第312話　決闘

オイヴィさんが剣を抜いて襲い掛かってきます。

え？決闘？それに決闘って、双方準備が終わってからじゃ？ここは僕の常識が通用しない世界でした。

ですが行く手にはベッドがああります。

両断されてますね、ベッド。

その間に生命の危機にさらされたので、何とかカバンから上着を取り出し、身に着けます。

いやあ、あんな攻撃受けたら僕自身が真っ二つだよ。
ここは逃げの一手です。
僕は武器を所持してないんです。

「逃がさん！」

どうやら僕を見逃す気はないようです。
幸い両断されたベッドがいい感じに僕とオイヴィさんの間にあるので、少し時間的な猶予ができました。
この間に手袋、そしてヘルメットを用意できました。

ヘルメットからフェイスガードを下ろします。
最後にズボン。ズボンの上から履く少し大きめの。
これで何とか防御力はよくなりました。

さて、この訳の分からない事態をどう終わらせましょうか？
しかしオイヴィさん容赦がない。
僕に考える時間を与えてくれません。
ベッドだったものがさらに細かくなっていくではありませんか。
「早く剣を抜け！」

「領地を視察してただけだから、武器なんて持ってきてないよ？」
思わずそう答えてしまいました。本当はカバンにはあるのですが。
「何？領主が武器も持たずにうろついていたのか！それは運がなかったな！死ね！」

僕は何とか身を低くし、剣を避けます。
そしてそのまま床に転がり・・・・ベッドの残骸がありますが、今は防御力のある服を着ているのでダメージがありません。
そのままオイヴィさんの足元に転がっていきます。
予想外の行動だったのか、オイヴィさんの反応が遅れています。
そのままオイヴィさんの足元にたどり着き、勢いのまま足にぶつかります。
「きゃっ！」

避けようとしたようですが、バランスを崩し転倒します。そのまま僕はオイヴィさんの足首をつかみ、自分を中心に回転をし、オイヴィさんを回転させ、途中で放り投げました。
何せ遠心力が働き身動きが取れなくなるだろうと思ったのに、僕に剣を向けようと上体を起こしてきたので、思わず投げ出したのですが・・・・
「ぐっ！！」

ごめんねオイヴィさん。
見事に壁に激突。
あれ痛いよね・・・・
うわ・・・・頭から血が・・・・そりゃあ足を持ってたから、頭から突っ込んでくよね。

少し時間ができたので、どうするか考えます。
ですが動きが速い。
僕が考えている間に剣を突き出す格好で突進してきました。
なんとかカバンから盾を取り出しましたが、剣ではじかれ、僕の体に剣が当たります。
ただ、この服の防御を突破できるほどの威力ではなく、当たった場所は痛いですが、怪我はしていません。
そのままオイヴィさんを盾で壁際まで押し付けます。
僕は盾を横長に持ち替えて、オイヴィさんを盾で押しているので、オイヴィさんは両手を使えない状態。

「うぐう！」
オイヴィさんは頭以外にも何処か怪我をしている？
ですがそれを確認する余裕はありません。
壁に押し付けたので、頭・・・・ヘルメットで彼女の頭に頭突きをかまします。