勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしい

第360話 並行世界の時と同じようにするのは大変です

僕の並行世界は、少し普通の並行世界とは違います。
え?並行世界自体が普通じゃない?
まあそうなんですけどね。


何が普通じゃないかって言えば、並行世界で経験して得たスキルやそのレベルなど、後はアイテムもですが、その全てを手に入れてしまってるんです。

何だか僕の思い描く並行世界ではない気がしますが、これはこれで弊害があります。
並行世界で経験した事を、そのまま現実世界で全く同じようにできないのです。
何故なら、並行世界から戻ったら、もう既に僕のレベルやら色々が違ってしまっているので、もう一度並行世界を行うと、全く違う結果になってしまうんです。
ですので、通常このまま友郁たちと子作りをしても、並行世界と同じにはなりません。
妻の方には問題がなくても、僕が違ってしまってますので。

ですのでこの5年の間に、僕は魔道具を作成しました。

自身の能力、スキル、レベルを抑える魔道具です。
まあタブレットで各項目をいじる事ができるようにしてあるのですが、つまり並行世界で妻が妊娠するタイミングと、僕の状態も並行世界の時に合わせないといけないので、その時の能力を把握しそれに合わせます。

これを妻が妊娠する時、毎回調整しないといけないので、これはこれでなかなか苦労します。
ですが妻達のたっての希望で、ここまで我慢させてしまったのですが、これで失敗すればその我慢が水の泡。
しかもそれは新たな命に係わる事ですので、相当慎重に事を進めました。

そしてもう一つ苦労したのが環境です。

並行世界で住んでいた場所、その場所は既に確保し、住居も全く同じ環境にしました。
しかし周辺は既に領地として発展していて、しかも大きな街が出来上がっています。

並行世界ではなかったこの街。
しかし並行世界ではこの街があった場所やその周辺には行かなかったので、僕と並行世界で妊娠・出産した妻は、並行世界で生まれた子全員に巡り合うまで、完全隔離にしています。
僕らがいた場所は街と交わらぬよう壁で隔離。
そしてフェンリルの巣も僕らの修行の場だったので、フェンリル夫妻もそうですが、フェンリル夫妻には別の場所に立ち退いてもらい、ダンジョンも封印しました。

これを完全に履行できるまで数年かかってしまい、本当に我が子を抱けるのか、最近まで妻達には心配させてしまいました。

そしてもう一つはアーダやザーラといった並行世界で知り合えなかった妻達。
心苦しいですが、今は友郁達並行世界組といいますか、並行世界での妻とはこの1年全く接点がないようにしています。
今後5年ほどこうした生活を送る事になります。

しかし僕はそういう訳にもいかず、僕だけは後発組?非並行世界組といった方がいいのか、アーダ達とも毎日会っています。
そうしないと公爵としての責務を果たせない?
「さあ次はこのおなごじゃ。早う目ぐ合ふのじゃ!」

目ぐ合ふ?あ、あっちの事ですね。

公爵の責務、つまりは子作りです。
え?もう十分作ったよね?
「何を言うておる!街の発展の勢いからすれば、全く足りぬ!15年後にはもっと必要じゃ!街の領主とならねばならぬからな!」

「え?いやいや、いったい何人子供が必要なの?そもそも子供って貴族の道具じゃないんだから何人必要ですとか言われても「その考えを早う改めよ!」困る・・・ええ?」

アーダに思いっきり責められてしまいます。そういうアーダは今3人目を妊娠中。そしてザーラが話に加わります。

「旦那様?旦那様は結果的に公爵を受け入れたのだから、そこはきっちり公爵として色々頑張ってね?」

そういうザーラは既に4人目を妊娠中。
「私とお姉さまは特に子を設けないといけないのよ?頑張ってね?旦那さま!」

以前従魔に”干からびるなよ”
とか言われた気がしますが、今はよくわかります。
そしてスキル”絶倫”先生の活躍がここの所凄いんです。
このスキルどうやって手に入れたか覚えてませんが、きっと並行世界で無茶苦茶やっちゃった時があるので、その時に生えてきたのでしょうか。

しかしそれでも僕の中ではルールがあって、
並行世界での妻の妊娠のタイミングの1週間前からは、僕はアーダ達の前には行かない、という事です。

1週間しっかり体調管理をしないと再現が難しいと感じたからです。
まあユハニたちがいるので、領地の運営は僕が居なくてもどうにでもなりますが。

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