クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第5話
 ウルフに食べられていなかったオークの死体を俺のストレージに回収した後に、ハンヴィー1151に乗って王都に向かってるのだけれども・・・・・・。
 「おい、エルライナ! こ、これ動いてるんだよな? マジで動いているんだよな? 壊れないよな? なんとか言ってくれよぉ~〜〜〜〜〜っっっ!!?」
 バックミラーでベイガーさんを見ると、アゼスさんの首にしがみついて情けない声を出している。
 「あのベイガーさん、アゼスが苦しそうにしているので離してあげて下さい。死んじゃいますよ」
 「お前ら、こんなわけの分からないもんに乗って怖くないのかよぉ~〜〜っっっ!!」
 ダメだこの人、俺の話しが全く聞こえてない。
 「いえ、私は乗っていて楽しいと思っていますから」
 ミュリーナさんがベイガーさんに向かってしれっと言う。
 「私はエルちゃんを信じてますから怖くありません」
 リズリナさんがドヤ顔でベイガーさんに答える。恨みが込められている気がするのはぁ・・・・・・気のせいだよね?
 「ベ、べイ、ガー・・・・・・ふ、副、団長・・・・・・は、離し、て・・・・・・苦、しい・・・・・・っす・・・・・・」
 顔を青くしたアゼスさんは擦れた声でベイガーさんに言うが、全く聞こえてないようでホールドしている腕を緩めるようすがない。
 ベイガーさん、アナタは副団長ですよね? しっかりして下さいよっ!!
 「はい、みなさん。もうすぐ王都に着きますから降りる準備をして下さい」
 出発当初は銃座から外に身体を出していたミュリーナさんだったが、アゼスさんにしがみついて離れないベイガーさんのようすを見て、なんとか引き剥がそうと頑張っていたのだが、俺の話しを聞いた瞬間に引き剥がすのを止めてこっちに顔を向け言ってくる。
 「もう王都に着くなんてこの乗り物早いわね」
 いやいやミュリーナさん、その手を止めないで下さいよっ!! アゼスさんを早くなんとかしないとヤバいですよっ!!
 「エルちゃんは不思議で一杯だねぇ~。他にもあるの?」
 「秘密です」
 「えぇ~、意地悪だよエルちゃん。ちょっとだけでもいいでしょ~?」
 「ダメです。もし知ろうとしたら、さっきの飲み物を渡しませんよ」
 「ヒドいよエルちゃん。私に意地悪するなんてぇ~〜〜・・・・・・グズッ!?」
 ヤバいっ!? リズリナさんが泣き出してしまった。ちょっと言い過ぎたかな?
 そう思いつつハンヴィー1151を減速した後に、入国手続き待ちをしている最後尾の馬車の後ろに止めエンジンを切る。
 このまま馬車の入国審査の列にいるより門まで歩いた方が早く王都に入れそうだ。
 「ここからは車を降りてから門まで歩いて行きましょう。ここのレバーを引っ張ればドアが開きますよ」
 俺はベイガーさん達にドアの開け方を教えながら先に降りる。
 「はぁーい!」
 「面白かったわ。また機会があったらお願いするわ」
 リズリナさんとミュリーナさんの二人は普通に降りてくれたのだが、残りの二人が降りてこない。
 「と・・・・・・ととと、止まった? 止まったぞエルライナっ!? 一体どうなっているんだ?」
 「・・・・・・もう着いたから止まったんですよベイガーさん」
 そう言いながら呆れた顔でベイガーさん側のドアを開いて、下車を促がす。
 「も、もう着いた? 王都にか? よ、よし! 降りるぞアゼ、ッ!!?」
 ベイガーさんはそう言い周りを見回してる途中で視線が止まる。そして怯えた表情から驚いた表情に変わる。
 「アゼス? アゼスッ!? しっかりしろっっっ!!?」
 ベイガーさんは顔を青くして口から泡を出しているアゼスさんを揺さぶり起こそうとするが、人形のように頭をカクカク動かすだけで意識を取り戻さない。
 「クソッ!? なんでこうなっているんだ・・・・・・ハッ! まさか、あのオークの武器に毒が塗ってあったのか?」
 ベイガーさんはアゼスさんを車の中で横にした後に自分のバック漁り始める。
 ・・・・・・本当になにしてんの、この人は? バカなの?
