Bluetoothで繋がったのは学校1の美少女でした。
第74話 帰宅
俺たちを乗せたバスは無事学校に到着し、生徒は皆帰宅していった。
自宅に到着した俺は自分の部屋のベッドに寝転がり、見慣れた天井をボーッと見つめている。
修学旅行中はホテルに宿泊し、普段とは違う景色に気持ちが落ち着かなかったが、自分の部屋の天井を見るのがこれほどまでに落ち着くとは思わなかった。
天井を眺めながら考えているのはバスの中で楓にされた告白の事。
楓の裏の姿は大人気声優の日菜だ。俺が大好きで応援していた日菜が同じ学校の生徒で、まさか告白をされることになるなんて考えもしなかった。
なぜ俺はあの場で二つ返事をしなかったのだろうか。
昔の俺なら大人気声優の日菜に告白されたら、日菜が告白の言葉を言い終える前にお願いします!と返事をしただろう。
事実、俺は昔から日菜に告白されて付き合うという妄想を何度もしていた。そんな事を誰かに知られたら恥ずかしくてたまらない。
それが現実になったというのに、返事を保留している。
俺は何をしているんだ……。
「ふぅー。どうしよっかなぁ。告白の返事」
自分の部屋は密閉された誰にも侵される事のない絶対領域。周りには誰もいないのを良いことに、思わずこぼれた独り言。それほどまでに俺は悩んでいる。
「え、お兄ちゃん告白されたの?」
部屋の扉を勢いよく開け侵入してきたのは妹のモカ。どうやら扉の隙間から俺の様子を確認していたらしい。
「え、ちょ、おまっ、なんで俺の部屋にいるんだよ」
「いやーお兄ちゃんが余りにも物思いにふけた表情してたからさ。これは何かあったな? と私の勘が騒いでいたのだよ」
可愛い妹だから許すけどさ、人の部屋に勝手に入っちゃだめだよ? それに独り言も盗み聞きしちゃだめ。
「なんでもないよ」
「嘘はいけません‼︎ 私は今、この耳で確かに聞いたんだよ。お兄ちゃんが告白の返事に悩んでいる事をね‼︎ で、誰に告白されたの?」
「言うわけないだろ恥ずかしい」
なんで探偵口調なのかというツッコミをする間もなく、モカは俺に告白してきた相手を聞いてくる。
仮に俺がここで楓に告白されたと言っても、モカと楓は面識がないし誰かは分からない。
言う意味もないだろう。
「えー。でも気になる」
「どうせ言っても分からないだろ」
「名前だけ教えてよ。ね? いいでしょ? お兄ちゃーん」
そう言って俺の腕を掴み顔をすりすり擦り付けてくる妹。どうやら俺は妹にとことん甘いようだ。
「楓だよ。古村楓」
「楓さんかー。お兄ちゃんを好きになった女の人、どんな人なんだろうなぁ」
「ほら、もういいだろ」
「えぇー。まだまだ聞きたい事は沢山あるのに」
「名前教えたじゃないか。それで我慢してくれ」
「じゃあ今度家に連れて来てよ」
「馬鹿なこと言ってないで、早く寝る準備をしなさい」
「ちぇっ。分かりましたよーだ。良い子は早く寝まーす」
そしてモカはリビングへと降りて行った。
可愛くもあるが中々手強い妹だ。だが、アニメオタクで恋愛を経験していない俺には年頃の妹がいるというのは心強い。恋愛相談をする相手には持ってこいだ。
また何か聞きたいことがあれば相談しよう。
モカが部屋を去り、気を抜いていると俺の部屋の扉をノックする音が聞こえた。
再びモカが俺の部屋にやって来たようだ。
「お兄ちゃーん。入ってもいい?」
「別に構わないが、どうした? さっき出て行ったばかりじゃないか」
そしてモカが扉を開けるとそこには祐奈と楓の2人が立っていた。
「祐奈⁉︎ と楓!?」
「へぇー。この人が……」
……これは夢ですか?
