クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第13話

 その男は己が魔法陣から出したゾンビ達を見回すと、彼は体の奥からこみ上げてくる物抑える為に体を踞るが、耐えられず体を伸ばし、空を見上げてしまう。


 「フッ、フハハ・・・・・・アーッハッハッハッハッハッッッ!! イヒッ! イーッヒィッヒィッヒィッ!! 俺の力は想像以上にあるじゃないか!!」


 ゾンビの数は約1000匹、この数なら王都を蹂躙する事が出来る!


 「魔力をほぼ使い果たした上に時間も掛かった。だがこの数ならリードガルムの王都を壊滅させるのに充分なはずだ!!」


 そう、俺は人型のゾンビだけではなく、ゴブリン、ウルフ、オークまで異なる種類のゾンビまで揃えたのだから、不可能ではない!


 「このソルド、彼の方の為にリードガルム王の首を・・・・・・ん? なんだこの音は?」


 彼は辺りを見回しても真夜中なので音の原因と思う物が見つからないが、空におかしな星を見つける。


 「あの星、流れ星にしてはおかしいな? ・・・・・・あれ? 落ちてき・・・・・・」


 そして、彼の意識は凄まじい爆発音と共に吹き飛ばされてしまった。


 彼は自分自身の身に危険が近づいている事に気づくべきだったのだが・・・・・・遅かった。








  ~~~ エルライナ side ~~~ 




 さてと、まずはFGM-148を構えて周囲が安全かをたしかめた後にジャベリンのミサイルの飛び方をトップアタックに設定したら、セーフティーを解除してUAVでマークした目標地点をジャベリンのモニターに写してターゲットロックさせる。そしてぇ・・・・・・ここからが本命のぉぉぉ・・・・・・


 「ファイアッッッ!!」


 そう言ったのと同時に引き金を絞り、ミサイルを敵に向けて発射させた。
 ミサイルは発射した後に上へ向かって高く飛んで行くと今度は目標に向かって真っ直ぐ飛んで行き、目標の頭上に来た瞬間目標に向かって一気に急降下して行く。そして着いた瞬間に爆発をした。


 「ジャベリン命中ッッッ!!」


 よかった。FPS特有機能のUAVに付いているレーザー照準機でターゲットをマークしたのを、俺のレーダーや他の兵器に情報を共有リンクさせる機能があって。


 「作戦の第一段階成功!!」


 作戦第1段階。ど真ん中にミサイルを撃ち込み、相手を混乱させる作戦! まぁ相手が魔物だから混乱するか分からないけどね。


 俺はFGM-148ジャベリンを撃った後にナイトビジョンゴーグルをかぶり直してから、ハンヴィー1151の銃座に乗り込むとGAU-19B(12.7×99mm弾 使用)を構え、1キロメートル先にいる敵に照準を合わせる。


 「作戦の第二段階と行きましょうか!」


 左右両方のボタンを押すと、GAU-19Bは ヴオオオオオオオオオオオオッッッ!!? と言うような激しい音出しながら敵に向かって弾丸を雨のように浴びせていく。


 うわー、キルスコアが凄まじい事になっているよ。
 ここからじゃどうなっているのか分からないけど、多分弾薬カートリッジが12.7mmの化け物を使っているから身体が吹き飛んでいるんだろうな。てか、もう撃てば当たるの世界になっている。


 「ん? もう気がつき始めたか・・・・・・」


 ゾンビの軍勢が攻撃している方向に気づいたのか、こっちに向かってくる。
 

 よし予定通り! 慌てるなもっと引き寄せないと・・・・・・。


 俺はそう思いながらGAU-19Bをゾンビに向かって撃ち込み続けている間にレーダーを見て確認すると、やはり個体差があるみたいで動き速い敵と遅い敵がいるみたいで速い敵はもう、元いた位置から80メートルぐらいの距離をもう走っている。


 まぁ、そこも想定済みなんだけどね。空を飛ぶヤツがいないの以外はね。


 俺は速いヤツらをまだ狙わず、奥にいる遅いヤツらに向かって弾丸の雨を浴びせ続け、敵をどんどん倒していく。


 ・・・・・・もうそろそろかな?


 俺はGAU-19Bを撃ち込続けながらUAVと共有リンクしているレーダーを見る。すると速いタイプのゾンビが爆発音と共に次々とレーダーから消えて写らなくなる。


 予定通り! クレイモアの餌食に出来た!?


 そう、俺は今いる場所から300メートル辺りにM18A1クレイモアを大量に仕掛けておいたのだ。


 速いヤツがあんだけいて生き残ったのは十匹程度かぁ、まずまずの成果だな。残りはこっちで処理しよう。


 あれだけ沢山いて、クレイモア地雷から生き残った奴らにGAU-19Bを向けて弾丸の雨を降らせ、敵の身体を吹き飛ばしていく。


 処理完了! ・・・・・・・む? 奥にいる敵が散って狙いにくくなってきたな。なら、そろそろ次の準備に取り掛かろう。


 俺はGAU-19Bを撃ち続けながらレーダーをちらちら見てタイミングを計る。


 ・・・・・・よし今だっ! UGVの発進ッッッ!!


 俺はメニューを開き、左側に隠していたUGVの アルマジロ を二機の起動ボタンを押して、すぐさまオートモードに設定する。


 『了解、発砲を始めます。射線に入らないように注意してください』


 コンピューターがそう言うと600メートルぐらい離れたところにあるUGVが起動する。
 一機は、FN M2HB-QCB(12.7×99mm弾使用)、もう一機は サコー・ディフェンス Mk.19 Mod3(40mmグレード使用)を撃ちつづけながら、この二機は設定した道のり通りに動く。そう、俺から見て敵の左側面に距離を取りつつ回り込む。これで十字砲火クロスファイアの完成だ。


 ここは草原、隠れる場所がない場所だから、アイツらもう的になるしかない。


 俺に向かっていたゾンビ達は混乱をしているのか、その場に止まり右往左往し始めた。


 おそらく、アイツらは俺を倒しに行くかUGV倒しに行くか迷っているんだろうな。しかし、アイツらを見ていると不自然に感じるな。


 ゾンビに知性なんてあるのか? 


 ・・・・・・いや、今は考えるのを止めよう。だって、後はコイツらを一気に畳み掛けるだけなのだからっ!!


 弾丸が当たり身体の一部を吹き飛ばすゾンビ、グレードの爆発に呑まれ吹き飛ばされるゾンビ。俺とUGVは様々な形で右往左往しているゾンビ達を蹂躙していく。








 ・・・・・・もうそろそろ終わりかな?


 撃つのを止めレーダーを見てみると、あれだけ大量にいたゾンビの軍勢が今では数えられるほどしか居なくなっていた。


 「フゥー・・・・・・作戦通りに行って良かった。でもこれはなぁ・・・・・・」


 俺は下に落ちて山のようになっている薬莢と銃身が熱そうなGAU-19Bを見つめて、どれぐらい撃ち続けていたのかを自覚する。


 普通こんなに撃ったら弾切れ起こすどころか異常を起こして修理するレベルまで行ってるだろなぁ。後、俺は何体敵を殺ったんだ?


 「・・・・・・まぁいいや! 残りは近づいてから処理するとしよう。丁度、薬莢の山も消えた所だし! っておっと! その前にクレイモアを回収しないといけないな」


 俺はメニューを出した後に、クレイモア撤去ボタンを押す。


 『注意! クレイモアの撤去したら設置した場所へは戻せません。本当に撤去しますか? はい/いいえ』


 俺は、 はい のボタンを押してマップを開いて撤去されたのを確認した後に、アルマジロを同じ場所に着くようにルート設置する。
 そしてメニューを消してからハンヴィー1151の操縦席に移動して、エンジンはあらかじめ掛けていたので、ブレーキを踏みながらシフトレバーをPからDに変えてからサイドブレーキを解除する。


 「あっ!? 夜は車のライト着けないと危ないんだったっけ」


 そう言った後にナイトビジョンゴーグルの電源を切りゴーグルを上げてから、車のライト付けて発進させる。








