大人気YouTuberのクラスメイトから黒子に指名された件
第40話 神野の襲来
俺の家に一真たちがやってきたのは久々の事だったが、なんとかお菓子やジュースはストックがあったのでそれらをつまみながらトランプをして楽しんでいた。
家の中に入ってしまえば神野と鉢合わせる事はないだろうし、インターホンを鳴らしてまで神野が俺に何かをお願いする事も無いだろう。
それに電話番号は教えてあるしラインで友達にもなったので何か用事があれば連絡してくるはず。
そう思い込み気を抜いていたが、その考えは浅はかだった。
俺たちが大富豪をしていると、ピンポーンとインターホンが鳴り響く。
まさか、と思いながらもテレビモニター付きインターホンの通話ボタンを押しモニターに映る人物を確認し俺は思わず息を飲んだ。
そこには神野の姿が映し出されていたのだ。
神野には友達と遊ぶとは言ったものの、俺の家で遊ぶという話はしていないので神野は俺の家に一真たちがいる事を知らない状態だ。
とはいえ、神野が俺の家を訪ねて来た事など一度も無いというのに何故この最悪なタイミングで……。
いや、冷静に考えてみると神野と知り合ってからは俺は毎日のように神野の手伝いをしていたので、何か用事があれば態々俺の家に来なくとも話が出来ていた。
そう考えると、俺が一真たちと遊んでいて神野に会えない状況で神野が家に来るのは納得出来る。
「誰か来たの?」
「あー、宅配の人だよ。ちょっと出てくるわ」
千花から誰が来たか訪ねられた俺は急いでモニターを消して宅配の人だと嘘をついた。
そして急いで玄関に向かい、玄関とリビングを繋ぐ扉を閉め玄関の扉を開ける。
「あ、居ましたか。もう帰ってきてるかなと思いまして」
「帰ってきてるけどさ。なんか用事あった?」
「用事って程ではないですけど、これ。よかったら食べて下さい」
そう言って神野が手渡して来たのは紙袋に入れられたタッパーだった。紙袋からは何やらいい香りが漂っている。
「今日の晩ご飯です。手伝いをしない日とはいえ、私がご飯を作らなかったらロクな食事を取らないだろうなと思ったので」
俺が動画撮影を手伝う代わりに神野が夕飯を作ってくれる事になってから、手伝いをした日は毎日夕飯を作ってもらっていた。
今日は手伝いをしない日だというのに夕飯を提供してくれるという神野の天使っぷりには感動させられるが、今はそんな流暢なことを言っている場合ではない。
「それは本当ありがたいんだけど、今俺の家に一真たちがきてるんだ」
「あ、そうなんですか。悠木さんとか紗倉さんもですか?」
「ああ。神野が俺の家に来てるなんて知られたら一大事だろ? 夕飯は本当に助かるけど早く帰った方がいいぞ」
「そうですか。要するに義堂さんは私に早く帰ってほしいと」
こ、こいつ……。たまに切れ味鋭い冗談行ったりするんだよな。
神野に帰って欲しい訳ではない。いっその事神野もこのグループに混ざって仲良くしたいとさえ思う。
ただ、今は神野が俺の家の隣に住んでいて、俺の家を訪ねて来た事を知られると厄介だ。
「そ、そうは言ってないだろ」
「じゃあ居て欲しいんですか?」
「まあどっちかといえば……って何言わせようとしてんだ」
「ふふっ。分かりました。確かに気付かれるとめんどくさいので帰ります」
「おう。すまんな」
この状況を理解してくれた神野はニコッと笑みを浮かべながら隣の自宅へと戻っていった。
「ーーカイくん?」
ーー!?
