勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしい

第227話 ザーラの焦り

この場にはザーラも居たのだが、内心かなり焦っていた。

先程の常山順平に関する話・皆自分より数歩前を進んでいる。
異世界よりやって来た6人は遥か先を進んでいるとザーラは思っていた。実際は2人で、後の4人は並行世界ではそうだったのだが、今はまだ親密ではない。
だがそんな事は分からない。

そして姉であるアーダは、自分より先に常山順平に救出され、そうとう親密なっている様子。

侍女達は身分の違いからさほど警戒はしていないが。
ここにきてさらに問題が。そうギルド職員のヘルトラウダの存在。
もう既に常山順平に結婚を申し込んでいるとか。

しかも第一夫人に収まる才村友郁に既にがっつり取り込んでいるとか。

自分は相当遅れてしまっている。
そう言われると、この身分でのごり押ししかしていない。

なのでザーラは現在正常な判断ができずにいた。
「わ・・・・私、常山順平にドラゴンの討伐をお願いしに行ってきます!」

2人の返事を待たずにその場を去るザーラ。
「あ!待つのだザーラ!」
「ザーラ!勝手な事をするんじゃない!」

既にもう2人の声が届かない所に去ってしまっていた。

・・・・
・・・
・・


すぐに常山順平を見つけたザーラ。

「つ・・・・常山順平!」

ザーラは順平の前にやって来る。
「ザーラさん、何か異常があったと聞いて、急ぎ戻ってきましたが?」
「床が異常を起こし、ドラゴンが王都の近くにやって来たのだ!」

焦って説明をするが、あまりにも短すぎるその話に順平は困惑する。
「ええとその、何の事ですか?床の異常とドラゴン?ドラゴンですか?」

「ええ。今は結界でなんとかしているが、ドラゴンは・・・・」
「結界ですか?結界は何に対して張っているのですか?場所は?ちょっと落ち着きましょう?」
ここでますます焦るザーラ。

あ・・・・しまった!常山順平が、私の話に困惑している。

「第一夫人を含む4人が、結界を張ってくれた。床に異常があって。」
「ええとザーラさん、その話がよく分かりませんが、あの魔王を退けた時に何かしていった床ですか?というかまだ床を放置したままだったんですか?」

順平は単にそう聞き返しただけなのだが、
ザーラには順平が自分を責めているように感じてしまう。

「う・そのすまない。放置していた訳ではないのだが。確かに私のせいでもあるな。私は特に何もする事が無かったのも事実。すまない・それで・・・・その、床に異常があって、我々はその場にいられぬほど消耗してしまってな。」
ザーラは説明を始めるが、順平が遮った。

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