 ~~~ ソルド side ~~~


 「あ、ぁぁぁああああああ。うぅぅぅ・・・・・・ん?」


 俺は・・・・・・俺はどうしてここに寝ているんだ? 確かゾンビ達の召喚が終わったから王都を襲おうとして、ッ!? 俺のゾンビ達はどこに行ったッッッ!!?


 ソルドは仰向けなったままの状態で辺りを見回すと無惨に殺されたゾンビ達が目に写り込む。そしてその光景を見た瞬間に男はすべてを思い出した!
 こうなる直前に星が空から一粒の星が降り落ちて来て自分の身体を襲った事を。


 「グゥ、ガアァァァ!!?」


 そして男は身体の奥底から火山の噴火のように怒りを爆発させたのだ!!


 許せねぇ。許せねぇ・・・・・・許せねぇ! 許せねぇ! 許せねぇ!! 許せねぇ許せねぇ許せねぇ許せねぇ許せねぇゆるせねぇゆるせねぇゆるせねぇゆるせねぇゆるせねぇユルセネェユルセネェユルセネェユルセネェユルセネェェェエエエエエエッッッ!!?


 「コ、コォ、ロ・・・・・・シィー・・・・・・」


コロシテヤル。ゼッタイニミツケダシテ、コロシテヤルッッッ!!? ッ!? 今の音はなんだ?


 聴いた事のない音がする方向に顔を向けると、薄暗くてよく分からないが何者かが謎のモンスターを連れて男の召喚したゾンビ達を次々と倒して行くではないか。そのようすを見た男はその者に凄まじい怒りを視線に込めていく。


 「グゥ・・・・・・ゥゥゥウウウウウウッッッ!!?」


 アイツかっ!! 俺がゾンビ達にこんな事をした張本人かっ!! ・・・・・・いや、待てよ。


 「グッ、グヒッ!!」


 アイツ、もしかして俺が生きているのに気付いてないじゃないか? これはチャンスじゃないかっ!!


 「シッ、シッ、シッ・・・・・・ウェホッ!? ゴホッ!! ゴホッ!! 」


 俺をこんな目に合わせたアイツをこの手でズタズタにして、思う存分後悔させてから殺してやるっ!! そして、ゾンビした後もこき使ってやるっ!!


