チート(現代知識)×チート(魔法)×チート(武術)はチート∞(天災級)?!
第07話(結果発表、あれ?僕の名前がない?)
いつも通りの時間に起床し、いつもの朝練を終えて食事をすませた僕は、合格発表を見に行くために、アインツ総合学園へ足を運んだ。
合格発表は大講堂に張り出されるようで、何ともなっていない校舎を抜けて大講堂に向かうと、受験者がグループを作りながら雑談をしていた。
ちらほら身なりの良い服装をしている親の姿も見えるので、貴族か大商人なんだろうなぁと眺めていると、目の端に金色で髪をツインテールで留めた女の子が目に留まる。
何か最近見た気がするなぁと考えていると、講師らしい人が丸めた大きな紙を持って講堂に入ってくる。
みんなが注目する中、スルスルと紙を広げると、講堂の壁にピン留めする。
横に10列、縦に5ブロックに分かれて20行ある。上から武術学科、魔術学科、商人学科、生産学科、経営学科になっているみたいだ。
僕は武術学科志望で受験したので、一番上に記載されている。武術学科のグループで自分の名前を探す。
名前があった人は歓声を上げ、なかった人は溜息をついている。
……僕の名前は武術学科の20名の中にはなかった。
念の為、他の学科を見てみるが僕の名前はどこにも書かれていなかった。
やっぱり、校舎を壊したのがいけなかったのかなぁ……と今更ながらに後悔して講堂を後にしようとすると、講堂の演壇に一人の女性が登壇する。
「初めまして。私はこの学園の学園長をさせて頂いているエレンです。今回はこんなに多くの受験者さんに受験いただいて、本当に光栄です。皆様には次代のアインルウム同盟国を背負う人材として非常に期待しております」
「今回の受験で受かった人も受からなかった人も皆、大事な国の基盤たる人材です。受かった人は受かった権利と責任をもって更なる研鑽を、残念ながら受からなかった人は、これからの日々の生活の中で研鑽を磨き、立派なアインルウム同盟国人として胸を張って生きて頂きたいと考えております。それでは特待生の発表をさせて頂きます」
特待生の発表は貼り出しじゃなかったのか・・・ちゃんと確認していなかったなぁ
「……、……、……」
名前が呼ばれると歓喜の声や羨望の声が上がる。身なりの良い服の人が多くで、さも当然といった顔をしている貴族風の人や、どこかほっとした顔をしている人は、学費免除特典ではなく特待生で合格というステータスを喜んでいるようだ。
中には僕のような普通の身なりをした人は涙を流しながら喜んでたけど。
そうして8人の名前が呼ばれるが僕の名前はまだ呼ばれない。一度は諦めた期待が、持ち上がり、そして沈んでいく。
「エストリア・フォン・ヒルデガルド」
名前が呼ばれると、金色のツインテールの女の子が飛び跳ねて喜ぶ。隣にいた男の子も同じように飛び跳ねて喜んでいた。
エストリア・・・?
あぁ、そういえば昨日助けた男の子のお姉さんか。昨日の事なのに、今日の発表の事で頭がいっぱいですっかり忘れてたよ。
しかしお姉さんが特待生で合格したんだったら弟君も嬉しいだろうな。昨日の怖い思いが少しでも紛れたらいいんだけど……
なんてあと一人しか残っていないのに呑気に考えていると、エレン学園長が僕の方を見て微笑むのが見えた。
「アルカード・ヴァンゲルグ」
と僕の名前が呼ばれた。
諦めかけていた僕は一瞬呆けていたが、段々に胸の奥から実感が沸き起こってきて、胸いっぱいに嬉しさが広がった。
これで父さんと同じ冒険者になれる!