 「・・・・・・ない、クソッ!? ミュリーナ! 確かお前の方に解毒剤があったよな? 出してぇ・・・・・・」
 ベイガーさんはジト目で見つめている俺達を順番に見て動きを止める。
 「な、なにをしているんだお前ら?」
 「・・・・ベイガーさん、アゼスさんは毒でそうなっているんじゃないんですよ」
 「なにぃ? ならアゼスはこうなっているんだ?」 
 ベイガーさんは驚いた顔をしながら俺に問い詰めてくる。
 「・・・・・・本当に自覚してないみたいですね」
 その場にいる全員が指をさしてこう言う。
 「「「アナタが首を絞めてたせいでこうなっているんです!!」」」
 「な、なにぃぃぃいいいいいいっっっ!!?」
 その後、元凶は慌てて、泡を吹いているアゼスさんに心肺蘇生をを行う。
 その心肺蘇生のおかげでアゼスさんは事なきを得た。
 「・・・・・・俺っち死ぬかと思ったっす」
 意識を取り戻したアゼスさんは膨れっ面のまま見つめて話す。
 「すまない。アゼス」
 心から申し訳なさそうにしながら謝るベイガーさん。
 「・・・・・・エルライナさんの乗り物を楽しめなかったっす」
 「ほ、本当にすまない」
 「ベイガー副団長の殺人未遂ですね。証人も三人いるので降格どころか騎士団を辞職と言う事になるかもしれませんねぇ〜〜〜〜」
 ・・・リズリナさん、絶対さっき怒られた恨みを込めてやってるでしょっ!?
 「ほんっっっとぉぉぉおおおおおおにっっっ!! すまないっっっ!! 俺を殴っても良いから許してくれぇぇぇええええええっっっ!!?」
 ベイガーさんはアゼスさんに向かって頭を下げて謝りはじめる。その姿に副団長の威厳がないのは言うまでもない。
 「ベイガー副団長、この話しは報告を済ませてからにしまょう」
  「しかしミュリーナ、ケジメを付けないと俺の気が収まらないんだ」
 「しかしもなにも先にオークの報告が先ですよね? ベイガー副団長、優先権を考えて下さいっ!!」
 お、おぉ!? ミュリーナさんが怒ったよ! けどさ、怒った表情に可愛い所があるから怖いと感じないだよね。・・・・・・ん? なにかが近づいて来る音がする。レーダーに敵マークとして写ってないから大丈夫だと思うけど。
 「あ! やっぱりアナタ達だったのね。エルライナちゃん久しぶりね。元気にしてたかしら?」
 後ろを振り向くとエイミーさんがいた。しかも巡回していたのか分からないが二十人の騎士団達を連れている。
 「エイミーさん、お久しぶりです!」
 「フフッ、久しぶりね。エルライナちゃんに会えて嬉しいわ」
 エイミーさんはそう言いながら、いきなり俺を抱きしめて来る。
 「エ、エイミーさん!? 恥ずかしいです!」
 「あら、そう? なんだか男の子みたいな反応ね」
 いやいやいやいやいや、元男だよっ! だからこの状況が恥ずかしくないはずがないってっ!?
 「とにかく! 話したい事があるので離れて下さい!」
 「あら? このままじゃ、お話し出来ないの?」
 「真面目な話しをするんで離れて下さいっ!!」
 「もう・・・・・・分かったわ」
 そう言ってエイミーは俺から離れる。
 「で、エルライナちゃん。真面目なお話しってなにかしら?」
 「はい、実は・・・・・・」
 俺はゴーゼスと王都の間の道でオークが出没した事、ベイガーさんを助けた事をエイミーさんに伝えた。
 「なるほど・・・・・・話しは分かったわ。それでアナタ達も報告の為に帰って来たと言うわけね」
 「はい、俺は自分の実力のなさを感じてる」
 ベイガーさん達は不甲斐なさそうにエイミーさんを見つめている。
 「副騎士団がそんな顔をしてはダメよ! 不甲斐ない。情けない。と感じているのなら、強くなりなさい! 後、エルライナちゃんに助けられたのならエルライナちゃんに心から感謝する事を忘れずにね!」
 俺はエイミーさんのキリッとした態度でベイガーさん達に言葉を投げ掛ける姿を見ていると、何処か憧れを感じてしまうのは、多分これが騎士の鏡のような人をまじかで見たからかもしれない。
 「そうだよな・・・・・・その通りだな! 今日の事は今後の為に生かすとしよう!」
 「その意気よベイガー!」
 「ところでエイミー、なんでお前は二十人のも騎士を連れてここにきたんだ? ここの巡回は明日じゃなかったか?」
 エイミーさんは困った顔をしながら頬に手を当てベイガーに答える。
 「それがね。ここに未知のモンスターみたいなものが出て王都に向かっていると言う情報が来たのよ」
 未知のモンスターが出た? 俺がここに来るまで見かけなかったけど。
 「それって、さっき話したオークの事か?」
 「違うわ」
 「じゃあ、どんなモンスターなんだ? 情報をくれないか?」
 「いいわよ。緊急で送られて来た手紙だから情報が少ないんだけど。全身が金属で覆われていて、すごい早さで道を走っていたそうよ」
 緊急って事は誰かがテイムしたモンスターに手紙を持たせて王都に向かわせたのか。しかし・・・・・・全身が金属?
