45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第62話 クィンシーとオリアーナとエルヴィーラ

「なあS級さんよ、あんた皇帝の息子なん?」

「えー、その通り、皇帝陛下は俺の父だよ。で、俺はあなたの事を何と呼べばいいんですか、それと俺の名前はクィンシーだ、クィンシーと呼んでくれるとありがたいんだが。」

「じゃあクィンシーと呼んどくよ。おっさんの事はおっさんでもシラカワでも好きに呼んだらいいさ。」


「じゃあシラカワって呼ばせてもらうよ。」

「それよりあんた、「クィンシーだ!」何で苗字が皇帝と違うんよ?」

「俺は次男なうえに正室の子でもないし、側室の子でもない、庶民の子供だからな。」

「よくわからんけど、皇帝は庶民の女に手を出したんかい?」

「手を出した・・・・そういう見方もあるか、母は商人の娘だよ。ほら、そこのオリアーナ・トレイナー、あいつの父親の妹さ。つまり、オリアーナ・トレイナーは従兄妹だよ。」


ぐは!衝撃の事実!このS級、オリアーナの従兄妹なんかい!

「母は金を持っていたし、父さんの援助なしでも俺をちゃんと育ててくれたさ。」


「皇帝陛下ってそんな商人の娘に手を出してもいいの?お家騒動とか面倒そう。」

「それは大丈夫さ。母の家系は商人だからな。この国での販路拡大に役立ててたよ。」

「そんなもんか。で、あの女はあんたの妹なのかい?」

「エルヴィーラかい?あっちは正真正銘、正室の長女だな。」

ブフォ!

「おいおい、一介の商人風情に正室の、しかも長女はやらんだろう?」

「シラカワ、あんた自分の事をどれだけ知ってるのかい?今回はエルヴィーラがシラカワを気に入ったからってのもあるが、シラカワの存在は父にとって正室の長女を降嫁させるだけの価値があるんだ。」

「・・・・やっぱりスキル?おっさんただ単に巻き込まれただけなんだけど?」

「だが、本命が持っていたスキル、今シラカワが所持してるんだろう?」

「そうなるのかい?まあいいや。話がそれた。なあ、クィンシー、これから何処に行かさせられるんだ?」

「城から少し離れた所にあるダンジョンだよ。俺も何度も潜ってるから安心しな。エルヴィーラも同じく何度も行ってるからな。」

「おっさん冒険者になったけど、冒険なんてしたことないぞ。ましてやダンジョンとか向こうには無かった・・・・と思う・・・行った事ないし。」

「何事にも初めては付き物さ。気にしたら負けさ。」

おっさん気にしてるから負けなん?

「それより、シラカワ、その剣まだ他にないかい?あれば俺とエルヴィーラに今回のダンジョンから帰還するまで貸しちゃあくれないかい?」

「何故あると思った?」

「隠してるつもりだろうけど、シラカワが作ったってのは周知の事実さ。」

「隠すつもりはなかったけど・・・・まあ、この剣作ったのは皇帝陛下の紹介の鍛冶場だからな、知られて当然か。まあ、こんな剣でよかったら、2人とも使ってみたらいいさ。」

おっさん、収納カバンから剣を2本取り出し、渡したよ。

「それに見合った見返りはあるんだよな?」

「期待しててよ。シラカワが危なくなったらさくっと助けるから。」

「このような気遣い感謝いたしますこの剣をしらかわさまと思い後生大事にいたします。」

「あげてないよ?貸しただけだよ?聞いてる?」

「勿論しらかわさまのお言葉、すべて暗記いたしております。」

「暗記しなくてもいいから。あんたもおめでたい人だな!」

「しらかわさまに褒められました。大変うれしく思います。」

なんかちょっとこの女感覚がずれてるな。同じ王族でもメーネアちゃんとは違うなあ。

「しらかわさまも王族・皇族の妻が2人とか、将来は陛下と呼ばれるのでしょうか?」

「おーい、皇族の妻はいないからね?」

「心配ございません。ダンジョンから帰還した暁には、夫婦となりますから。」

さいですか・・・・

今回、ダンジョンにはおっさん、エルヴィーラ、クィンシー、ファート、サージュで挑む事になっちゃったよ。

しかも、臨時パーティを組めるようで、早速ギルドで登録してきたよ。

ダンジョンってどんな所なんだろう?

念のため、色々異世界売買で買っておこう。

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