおおおおおおおおっっっ!!?」
 門番達の自分の前に立った人を見た瞬間に驚きながら退いてしまう。
 「あらやだわぁん。門番さんどおしたのかしらぁ~?」
 「お、お前は一体何者だっっっ!!? な、な、なななにをしに王都に来たっ!?」
 門番はそう言いながら腰に差してある剣に手を掛ける。
 「やだわぁ〜門番さぁん。アタシわね、故郷に帰って来ただけなのよぉ〜? だ・か・らぁ~・・・・・・そんな物騒な物に手をかけないで貰えるかしらぁ~?」
 「こ、故郷? ここがぁ?」
 「そうよぉ〜。こ・こ・が・ア・タ・シ・のぉ~・・・・・・故郷なのよぉぉぉおおおおおおっっっ!!」
 そう言いながら目の前にいる人の謎のポーズを取る姿を見た門番達の顔は引きつっていた。
 「・・・・・・・・・・・・は、はぁ?」
 門番は目の前に立っている人を見てこう思ってしまう。本当にここがコイツの故郷なのか?
 「ま、まぁ良い。お前、身分証は持っているか?」
 「持っているわよぉ~。はいこれ、ア・タ・シ・の総合ギルドカードよぉ〜っ!!」
 「お、おう! 見させてもらうぞ」
 門番はそう言うと、震える手で総合ギルドカードを受け取り眉をひそめて確認するが、途中で驚いた顔に変わる。
 「ア、アナタはエド・・・・・・」
 「ピーチよ!」
 「・・・・・・へぇ?」
 「今のアタシの名前はピーチなのよぉっ!!」
 「ピ、ピーチ? いえ、アナタはエ・・・・・・」
 「ピーチッッッ!! ア・ナ・タはアタシの名前を言っても分からないのかしらぁ?」
 ピーチと名乗る彼の剣幕に門番はたじろいてしまう。それは仕方ない。門番は彼、いや彼女? の事を知っているから。
 「ひぃ!? 失礼しましたピーチ様っ!! 全く問題はありませんので、どうぞお通りくださいっっっ!!」
 「ウフフッ! ありがとう。門番さん達もお仕事頑張ってね」
 彼女? はそう言った後に王都へ入って行く。
 「・・・・・・あの噂は本当だったんだ」
 門番は信じられない顔をしながらピーチと名乗る男を見送ったのであった。
 ~~~ エルライナ side ~~~
 「プシュッ!? ・・・・・・ん? ふぁ~あ・・・・・・」
 うぅん、自分のくしゃみで起きちゃったよ。もしかして誰かがでも噂をしたのかな? いや、そんなわけないか。一応今何時か見ておこう。
 メニューを出しスクリーンの右上の隅っこにある時間を見て確かめる。
 えーと、時間はぁ・・・・・・朝の五時前か。ならまだ寝れるなぁ。
 「・・・・・・まだちょっと時間があるから寝よう。ふぁ~あ・・・・・・お休みぃ」
 彼女はまた布団を被り始める。
 本当にこの宿のお布団、ふかふかで気持ちいいな。
 彼女はそう思った後に、すぐに寝息を立てるのであった。
 「なんと! そのような事があったのか!」
 「・・・・・・はい」
 「それは真の話なのか?」
 「はい、確かにリードガルム王国の草原で起き、私もその現場を見て来ました」
 ラクスラード皇帝国の皇帝の寝室で、年老いた男と仮面を付けた者のたった二人だけで交わされる話をしていて仮面を被った男は年老いた男に向かって膝を付いている。
 「うーむ、我が大陸の勇者達はここに戻って来ているのだろう?」
 「はい、皇帝様。今はまだ朝早いので、寝室で就寝しておられると思います」
 男は顎に蓄えた髭を擦りながら考える。
 「まさかと思うが、噂で聞いていた別大陸で召喚された二十七人の勇者達がここまで来て魔人とゾンビ達を倒して帰った。なんて事はあり得るか?」
 「恐れながら申し上げますと、あり得ないと私は思っております」
 「やはり、お主もそう思うか」
 「はい、あの大陸とリードガルムを結ぶ魔方陣はどこにも存在しませんし、ましてや事件から二日たっても、なにも言わないのでその可能性は低いかと」
 「うーむ。考えれば考えるほど謎が深まるばかりで答えが出んな・・・・・・よし、暗部長よ。ワシの話しをよく聞け」
 「ハッ!」
 暗部長はラクスラード皇帝に伝わるぐらいの声で静かに返信する。
 「リードガルムに事件の詳細を我が国に伝えるように手紙を出し、その渡し役に勇者を向かわせる」
 暗部長は声は出さないが仮面の下からでも分かるぐらい皇帝の言葉に驚きの表情を見せる。
 「勇者達が我が国から離れてもよろしいのですか?」
 「大丈夫だ。彼らもいずれは他の国を回らないといけない身。それに、ここからリードガルムまでの距離なら旅の練習には、ちょうど良い距離だとワシは思っている」
 「馬車で一週間ぐらいですから仰っている事は分かりますが・・・・・・」
