チート(現代知識)×チート(魔法)×チート(武術)はチート∞(天災級)?!
第18話(晩餐、贈り物、誓い)
「我々と人族は文化や生態が違うゆえ、そなたの口に合うかどうか分からないので、以前に人族に教えてもらった料理を振舞おうと思う」
賢王様がそう前置きをして料理を食べるように促してくる。
最初は薄茶色の澄んだスープで、野菜のうまみがしっかりと煮出されていて、とても美味しくほっとする味だ。
次は野菜の盛り合わせで、新鮮な葉野菜とシャクシャクした歯ごたえのウリ科の野菜、カリッコリッとした楽しい食感の根野菜などが盛り付けられている。
続いて、白身魚に薄い衣をつけて焼き上げ、香草のソースをかけた魚料理。とろとろになるまで、野菜と一緒に煮込んだ肉料理。デザートは果物の盛り合わせと豪華な食事だった。
グリ子(仮)はご馳走じゃ!!と嬉しそうに食べていた。
「そういえばアルカード君は、これからどうするのかね?」
賢王様に尋ねられたので、アインツ総合学園に入学して3年間色々学ぶつもりですと答えると、賢王様は目を細めて、それは都合がいいと呟く。
そして指で空中に文様を描くと、文様が一瞬輝き、ポンッという弾ける様な音と煙りが立ち上がり数枚の紙がヒラヒラとグリ子(仮)の前に落ちていく。
「いやな、うちの娘も200歳になるので、少しはこの世界と言うものを知ってもらおうと思って、人族の学校に行かせようと考えたのだが、娘は極度の人族嫌いでな。どうしようかと悩んでいた所、丁度そなたが現れ、少しは人族の偏見が薄れてきたようなので、少しの間で良いのでうちの娘と一緒にいてやってくれないか?」
「申し出ですが承知したいのですけど、僕は学園があるのでずっと一緒にいるわけにはいかないと思いますし、住む所も学園寮になると思うので難しいと思います」
僕は財宝ごと家を吹き飛ばしてしまった手前もあり、グリ子(仮)の事も嫌いではないので了承したいのだけど状況からして難しいことを伝える。
「そうか、承知の方向で考えてくれるか、助かる。学園の方や寮の件はこちらで何とかしよう。なにせあの学園を立ち上げたのは私だからな。一筆書けば断られる事はあるまい」
僕の回答を聞いた賢王様はニヤリと意味深な笑みを浮かべる。
「あなた良かったわね。これであの子に安心して社会勉強をさせられるわ」
そして竜妃様もご機嫌で、隣にいるグリ子(仮)の頭を撫でる。
「ん?これからもアルと一緒にいられるのか?それは嬉しいのだー!!」
グリ子(仮)は意味が分かっていないが嬉しそうだ。何か騙されているような気がしないでもないが、グリ子(仮)も一緒なら学園生活はもっと楽しくなるだろうと思ったので気にしない事にした。
「えっと……グリ子(仮)、前は名前を適当につけすぎたので、ちゃんとした名前を贈りたいんだけど、いいかな?」
「アルがつけてくれるなら、何でもいいぞー」
「そうだなぁ・・・綺麗な翠色の髪だから翠と言うのはどうだい?」
「スイ・・・うん。スイはスイなのだー」
新しい名前を付けられたグリ子(仮)もとい翠は満面の笑みで喜ぶ。思わず僕まで嬉しくなってしまうような笑顔だ。
晩餐が終わると、僕は給仕をしてくれた人に連れられて、宿泊用の客室へと案内される。
家族全員で泊まれそうな大きな部屋に案内されると、既に荷物が運び込まれていた。ベッドに座って荷物の中身を再度確認しながら、これから翠と一緒にアインツ総合学園に通うのかと考えていると控えめなノックに気がつく。
どうぞと声をかけるとドアが開き、薄手の夜服に身を包んだ竜妃様が入ってくる。
「隣に良いでしょうか?」