昔からの夢に一歩近づくことを実感した僕は、心の中でガッツポーズをした。合格しなかった人もいる中で、大げさに喜ぶのはなんか悪い気がしたからね。
「合格した受験生の皆様は入学の説明をしますので、講師の方と教室に移動してください。特待生の10名は私が引率します」
エレン学園長はそう言い残して降壇すると、講師の先生達が分かれて武術学科、魔術学科、商人学科、生産学科、経営学科毎の受験生を引き連れ、僕たち特待生はエレン学園長に連れられて教室に向かう。
エストリアさんとも同じクラスという事もあり、弟くんと僕の視線が合う。弟君がびっくりした顔をするとペコリと僕にお辞儀をするので、僕は微笑みながら小さく手を挙げて応える。
そんな弟君の動作に一瞬不思議な顔をするエストリアさん。僕は何喰わない顔で、エレン学園長の先導する特待生列の最後尾につき、これからどんな学園生活になるのかワクワクとしながら教室に向かった。
合格発表は大講堂に張り出されるようで、何ともなっていない校舎を抜けて大講堂に向かうと、受験者がグループを作りながら雑談をしていた。
ちらほら身なりの良い服装をしている親の姿も見えるので、貴族か大商人なんだろうなぁと眺めていると、目の端に金色で髪をツインテールで留めた女の子が目に留まる。
何か最近見た気がするなぁと考えていると、講師らしい人が丸めた大きな紙を持って講堂に入ってくる。
みんなが注目する中、スルスルと紙を広げると、講堂の壁にピン留めする。
横に10列、縦に5ブロックに分かれて20行ある。上から武術学科、魔術学科、商人学科、生産学科、経営学科になっているみたいだ。
僕は武術学科志望で受験したので、一番上に記載されている。武術学科のグループで自分の名前を探す。
名前があった人は歓声を上げ、なかった人は溜息をついている。
……僕の名前は武術学科の20名の中にはなかった。
念の為、他の学科を見てみるが僕の名前はどこにも書かれていなかった。
やっぱり、校舎を壊したのがいけなかったのかなぁ……と今更ながらに後悔して講堂を後にしようとすると、講堂の演壇に一人の女性が登壇する。
「初めまして。私はこの学園の学園長をさせて頂いているエレンです。今回はこんなに多くの受験者さんに受験いただいて、本当に光栄です。皆様には次代のアインルウム同盟国を背負う人材として非常に期待しております」
「今回の受験で受かった人も受からなかった人も皆、大事な国の基盤たる人材です。受かった人は受かった権利と責任をもって更なる研鑽を、残念ながら受からなかった人は、これからの日々の生活の中で研鑽を磨き、立派なアインルウム同盟国人として胸を張って生きて頂きたいと考えております。それでは特待生の発表をさせて頂きます」
特待生の発表は貼り出しじゃなかったのか・・・ちゃんと確認していなかったなぁ
「……、……、……」
名前が呼ばれると歓喜の声や羨望の声が上がる。身なりの良い服の人が多くで、さも当然といった顔をしている貴族風の人や、どこかほっとした顔をしている人は、学費免除特典ではなく特待生で合格というステータスを喜んでいるようだ。
中には僕のような普通の身なりをした人は涙を流しながら喜んでたけど。
そうして8人の名前が呼ばれるが僕の名前はまだ呼ばれない。一度は諦めた期待が、持ち上がり、そして沈んでいく。
「エストリア・フォン・ヒルデガルド」
名前が呼ばれると、金色のツインテールの女の子が飛び跳ねて喜ぶ。隣にいた男の子も同じように飛び跳ねて喜んでいた。
エストリア・・・?
あぁ、そういえば昨日助けた男の子のお姉さんか。昨日の事なのに、今日の発表の事で頭がいっぱいですっかり忘れてたよ。
しかしお姉さんが特待生で合格したんだったら弟君も嬉しいだろうな。昨日の怖い思いが少しでも紛れたらいいんだけど……
なんてあと一人しか残っていないのに呑気に考えていると、エレン学園長が僕の方を見て微笑むのが見えた。
「アルカード・ヴァンゲルグ」
と僕の名前が呼ばれた。
諦めかけていた僕は一瞬呆けていたが、段々に胸の奥から実感が沸き起こってきて、胸いっぱいに嬉しさが広がった。
これで父さんと同じ冒険者になれる!
昔からの夢に一歩近づくことを実感した僕は、心の中でガッツポーズをした。合格しなかった人もいる中で、大げさに喜ぶのはなんか悪い気がしたからね。
「合格した受験生の皆様は入学の説明をしますので、講師の方と教室に移動してください。特待生の10名は私が引率します」
エレン学園長はそう言い残して降壇すると、講師の先生達が分かれて武術学科、魔術学科、商人学科、生産学科、経営学科毎の受験生を引き連れ、僕たち特待生はエレン学園長に連れられて教室に向かう。
エストリアさんとも同じクラスという事もあり、弟くんと僕の視線が合う。弟君がびっくりした顔をするとペコリと僕にお辞儀をするので、僕は微笑みながら小さく手を挙げて応える。
そんな弟君の動作に一瞬不思議な顔をするエストリアさん。僕は何喰わない顔で、エレン学園長の先導する特待生列の最後尾につき、これからどんな学園生活になるのかワクワクとしながら教室に向かった。
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