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第14話 初陣、初めてのデート
入学式やら部活勧誘やらで忙しかった1週間を終え、やっとの思いで休日を迎えた。
入学式から今日までの1週間、俺と青木が付き合っていることを誰に気付かれることもなく過ごすことが出来た。
今日は学校で俺と関わるのを我慢してくれた青木にリフレッシュして欲しいと水族館デートに来ている。
「白太先輩、私が水族館好きなの知ってました?」
「え、そうなの? デートっぽいし気が休まるかなってテキトーな理由で選んだんだけどそれなら良かった」
こうして青木とまともにデートするのは初めてのことだ。
付き合ってから今日まであまり青木に構ってやれなかったし、学校では青木に我慢をさせている分、今日くらいは思い切り楽しんでもらおう。
「水族館ってすごく落ち着くんですよね。大量の水が光り輝いて揺らめいて……。知ってますか? 水族館上級者の方は水槽の魅力を表すときに水塊って言葉を使うみたいですよ」
「水塊? 聞いたことも無い。本当に水族館が好きなんだな」
青木は天真爛漫な性格で頭は悪そうなのだが、成績は優秀だし実は頭の中では色々なことを考えているのかもしれない。
それから俺たちはイルカの水槽の前で2人で並んで座り、駄弁りながら心地よい時間を過ごした。
「先輩そろそろお腹空きませんか?」
「そうだな。なんか食べるか」
「あ、私良いところ知ってるので案内しますね」
「良いところ……?」
ま、待て、良いところだって? そんなところに連れてかれたって俺はなにも出来な……
「着きました‼︎ ……ってあれ、先輩なんか力抜けた顔してますね」
青木に連れられてやってきたのは海の見渡せる芝生の広場。
べ、別に薄暗い物陰に行ってキッスとか期待してた訳じゃないから。てかそもそもまだ青木のこと好きになったわけじゃないし。本当にそんなこと考えてないから。勘違いしないでよねっ。
「ここに何かあるのか? 店なんて周りには何も見えないけど……」
飲食店を探して辺りを見渡している俺を放ったらかして青木はレジャーシートを敷き始めた。
「はい、先輩。ここに座ってください」
俺は疑問を抱きながらも言われるがまま、青木が敷いたレジャーシートの上に座る。
「これ、お弁当作ってきたんです。あんまり自信は無いですけど良かったら食べてください」
「え、本当か? 朝も結構早かったのによく弁当作る時間があったな」
「前日から準備を始めてたので」
ぜ、前日から⁉︎ この子、凄すぎる。何もかもがこの子には備わっている。
渡された弁当箱を開けると、カラフルで彩り豊かに盛り付けられたおかず達が姿を現した。
「す、すごいな。盛り付けは完璧じゃないか」
「そ、そうですか? 私、あまり美的センスは無いので……」
そんなおかず達の中でも俺が1番気になったのはエビフライだ。
小学生のとき、運動会のお昼ご飯で両親と一緒に食べたお弁当のエビフライを思い出す。
「じゃあいただくよ」
そして俺は青木が作ったエビフライを口に運ぶ。
「……美味い。美味いよこれ」
青木の作った弁当に入っていたエビフライは昔食べたエビフライより数倍美味いと言っても過言ではないほど美味しかった。
弁当箱の中に入っていたはずなのに衣はサクサク、中のエビはプリプリですぐに2尾目を口に運んでしまった。
「本当ですか? 良かったぁー。先輩の口に合わなかったらどうしようってドキドキしてたんです」
「本当に美味いよ。これなら毎日でも食べたいな」
青木が作ってくれた弁当は何をとっても100点満点。完璧だった。
この子が嫁ならどれだけ幸せになれるだろうか……。
そんなことを考えながら箸を進め、弁当を食べ終えた俺たちは再度水族館の散策を始めた。
「あ、先輩‼︎ 写真撮ってもらえますよ‼︎せっかく何で2人で取りましょうよ‼︎」
写真? 自撮りくらいなら頑張って撮ろうと思うけどスタッフさんに撮ってもらうのは流石にレベルが高すぎない?
