Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。
第107話 帰宅後の妹
告白を成功させた俺は2人と別れ自宅に到着した。
自宅の玄関にはクリスマスツリーが飾られており、玄関の窓越しに光っているのが確認できる。
規模が大きすぎるイルミネーションよりも、家にクリスマスツリーが1つおいてあるだけの方がなぜが雰囲気を感じて俺は好きだ。
クリスマスは毎年モカと一緒にツリーを飾り付けてたな。今年は一緒に飾り付けをしてやれなくて申し訳ない。
玄関の扉の取手に手をかけ開けようとしたその時、内側からドアが押され扉が開いた。
「お帰り‼︎ で、結果は?」
ツリーの飾り付けを一緒に出来なくて申し訳ないと思った俺が馬鹿だったようだ。
寂しいそぶりなど一切見せず、俺が帰ってきた気配を察知して家から飛び出してきたのは妹のモカ。
俺に色々と指南してくれる恋愛マスターだ。
特に物音を立てたわけでもないのになぜ俺の帰宅を察知出来るのだろうか……。
帰宅早々結果を確認してくるあたり、今日ずっと俺がどうなったのか楽しみに待ってたな。
「決めたよ」
「祐奈さんか楓さんどっちにしたの?」
「……祐奈の方だ」
「え、じゃあ祐奈さんに告白したってこと?」
「そういうことだ。オッケーをもらったよ」
「ほんと⁉︎ やった‼︎ おめでとうお兄ちゃん‼︎」
「ありがとな」
モカに祝福されたのは素直に嬉しいが、やはり楓が涙を流した時の表情が頭に焼き付いて離れない。
これで良かったのだろうかと、悩みは尽きない。
「お兄ちゃん、これで良かったのか? とか思ってない?」
……本当にこいつは。超能力者だろ絶対。何をどうしたら俺の心を読めるの?それが出来るなら祐奈と楓の気持ちも読んで欲しかったよ。
「まぁ思ってなくは無い」
「……お兄ちゃん」
「なんだ?」
「決断は遅かったし、楓さんには申し訳ない気持ちもあるだろうけど……。よく頑張ったね」
そう言ってモカは俺の頭を撫でた。
妹のくせに、なんで兄の頭を撫でてるんだ……。
そう思った瞬間、俺は頬に暖かい感触を覚えた。
な、何を泣いているんだ俺は。泣くな。俺には泣く権利なんかない。楓を泣かせておいて俺が泣いて言い訳がないんだ。
「返事が遅かったとは言え、悩みに悩んで最後は答えを出したお兄ちゃんはすごいよ。我慢せずさ、泣いても良いんじゃない?」
そう言われた俺はモカに抱きつき赤子のように泣きじゃくった。
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