勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしい

第358話 あれから5年が経過

僕らが召喚に巻き込まれてから5年が経過し、常山公爵領は益々発展し、今やグビッシュ王国最大の領地となっており、街の規模も王国最大。
首都を差し置いて最大になっており、また領地には10万人を超える街が複数できるなど、その勢いは留まるところを知らない。

この要因の一つには、魔王に滅ぼされた周辺国からの人の流入が大きく、常山公爵の意向で、難民となっていた人々を全て受け入れたところによる人の流入が大きいだろう。

ただ残念な事に、こうした難民を受け入れると、それに伴い犯罪も増加してしまうのは世の常。だが常山公爵領には優秀な冒険者だった上位ランクの人々が多数在籍しており、その人々の指揮の下、街の治安は維持され、犯罪は殆ど起きていない。
あまりにも起きずにいるので、何かあるのでは?と疑う程なのだが、これは公然の秘密となっているようだ。

「・・・・とまあ、現状我が領の評判でございます。」

長々とした説明をユハニが行ってくれる。

神聖帝国ロンドロッグの住民の大半は、常山領と接していたために、今もどんどん流入しています。
復興はどうなってるのかな?
と思いますが、オイヴィいわく、
「王女の生き残りがいるはずで、その王女が国に戻れば復興もあり得るのでは?と思うのだが、勇者召喚に失敗し、間違って召喚した勇者を国が追放してしまっての。その後王女はその勇者を追いかけたはずなのだが、その後すぐに帝国は滅んだゆえ、我は知らぬのだ。」

うん?勇者召喚?
どういう事?
この国以外にも勇者召喚が行われていたって事?

「勇者召喚は色々な方法がある。魔王は我が帝国・いやもう元だがな、帝国を最大限に警戒しておったのだが、それは神聖騎士の存在と、姫の存在があったゆえんじゃな。」
「ごめんその事実初めて知ったんだけど、どういう事?」
「ああ、元々帝国の皇族は、女だけだが勇者召喚を行えるユニークスキルを受け継ぐ事があるのじゃ。召喚しても死ぬ事はない。召喚というのは少し違うやもしれぬ。勇者候補に語り掛け、こちらに来てもらう事を了承してもらい、こちらに連れてくる、という流れじゃからの。なので其方と違い、基本的に周囲が巻き込まれる心配はない。」

「じゃあ何?勇者って複数存在するの?」
「ああ、そのようじゃな。しかし、そうなると魔王も複数存在するのかもしれぬな。」

相変わらずオイヴィは固い口調だが、既に2児の母。
今僕の子供は全て一か所に集められて保育でいいのかな?をしている。
本当は母親が育てるべきなのだと思うのですが、この世界での貴族は、乳母に育ててもらうのが一般的なのだそうで、オイヴィ達妻は普段は子供を連れていない。

「あ、そろそろだな。友郁殿の出産には立ち会うのか?」
言い忘れてた?けれど、もうすぐ友郁は出産を迎えるんです。
昔行った並行世界での出産、あれを経験したメンバーは、全員今その通りの妊娠をしています。
そのメンバーで最初に出産は友郁。
次は泉。

思えばもうこんなに時間が経ってしまったのですね。

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