自宅に到着した俺は自分の部屋のベッドに寝転がり、見慣れた天井をボーッと見つめている。
修学旅行中はホテルに宿泊し、普段とは違う景色に気持ちが落ち着かなかったが、自分の部屋の天井を見るのがこれほどまでに落ち着くとは思わなかった。
天井を眺めながら考えているのはバスの中で楓にされた告白の事。
楓の裏の姿は大人気声優の日菜だ。俺が大好きで応援していた日菜が同じ学校の生徒で、まさか告白をされることになるなんて考えもしなかった。
なぜ俺はあの場で二つ返事をしなかったのだろうか。
昔の俺なら大人気声優の日菜に告白されたら、日菜が告白の言葉を言い終える前にお願いします!と返事をしただろう。
事実、俺は昔から日菜に告白されて付き合うという妄想を何度もしていた。そんな事を誰かに知られたら恥ずかしくてたまらない。
それが現実になったというのに、返事を保留している。
俺は何をしているんだ……。
「ふぅー。どうしよっかなぁ。告白の返事」
自分の部屋は密閉された誰にも侵される事のない絶対領域。周りには誰もいないのを良いことに、思わずこぼれた独り言。それほどまでに俺は悩んでいる。
「え、お兄ちゃん告白されたの?」
部屋の扉を勢いよく開け侵入してきたのは妹のモカ。どうやら扉の隙間から俺の様子を確認していたらしい。
「え、ちょ、おまっ、なんで俺の部屋にいるんだよ」
「いやーお兄ちゃんが余りにも物思いにふけた表情してたからさ。これは何かあったな? と私の勘が騒いでいたのだよ」
可愛い妹だから許すけどさ、人の部屋に勝手に入っちゃだめだよ? それに独り言も盗み聞きしちゃだめ。
「なんでもないよ」
「嘘はいけません‼︎ 私は今、この耳で確かに聞いたんだよ。お兄ちゃんが告白の返事に悩んでいる事をね‼︎ で、誰に告白されたの?」
「言うわけないだろ恥ずかしい」
なんで探偵口調なのかというツッコミをする間もなく、モカは俺に告白してきた相手を聞いてくる。
仮に俺がここで楓に告白されたと言っても、モカと楓は面識がないし誰かは分からない。
言う意味もないだろう。
「えー。でも気になる」
「どうせ言っても分からないだろ」
「名前だけ教えてよ。ね? いいでしょ? お兄ちゃーん」
そう言って俺の腕を掴み顔をすりすり擦り付けてくる妹。どうやら俺は妹にとことん甘いようだ。
「楓だよ。古村楓」
「楓さんかー。お兄ちゃんを好きになった女の人、どんな人なんだろうなぁ」
「ほら、もういいだろ」
「えぇー。まだまだ聞きたい事は沢山あるのに」
「名前教えたじゃないか。それで我慢してくれ」
「じゃあ今度家に連れて来てよ」
「馬鹿なこと言ってないで、早く寝る準備をしなさい」
「ちぇっ。分かりましたよーだ。良い子は早く寝まーす」
そしてモカはリビングへと降りて行った。
可愛くもあるが中々手強い妹だ。だが、アニメオタクで恋愛を経験していない俺には年頃の妹がいるというのは心強い。恋愛相談をする相手には持ってこいだ。
また何か聞きたいことがあれば相談しよう。
モカが部屋を去り、気を抜いていると俺の部屋の扉をノックする音が聞こえた。
再びモカが俺の部屋にやって来たようだ。
「お兄ちゃーん。入ってもいい?」
「別に構わないが、どうした? さっき出て行ったばかりじゃないか」
そしてモカが扉を開けるとそこには祐奈と楓の2人が立っていた。
「祐奈⁉︎ と楓!?」
「へぇー。この人が……」
……これは夢ですか?
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
141
-
-
841
-
-
35
-
-
23252
-
-
39
-
-
3395
-
-
1978
-
-
17
-
-
1168
コメント