自称聖女の従姉に誑かされた婚約者に婚約破棄追放されました、国が亡ぶ、知った事ではありません。
第23話:閑話・陞爵・キャッスル国王視点
「どうすべきだと思うか。
いっそ今から攻め滅ぼすか?」
「恐れながら国王陛下、もはやそれは不可能かと思われます」
「やはり不可能か。
正攻法で攻め滅ぼすのが無理なら、王都に呼び出して謀殺してはどうだ?」
「そのような事をなされましたら、百万の民が王都に攻め上ってきます。
いえ、それどころか王都の民も蜂起する事でしょう。
貴族の中にも王家直属の騎士や徒士の中からも叛旗を翻す者が出てまいります。
絶対にお止めください」
「くっ、そもそも国に入れたのが間違いであったか」
「いえ、あの時はあれしか方法がありませんでした。
あそこで戦いになっていたとしても、多くの犠牲がでていました。
損害が多ければジェイムズ王国はもちろん他の国も攻め込んできました。
陛下の判断に間違いはありませんでした」
「……余の行いに一切間違いがないのにこの状況になったというのか?」
「はい、相手は歌聖女と慈母聖女でございます。
その後ろには守護神が控えております。
我々人にできる事などなにもございません。
陛下は何も間違われていなかったのですから、これからも間違わずに対処していただけば、聖女や守護神の怒りを買わずにすみます」
「余にまたガマンせよと申すのか」
「畏れ多い事ではありますが、そうしていただかねばなりません。
陛下は御存じないかもしれませんが、ブートル副伯に損をさせるような事をした商人や貴族が変死しております。
全く原因が分からないのですが、聖女か守護神がやったと思われます」
「……それは、余が殺されるかもしれないと言いたいのか」
「はい、陛下は既にブートル副伯を殺すことを考えられました。
変死した者たちは全員朝になっても起きてこず、家人が起こしにいったら、恐ろしい苦悶の表情を浮かべて死んでいたそうでございます。
恐れ多い事ながら、このままでは明日の朝には死んでおられるかもしれません」
「バカ者、そのような危険があるのならなぜ最初にその話をせぬ。
お前のせいで余が死んだらお前も処刑されるのだぞ」
「そうは申されまますが、今まで適切な対処をなされていた陛下が、ブートル副伯を殺そうとするなど思いも致しませんでした」
「ええい、この、この、この、この」
「陛下、そのように床を蹴られてもどうにもなりません。
ここは今日中に聖女や守護神に詫びる決定を下さなければなりませんぞ」
「お前はどうすればいいというのだ」
「ここはブートル副伯を陞爵いたしましょう。
あのような荒地を緑の大地に変え、大陸一の市場と闘技場と歌劇場を創り出し、この国で一番繫栄する都市にしたのです。
陞爵したとしても誰も文句は言いますまい」
「お前はブートル副伯を公爵にでもしろというのか」
「陛下、そのような嫌味を言っているようでは、明日死ぬことになるかもしれませんぞ、本気で心を入れ替えてください。
臣は陛下を見殺しにした罪で処刑されたくはありませんぞ」
「……すまん、分かった、ブートル副伯を辺境伯に陞爵する」
いっそ今から攻め滅ぼすか?」
「恐れながら国王陛下、もはやそれは不可能かと思われます」
「やはり不可能か。
正攻法で攻め滅ぼすのが無理なら、王都に呼び出して謀殺してはどうだ?」
「そのような事をなされましたら、百万の民が王都に攻め上ってきます。
いえ、それどころか王都の民も蜂起する事でしょう。
貴族の中にも王家直属の騎士や徒士の中からも叛旗を翻す者が出てまいります。
絶対にお止めください」
「くっ、そもそも国に入れたのが間違いであったか」
「いえ、あの時はあれしか方法がありませんでした。
あそこで戦いになっていたとしても、多くの犠牲がでていました。
損害が多ければジェイムズ王国はもちろん他の国も攻め込んできました。
陛下の判断に間違いはありませんでした」
「……余の行いに一切間違いがないのにこの状況になったというのか?」
「はい、相手は歌聖女と慈母聖女でございます。
その後ろには守護神が控えております。
我々人にできる事などなにもございません。
陛下は何も間違われていなかったのですから、これからも間違わずに対処していただけば、聖女や守護神の怒りを買わずにすみます」
「余にまたガマンせよと申すのか」
「畏れ多い事ではありますが、そうしていただかねばなりません。
陛下は御存じないかもしれませんが、ブートル副伯に損をさせるような事をした商人や貴族が変死しております。
全く原因が分からないのですが、聖女か守護神がやったと思われます」
「……それは、余が殺されるかもしれないと言いたいのか」
「はい、陛下は既にブートル副伯を殺すことを考えられました。
変死した者たちは全員朝になっても起きてこず、家人が起こしにいったら、恐ろしい苦悶の表情を浮かべて死んでいたそうでございます。
恐れ多い事ながら、このままでは明日の朝には死んでおられるかもしれません」
「バカ者、そのような危険があるのならなぜ最初にその話をせぬ。
お前のせいで余が死んだらお前も処刑されるのだぞ」
「そうは申されまますが、今まで適切な対処をなされていた陛下が、ブートル副伯を殺そうとするなど思いも致しませんでした」
「ええい、この、この、この、この」
「陛下、そのように床を蹴られてもどうにもなりません。
ここは今日中に聖女や守護神に詫びる決定を下さなければなりませんぞ」
「お前はどうすればいいというのだ」
「ここはブートル副伯を陞爵いたしましょう。
あのような荒地を緑の大地に変え、大陸一の市場と闘技場と歌劇場を創り出し、この国で一番繫栄する都市にしたのです。
陞爵したとしても誰も文句は言いますまい」
「お前はブートル副伯を公爵にでもしろというのか」
「陛下、そのような嫌味を言っているようでは、明日死ぬことになるかもしれませんぞ、本気で心を入れ替えてください。
臣は陛下を見殺しにした罪で処刑されたくはありませんぞ」
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