チート(現代知識)×チート(魔法)×チート(武術)はチート∞(天災級)?!
第25話(翠と女の子達)
寮の扉を開けると、扉につけられたベルが鳴る。
すると、隣の控え室から眼鏡をかけた長身の女性が出迎えてくれる。フリルのついた髪飾りと、シックな黒のワンピース、フリルのついた白いエプロン。賢王さんのとこでも見たけどいわゆるメイド服といわれている服だね。
「お帰りなさい。アルカード様、翠様」
目上の方から様付けで呼ばれて、とてもくすぐったい気分になる。
「私はこの第4アインツ総合学園寮、通称フィーア寮の寮母をさせていただいておりますグレイスと申します。これから3年間共に過ごさせて頂くことを光栄に思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます」
ものすごく丁寧な挨拶をもらって、僕は呼び捨てでいいですよと言ったけど、やんわりと断られた。
「お食事は19時からでございますので、それまでに食堂にお越しになってください。また浴室は男女交代制になっております。男性は17時/19時、女性は16時/18時/20時になっておりますのでお間違えのないように。入り口に札がかけてありますので最初に入る方は入浴中、最後に出る方は未使用に札を替えてください。時間の切り替わり直後は未使用の札になっているかを確認した方がトラブルが少ないと思いますので、ご留意ください」
時間は15時になったばかりで、どうしようかと悩んでいると、談話室の方から女の人の声が聞こえてくる。
そちらに視線を向けると、エストリアさん、イーリスさん、キーナさんが話をしているのが見える。僕がすいませんと声をかけると、エストリアさんは過剰に飛び退る
「おおきに」
イーリスさんは気軽に挨拶をくれたのだが、キーナさんは固まってしまった。
「な、なんの用?!わ、わたしは、別にあなたの事なんかっ!」
しどろもどろになって何言っているか分からないエストリアさんは置いといて、唯一話が通じそうなイーリスさんに声をかける。
「すみません。翠なんですけど、日用品をぜんぜん用意してなくて……お金はあるのですが」
と切り出す。
「日用品やったら貸したるで」
「いえ……その、下着とかも、なんですけど……」
イーリスさんは快く了解してくれたけど、僕は恥ずかしい気持ちを押し殺して、そうに切り出す。
「あちゃー、そっちもか。確かに男の子はそういう店は入れへんもんな。ならまかしとき、時間もあるし、一緒に行って用意したる。それにアインツはウチの庭やから、大船に乗ったつもりで待っとき」
イーリスさんは額に手を当て大げさに仰け反りながらそう言うと、了承してくれる。
僕は本当にありがたいと思い、もう一度深々と頭を下げて礼を言う。それから賢王様から渡された小袋をイーリスさんに渡す。その小袋を持った瞬間イーリスさんが眉をひそめる。
「ちょっと、これ確認してえぇ?」
僕に一言断ると中を確認する。
「げぇっ!アルはん。これ中、確認してんか?」
「そういえば、確認してませんでした。足りなかったですか?」
「足らへんも何も、ぎょうさん入っとるで。これで田舎の一軒家くらい買えるんとちゃうか?」
非常に驚いた声を上げ、テーブルの上に小袋の中身を出す。すると50枚近くの金貨が出てきた。
「普通の小袋と比べて、入っとる量に対して結構重かったさかい気付きましてん」
一枚で十分と金貨を一枚残して全部袋に戻し、僕に小袋を返してくれる。
「じゃぁ用意しときましょか?」
イーリスさんがエストリアさん、キースさんに声をかける。二人ともいやな顔一つしないで、一緒に行ってくれるみたいだ。
「じゃぁ、よろしくお願いします」
「貴方の為にするんじゃないからねっ!」
「わかっています」
僕がお願いすると、エストリアさんは噛み付くように返してくる。翠のためによろしくお願いしているんだけどなぁと思うが、余計なことは言わないほうが良さそうなので黙っておく。
そして三人は準備をするために3階に上がっていったので、僕も自分の部屋に戻る。
部屋に戻ると、オスローがしげしげとハルバードを眺めていた。
「ただいま。すごい武器だよね、それ」
「そうだよな。パン屋の手伝いをしている時は、こんな武器を使うなんて思いもしなかったぜ」
僕がそう言うとニヤリとしながら心底嬉しそうに話す。
「確か、アルは小剣と小手だったよな。小手なんてどうするんだ?」
「盾代わりに使うつもり、盾と違って止めはできないけど受け流しができるから。盾を持ってしまうと手が塞がってしまうのが何か嫌な気がしたんだ」
「へぇ、オレと違って結構考えているんだな」
そう言うとオスローが感心する。身体が小さいから、色々考えないとダメなんだと答えると更に感心された。
そんな話をしていると、楽しそうな声が3階から1階へ降りていったのが耳に入ったので翠達は出かけていったようだ。
17時になったので、オスローと風呂に行き、風呂の広さに驚きながらも、特にすることもなく出て、談話室で喋っていると、女の子達が帰ってくる。
「面倒をかけてすみません。ありがとうございます」
「私達も楽しかったから大丈夫よ」
僕がお礼を言うと、エストリアさん達がそう言ってくれたので、ほっと安心する。そのついでに、翠のお風呂もお願いしてみる。
「ええよ。ウチもみんなと色々話してみたかったさかい。いろいろ知るにはまず裸の付き合いっちゅうからな」
そう快く引き受けてくれたので、僕は翠にきちんと言う事を聞くようにねと念押しする。
エストリアさん、イーリスさん、キーナさんに囲まれて翠もとても楽しそうだ。僕は翠がメンバーに馴染めそうな感じがして、とてもほっとするのだった。
