45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第36話 おっさん、トレイナー商会と商談を始める

・・・・「ロニー・トレイナーさん本日はお招きいただき?ありがとうございます」

「ロニーでよいですよ、シラカワさん。それより、何度も娘が申し訳ない事をしてしまったね。ほれ、謝らんか」

「えっと、シラカワさま?あたい、とんでもない事してしまったんだね。どうやってお詫びをしたらいい?こんな年増じゃ抱く気にもならないかもしれないけど、なのでよかったら好きにしちゃって!」


・・・・いやいや、字がおかしいよ?ちょっと願望入ってる?

「とにかくあたい・・・・ごめんなさい」


やべ、嬢ちゃんまたまた土下座しちゃったよ!って3人共かよ!めんどくさ!

「あ、気にしてないから起き上がって?」

「いえ!償わない事には、トレイナー商会の名折れ、シラカワさん、何でも言ってください!何か貴重な品でもよいですし、権利でもよいですし、なんでしたら娘でも!」


いや、娘をってもう、それいいですって。おっさん独身なら喜んで貰っちゃうんだけどな!

・・・・
・・・
・・



仕切り直しにちょっと鑑定をしてもらおうかな?

「このカバンをロニーさんが、つまりトレイナー商会が買い取るとしたらどれぐらいでかと思って。」

「どれどれ・・・・・!こ、これは・・・・」

「父さまどうしちゃったの?え!あたいも鑑定しろって?え!え!これって!」

「お父さんどうしよう、容量無制限の収納カバンがこんなに目の前にあるなんて信じられないよ!」


おっさん、この場の流れを変えるべく、収納カバンを5つほど出してみたのよ。劣化版が結構な値段がついてたから、劣化版じゃない正真正銘の収納カバン、5つドドンと、さあ幾らってね!

「全部本物・・・・シラカワさん、これをしかもこれだけの数、どこで手に入れたのですか!」

「あたい漏らしそう・・・・」

「お姉ちゃん、駄目だよ、こんなところで粗相だなんて!」

「あーいや、どこで手に入れたかは・・・・商人にとって仕入れ先は重要なので教えるわけには・・・・」

「は!そ、そうでした!そんな事を聞くなんて、私はどうかしてしまってました!そうですな、もし売ってもらえるならばひとつ金貨2000枚出します!」

「げ!あたい収納カバン手に取るの初めてだけど、そんなに貴重品なの、父さま?」

「馬鹿言っちゃいけないよ、オリアーナ。このカバンがあればどんなものでも持ち運び自由自在なんだ。商人ならばどれか一つアイテムを選べるなら全員カバンにするだろうし、冒険者たちも戦利品をすべて持ち帰れるし、準備も限られた荷物だけでの冒険から、豊富な物資での冒険となれば生還率も跳ね上がるし、何より国が欲しがるだろう。何せ戦争時の補給物資が素早く安全に運べるのだから!」



・・・・ロニーさん熱く語りすぎ!

「シラカワさん、こんな事を言うのもなんですが、私共ににせめて一つだけでも融通してくれないだろうか?」

「・・・・」

「あたいからもお願い、シラカワさん!父様に譲ってあげて!」

あー美女の上目遣いやめてー思考力低下しちゃうよ。しかもそんな密着しちゃって。


「えー、ロニーさんはカバンを持っていないんですか?」

「そ、それは・・・・」

「父様は昔は持っていたんだけど、もう今は無くなっちゃったんだ・・・・・・お兄様・・・・ぐすっ」

え?ここで泣いちゃう?しかもお兄様って?兄がいるの?

          

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