転生したから田舎でまったりしよう!

お餅サンド

まったりは長く続かない





空間魔法に、成功してから2週間ほどたった


いろいろと研究をしてわかったことがある、


まずは命名『異次元ポケット』の方だが、容量の制限は多分ない


容量を調べるため、屋敷の裏にある小川の水を限界まで入れてみたのだが、1時間ほど入れ続けても溢れることはなかったのでそう結論づけている


そして、生きているものは入れれないことと、重要なのが、どうやらポケット内は時間が止まっているらしい


これも、検証のためディランに肉の切れ端をもらってポケットに入れる場合と入れない場合で試したが、入れてる方は腐らなかった!


そして神様が言っていた古代魔法のひとつ、時間魔法
のひとつの手がかりだと思う


「まぁ、時間なんてとんでもない力は自分の身を滅ぼしそうだ、空間魔法があれだったし」




そして、命名『転移』の方は、リスクもあるが、リターンは計り知れないため、徹底的に座標を使った訓練をして、今は1度見た場所なら行けるようになった




もちろん生物が転移可能か、バッタを使った実験を繰り返し、安全性を確かめてから俺も使ってみた。


この『転移』は、他の魔法と比べても圧倒的に魔力を消費する


ならびに移動させるものの質量が重くなるほど、そして移動する距離が伸びるほど必要な魔力量が増えるみたいだ。


俺はもとから、恐らくこの空間魔法をある程度使えるための魔力を保有していたらしい。




俺の周りには、魔法師はレイラ母さんしかいない。


今ではこんなにおっとりしているが、父さんと冒険者をしていた頃は結構優秀だったらしい。




そんな母さんも、今では魔法を滅多に使わないため、比較対象がいないから定かではないが、何個も同時に魔法を発動し操作するのはかなり難しいとの事。


まぁ、そんなわけで、使える魔法全てをきちんと操作できるようになったため、魔法の練習は日常の生活で使うのみにして毎日の練習をきりやめた


「日常でも、十分すぎる程魔法を使ってるけどね」




こんな便利な力を使わない手は無い!!




レイモンドの日常生活は既に、魔法にズブズブなのである。




ーーー


朝食後のティータイム




「3人とも、明後日は町に行くから、
予定を入れないようにしといてくれるかい?」


「「はーい!」」
「ん?町に?」


団欒中、いきなりライル父さんが俺たちに告げてきた


「ん、レイは町は初めてだったね」
「うん、俺も連れてってくれるの?」


「ああ、レイも4歳になったからね!  て言っても収穫祭の打ち合わせのついでたけど、お小遣いもあげるから、カトレアとニールと好きに回っておいで」


村には、前からずっと行きたかったんだよ、だって異世界の町だよ?めちゃめちゃ気になるじゃん


毎年10月の末日の2日間は、『収穫祭』という、作物の収穫を祝う祭りがある


祭りと言っても、町みんなが集まって作物の品評会をしたり、食事の炊き出しやらお酒がでてさわぐだけらしい


家の子どもは4歳のこの時期に面通しも兼ねて町に行くことがなんとなくの慣例らしく、今までは行けなかったのだ




「ほんと?めちゃめちゃ楽しみだよ!」
「何を期待してるのか知らないけど、別に大したものがあるわけじゃないわよ?」


「何を言ってるの、俺は町は初めてなんだよ? ワクワクするのは当然でしょ? 姉さんみたいにガサツじゃないから小さい発見でも、十分楽しめっ「ゴツンッ」痛い、何すんのさ!」


「ごめんなさーい、あたしガサツだからついついレイの頭の上を飛んでた虫を叩くのに勢い余っちゃったみたい」


ったく、姉さんはせっかく綺麗なのにガサツで大雑把のくせすぐに手を出す、残念だな…


「何よその目は!」
「別になんでもないよ」
「何考えてるか言ってみなさいよ!」


「ふふっ!2人とも相変わらず仲が良さそうね!」


「「どこがっ!」」


父さんと母さん、ニール兄さん、あげく周りにいたメイドたちまでこちらを見て微笑んでくる


「よし、じゃあ僕は仕事をするかな」
「そうしましょうか」


父さんの一言で各自バラバラに動き始める






「レイ!遊びに行くわよ!」
「え?やだよ、本読みたいし」


「そうやって引きこもってばっかの弟を外に連れ出すのも、姉の仕事なのよ!」


「ならニール兄さんを連れていけばいいじゃないか、兄さんだって俺と変わんないでしょ」


「ニールは父さんの手伝いがあるのよ! それにレイは少しは体を動かさないといざという時に動かないわよ?」


「そーゆー時のために、魔法があるんじゃないか!姉さんこそ、剣ばっかじゃなくて魔法の練習をした方がいいんじゃない?っ痛い痛い!何すんのさ」


「つべこべうるさいわね、行くの?行かないの?どっち?」


「わ、わかったよ、行けばいいんでしょ…はぁ、」


「分かればいいのよ」


そんな言い合いをしながら、外に出る準備をする。






ーーー


「姉さん、ちょっと休憩しようよ、疲れた。」


俺たちは姉さんの、「山の頂上から明後日行く町を見に行こ」  と言う何気ない思い付きから、絶賛登山中である


俺、4歳なんだが…




「さっきもしたばっかりじゃない、ろくに外にも出ずに、本ばっか読んでるからよ!少しは体を動かしなさい!」


「あいにくと、俺は姉さんみたいに体力バ…体が強くないのさ、はぁ、それに戦闘なんか出来なくても、魔法さえ出来れば生活に苦はないからね」


あぶないあぶない、危うく口が滑るところだった




「何言ってるのよ、今だってこんな少しの運動で、ハァハァ言ってるじゃないの!それと、体力バカ、忘れないからね?」


「ぐっ、それはそうだけどさっ、あ!」


くそ、聞き取れたか、まずいな


「ん?何よ」


「いや?身体強化の魔法使うの忘れてたなぁって思っただけ」


身体強化さえ使えば、こんな辛い思いして登山なんかしなくて済んだのにっ!




「んっ?何よそれ」


「何って、ただ魔力を体に流して身体能力を強化する、魔力操作の応用技だよ!  ま、ガサツな姉さんにはめちゃくちゃ難しんじゃない?」


「ほんとに軽口ばかり、レイ、あんた覚えときなさいよ、でもそれは面白そうね」


「さっきも言ったけど、魔力操作もろくにできないうちは使えないよ?」


「あ、できた、」


「えっ?なんで?」




どうやらカトレア姉さんは、体を動かすことに関しては、とことん才能があるらしい、さすが高位冒険者の娘だ...俺もその息子のはずなんだけど。



















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