すると、隣の控え室から眼鏡をかけた長身の女性が出迎えてくれる。フリルのついた髪飾りと、シックな黒のワンピース、フリルのついた白いエプロン。賢王さんのとこでも見たけどいわゆるメイド服といわれている服だね。
「お帰りなさい。アルカード様、翠様」
目上の方から様付けで呼ばれて、とてもくすぐったい気分になる。
「私はこの第4アインツ総合学園寮、通称フィーア寮の寮母をさせていただいておりますグレイスと申します。これから3年間共に過ごさせて頂くことを光栄に思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます」
ものすごく丁寧な挨拶をもらって、僕は呼び捨てでいいですよと言ったけど、やんわりと断られた。
「お食事は19時からでございますので、それまでに食堂にお越しになってください。また浴室は男女交代制になっております。男性は17時/19時、女性は16時/18時/20時になっておりますのでお間違えのないように。入り口に札がかけてありますので最初に入る方は入浴中、最後に出る方は未使用に札を替えてください。時間の切り替わり直後は未使用の札になっているかを確認した方がトラブルが少ないと思いますので、ご留意ください」
時間は15時になったばかりで、どうしようかと悩んでいると、談話室の方から女の人の声が聞こえてくる。
そちらに視線を向けると、エストリアさん、イーリスさん、キーナさんが話をしているのが見える。僕がすいませんと声をかけると、エストリアさんは過剰に飛び退る
「おおきに」
イーリスさんは気軽に挨拶をくれたのだが、キーナさんは固まってしまった。
「な、なんの用?!わ、わたしは、別にあなたの事なんかっ!」
しどろもどろになって何言っているか分からないエストリアさんは置いといて、唯一話が通じそうなイーリスさんに声をかける。
「すみません。翠なんですけど、日用品をぜんぜん用意してなくて……お金はあるのですが」
と切り出す。
「日用品やったら貸したるで」
「いえ……その、下着とかも、なんですけど……」
イーリスさんは快く了解してくれたけど、僕は恥ずかしい気持ちを押し殺して、そうに切り出す。
「あちゃー、そっちもか。確かに男の子はそういう店は入れへんもんな。ならまかしとき、時間もあるし、一緒に行って用意したる。それにアインツはウチの庭やから、大船に乗ったつもりで待っとき」
イーリスさんは額に手を当て大げさに仰け反りながらそう言うと、了承してくれる。
僕は本当にありがたいと思い、もう一度深々と頭を下げて礼を言う。それから賢王様から渡された小袋をイーリスさんに渡す。その小袋を持った瞬間イーリスさんが眉をひそめる。
「ちょっと、これ確認してえぇ?」
僕に一言断ると中を確認する。
「げぇっ!アルはん。これ中、確認してんか?」
「そういえば、確認してませんでした。足りなかったですか?」
「足らへんも何も、ぎょうさん入っとるで。これで田舎の一軒家くらい買えるんとちゃうか?」
非常に驚いた声を上げ、テーブルの上に小袋の中身を出す。すると50枚近くの金貨が出てきた。
「普通の小袋と比べて、入っとる量に対して結構重かったさかい気付きましてん」
一枚で十分と金貨を一枚残して全部袋に戻し、僕に小袋を返してくれる。
「じゃぁ用意しときましょか?」
イーリスさんがエストリアさん、キースさんに声をかける。二人ともいやな顔一つしないで、一緒に行ってくれるみたいだ。
「じゃぁ、よろしくお願いします」
「貴方の為にするんじゃないからねっ!」
「わかっています」
僕がお願いすると、エストリアさんは噛み付くように返してくる。翠のためによろしくお願いしているんだけどなぁと思うが、余計なことは言わないほうが良さそうなので黙っておく。
そして三人は準備をするために3階に上がっていったので、僕も自分の部屋に戻る。
部屋に戻ると、オスローがしげしげとハルバードを眺めていた。
「ただいま。すごい武器だよね、それ」
「そうだよな。パン屋の手伝いをしている時は、こんな武器を使うなんて思いもしなかったぜ」
僕がそう言うとニヤリとしながら心底嬉しそうに話す。
「確か、アルは小剣と小手だったよな。小手なんてどうするんだ?」
「盾代わりに使うつもり、盾と違って止めはできないけど受け流しができるから。盾を持ってしまうと手が塞がってしまうのが何か嫌な気がしたんだ」
「へぇ、オレと違って結構考えているんだな」
そう言うとオスローが感心する。身体が小さいから、色々考えないとダメなんだと答えると更に感心された。
そんな話をしていると、楽しそうな声が3階から1階へ降りていったのが耳に入ったので翠達は出かけていったようだ。
17時になったので、オスローと風呂に行き、風呂の広さに驚きながらも、特にすることもなく出て、談話室で喋っていると、女の子達が帰ってくる。
「面倒をかけてすみません。ありがとうございます」
「私達も楽しかったから大丈夫よ」
僕がお礼を言うと、エストリアさん達がそう言ってくれたので、ほっと安心する。そのついでに、翠のお風呂もお願いしてみる。
「ええよ。ウチもみんなと色々話してみたかったさかい。いろいろ知るにはまず裸の付き合いっちゅうからな」
そう快く引き受けてくれたので、僕は翠にきちんと言う事を聞くようにねと念押しする。
エストリアさん、イーリスさん、キーナさんに囲まれて翠もとても楽しそうだ。僕は翠がメンバーに馴染めそうな感じがして、とてもほっとするのだった。
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