LINEのIDを拾ったので興味本位でLINEしました
第22話 独占、メンヘラな彼女
『他の女の子にうつつを抜かすのは絶対ダメですからね‼︎』
こういった類のLINEが50件は送られてきただろうか。
世の中の男子からすれば青木はメンヘラという部類に属する女の子なのかもしれない。
だが、過去に1度も女性から好意を向けられたことがない俺はその大きすぎる好意がむしろ嬉しい。
そもそも何故青木からそんな内容のLINEが送られてきたかというと、俺たち2年生は今日から2泊3日の日程で大阪へ修学旅行に行く。
要するに青木は、俺が青木に会うことが出来ない修学旅行中に、他の女に手を出すのではないかと心配しているのだ。
青木はまだ俺の顔面に夢を見ているんだね。他の女に出せるような顔面の持ち主じゃないから俺。身の程弁えてるから。安心してくれ。
『まぁ緑川先輩がいないのが唯一の救いですけど』
青木から送られてきた捨て台詞の様なLINEの内容にだけは深く納得した。
俺にとっては青木も緑彩先輩もいない、2人が関わることを気にせず羽を伸ばせる貴重な時間だ。精一杯楽しむとしよう。
いや、待てよ? 今自分で考えてて心配になったきたわ。俺たち2年生がいないってことは部室には緑彩先輩と1年生の青木と紫倉だけと言うことになるよな……。
うん。考えるのはやめよう。知ーらない。
そして大阪に向かうバスの中では玄人と紅梨と楽しく会話をしているのだが……。
「……どうした? 俺の顔、何かついてるか?」
「いや、何もついてない。何もついていないというか、何も無い」
俺はバスの中で玄人と隣の席に座っている。その後ろの席には紅梨と同じクラスの女子生徒が並んで座っている。
そして何故か紅梨がわざわざ席を立ち、こちらをじーっと見つめてきている。
「何も無いってなんだよ。目と鼻と口はあるから。あとちょっと愛嬌もあるから」
「……そうだね」
「やめて、今のボケだから。ちょっと目を逸らして冷たい声で賛同されたら悲しいから、今の賛同したらダメなとこだよ?」
特に紅梨に何かをした記憶もないし、何かされた記憶もないが、何故紅梨は俺の顔をじーっと見つめているのだろうか。
あ、もしかして自意識過剰なだけ? 実は紅梨は玄人のことが好きで俺じゃなくて玄人のこと見てたとか?
……それも無いな。中学生の頃から一緒の俺には分かる。紅梨は玄人のことが好きではない。
「まあこれだけじゃ分からないか」
「え、分からないって何が……」
「白太はさ、まだ緑彩先輩のこと好きなの?」
紅梨からのあまりに唐突な質問に焦りを隠せず手に持っていたスマホを落とす。何故紅梨がそんなことを気にする?
「……いや、好き……じゃない」
「ふーん。そっか。分かった」
そういうと、俺たちの席に向かって身を乗り出して来ていた紅梨は着席し、隣の席の女子生徒との会話に戻っていった。
一体なんだったんだよ……。
紅梨の行動は意味不明だが、最近部室で紅梨との会話が少なかったせいか新鮮な感覚だ。
でも、何かが前の紅梨とは違うような気がする。何違うのかは分からないが確実に何かが違う。そんな微妙な違和感を覚えるのだった。
こういった類のLINEが50件は送られてきただろうか。
世の中の男子からすれば青木はメンヘラという部類に属する女の子なのかもしれない。
だが、過去に1度も女性から好意を向けられたことがない俺はその大きすぎる好意がむしろ嬉しい。
そもそも何故青木からそんな内容のLINEが送られてきたかというと、俺たち2年生は今日から2泊3日の日程で大阪へ修学旅行に行く。
要するに青木は、俺が青木に会うことが出来ない修学旅行中に、他の女に手を出すのではないかと心配しているのだ。
青木はまだ俺の顔面に夢を見ているんだね。他の女に出せるような顔面の持ち主じゃないから俺。身の程弁えてるから。安心してくれ。
『まぁ緑川先輩がいないのが唯一の救いですけど』
青木から送られてきた捨て台詞の様なLINEの内容にだけは深く納得した。
俺にとっては青木も緑彩先輩もいない、2人が関わることを気にせず羽を伸ばせる貴重な時間だ。精一杯楽しむとしよう。
いや、待てよ? 今自分で考えてて心配になったきたわ。俺たち2年生がいないってことは部室には緑彩先輩と1年生の青木と紫倉だけと言うことになるよな……。
うん。考えるのはやめよう。知ーらない。
そして大阪に向かうバスの中では玄人と紅梨と楽しく会話をしているのだが……。
「……どうした? 俺の顔、何かついてるか?」
「いや、何もついてない。何もついていないというか、何も無い」
俺はバスの中で玄人と隣の席に座っている。その後ろの席には紅梨と同じクラスの女子生徒が並んで座っている。
そして何故か紅梨がわざわざ席を立ち、こちらをじーっと見つめてきている。
「何も無いってなんだよ。目と鼻と口はあるから。あとちょっと愛嬌もあるから」
「……そうだね」
「やめて、今のボケだから。ちょっと目を逸らして冷たい声で賛同されたら悲しいから、今の賛同したらダメなとこだよ?」
特に紅梨に何かをした記憶もないし、何かされた記憶もないが、何故紅梨は俺の顔をじーっと見つめているのだろうか。
あ、もしかして自意識過剰なだけ? 実は紅梨は玄人のことが好きで俺じゃなくて玄人のこと見てたとか?
……それも無いな。中学生の頃から一緒の俺には分かる。紅梨は玄人のことが好きではない。
「まあこれだけじゃ分からないか」
「え、分からないって何が……」
「白太はさ、まだ緑彩先輩のこと好きなの?」
紅梨からのあまりに唐突な質問に焦りを隠せず手に持っていたスマホを落とす。何故紅梨がそんなことを気にする?
「……いや、好き……じゃない」
「ふーん。そっか。分かった」
そういうと、俺たちの席に向かって身を乗り出して来ていた紅梨は着席し、隣の席の女子生徒との会話に戻っていった。
一体なんだったんだよ……。
紅梨の行動は意味不明だが、最近部室で紅梨との会話が少なかったせいか新鮮な感覚だ。
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