竜妃様はそう僕に一声かけると僕の隣にふわりと座る。何とも言えない良い香りが僕の鼻腔をくすぐる。僕はドギマギと顔を真っ赤になってしまう。
「これからお休みになる前にごめんなさいね。きちんと伝えておかなければいけないことがあるの」
「翠の人族嫌いの件ですね」
竜妃様は切り出した言葉に僕が切り返すとゆっくりと頷く。
「あの子は産まれてからしばらくした頃、人族の町に興味を持って、親の目を盗んで遊びに行った事があるの。その時に悪い人族に捕まり、数日の間監禁されて好事家に売られようとした時に、あの子が覚醒して竜の炎であたり一面を焼き払って……あの子を捕まえた悪い人族も一瞬で灰になったのをみて、人族は怖い、人族は悪い、人族は弱いというのがあの子に刷り込まれた。それ以来、極度に人族を嫌うようになったわ。でもそんなあの子が、私たちにあなたの事をとても楽しそうに話すの。そして口を開けば逢いに行きたい、逢いに行きたいって」
ちょっと遠い、そして優しい母親の目をしながら言葉をつむぎ、そして僕の手をとって言葉を繋げる。
「だからお願い。あの子を頼みます。本音を言えば、可愛いあの子をずっとここにおいておきたい。
でもそれでは人族嫌いのまま何も分からないまま、籠の中の鳥のようになってしまう。緩やかにしか成長しない竜族より、命は短いけど輝いている人族の方が優れているところは一杯あるわ。だからあの子には人族の素晴らしさやこの世界の事をもっと知ってもらいたいの。私も主人も人族には良くしてもらったから……だからお願いします」
竜妃様はそう言って僕の手を離すと、深く深くお辞儀をされる。
「はい。翠は絶対僕が守ります。とはいえ。翠の方が強そうですけど」
そう僕が誓うと、竜妃様は嬉しそうに微笑み、どうぞよろしくお願いしますと部屋を後にした。
僕は改めて、翠を守る誓いを心に刻み付けると、荷物を片付けてベッドに入り込むのだった。
賢王様がそう前置きをして料理を食べるように促してくる。
最初は薄茶色の澄んだスープで、野菜のうまみがしっかりと煮出されていて、とても美味しくほっとする味だ。
次は野菜の盛り合わせで、新鮮な葉野菜とシャクシャクした歯ごたえのウリ科の野菜、カリッコリッとした楽しい食感の根野菜などが盛り付けられている。
続いて、白身魚に薄い衣をつけて焼き上げ、香草のソースをかけた魚料理。とろとろになるまで、野菜と一緒に煮込んだ肉料理。デザートは果物の盛り合わせと豪華な食事だった。
グリ子(仮)はご馳走じゃ!!と嬉しそうに食べていた。
「そういえばアルカード君は、これからどうするのかね?」
賢王様に尋ねられたので、アインツ総合学園に入学して3年間色々学ぶつもりですと答えると、賢王様は目を細めて、それは都合がいいと呟く。
そして指で空中に文様を描くと、文様が一瞬輝き、ポンッという弾ける様な音と煙りが立ち上がり数枚の紙がヒラヒラとグリ子(仮)の前に落ちていく。
「いやな、うちの娘も200歳になるので、少しはこの世界と言うものを知ってもらおうと思って、人族の学校に行かせようと考えたのだが、娘は極度の人族嫌いでな。どうしようかと悩んでいた所、丁度そなたが現れ、少しは人族の偏見が薄れてきたようなので、少しの間で良いのでうちの娘と一緒にいてやってくれないか?」
「申し出ですが承知したいのですけど、僕は学園があるのでずっと一緒にいるわけにはいかないと思いますし、住む所も学園寮になると思うので難しいと思います」
僕は財宝ごと家を吹き飛ばしてしまった手前もあり、グリ子(仮)の事も嫌いではないので了承したいのだけど状況からして難しいことを伝える。