 「アイアンゴーレム?」
 「いいえ違うわ。他にも書かれていた情報によると、そのモンスターの中に人が入っているようにも見えたから、もしかしたら馬車みたいな乗り物じゃないか? とも書いていたわ。危険があるかもしれないから私達が確認しに行くのだけれどもぉ・・・・・・ベイガーも一緒に来てくれるかしら?」
 「分かった、俺もエイミーについて行こう。リズリナ達はグエル団長にオークの報告を頼む」
 「「「了解!」」」
 ・・・・・・ん? そのモンスターって、もしかして。
 「エ、エイミーさん」
 「なに、エルライナちゃん?」
 「そのモンスターって、ひょっとしてこれですか?」
 俺はハンヴィー1151に指をさしてエイミーさんに確認を取る。
 「えっ? あっ!?」
 エイミーさんはハンヴィー1151を見た後に、俺の側まで来ると両肩を掴んできた。
 「情報通りだわっ!! エルライナちゃん! なんでこれがここにあるの?」
 ヤバいっ!? エイミーさんの顔が近いし怖いっ!! しかもすごい力で両肩を握って来るから、両肩がものすごく痛いっ!!
 「じ、実はですねぇ・・・・・・えっとぉ〜〜〜・・・・・・」
 「ハッキリ言って、エルライナちゃん」
 ・・・・・・うん、正直に答えよう。だってエイミーさん、ウソ吐いたらタダじゃ置かないわよ。って顔をしているからね。
 「・・・・・・これ、私の所有物なんです」
 「エルライナちゃん、今から私とお話しをしましょう・・・・・・ね?」
 俺は顔の怖いエイミーさんを見ながら、 もう少し自重すれば良かった。 と後悔するのであった。
 「おい、エルライナ! こ、これ動いてるんだよな? マジで動いているんだよな? 壊れないよな? なんとか言ってくれよぉ~〜〜〜〜〜っっっ!!?」
 バックミラーでベイガーさんを見ると、アゼスさんの首にしがみついて情けない声を出している。
 「あのベイガーさん、アゼスが苦しそうにしているので離してあげて下さい。死んじゃいますよ」
 「お前ら、こんなわけの分からないもんに乗って怖くないのかよぉ~〜〜っっっ!!」
 ダメだこの人、俺の話しが全く聞こえてない。
 「いえ、私は乗っていて楽しいと思っていますから」
 ミュリーナさんがベイガーさんに向かってしれっと言う。
 「私はエルちゃんを信じてますから怖くありません」
 リズリナさんがドヤ顔でベイガーさんに答える。恨みが込められている気がするのはぁ・・・・・・気のせいだよね?
 「ベ、べイ、ガー・・・・・・ふ、副、団長・・・・・・は、離し、て・・・・・・苦、しい・・・・・・っす・・・・・・」
 顔を青くしたアゼスさんは擦れた声でベイガーさんに言うが、全く聞こえてないようでホールドしている腕を緩めるようすがない。
 ベイガーさん、アナタは副団長ですよね? しっかりして下さいよっ!!
 「はい、みなさん。もうすぐ王都に着きますから降りる準備をして下さい」
 出発当初は銃座から外に身体を出していたミュリーナさんだったが、アゼスさんにしがみついて離れないベイガーさんのようすを見て、なんとか引き剥がそうと頑張っていたのだが、俺の話しを聞いた瞬間に引き剥がすのを止めてこっちに顔を向け言ってくる。
 「もう王都に着くなんてこの乗り物早いわね」
 いやいやミュリーナさん、その手を止めないで下さいよっ!! アゼスさんを早くなんとかしないとヤバいですよっ!!
 「エルちゃんは不思議で一杯だねぇ~。他にもあるの?」
 「秘密です」
 「えぇ~、意地悪だよエルちゃん。ちょっとだけでもいいでしょ~?」
 「ダメです。もし知ろうとしたら、さっきの飲み物を渡しませんよ」
 「ヒドいよエルちゃん。私に意地悪するなんてぇ~〜〜・・・・・・グズッ!?」
 ヤバいっ!? リズリナさんが泣き出してしまった。ちょっと言い過ぎたかな?
