大人気YouTuberのクラスメイトから黒子に指名された件
第15話 神野の呼び方
ファミレスでは俺たち三人のハピネストークに火がつき、話を始めてからすでに一時間が経過していた。
まぁ三人で会話をしているというよりは話し手二人と聞き手一人といった構図にはなっているが……。
「あの動画のハピネスはアホ可愛いって感じだったよね‼︎」
「ああ、あれはまさにそんな感じだった。トイレットペーパーを体全体に巻き付けられた時のあの姿はまさにアホ可愛いだったな」
「そ、そうですね。アホ可愛かったです」
神野は自分がハピネス本人であるため、あれが良かった、あれは面白かったという会話には中々参加しづらいようで、俺たちの会話に相槌を打っていた。
それでも神野にとって高校に入学してから初めて出来た友達と会話をするのは楽しいようで、真剣な表情で委員長の話を聞き漏らさないよう耳を傾けていた。
「いやーでも神野さんって本当に可愛いね。ハピネスももっちろん可愛いけど神野さんも同じくらい可愛い」
「そ、そんなことないです……」
褒められることに慣れていない様子の神野はテンションの高い委員長にたじろぐ場面も多い。
委員長の褒め言葉は心の底からの言葉で、女子がよく言い合っている上辺だけの言葉ではないのが委員長の人間性を表している。
「というか神野さんってどことなーくハピネスに似てない?」
……⁉︎ ま、まじか⁉︎ それに気づくのか⁉︎
俺ですら神野がハピネスであるという事実には気づかなかったのに顔が似ていることに気が付くとは、流石委員長、中々やるな……。
「べ、別に似てませんよ。他人の空似ってやつです」
「そうかなー? 似てると思うんだけど。まぁどっちも可愛いってことには変わりは無い‼︎ あーなんか神野さんのこと抱きしめたい」
「それはやめていただきたいですが……」
神野がハピネスに似てると言われ肝を冷やしたが、神野もハピネスに似ているということを否定しハピネスであることには気づかれずにすんだ。
俺はもう気にせず神野の前ではハピネスを褒めまくるが、ハピネス本人の前でハピネスの褒め言葉を辞典の様にびっしり並べていると知ったら流石の委員長と言えど恥ずかしすぎて悶絶するだろう。
「本当にな。さすが一匹狼って呼ばれてるだけある」
「そのあだ名、本当にやめてください。恥ずかしいです……」
相変わらず一匹狼というあだ名で呼ばれることに抵抗している神野だが、そんな神野を見た委員長は不思議そうな顔をしながら神野を見つめていた。
「え、一匹狼ってめっちゃ可愛くない?」
俺と同じく委員長も一匹狼というあだ名を可愛いと感じているようだ。
そうだよな、やっぱ可愛いよな、一匹狼って名前。
わふわふって犬の泣き声の様にも聞こえるし余計可愛い。
「……そうですかね?」
「絶対可愛いよっ‼︎ それに神野さんって呼ぶより呼びやすいし、親しみも込めてこれから神野さんのこと、わんふちゃんって呼ぶね‼︎」
無理だぞ委員長。神野は俺が神野のことを一匹狼わんふと呼ぶのに異常な拒否反応を示している。
神野が一匹狼と呼ばれることを了承する訳が……。
「……分かりました」
――え?
俺にはあんなに頑なに一匹狼って呼ぶなって言ってた神野が折れた⁉︎
恐るべし委員長パワー……。
俺は神野があわあわと困惑する様子を見せていることに若干の不安を感じながらも、友達がいない神野に委員長という友達が出来たこの光景に微笑ましさを感じていた。
まぁ三人で会話をしているというよりは話し手二人と聞き手一人といった構図にはなっているが……。
「あの動画のハピネスはアホ可愛いって感じだったよね‼︎」
「ああ、あれはまさにそんな感じだった。トイレットペーパーを体全体に巻き付けられた時のあの姿はまさにアホ可愛いだったな」
「そ、そうですね。アホ可愛かったです」
神野は自分がハピネス本人であるため、あれが良かった、あれは面白かったという会話には中々参加しづらいようで、俺たちの会話に相槌を打っていた。
それでも神野にとって高校に入学してから初めて出来た友達と会話をするのは楽しいようで、真剣な表情で委員長の話を聞き漏らさないよう耳を傾けていた。
「いやーでも神野さんって本当に可愛いね。ハピネスももっちろん可愛いけど神野さんも同じくらい可愛い」
「そ、そんなことないです……」
褒められることに慣れていない様子の神野はテンションの高い委員長にたじろぐ場面も多い。
委員長の褒め言葉は心の底からの言葉で、女子がよく言い合っている上辺だけの言葉ではないのが委員長の人間性を表している。
「というか神野さんってどことなーくハピネスに似てない?」
……⁉︎ ま、まじか⁉︎ それに気づくのか⁉︎
俺ですら神野がハピネスであるという事実には気づかなかったのに顔が似ていることに気が付くとは、流石委員長、中々やるな……。
「べ、別に似てませんよ。他人の空似ってやつです」
「そうかなー? 似てると思うんだけど。まぁどっちも可愛いってことには変わりは無い‼︎ あーなんか神野さんのこと抱きしめたい」
「それはやめていただきたいですが……」
神野がハピネスに似てると言われ肝を冷やしたが、神野もハピネスに似ているということを否定しハピネスであることには気づかれずにすんだ。
俺はもう気にせず神野の前ではハピネスを褒めまくるが、ハピネス本人の前でハピネスの褒め言葉を辞典の様にびっしり並べていると知ったら流石の委員長と言えど恥ずかしすぎて悶絶するだろう。
「本当にな。さすが一匹狼って呼ばれてるだけある」
「そのあだ名、本当にやめてください。恥ずかしいです……」
相変わらず一匹狼というあだ名で呼ばれることに抵抗している神野だが、そんな神野を見た委員長は不思議そうな顔をしながら神野を見つめていた。
「え、一匹狼ってめっちゃ可愛くない?」
俺と同じく委員長も一匹狼というあだ名を可愛いと感じているようだ。
そうだよな、やっぱ可愛いよな、一匹狼って名前。
わふわふって犬の泣き声の様にも聞こえるし余計可愛い。
「……そうですかね?」
「絶対可愛いよっ‼︎ それに神野さんって呼ぶより呼びやすいし、親しみも込めてこれから神野さんのこと、わんふちゃんって呼ぶね‼︎」
無理だぞ委員長。神野は俺が神野のことを一匹狼わんふと呼ぶのに異常な拒否反応を示している。
神野が一匹狼と呼ばれることを了承する訳が……。
「……分かりました」
――え?
俺にはあんなに頑なに一匹狼って呼ぶなって言ってた神野が折れた⁉︎
恐るべし委員長パワー……。
俺は神野があわあわと困惑する様子を見せていることに若干の不安を感じながらも、友達がいない神野に委員長という友達が出来たこの光景に微笑ましさを感じていた。
コメント