勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしい

第232話 ”奇跡”

僕はザーラさんに回復魔法を使いますが・・・・
傷は治り、顔の腫れも元に戻り、不自然に曲がった手足も元に戻りました。が、

ザーラさんは目覚めません。
心拍を確認しようにも心臓は止まったまま。
今度はエリクサーを使いますが変化はありません。

そして、電撃を・・・・放ちますが・・・・心臓にショックを与えたら!と思いましたが変化がありません。
心臓マッサージもしますが・・・・反応は変わらず。人工呼吸も試みますが・・・・効果がありません。
AEDがあればあるいは。
だけど彼女の心臓は完全に止まっています。
AEDがあっても無駄なのでしょうか?あれは自動体外式除細動器・・・・だから・・・・うう・・・・

そんな・・・・なんでこんな事に。

この時僕は頭の中で何かを見た気がし・・・・その何かを、なんだったかをもう一度確認しようとします。


急いでベッドを取り出し、その上にザーラさんを寝かせます。
ここは外だけど仕方ないです。今から移動させる時間が惜しいです。
【少しでいい、僕は無防備になる!守れ!】
フェンリルに僕の守りを任せる事にします。
このころにはフェンリルの息子もやってきていました。

僕はザーラさんの上半身の衣類をはぎ取り、胸を露出させます。

そしてナイフを取り出し、ザーラさんの胸・・・・みぞおちあたりにナイフを突き刺し、骨ごと切り裂きます。
そのまま骨を避けるように手を突っ込み・・・・探します。

心臓は左胸にあるイメージ・・・・だけど実際はほぼ身体の真ん中にある・・・・確か心肺蘇生の講習でそう習ったと記憶しています・・・僕のサバイバルの本にも書いてあったはず。

僕は心臓を探し・・・・何かをつかみます。多分これだ。
心臓は筋肉の塊。程よい弾力があるはず。

僕は心臓を鷲掴みにし、力を抜きます。
そう、心臓へ直接マッサージを・・・・行使しようとしています。
この世界の回復魔法やエリクサーは、死んだ人には効きません。

なので、少しでも心臓が動き、呼吸が戻りさえすれば・・・・エリクサーも効果を発揮するはず。

戻れもどれモドレmodoreMODORE・・・・も・・・ド・・・・れ・・・・モ・・・・ど・・・・レ・・・・!!!!!

僕は今度は心臓を掴んだまま、同時に人工呼吸を試みます。
だけど・・・・
【ああああああ!!!!!!何故戻らないいいい!!!!!!】

そしてここにきて順平に変化が起こります。

《常山順平の進化を確認しました。ユニークスキル”奇跡”の発動が可能となりました。》

奇跡?

僕は・・・・ザーラさんに奇跡が起こるように思い描きます。

そして無意識に、ザーラさんをこのようにした原因を解決できるようにと願って。

その瞬間、順平の身体から何かが発し、
あたり一面、まばゆい光に包まれていきます。

ここで順平の意識は途絶えました。

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