 ソルドはそう思いながら立ち上がろうとするが身体が上手く動かない。


 あれ? ・・・・・・なぜだ? なぜ身体が動かないんだっっっ!!? 


 「ナン・・・・・・デ? ッ!?」


 自分の手を見た瞬間に驚愕をした。
 なぜなら自分の右腕が吹き飛ばされなくなっていて、左手の方はズタズタになっていて使えなくなっていたのだから。


 「ヒ、ヒィッッッ!!?」


 さっきまでとは違い怒りとは真逆の感情である恐怖を感じていた!


 「ゴホッ! ゴホッ! ・・・・・・ア、ァァアアアアアアーーーッッッ!!?」


 このままではマズいっ!? 早く、早くこの場から逃げないと俺が殺されるっっっ!!?


 仰向けの状態からなんとか四つん這いになったので、逃げようしたのだが彼らは見逃してくれなかった。謎のモンスターが男に気付いたのか顔を振り向かせ、そして・・・・・・。








 ドォンッ!? ドォンッ!? ドォンッ!? ドォンッ!?


 お、アルマジロがまた撃った! いやぁ〜しかし、Mk.19 Mod3の発砲音は良い音を出すね。


 「それに爽快そうかいな爆発、って、えぇっ!?」


 なぜ俺が驚いているのかと言うと、さっきGUVが倒した魔物は他の魔物と違いポイントが桁違いに高かったからだ。


 「えええぇぇぇ・・・・・・一体なにを倒したんだ?」


 実際問題倒した相手の判定は出てくれるのはありがたいのだけども、ポイントとヘッドショット判定しかしてくれないのでモンスターの種類倒したか、まで分からないのがちょっとだけ不便と感じてしまう。


 「あ、あれ?」


 しかもさっき射撃しようと思っていたゾンビを見てみると、俺を襲おうとのろのろと歩いて来ていたのだが、まるで操り人形の糸が切れたように倒れて動かなくなっていた。周りを見回してみると他のゾンビも同様に動かなくなっている。


 「レーダーからも敵マークが消えている・・・・・・もしかして操っていたボスを倒したからかな?」


 そう考えるとコイツらやっぱりおかしい。知性がある感じがあったし、あの破格のポイントを取得してから動かなくなったし、うーん・・・・・・まぁ元は取れたし目的の全滅も果たせたからいっかっ!! ・・・・・・ん?


 神様から通信が来たので出てるとスクリーンに映っている神様が、なぜか笑い堪えている。


 「どうしたんですか神様?」


 『ゴ、ゴメン! 思い出し笑いだからぁ・・・・・・き、気にしないで! ププッ!?』


 まぁ、神様が変なところがあるのは知っているんだけどさ、見ているとだんだん気味悪く感じてしまう。


 『んっ! んんっ!? エルライナちゃん、ゾンビの殲滅おめでとうっ!!』


 「・・・・・・あ、はい」


 『ムウウウウウウッッッ!!? 褒めてるのになんかリアクション薄くない?』


 「いえ、なんかゾンビ達の動きを見ていて、おかしいなと感じてぇ、ん? ・・・・・・あ! マズいっ!?」


 『どうしたの?』


 神様は首をかしげながら聞いてくるので俺は答える。


 「こっちに数人向かって来ています。敵ではないみたいですけど目立ちたくないので、なんとかこの場から逃げないと・・・・・・」


 UAVのサーモグラフィー画像を見てみると、誰かまでは判別出来ないが大体五人ぐらいの人数の人がこっち向かって来ているのだ。


 『それなら僕に任せてちょうだい! まずはその後ろにある二台とUAVをしまって!』


 「分かりました」


 俺は神様の言う通りUGV二台とUAVを格納庫に仕舞う。


 『準備出来たね。それじゃあ・・・・・・エイッ!』


 神様がそう言うと俺の一瞬視界がブレた後に、目の前に壁が立っているのでビックリしてしまう。


 『はい、到着!』


 「あ、あれ? ここって・・・・・・」


 俺は目の前に見覚えがある壁が立っていて、辺りを見回すと自分の今いる居場がはっきりと分かった。


 「向こうに門がある! やっぱりここ王都なんだっ!! なんでここにいるの?」


 『僕がキミを転移させたんだよ』


 「転移するなら先に言って下さいよ!」


 マジで心臓に悪いわっ!?


 『ハハハ、ゴメンゴメン。それと今は夜の八時だから宿はまだやってるよ。だから今日はもう帰って休むと良いよ。報酬は後日渡すからね』


 「ハァー・・・・・・分かりました。神様の言う通り今日はもう休みますよ。神様、今日はありがとうございました」


 『うんうん。こちらこそありがとうね。可愛いエルライナちゃん』


 「ッ!?」


 『ハッハッハッハッ! お休み!』


 神様はそう言うと一方的に通信を切ってきた。


 「ッ~~!? と、とひきゃく・・・・・・やろ宿にもど、りょう・・・・・・」


 俺ははそう言った後に門に向かって歩き出したのだった。

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