青木が人生で初めての彼女だからそういうリア充的なことしたことないんだけど……。
「あ、ちょっと写真は……」
「ほら、行きますよ‼︎」
そう言って俺は青木に手を握られ、写真を撮る列に並ばされた。
入学式から今日までの1週間、俺と青木が付き合っていることを誰に気付かれることもなく過ごすことが出来た。
今日は学校で俺と関わるのを我慢してくれた青木にリフレッシュして欲しいと水族館デートに来ている。
「白太先輩、私が水族館好きなの知ってました?」
「え、そうなの? デートっぽいし気が休まるかなってテキトーな理由で選んだんだけどそれなら良かった」
こうして青木とまともにデートするのは初めてのことだ。
付き合ってから今日まであまり青木に構ってやれなかったし、学校では青木に我慢をさせている分、今日くらいは思い切り楽しんでもらおう。
「水族館ってすごく落ち着くんですよね。大量の水が光り輝いて揺らめいて……。知ってますか? 水族館上級者の方は水槽の魅力を表すときに水塊って言葉を使うみたいですよ」
「水塊? 聞いたことも無い。本当に水族館が好きなんだな」
青木は天真爛漫な性格で頭は悪そうなのだが、成績は優秀だし実は頭の中では色々なことを考えているのかもしれない。
それから俺たちはイルカの水槽の前で2人で並んで座り、駄弁りながら心地よい時間を過ごした。
「先輩そろそろお腹空きませんか?」
「そうだな。なんか食べるか」
「あ、私良いところ知ってるので案内しますね」
「良いところ……?」
ま、待て、良いところだって? そんなところに連れてかれたって俺はなにも出来な……
「着きました‼︎ ……ってあれ、先輩なんか力抜けた顔してますね」
青木に連れられてやってきたのは海の見渡せる芝生の広場。
べ、別に薄暗い物陰に行ってキッスとか期待してた訳じゃないから。てかそもそもまだ青木のこと好きになったわけじゃないし。本当にそんなこと考えてないから。勘違いしないでよねっ。
「ここに何かあるのか? 店なんて周りには何も見えないけど……」
飲食店を探して辺りを見渡している俺を放ったらかして青木はレジャーシートを敷き始めた。
「はい、先輩。ここに座ってください」
俺は疑問を抱きながらも言われるがまま、青木が敷いたレジャーシートの上に座る。
「これ、お弁当作ってきたんです。あんまり自信は無いですけど良かったら食べてください」
「え、本当か? 朝も結構早かったのによく弁当作る時間があったな」
「前日から準備を始めてたので」
ぜ、前日から⁉︎ この子、凄すぎる。何もかもがこの子には備わっている。
渡された弁当箱を開けると、カラフルで彩り豊かに盛り付けられたおかず達が姿を現した。
「す、すごいな。盛り付けは完璧じゃないか」
「そ、そうですか? 私、あまり美的センスは無いので……」
そんなおかず達の中でも俺が1番気になったのはエビフライだ。
小学生のとき、運動会のお昼ご飯で両親と一緒に食べたお弁当のエビフライを思い出す。
「じゃあいただくよ」
そして俺は青木が作ったエビフライを口に運ぶ。
「……美味い。美味いよこれ」
青木の作った弁当に入っていたエビフライは昔食べたエビフライより数倍美味いと言っても過言ではないほど美味しかった。
弁当箱の中に入っていたはずなのに衣はサクサク、中のエビはプリプリですぐに2尾目を口に運んでしまった。
「本当ですか? 良かったぁー。先輩の口に合わなかったらどうしようってドキドキしてたんです」
「本当に美味いよ。これなら毎日でも食べたいな」
青木が作ってくれた弁当は何をとっても100点満点。完璧だった。
この子が嫁ならどれだけ幸せになれるだろうか……。
そんなことを考えながら箸を進め、弁当を食べ終えた俺たちは再度水族館の散策を始めた。
「あ、先輩‼︎ 写真撮ってもらえますよ‼︎せっかく何で2人で取りましょうよ‼︎」
写真? 自撮りくらいなら頑張って撮ろうと思うけどスタッフさんに撮ってもらうのは流石にレベルが高すぎない?
青木が人生で初めての彼女だからそういうリア充的なことしたことないんだけど……。
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