 「それに彼らは魔人と対等に渡り合える力がある。そこらへんにいる盗賊なら勝てるだろうし、ましてやリードガルムは我ら三国が同盟の証に建てた国なのだから、勇者達を悪用するような事はないだろう。他の者には明日ワシから話そう」
 「・・・・・・分かりました。ではリードガルムにいる者達に伝えます」
 「うむ、それと例の件、はぐれてしまった勇者について進展はあったか?」
 皇帝がそう聞くと暗部長は首を横へ振った後に話し始める。
 「我々一同になって別大陸にも捜索隊を派遣してみましたが一向に見つかりません。もしかしたら、もうお亡くなりになられた可能性があるかと思いますが・・・・・・」
 皇帝は彼の言った言葉を否定するように首を横に振った。
 「いや、その可能性は少ない。現に勇者召喚した国が探し続けているのが何よりの証拠だ。
 それに、もし我ら三国以外の・・・・・・いや、クズみたいな国がその勇者を捕まえてしまったら、とんでもない事に使われてしまうのは・・・・・・理解出来るだろう?」
 その言葉を聞いた暗部長は少しうつむいた後に、皇帝をまっすぐ見て口を開き始める。
 「申し訳ありません皇帝陛下。私は軽率な考えを持っておりました。引き続き捜索を続けていきます。他になにかありますか?」
 「ない。後はお前達に任せる」
 「御意」
 暗部長は返事をした後、そのまま姿を何処かへ消して行く。
 「その者が無事でいてくれれば良いのだが・・・・・・さて、ワシの方も着替えて準備に取りかかるとするか」
 皇帝はそう言うと呼び鈴鳴らし使用人を部屋に呼ぶと、公務の準備をするのであった。
 ~~~ リードガルム王国 王都北門番  side ~~~
 「はい、終わりました。ようこそリードガルム王都へ! どうぞお通り下さい!」
 リードガルムの東門の門番達は謙虚な心をモットーに、いつも通り朝早くからリードガルムを訪れる人達を検問していたのだが・・・・・・今日だけは違った。
 「次の方どうぞ、おぉぉぉおおおおおおおおっっっ!!?」
 門番達の自分の前に立った人を見た瞬間に驚きながら退いてしまう。
 「あらやだわぁん。門番さんどおしたのかしらぁ~?」
 「お、お前は一体何者だっっっ!!? な、な、なななにをしに王都に来たっ!?」
 門番はそう言いながら腰に差してある剣に手を掛ける。
 「やだわぁ〜門番さぁん。アタシわね、故郷に帰って来ただけなのよぉ〜? だ・か・らぁ~・・・・・・そんな物騒な物に手をかけないで貰えるかしらぁ~?」
 「こ、故郷? ここがぁ?」
 「そうよぉ〜。こ・こ・が・ア・タ・シ・のぉ~・・・・・・故郷なのよぉぉぉおおおおおおっっっ!!」
 そう言いながら目の前にいる人の謎のポーズを取る姿を見た門番達の顔は引きつっていた。
 「・・・・・・・・・・・・は、はぁ?」
 門番は目の前に立っている人を見てこう思ってしまう。本当にここがコイツの故郷なのか?
 「ま、まぁ良い。お前、身分証は持っているか?」
 「持っているわよぉ~。はいこれ、ア・タ・シ・の総合ギルドカードよぉ〜っ!!」
 「お、おう! 見させてもらうぞ」
 門番はそう言うと、震える手で総合ギルドカードを受け取り眉をひそめて確認するが、途中で驚いた顔に変わる。
 「ア、アナタはエド・・・・・・」
 「ピーチよ!」
 「・・・・・・へぇ?」
 「今のアタシの名前はピーチなのよぉっ!!」
 「ピ、ピーチ? いえ、アナタはエ・・・・・・」
 「ピーチッッッ!! ア・ナ・タはアタシの名前を言っても分からないのかしらぁ?」
 ピーチと名乗る彼の剣幕に門番はたじろいてしまう。それは仕方ない。門番は彼、いや彼女? の事を知っているから。
 「ひぃ!? 失礼しましたピーチ様っ!! 全く問題はありませんので、どうぞお通りくださいっっっ!!」
 「ウフフッ! ありがとう。門番さん達もお仕事頑張ってね」
 彼女? はそう言った後に王都へ入って行く。
 「・・・・・・あの噂は本当だったんだ」
 門番は信じられない顔をしながらピーチと名乗る男を見送ったのであった。
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 「プシュッ!? ・・・・・・ん? ふぁ~あ・・・・・・」
 うぅん、自分のくしゃみで起きちゃったよ。もしかして誰かがでも噂をしたのかな? いや、そんなわけないか。一応今何時か見ておこう。
 メニューを出しスクリーンの右上の隅っこにある時間を見て確かめる。
 えーと、時間はぁ・・・・・・朝の五時前か。ならまだ寝れるなぁ。
 「・・・・・・まだちょっと時間があるから寝よう。ふぁ~あ・・・・・・お休みぃ」
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