45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第156話 おっさん、下手な演技を披露する

さて、慌てるおっさんを演じるとするか・・・・
演技なんてからっきしなんだけどね。
取り敢えず慌てる事にしたよ。
まずはね、おっさんの収納カバンが奪われた事を世間に知らせないといけないからね。
なので先ずは商館へ慌てたふりをして出かけたよ。

「ちょっと受付の姉さん、一大事なんだよ!」
「え、えっとシラカワ辺境伯でいらっしゃいますね?どうされました?」
「どうしたもこうしたも、奪われたんだよ、収納カバン、2つも!」
「えっ?どういう事でしょうか?」
「ロートレック公爵に頼まれてね、ロートレック公爵領の作物の買い付けを行ってたらね、賊に襲われて、収納カバンが奪われたんだよ!農作物と共に!えらい損害だよ!どうしたらいいんだ!お姉さーん!!!」
「ちょ、ちょっと落ち着いて下さい、シラカワ辺境伯様。奥でお話を聞きますから、とにかく落ち着いて下さい。」
あー慌てたふりも大変だよ。しかも大げさにしないといけないからね!
そうしておっさんが慌ててわめいてると、商館の代表者が現れてね、
「これはシラカワ辺境伯、血相を変えてどうされましたか?」
「おお!館長、大変なんだよ!襲撃を受けて収納カバンが2つも奪われちゃったんだよ!しかも買い付けた農作物ごと!」
「なんと!作物も痛手ですが、収納カバンが2つも!いったいどうした事なのですか。ああ、先ずは奥の部屋へどうぞ。」

おっさんオロオロしながら奥に行ったよ!収納カバンが中身ごと奪われたって大声で言いながらね!
居合わせた商人たちがおっさんをじっと見てたな。
よしよし、噂を流してくれたまえ!ってね。
館長への相談は別にどうでもいいんさ。居合わせた商人に知ってもらって噂を流してもらうのが本命だからね。

・・・・
・・・
・・


おっさん、館長に熱く語ってね、商館としても捨ておけない問題なので、独自に調べてみるってね。

おっさん、農作物の流通には気を付けてもらうのと、収納カバンを見かけたら知らせてもらうように言ったのさ。
話を終えて、商館を出るときも嘆いてみせたよ。
さあ、噂を流してよ、居合わせた商人がた。

そしておっさん、帰ってから取られた収納カバンの中身をチェックしたんだよ。
一度中身を確認してる感じだな。よしよし。
さて、中身をこっそり入れ替えなくっちゃね。
同じ量の作物を用意してね。
これは前もって買い付けておいた作物で、今回カバンに入れて奪われたのと同じ作物でね、見た目が同じやつ。
これにね、強烈な下剤を仕込んでね、食べても死にはしないけど、強烈な腹痛、下痢になるってやつでね。

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