チート(現代知識)×チート(魔法)×チート(武術)はチート∞(天災級)?!

もるもる(๑˙ϖ˙๑ )

第66話(模擬戦)

 集団戦闘施設に集まった僕達は4vs4にチーム分けをした。

「まず、選抜選出場チームとバックアップチームの戦力差を確認しておきたいので、アル君をバックアップチームに移したメンバーでやろうか」
 選抜戦出場チームがオスロー、翠、エストリアさん、キーナさん。バックアップチームがウォルトさん、僕、イーリスさん、カイゼルさんになる。

「20分のアラームをセットするので、戦術相談と配置を済ませて、アラームと同時に戦闘開始でいいかな?それと、いつも通り<リミット オフ>で全力でやろう」
 カイゼルさんの提案に皆頷くと、チームに分かれて散っていく。

「さて、バックアップチームの戦術だが、向こうには妨害/拘束系が得意なキーナ嬢と、状況判断が早く正確な指示を出せるエストリア嬢、守備の堅いオスロー君と超攻撃力の翠嬢がいる」
 いつもどおりカイゼルさんの分析が始まる。

「こうしてみるとかなりバランスのいいパーティだな。妨害/拘束系は位置を知られると面倒な事になりそうだ」
「そやな。バランスのええパーティへのセオリーは指揮官と兵士を分断しての各個撃破やろ」
 ウォルトさん、イーリスさんが更にコメントを繋ぐとカイゼルさんは頷く。

「という事なので、まず私の魔法で撹乱工作を行う。キーナ嬢は分析/判断/実行力には全く問題がないがスピードと指示出しに問題があるから先手を取れるだろう。イーリス嬢は潜伏しながらキーナ嬢に接近し撃破して欲しい。撃破出来なくても攻撃し続ける事で、あちらは支援が出来なくなるはずだ。エストリア嬢は自らの戦闘力にも自信があるから、分断に気づいた時には護衛をつけずに前衛の2人に我々を撃破するように指揮するはずだ。ウォルトは一人になったエストリア嬢を速やかに撃破してくれ。アル君は私の護衛を頼む」
 カイゼルさんの作戦を皆で真剣に聞く。

「陣形は敵の最も近く潜伏可能な箇所にウォルト、最後衛に私とアル君。中間地点にイーリス嬢。指示はいつも通り相手指定の念話で行う。まず撹乱魔法の探知誤認ディシーブ サーチで相手の探知魔法に対し、我々がずっと同じ場所にいると誤認させる。次に幻影イリュージョンフォグで視界を狭めた上で視覚を誤認させる。これで、イーリス譲とウォルトは気付かれずに接近できるはずだから、後は手筈通りだ」
 カイゼルさんの指揮を信じて僕達は初期配置につくために移動した。

ブーー!ブーー!プーーーー!!

 集団戦闘施設にアラーム音が響く。

 即座にカイゼルさんが詠唱に入り、探知誤認ディシーブ サーチ幻影イリュージョンフォグを発動させる。

 僕は<ディティール エリア サーチ>で状況を確認しながらカイゼルさんに報告する。

 僕の魔法は算術魔法。つまりこの世界と違う魔術系統なので、探知誤認ディシーブ サーチの影響を受けない。相変わらずのチートの魔法だ。

 潜伏状態で慎重に移動していたイーリスさんがキーナさんを射程範囲に収めるとクロスボウで狙い撃ちする。
 完全な不意打ちだったので、防御の薄いところに命中して魔術行使と行動に制限を受ける。物陰に隠れようと逃げ回るキーナさんをイーリスさんの矢が次々と射抜いていく。

「カイゼルさん、リアが動き出しました。リアはキーナの方向に、他2人はウォルトさんを目指してます」
「想定通りウォルト、そしてイーリス嬢を各個撃破しようとしているように見える。単独での戦闘力/個別対応力が優れているアル君をキーナに当てたと考えているようだが……考えが浅いな」
 カイゼルさんがウォルトさんに指示を飛ばすと、潜伏していたウォルトさんがエストリアさんに攻撃を開始する。
 膂力/剣技/冷静さを併せ持つウォルトさんの近接戦闘能力は群を抜いていて、中衛寄りのエストリアさんは接近されると逃げる間もなく押し切られるから、近接戦まで持ち込まれた時点でエストリアさんの負けは確定になる。
 不意打ちの一撃で重傷、次の一撃を剣で受けるとも両手剣の重い一撃で剣を弾き飛ばされ、返す一撃で戦闘不能になった。

 キーナさんはイーリスさんの射程から逃げる事ができずに、矢を幾つも浴び続けて戦闘不能。

 オスローと翠はエストリアさんからの指示が途絶えていたが、当初の予定通りウォルトさんの初期配置に向かうが、当然の事ながらウォルトさんは移動している為、もぬけの殻だ。

 周りをあさりながらイーリスさんの初期配置の場所へ移動しようとすると、2人の足元から土の鎖、木からは蔦の鎖が伸びて2人の四肢を拘束する。

 そこにカイゼルさんと僕、ウォルトさんがやってきて、エストリアさんとキーナさんが戦闘不能の旨を伝えると、2人は降参してバックアップチームの勝利が確定したのだった。


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