 そう思いつつハンヴィー1151を減速した後に、入国手続き待ちをしている最後尾の馬車の後ろに止めエンジンを切る。
 このまま馬車の入国審査の列にいるより門まで歩いた方が早く王都に入れそうだ。
 「ここからは車を降りてから門まで歩いて行きましょう。ここのレバーを引っ張ればドアが開きますよ」
 俺はベイガーさん達にドアの開け方を教えながら先に降りる。
 「はぁーい!」
 「面白かったわ。また機会があったらお願いするわ」
 リズリナさんとミュリーナさんの二人は普通に降りてくれたのだが、残りの二人が降りてこない。
 「と・・・・・・ととと、止まった? 止まったぞエルライナっ!? 一体どうなっているんだ?」
 「・・・・・・もう着いたから止まったんですよベイガーさん」
 そう言いながら呆れた顔でベイガーさん側のドアを開いて、下車を促がす。
 「も、もう着いた? 王都にか? よ、よし! 降りるぞアゼ、ッ!!?」
 ベイガーさんはそう言い周りを見回してる途中で視線が止まる。そして怯えた表情から驚いた表情に変わる。
 「アゼス? アゼスッ!? しっかりしろっっっ!!?」
 ベイガーさんは顔を青くして口から泡を出しているアゼスさんを揺さぶり起こそうとするが、人形のように頭をカクカク動かすだけで意識を取り戻さない。
 「クソッ!? なんでこうなっているんだ・・・・・・ハッ! まさか、あのオークの武器に毒が塗ってあったのか?」
 ベイガーさんはアゼスさんを車の中で横にした後に自分のバック漁り始める。
 ・・・・・・本当になにしてんの、この人は? バカなの?
 「・・・・・・ない、クソッ!? ミュリーナ! 確かお前の方に解毒剤があったよな? 出してぇ・・・・・・」
 ベイガーさんはジト目で見つめている俺達を順番に見て動きを止める。
 「な、なにをしているんだお前ら?」
 「・・・・ベイガーさん、アゼスさんは毒でそうなっているんじゃないんですよ」
 「なにぃ? ならアゼスはこうなっているんだ?」 
 ベイガーさんは驚いた顔をしながら俺に問い詰めてくる。
 「・・・・・・本当に自覚してないみたいですね」
 その場にいる全員が指をさしてこう言う。
 「「「アナタが首を絞めてたせいでこうなっているんです!!」」」
 「な、なにぃぃぃいいいいいいっっっ!!?」
 その後、元凶は慌てて、泡を吹いているアゼスさんに心肺蘇生をを行う。
 その心肺蘇生のおかげでアゼスさんは事なきを得た。
 「・・・・・・俺っち死ぬかと思ったっす」
 意識を取り戻したアゼスさんは膨れっ面のまま見つめて話す。
 「すまない。アゼス」
 心から申し訳なさそうにしながら謝るベイガーさん。
 「・・・・・・エルライナさんの乗り物を楽しめなかったっす」
 「ほ、本当にすまない」
 「ベイガー副団長の殺人未遂ですね。証人も三人いるので降格どころか騎士団を辞職と言う事になるかもしれませんねぇ〜〜〜〜」
 ・・・リズリナさん、絶対さっき怒られた恨みを込めてやってるでしょっ!?
 「ほんっっっとぉぉぉおおおおおおにっっっ!! すまないっっっ!! 俺を殴っても良いから許してくれぇぇぇええええええっっっ!!?」
 ベイガーさんはアゼスさんに向かって頭を下げて謝りはじめる。その姿に副団長の威厳がないのは言うまでもない。
 「ベイガー副団長、この話しは報告を済ませてからにしまょう」
  「しかしミュリーナ、ケジメを付けないと俺の気が収まらないんだ」
 「しかしもなにも先にオークの報告が先ですよね? ベイガー副団長、優先権を考えて下さいっ!!」
 お、おぉ!? ミュリーナさんが怒ったよ! けどさ、怒った表情に可愛い所があるから怖いと感じないだよね。・・・・・・ん? なにかが近づいて来る音がする。レーダーに敵マークとして写ってないから大丈夫だと思うけど。
 「あ! やっぱりアナタ達だったのね。エルライナちゃん久しぶりね。元気にしてたかしら?」
 後ろを振り向くとエイミーさんがいた。しかも巡回していたのか分からないが二十人の騎士団達を連れている。
 「エイミーさん、お久しぶりです!」
 「フフッ、久しぶりね。エルライナちゃんに会えて嬉しいわ」
 エイミーさんはそう言いながら、いきなり俺を抱きしめて来る。
 「エ、エイミーさん!? 恥ずかしいです!」
 「あら、そう? なんだか男の子みたいな反応ね」
 いやいやいやいやいや、元男だよっ! だからこの状況が恥ずかしくないはずがないってっ!?
