45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第120話 おっさんと皇帝

何故か一週間後にパーティを開催すると言ってきた皇帝。

何のパーティだよ!



「おいシラカワ!ここはひとつ、パーティを開催するから覚悟しとけよ!」

「何の覚悟だよ!」

なんだよ覚悟って。



「いよいよお前も皇族の仲間入りってなもんだ!その披露のパーティだからな!」

「何で披露するんだよ!」

「何でって、しないのか?」

「おっさんの自称妻たちは誰もそんなの言ってこなかったぞ!」

「そりゃあ、立場が違うからな。エルヴィーラは俺の娘だ。この国で一番偉い俺様の娘が結婚するんだ。これぐらいはしとかなくてはな!」



うーん、よくわからん。

やっぱり結婚披露宴とかあるのか?

「めんどくさ!」

いかん、本音が駄々洩れになってしまった。

「めんどくさ言うな!尤もこれはシラカワの為でもあるんだぞ!」

「何でおっさんの為になるんだよ?」

「シラカワ、領地の統治はこのままできるのか?人がいないだろう?いや、シラカワの元には優秀な妻たちがいるけどな、下々までは目が届かない。しかもシラカワ領は広い!絶対に目が行き届かない!そこで、だ。こういった事に慣れてる貴族がこの国には沢山いるわけだ。だが、後を継げるのは普通長男だけだ。次男以降はどうなる?兄の元地元に留まるか、可能性に賭けて他の領地に行ってみるか。これが三男四男とかになるともう絶望的だ!何故なら、小さくても引き継げる領地がないからだ!」

あーなんか聞いた事あるような話だな。日本の戦国時代なら兄を助け一族繁栄の為に力を尽くすところだけど、この世界では違うのか?

後継ぎ以外は貧乏くじなのか?



「じゃあ何だよ、三男四男の売り込みの場ってのか?パーティは。」



世知辛い世の中だねえ。まあ、おっさん損はしないと思うから付き合ってやるか。

「ようやくわかったか?ぶっちゃけるとな、シラカワの事をよく言わないやつは沢山いる。その反面、シラカワに取り入ろうと接触したがってる奴らも沢山いる。」

「何だよ、結局おっさんまた面倒事に巻き込まれるのかよ!」

まじかよ、めんどくさ!つーか優秀なのがおっさんの所に来るならいいけど、残念な奴らがわんさか現れたらどーすんのよ?そう言うやつに限って逆恨みするんだよな。



「まあそういうなって。真新しい領地なんてそうそうないからな、しかもそこの領主は貴族になりたてで優秀な家臣がそろっていない。しかも自分は四男だ。このまま領地にいても大した役にはたたないが、シラカワ辺境伯の元ならチャンスがあるんじゃないか?ってな。」

「で、変なのは来ないんだろうな?」

「貴族の三男や四男なんて俺が知るわけないだろう?自分の目で見て確かめるんだな。」

「おいおい結局丸投げかよ・・・・」



つまるところ、貴族の跡取りからあぶれた奴らの受け皿になってほしいって事か?

まあ、貴族の相続なんて優秀かどうかじゃなく長男が引き継ぐらしいし、下手したら四男とかがめっちゃ優秀な可能性もあるんだしな。

「それは納得してないけど分かったが、もう妻はいっぱいだからそっち方面は勘弁してくれよ?」

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

「なあ、何で黙るんだよ。いったい何人いると思ってるんだ!もういらんぞ!」

「まあ、当日を楽しみにしとけって、ハハハハハ。」

誤魔化しやがった。絶対妻にって自分の娘をごり押しする輩が現れるな。


・・・・
・・・
・・


さて、ゲートの事なんだけど・・・・妊婦はまずいよな?おなかの赤ちゃんにどんな影響があるか分からないからな、メーネアちゃんと香苗ちゃんには万全を期す、という事で留守番してもらうしかないかな?


この辺はあれだ、犯罪者の奴隷で妊娠してる女がいたら、その女を使って試したほうが良いのかな?

長い目で見たらすべきだけど、人道的にどうなんって思うよね。

ちょっと色々聞いてみよう。

まあ、ゲートの転送がどのような仕組みか分かればいいんだけどね。

2つの空間を繋げるのか、2つの空間をデータ的に移動するのか?後のならやばいよな?


・・・・
・・・
・・



おっさん、新たな領地に来てるんだけど、今は兎に角道を作ってるんだよね。

なるべく無駄のないようにひたすら直進。

おっさんの魔力が尽きない程度に土魔術で道を作ってるんだけど、なかなか大変だよ。

兎に角真っすぐに中々ならないんだよね。で、おっさん、カトリーンに乗せてもらって上空から道の目印を作ってるんだよね。

ひたすら直進の線を今は魔術で地面に書いてるんだよ。

これが終われば本格的に整地できるんだよね。

何だかんだで馬車とか通ってもらいたいからね、なるべく凹凸がないようにしてあげたいのさ。



おっさんの土地はひたすら広いから、徒歩を基準に朝歩き出して夕方までに次の街に到着できるぐらいの所に、街がができるようにも考えてるのさ。

          

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