45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第662話 勇者ヨーリスと転生者ライナス その6


その何かは丸い珠の様で、玄関に転がっていく。
もう建物中の人が大騒ぎ。
建物のあちこちが破損し、何やら木材があちこちに飛び散っているからだ。

「いてて・・・・なんだったんだ?」
ライナスは何とか立ち上がる。
「あ、あれなんだ?」
ヨーリスはライナスと少し離れていたので、見えていたが、ライナスに何かがぶつかったようだ、しかもこの建物の天井を突き破って・・・・


そして玄関に転がるのを見ていて・・・・

その時丁度誰かが入ってきて・・・・
「なんだ?うっせーな!」

そう言いながら男2人は・・・・そのうち一人は足元に転がってきた珠を踏んでしまい、
見事にすっ転んだ。

「うぎゃあ!・・・・っていってええ!なんだ?なんで俺様こけたんだ?」

「うははは!なんともない所でコケるとは、勇者よ、お前もなかなか才能があるな!」

ヨーリスはその珠を追いかけていたので、ちょうど目の前にはこけた立派な姿をしている男性がいた。
なので、つい起き上がってもらおうと手を差し伸べた。
「あ、あの大丈夫ですか?」
「あ・・・・ああ?何だてめえ!てめえかこの珠を仕込んだ奴は・・・・まあいい・・・・」

そう言ってヨーリスの手を握り起き上がる男性。
そして・・・・
「てめえ面白い事やってくれるじゃないか!ああ?そうだろイディオ!」
「勇者が男の手を握ってるとか・・・・ついにそっちの趣味になったか?」
「あほいえ・・・・てめえ勇者様をこんな目に合わせたんだ、わかってるよな?」

その瞬間、ヨーリスは吹き飛んだ。そして・・・・しまった・・・・ついスキルを発動させてしまった・・・・

本来は相手の了承を得てからスキルを発動するヨーリスだが、今回相手の手を握った状態で強い衝撃を受け、強制的にスキルが働いてしまったのだ・・・・

そしてライナスが駆け寄ってくる。
「ヨーリス!」
「いや・・・・僕は問題ない・・・・それよりあの・・・・」

ライナスは勇者に駆け寄った。

「ちょっと!事情も聞かずに何でいきなり殴るんですか!」

すると今度はもう一人の方が・・・・
「おうにーちゃん、誰にモノ言ってんだかわかってんのか?」

そう言ってイディオと呼ばれたもう1人がライナスを吹き飛ばす。

「ふん・・・・なんだかむしゃくしゃしてきたぞ!こうなったら・・・・娼館へ行くか!」
「お!いいな!行くか?」

「oo!逝くze!」
「なんだ勇者調子が出てきたじゃねえか!」

「この後アルフォンシーナがここにやってくるらしいからよ!その後はあいつとお楽しみって寸法さ!」

「いいなあ!俺の趣味じゃないからなあ聖女様は・・・・娘もあんなだしなあ・・・・」

そんな事を言いつつ去っていく2人。

「おいライナス大丈夫か?」
「あ・・・・ああ・・・・なんだったんだ?」

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