勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしい

第289話 魔王の罠(本命)


あれ?これ今なら動かす事が出来るんじゃない?


そう思った瞬間、急に何かに強く引っ張られる感覚が・・・・

・・・・僕は魔法で移動していました。が、何かがおかしいんです。

「はあ、またですか。そろそろ現実を見てほしいものです。」

何か聞こえますが何でしょう?

何だか引っ張られます。

そして、気が付けばまたベッドに。

また?

あれ?またって何?

「順平さん、もう少しですから!魔王の策略を打ち破れると信じていますからね?」

え?魔王の策略?

魔王が襲撃してきた?

これはいけない!
僕は一生懸命起き上がろうとしますが、無理です。動きません。

「旦那様はまだ戦っておるのか?」
「私はそう信じています。順平さんは弱い人じゃないんです!」

様子がおかしいです、
一寸冷静になってみましょうか。

今僕はベッドで寝ています。

そして、アーダと友郁の声かな?

耳は聞こえます。
目は開けられない?

自身の状態は?
何とか色んなスキルで調べようとしますが、上手くいきません。

ですが、いつまでもここで寝ている訳にはいかないんです。

・・・・
・・・
・・


何度目かのチャレンジで、やっと自分の状態がわかりました。
肉体と精神が切り離されているようです。

何故?
ちょっと前に聞こえた魔王の何とか。
つまり、魔王の策略が僕の身に降りかかり、こうなってしまっているのでしょうか?

僕は何度か自身を調べます。

すると何か違和感があります。

何度も調べたのですが、今まで気が付かなかった違和感。

僕はよくわからないまま、そこにありったけの魔力をぶつけました。
すると、なんだか急に体に温かみを感じるようになってきます。

あれ?これ今なら動かす事が出来るんじゃない?

・・・・
・・・
・・


「おい!順平が動いているぞ!」
「え?ええ?本当に?」

「ほら!指が動いている!」
「ふぁ・・・・ほ・・・・本当に?半年・・・・半年ですよ!順平さんの意識が無くなってから!」

「だが、やっと魔王の呪縛から脱する事ができたのではないか?あのくそ親父、何度も襲撃しやがって!」

「ですけれど、何とか撃退しましたよ?」
「だからなんだよ!順平が起き上がれない、戦えないのを知っていて攻めてくるんだ!私らでは仕留めきれないし。」
「何が目的なのでしょうね?」
「この身体じゃないか?」
「え?順平さん乗っ取られるんですか?」
「いや、もう大丈夫だろ?」

何か聞こえます・・・・何だったのかな?
僕は目を・・・・眩しいです。
「ま・・・・まぶしい・・・・」

声が出ない。

「あ、順平さん!」
「友郁・・・・」

後で知りましたが、僕は半年もの間、寝たきりだったようです。
そして、魔王が僕に何か仕込んでいて、そのせいで寝たきりになってしまったようです。
半年?半年も寝ていたの?

一方その頃魔王は、


「ああ!くそっ!我の因子が絶たれた!」
「ええ?そんな馬鹿な!あれほど完ぺきだったのに。」
「何故だ!何重にも隠ぺいしたというのに・くそっ!このままではあいつに殺されるではないか!」
「そうは言っても、このまま停戦されてはいかがですか?」
「あ?馬鹿な事を抜かせ!そんな事をしたら本国の連中が黙っておるまい!離反の嵐になるぞ?」
「しかしながら魔王様、生きてこそですよ?このままではいずれ、回復したらあいつはここへやってくるでしょう。」

「ど・・・・どうすればいいと思う、側近?」

「はあ・・・・そろそろ私の名前を憶えてほしいものですね。」

「そんな事はいいのだ!くそ!どこで間違えた?」

何やら焦っている魔王。何を焦っているのか?

          

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