45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第221話 放物線を描き、飛んでいくクィンシー

クィンシーが珍しく来ていてね。おっさんが声をかけようと思ったら、ウェンディが勢いよくクィンシーに突っ込んでいってね、
「けだものは出てけー!」
っていきなり叫んでクィンシーをふっとばしちゃったよ。
不意打ちだったのか、もろに食らってね。
「ぶぼべらげ」
とか言いながら見事な放物線を描いて・・・・で、カトリーンが受け止めてたよ。何せ、そのまま飛んでいくと建物に被害が出そうだったからね。

「おいおい、いきなりご挨拶だなあ?誰かと思ったらウェンディかよ。」
「何であんたがここにいるわけ?消えなさいよ、けだもの!」
「なあシラカワ、何でここにあばずれがいるんだよ?」
「色々あってさ・・・・クィンシー、あんたウェンディに何かしたのかよ?」
「ちょっとスキンシップをな。お尻をなでなで。」
「死ね!」
おお!見事なモミジマークだ。
「今後ウェンディに触っちゃあ駄目だからな。もうおっさんの物だから。」
「誰があんたの物になったのよ!」
「ウェンディがおっさんの妻にね。」
「なってないでしょ!」
「だって、賭けでそう決まったでしょ!」
「うぐっ!言い返せない・・・・」
「おいおい、シラカワ、こんなあばずれと乳繰り合うのかよ!」
「そこ!下品な言い方止めてくれない!」
「おお怖い!って何賭けたんだよ、賭けって何だよ?」
「あ、それは・・・・・むぐぐ」

「言わなくていいの、わかった?」
うんうんとうなずいておこう。美人を怒らせたら怖いからな。
しかし、からかいがいのある娘さんだ事。
「クィンシー、からかうのはそのあたりでよしてくれ。今はウェンディはね、シラカワ商会で働いてるんだよ。今日からここで暮らすんだけどさ。」
「おおウェンディよかったな!お前美人だけど性格が駄目駄目だから、貰い手現れないかと思ってたのに、何とシラカワが貰ってくれるとか!相変わらずもの好きだなあ。」

「なんでここで暮らさなくっちゃいけないのよ!っていうか何よ人の性格悪く言っちゃって。男なんて死んじゃえばいいのよ!特にお前!今すぐ死ね!」ゲシゲシ
「いてええ・・脛けるな、地味に痛いんだよ。」
「ふん!」
「なあ、漫才はそこまでにしてくれよ。お前が来るって珍しいな。何かあったのか?」
「おう、ウェンディがいるのはむしろ好都合か?お前にも関係しそうだから聞いとけ!インダルチャンス王国の最近の不安定さは聞いてるよな?」
「ああ、ここにも職を探しに国を脱出した人が何人か来てるしな。」
「ある程度状況は把握してるんだな。それでな、親父から急いでシラカワに連絡してくれって頼まれてな、ついにシュラハト連邦がインダルチャンス王国に宣戦布告、あっという間に王都が陥落してしまったよ。」
「げ!戦争か・・・・じゃあ、これからどんどんこっちに人が流れて来るな・・・・」
「話はそこで終わらない。このままいけばこっちの国境付近まであっという間だ。今親父は対策会議を行ってる。」
「ちょっと何でそこまでの事態になってるの?私がセアリアス帝国へ来るときはそんな気配はなかったわよ!それに・・・・メーネアさまの弟はどうなったのよ?」
「分からん・・・・逃げ延びたとも討たれたとも聞いてないからな。」
「ちょっと何とかしなさいよ!」
「そう言ってもな・・・相手は兵士だろう?まあ先ずは情報収集だな。」

何だかまた厄介ごとに巻き込まれそうだよ。

「45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く