勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしい

第409話 2人の記憶

昨日とは打って変わってひたすら詫びる2人。

このままでは話にならないので、僕がクサンデル氏を、オイヴィがヨランデ女史をそれぞれ無理やり立たせます。

そして側に控えている秘書さんに鎮静作用というか、リラックス効果のある飲み物を持ってきてもらうように伝えます。

日本ではカモミールティーなんかがよさそうですが、流石にここにはありません。
しかしこの世界にも色んな薬効や、効果のある飲み物、食べ物は存在していて、普通に店でも売っているのだとか。
但し、ちゃんと調べないと全く効果のないものもあったりするので要注意なんだとか。

まあここは城なので、そう言ったのも用意できるようで、秘書さんが消えたと思ったら、すぐに持ってきました。

「こういう事もあろうかと、あらかじめ用意してありましたの。」
と言っていますが、それにしても早いよ?

そう思ったのですが、収納カバンに入れてあって、それを出しただけだとか。

ステンレスの水筒、あれを沢山複製してあるので、それにあらゆる飲み物を入れて備蓄しているのだとか。

まあ収納カバンだと中身が劣化しないようなので出来る事のようで、なるほどこうした便利な使い方をしているのですね。

そして2人に無理やり飲ませます。

「あ、これっておいしい!」

ヨランデ女史はおいしそうに飲んでいます。

一方のクサンデル氏と言えば、

「少し甘いですね。」

一気に飲んでしまいました。

まあいいのですが、もう少しゆっくり飲むとリラックス効果があるのに残念だなあとか思いながら、2人が飲み終わるのを待ちます。

そしてやっと落ち着いたのか、クサンデル氏が先に喋りはじめます。

「昨日はまことに申し訳ない事をしてしまい、どう謝罪すればいいか分かりませんが、まずはヨランデともども謝罪いたします。そして昨日はあれからどうなりましたか教えていただけるとありがたいのですが。」

これはどういう事でしょうか。まさか覚えていない?

「ではその前に、何処まで覚えていますか?」

「公爵殿とお会いしたまでは覚えているのですが、その後は夢のような感覚で、気が付けばベッドの上に寝かされていました。後で話を聞きヨランデと確認をしましたが、ヨランデも似たような状況です。」

つまり記憶がないという事?
しかもその間にしでかした決闘騒ぎも全く身に覚えがないらしく、

「まさか!決闘などするわけがありません!」

「いえ、国王をはじめ複数の人が見ていますから、貴方が僕に決闘を挑んだのは紛れもない事実です。」

「信じられません!こんな不名誉な決闘!何故私はこんな不名誉な事をしてしまったのでしょう!」

後で確認しましたが、決闘をするにはもっとしっかりとした理由がないといけないらしく、今回の事はクサンデル氏は望んでいなかったとか。

そして僕がクサンデル氏と話している間に、オイヴィがヨランデ女史を調べていました。

「順平殿、ヨランデ殿だが、状態異常にかかっている。それも呪いの類だ。」

ここにきて呪いですか。

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