勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしい

第365話 慌てて領主がやってくる

「誠に申し訳ございません!もう暫くお待ちを!おい、飲み物とお茶請けを!」
「は!はい!!!今すぐ只今少々!!!」

そのごめんなさい。ギルドの中心者がてんぱってます。そしてもう1人の同席者である受付の女性もてんぱってます。

「すいません、アポもなしで押しかけてしまって、その上慌てさせてしまい、どうお詫びをしたらいいのか。」
僕はそういい、申し訳ないなあと思いながら様子を見ていましたが、これがますますいけなかったようで、
「ななな何を仰います!常山公爵様は今や我が国にとってなくてはならぬお方!そのような方を待たすなぞ、言語道断でございます!」

ああ、また頭を下げちゃったよ。

そして受付の女性が慌てて戻ってきます。
「お口に合いますかわかりませんが、お飲み物とお菓子でございます。こんなのしか只今はございません事、申し訳なく。」

ああ、完全にカチカチに。
「ありがとう。気持ちだけでうれしいですよ。」

そう言って差し出された飲み物を僕が飲もうとすると、
「失礼します。」

そう言って同行者が僕のコップを奪い取り、飲み始めます。
え?何?

「ギルドですから問題ないとは思いますが、念のため毒見でございます。」

ええ?そんな事までするの?

「まさか、毒なんて入ってないよ?こう見えて僕は鑑定持ちですし、毒の耐性もあるから、心配いらないよ。」

スキルがあるから、心配ないでしょ?

「公爵様におかれましては、只今スキルを封印されているとか。そのような時にいささか不用心かと。」

確かに今スキルを抑える魔道具を身に着けているけれど、大丈夫でしょ?

そんな事を思っていると、また外が騒がしい様子。
「失礼。」

そう言ってギルドの中心者が出ていきます。

「常山公爵様、お待たせしてしまいましいた。子爵様が到着されました。」

そう言って何人かの人が入ってきます。

若い男性と若い女性、そして中年の夫婦?

「常山公爵様、到着が遅くなり申し訳ございませぬ。この町の領主でございます。」

そう言って壮年の方が頭を下げ、斜め後ろの女性も頭を下げています。
領主と奥さんかな?

「常山順平です。突然押し掛け申し訳ありません。本来ならギルドで面会の約束を行うつもりだったのですが、子爵殿におかれましては(確か身分の下の貴族に様付けは駄目とアーダに言われてた気が。)慌てさせてしまい、申し訳ないです。」

「何をおっしゃいますか!我が国の救国の英雄様をお待たせしてしまうとは、こちらこそ。」

「あ、そういうのはやめましょう。まずは座って落ち着いて、お話をしませんか?」

たぶんこのまま頭を下げての話が続いて先に進まなさそうなので、途中で遮ります。

「これは申し訳ございませぬ。公爵様のお時間が・・・・わかりました。これは我妻で代表婦人。そして後は長男とその妻でございます。」

ああ、まさか後継ぎまで連れてきたとは。

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