「そうか、承知の方向で考えてくれるか、助かる。学園の方や寮の件はこちらで何とかしよう。なにせあの学園を立ち上げたのは私だからな。一筆書けば断られる事はあるまい」
僕の回答を聞いた賢王様はニヤリと意味深な笑みを浮かべる。
「あなた良かったわね。これであの子に安心して社会勉強をさせられるわ」
そして竜妃様もご機嫌で、隣にいるグリ子(仮)の頭を撫でる。
「ん?これからもアルと一緒にいられるのか?それは嬉しいのだー!!」
グリ子(仮)は意味が分かっていないが嬉しそうだ。何か騙されているような気がしないでもないが、グリ子(仮)も一緒なら学園生活はもっと楽しくなるだろうと思ったので気にしない事にした。
「えっと……グリ子(仮)、前は名前を適当につけすぎたので、ちゃんとした名前を贈りたいんだけど、いいかな?」
「アルがつけてくれるなら、何でもいいぞー」
「そうだなぁ・・・綺麗な翠色の髪だから翠と言うのはどうだい?」
「スイ・・・うん。スイはスイなのだー」
新しい名前を付けられたグリ子(仮)もとい翠は満面の笑みで喜ぶ。思わず僕まで嬉しくなってしまうような笑顔だ。
晩餐が終わると、僕は給仕をしてくれた人に連れられて、宿泊用の客室へと案内される。
家族全員で泊まれそうな大きな部屋に案内されると、既に荷物が運び込まれていた。ベッドに座って荷物の中身を再度確認しながら、これから翠と一緒にアインツ総合学園に通うのかと考えていると控えめなノックに気がつく。
どうぞと声をかけるとドアが開き、薄手の夜服に身を包んだ竜妃様が入ってくる。
「隣に良いでしょうか?」
竜妃様はそう僕に一声かけると僕の隣にふわりと座る。何とも言えない良い香りが僕の鼻腔をくすぐる。僕はドギマギと顔を真っ赤になってしまう。
「これからお休みになる前にごめんなさいね。きちんと伝えておかなければいけないことがあるの」
「翠の人族嫌いの件ですね」
竜妃様は切り出した言葉に僕が切り返すとゆっくりと頷く。
「あの子は産まれてからしばらくした頃、人族の町に興味を持って、親の目を盗んで遊びに行った事があるの。その時に悪い人族に捕まり、数日の間監禁されて好事家に売られようとした時に、あの子が覚醒して竜の炎であたり一面を焼き払って……あの子を捕まえた悪い人族も一瞬で灰になったのをみて、人族は怖い、人族は悪い、人族は弱いというのがあの子に刷り込まれた。それ以来、極度に人族を嫌うようになったわ。でもそんなあの子が、私たちにあなたの事をとても楽しそうに話すの。そして口を開けば逢いに行きたい、逢いに行きたいって」
ちょっと遠い、そして優しい母親の目をしながら言葉をつむぎ、そして僕の手をとって言葉を繋げる。
「だからお願い。あの子を頼みます。本音を言えば、可愛いあの子をずっとここにおいておきたい。
でもそれでは人族嫌いのまま何も分からないまま、籠の中の鳥のようになってしまう。緩やかにしか成長しない竜族より、命は短いけど輝いている人族の方が優れているところは一杯あるわ。だからあの子には人族の素晴らしさやこの世界の事をもっと知ってもらいたいの。私も主人も人族には良くしてもらったから……だからお願いします」
竜妃様はそう言って僕の手を離すと、深く深くお辞儀をされる。
「はい。翠は絶対僕が守ります。とはいえ。翠の方が強そうですけど」
そう僕が誓うと、竜妃様は嬉しそうに微笑み、どうぞよろしくお願いしますと部屋を後にした。
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