 「とにかく! 話したい事があるので離れて下さい!」
 「あら? このままじゃ、お話し出来ないの?」
 「真面目な話しをするんで離れて下さいっ!!」
 「もう・・・・・・分かったわ」
 そう言ってエイミーは俺から離れる。
 「で、エルライナちゃん。真面目なお話しってなにかしら?」
 「はい、実は・・・・・・」
 俺はゴーゼスと王都の間の道でオークが出没した事、ベイガーさんを助けた事をエイミーさんに伝えた。
 「なるほど・・・・・・話しは分かったわ。それでアナタ達も報告の為に帰って来たと言うわけね」
 「はい、俺は自分の実力のなさを感じてる」
 ベイガーさん達は不甲斐なさそうにエイミーさんを見つめている。
 「副騎士団がそんな顔をしてはダメよ! 不甲斐ない。情けない。と感じているのなら、強くなりなさい! 後、エルライナちゃんに助けられたのならエルライナちゃんに心から感謝する事を忘れずにね!」
 俺はエイミーさんのキリッとした態度でベイガーさん達に言葉を投げ掛ける姿を見ていると、何処か憧れを感じてしまうのは、多分これが騎士の鏡のような人をまじかで見たからかもしれない。
 「そうだよな・・・・・・その通りだな! 今日の事は今後の為に生かすとしよう!」
 「その意気よベイガー!」
 「ところでエイミー、なんでお前は二十人のも騎士を連れてここにきたんだ? ここの巡回は明日じゃなかったか?」
 エイミーさんは困った顔をしながら頬に手を当てベイガーに答える。
 「それがね。ここに未知のモンスターみたいなものが出て王都に向かっていると言う情報が来たのよ」
 未知のモンスターが出た? 俺がここに来るまで見かけなかったけど。
 「それって、さっき話したオークの事か?」
 「違うわ」
 「じゃあ、どんなモンスターなんだ? 情報をくれないか?」
 「いいわよ。緊急で送られて来た手紙だから情報が少ないんだけど。全身が金属で覆われていて、すごい早さで道を走っていたそうよ」
 緊急って事は誰かがテイムしたモンスターに手紙を持たせて王都に向かわせたのか。しかし・・・・・・全身が金属?
 「アイアンゴーレム?」
 「いいえ違うわ。他にも書かれていた情報によると、そのモンスターの中に人が入っているようにも見えたから、もしかしたら馬車みたいな乗り物じゃないか? とも書いていたわ。危険があるかもしれないから私達が確認しに行くのだけれどもぉ・・・・・・ベイガーも一緒に来てくれるかしら?」
 「分かった、俺もエイミーについて行こう。リズリナ達はグエル団長にオークの報告を頼む」
 「「「了解!」」」
 ・・・・・・ん? そのモンスターって、もしかして。
 「エ、エイミーさん」
 「なに、エルライナちゃん?」
 「そのモンスターって、ひょっとしてこれですか?」
 俺はハンヴィー1151に指をさしてエイミーさんに確認を取る。
 「えっ? あっ!?」
 エイミーさんはハンヴィー1151を見た後に、俺の側まで来ると両肩を掴んできた。
 「情報通りだわっ!! エルライナちゃん! なんでこれがここにあるの?」
 ヤバいっ!? エイミーさんの顔が近いし怖いっ!! しかもすごい力で両肩を握って来るから、両肩がものすごく痛いっ!!
 「じ、実はですねぇ・・・・・・えっとぉ〜〜〜・・・・・・」
 「ハッキリ言って、エルライナちゃん」
 ・・・・・・うん、正直に答えよう。だってエイミーさん、ウソ吐いたらタダじゃ置かないわよ。って顔をしているからね。
 「・・・・・・これ、私の所有物なんです」
 「エルライナちゃん、今から私とお話しをしましょう・・・・・・ね?」
 俺は顔の怖いエイミーさんを見ながら、 もう少し自重すれば良かった。 と後悔するのであった。
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