玄関とリビングを繋ぐ扉を開け、俺に声をかけてきたのはトランプをしているはずの千花だった。
荷物を受け取るだけのはずの俺が玄関で長話をしている事ことに疑問を抱き、様子を確認しにきたのだろう。
俺は急いで玄関の扉を閉める。
「誰とお話してるの?」
「いや、ちょっと宅配の人と世間話で盛り上がっちゃってさ」
「ふーん。それは?」
千花が指をさしたのは神野から手渡された夕飯の入った紙袋だ。
「あ、ああこれ? べ、別になんでもないよ」
「……そう。ほら、早くトランプしよ?」
幸いにも神野から手渡された夕飯は紙袋に入っていたためあまり怪しまれる事は無かった。
千花が玄関に来た時は肝を冷やしたが、神野の存在は知られずに済んだようだ。
家の中に入ってしまえば神野と鉢合わせる事はないだろうし、インターホンを鳴らしてまで神野が俺に何かをお願いする事も無いだろう。
それに電話番号は教えてあるしラインで友達にもなったので何か用事があれば連絡してくるはず。
そう思い込み気を抜いていたが、その考えは浅はかだった。
俺たちが大富豪をしていると、ピンポーンとインターホンが鳴り響く。
まさか、と思いながらもテレビモニター付きインターホンの通話ボタンを押しモニターに映る人物を確認し俺は思わず息を飲んだ。
そこには神野の姿が映し出されていたのだ。
神野には友達と遊ぶとは言ったものの、俺の家で遊ぶという話はしていないので神野は俺の家に一真たちがいる事を知らない状態だ。
とはいえ、神野が俺の家を訪ねて来た事など一度も無いというのに何故この最悪なタイミングで……。
いや、冷静に考えてみると神野と知り合ってからは俺は毎日のように神野の手伝いをしていたので、何か用事があれば態々俺の家に来なくとも話が出来ていた。
そう考えると、俺が一真たちと遊んでいて神野に会えない状況で神野が家に来るのは納得出来る。
「誰か来たの?」
「あー、宅配の人だよ。ちょっと出てくるわ」
千花から誰が来たか訪ねられた俺は急いでモニターを消して宅配の人だと嘘をついた。
そして急いで玄関に向かい、玄関とリビングを繋ぐ扉を閉め玄関の扉を開ける。
「あ、居ましたか。もう帰ってきてるかなと思いまして」
「帰ってきてるけどさ。なんか用事あった?」
「用事って程ではないですけど、これ。よかったら食べて下さい」
そう言って神野が手渡して来たのは紙袋に入れられたタッパーだった。紙袋からは何やらいい香りが漂っている。
「今日の晩ご飯です。手伝いをしない日とはいえ、私がご飯を作らなかったらロクな食事を取らないだろうなと思ったので」
俺が動画撮影を手伝う代わりに神野が夕飯を作ってくれる事になってから、手伝いをした日は毎日夕飯を作ってもらっていた。
今日は手伝いをしない日だというのに夕飯を提供してくれるという神野の天使っぷりには感動させられるが、今はそんな流暢なことを言っている場合ではない。
「それは本当ありがたいんだけど、今俺の家に一真たちがきてるんだ」
「あ、そうなんですか。悠木さんとか紗倉さんもですか?」
「ああ。神野が俺の家に来てるなんて知られたら一大事だろ? 夕飯は本当に助かるけど早く帰った方がいいぞ」
「そうですか。要するに義堂さんは私に早く帰ってほしいと」
こ、こいつ……。たまに切れ味鋭い冗談行ったりするんだよな。
神野に帰って欲しい訳ではない。いっその事神野もこのグループに混ざって仲良くしたいとさえ思う。
ただ、今は神野が俺の家の隣に住んでいて、俺の家を訪ねて来た事を知られると厄介だ。
「そ、そうは言ってないだろ」
「じゃあ居て欲しいんですか?」
「まあどっちかといえば……って何言わせようとしてんだ」
「ふふっ。分かりました。確かに気付かれるとめんどくさいので帰ります」
「おう。すまんな」
この状況を理解してくれた神野はニコッと笑みを浮かべながら隣の自宅へと戻っていった。
「ーーカイくん?」
ーー!?
玄関とリビングを繋ぐ扉を開け、俺に声をかけてきたのはトランプをしているはずの千花だった。
荷物を受け取るだけのはずの俺が玄関で長話をしている事ことに疑問を抱き、様子を確認しにきたのだろう。
俺は急いで玄関の扉を閉める。
「誰とお話してるの?」
「いや、ちょっと宅配の人と世間話で盛り上がっちゃってさ」
「ふーん。それは?」
千花が指をさしたのは神野から手渡された夕飯の入った紙袋だ。
「あ、ああこれ? べ、別になんでもないよ」
「……そう。ほら、早くトランプしよ?」
幸いにも神野から手渡された夕飯は紙袋に入っていたためあまり怪しまれる事は無かった。
千花が玄関に来た時は肝を冷やしたが、神野の存在は知られずに済んだようだ。
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