第188話　嫌な予感

僕はもう一方の未来視を見る事なく、その場に倒れます。うう、なんだか嫌な予感がして仕方がないです。

泉が支えてくれてるけれど、僕は泉にたずねます。
「見た？」

「ええ。どう言ったらいいのかわかりかねますけれど、まずは才村さんが危ない！」

泉はそう言いつつ、フラフラな僕を膝枕しつつ、友郁に連絡を取るようです。

《ああ、よかったわ！才村さん、今すぐ王都へ戻って下さい！》

《え？森江さんどうしたの？》

《先ほどのスキルでしょうか、順平さんがそのまた何かを見てしまったの。その見えた内容はね数日後、才村さんはそちらの誰か、確か領主の息子につかまってしまって、それにフェンリルさんの息子さんも罠にかかって殺されるんです！》

《え？そう言えば腕の骨が折れたのを凄い剣幕で早く治せってしつこいのがいたけれど、その人かしら。確かに嫌な視線だったわ。》

《今順平さんは倒れています！その、フェンリルの息子さんには乗れるのかしら？》

《あ、ちょっと待って？どう？私なら大丈夫？そう、じゃあ急いでこの街を出ますからお願いね？あ、大丈夫なようです。今から出ます。》

うう、目が痛いです。何で痛いのかな？

「泉すまないね。さっきのあれ、どう思う？」

僕は泉に問いかけます。

僕が何を聞きたいのか考えてそうです。抽象的過ぎてどう答えていいか決めかねてる感じです。

「まずは才村さんですけど、今はまだあの襲撃は起こっておらず、今なら才村さんが王都へ戻れば問題ないでしょう。問題は、王都ですけれど、あの城の、魔王と戦った部屋ですわ。」

僕はまださっきの出来事が何だっ方考える余裕がありません。だってほら、こんな気持ちのいい太ももがすぐ近くにあるんだから。

「順平さん？どうしましたか？」

「泉の太もも気持ちいいなって。」

「その、お気持ちはうれしいのですが、今はそれどころではないですわ？（やっぱり変ですわ、順平さん。これは今後どう対処すればよいか、見定める必要がありそうですわね。）」

・・・・
・・・
・・
・

僕は暫く寝ていたようです。

何故か目が覚めますが・あ、泉の膝枕のままだった？あれって足しびれるんじゃ？
「泉、ごめん寝てた？」

「いいのですよ？それよりそろそろ起きますか？」

「あ、そうだな、起きようかな。なんだか頭が今はすっきりしているんだ。ええと、なんだっけ？」

僕は色々思い出そうとしますが、
そんな折、フェンリルから念話が入ります。
【息子が其方の番つがいを乗せ、もうすぐこの人の住む場所へ来るぞ！！】

【わかった、僕も行くよ。】

「泉、もうすぐフェンリルの息子と友郁が戻ってくる。外へ出て出迎えよう。」

「ええ、そうしましょう。」

僕はその時、泉の様子がおかしかったことに気づけませんでした。