45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第683話 勇者ヨーリスと転生者ライナス その7

ヨーリスはライナスの手を取り、倒れているライナスを引っ張り上げる。

「いてて・・・・何だったんだ奴らは・・・・」

この時ライナスは、床に転がっている珠を見つけ、手にする。

「これが落ちてきたのか?」

「そうみたいだな。」

2人してその珠を見るが、今更ながらさっきヨーリスの手を取ったのに、何も変化がないので違和感を感じるライナス。



「おいヨーリス、お前何か変だぞ?」



「え?」



今まで吹き飛ばされた痛みで気が付いていないが、確かに何か変だ。



そんな事を2人で話し、指摘していると、外で女性の嫌がる声が聞こえてきた。



【穢れた手で触らないで!】

【うひょお!流石は聖女様様!いい女になってるじゃねえかyo!】

【仮にも実の娘の前で言う事ですか!】

【ふん!アメリータもずいぶん大きくなったなあ!胸は大きくならなかったがまあそれがいいんだけどさ!】

【ふん!サイテー!さっさと消えろ!あんたなんか父親と思った事は一度もない!母さまを無理やり犯した国賊!】



【おおこわ!さてさて・・・・イディオ!かわいこちゃん所へ行くぜ!アルフォンシーナ、後でひいひい泣かしてやっからよ!ぅヒヒ!】

【二度とその顔を・・・・??勇者?貴方何かあった?】

【おお!やっぱ抱かれたいのかyo!】

【消えろ変態!】

【おおこわ!じゃあな・・・・おいイディオ!置いていてくなyo!】



・・・・あ、誰かが入ってきました・・・・て、何あの女性、恐ろしく整った顔立ちの、見た事もない美人なんだけど?

「おいヨーリス、誰だあの女性、とんでもない美女だぞ?」

「あ・・・・ああ・・・・それに連れの女の子、同年代?あの子もきれいだよなあ?」

ヨーリスとライナスが2人の女性をぽかんとした顔で・・・・随分間抜けな顔してたんだろうなあとか思いつつ、見ていると、なんとその2人が何のためらいもなく2人の所にやって来るから、2人とも焦った。



そして大人の女性が、ヨーリスの前に立ち、じっと見つめている。

ヨーリスは戸惑った。こんな美女に見つめられるとか・・・・

しかしながら横から声がかかる。

「ようこそアルフォンシーナ様。本日は娘様の?」

「ええ・・・・ですが少々事情が変わりました。少しお待ち下さいね。」



この女性、聖女様?うわさでは聞いていたけれど・・・・



「初めまして、私アルフォンシーナと申しますわ。失礼ながら、あなたがあの勇者に?」

ええと何の事?

「ええとその・・・・僕ヨーリスと言います。こちらはライナス。その・・・・聖女様でいらっしゃいますか?何か勘違い、人違いではありませんか?」



「いえ、そのような事はありません・・・・それに、そこのもう一方、ライナスと言うのですね。その・・・・珠からは何か不思議な力を感じますが、それは貴方の物でしょうか?」



          

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