修学旅行
第12話 ダイエット計画
春休みのある日。
私の家にさやかが泊まりに来る。
2年付き合いがあって何気に初めてだった。
小学校の時からあまり仲良い友達がいなくて、自分の家に誰かを呼んだことのない私は、さやかと一緒に朝まで遊べることが楽しみで仕方なかった。
昼過ぎ、さやかが家に来た。だぼっとしたパーカーに、これまただぼっとしたワイドパンツを履いている。
(家では、楽な格好の方がいいもんね。)
そうとしか思わなかった。
さやかが大量のチョコやポテチ、ケーキに炭酸を買ってきてくれたのでそれを胃に流し込みながら、2人で他愛もない話をする。
そして、お母さんお手製の夜ご飯を食べる。
「お母さんおかわり!」
「まりんまま、おかわりお願いします!」
「さやかちゃん。わかったわ。しかし、まりんよく食べるようになったわね〜!」
一瞬ギクッとした。
そう、期末試験のときに終わったら始めると言っていたダイエットはというと…全くできていなかった。数々の絶食により、完全にまりんの体は疲弊し、コントロールが効かなくなっていたのである。そのため、絶食できる期間も短くなり、相対的に爆食をする回数が増えていた。
まりんがよく食べるようになり、痩せ過ぎを心配していたお母さんも気持ちを良くしてたくさんのご飯を作る悪循環が生まれていた。
やばい。痩せなきゃ。こんなに食べてたら太る。と分かっているものの湧き上がる食欲に勝てず、見て見ぬふりをしていた。
結局、お代わりをし、自室に戻った2人は夜ご飯を食べたのを忘れたかのように深夜までケーキを貪り食っていた。
バタン!
「あっごめん!!」
さやかの隣にあった2ℓのサイダーが倒れ、こぼれてしまった。
ベッドの下まで広がってしまっているようだ。
雑巾を片手に四つん這いになって、ベッドの下に広がった液体を拭き取っている。
(あれ、さやかのお尻。。元々大きかったけどこんなに大きかったっけ?)
すると、あれという声とともにほこりをかぶった何かを引っ張り出した。
「なにこれ、服…?」
そういって、埃を払いながらジャージを広げる。
(まって、それわたしが太ってたときのだ!!やばい太ってたことがバレちゃう。)
「すごいでかいジャージだね。お兄ちゃんとかいなかったよね。。?」
「あ、それいなくなったお父さんのだよ!なんでそんなところにあるんだろう!…あはは…」
「でもこれ…女の子のっぽいよ…?」
「あ、えっと。。」
時が止まったように、沈黙が2人の間に流れた。
「もしかして、まりんのだった?ごめん。。気遣えなくて。。」
「ううん。たしかにそれ私のだよ。。」
私が肩を落としていると、さやかはこう続けた。
「えっと…恥ずかしくて言えなかったけど、私も昔太ってたから。あたしはお兄ちゃんが2人いるから2人に負けたくなくてたくさん食べてたの。そしたら小学校のときデブデブになっちゃって!笑。悔しくて、強豪の水蓮女子中陸上部に入ったの。そしたら、次第に痩せたんだ。」
そうやってさやかは照れ笑いした。気のせいかもしれないが、以前よりも顔が丸くなっているのか、そこまで笑っていなくても吊り目が目立たずとても優しく笑っているように見える。
「ふふ。そうだったんだ。私も昔太ってから一緒だね!笑 実は最近すごく太っちゃって。痩せないとやばい。」
さやかだって嫌な過去だったに違いない。そんな過去を話してくれたから、自分も嫌なことを曝け出した。
「えっ!あたしも!最近やばいの!2人でダイエットしようよ!!」
2人は顔を見合わせた。
まさかこんなとこでも意気投合するなんて。
かけがえない親友。
いつも一緒にいて、同じ出来事を共有できる。
そう思っていた私にとって、一緒にダイエットができるのは心強かった。
2人は太ってしまったことを話し、ダイエットするという意思を固めるため、手始めにお互い洗面所で半裸になりお互いの体たらくぶりを見ることにした。
「これまでの服がキツくてさ、今日は緩い服できたんだけど。。」
と言いながらさやかが服を脱ぐ。
私は驚きで目を見張った。
小ぶりで存在感のなかった胸が、決して大きくはないが、しっかりとここにあると分かる胸に成長し、腹筋のあったお腹は見る影もなく贅肉がたぷたぷとついていた。
腕もむちむちと成長し、特に下半身は元々大きかったお尻はさらに大きくなり同じく筋肉の見えなくなった太ももとともに雄を惹きつける色気を漂わせていた。
体重計に乗る。
67kg。
さやかがこんなに太っているとは思わなかった。私より身長が高いのもあるが、短距離の陸上選手とは思えない体つきだ。毎日顔を合わせていたから、変化に鈍感になっていたし、だぼっとした服を着ていたため全く今日は気がつかなかった。
「たしかに、さやかも太ったね。。でも私も同じだよ。」
そう言って私も服を脱ぐ。
さやかが目を皿のように驚く様が痛いほど分かった。
私自身でも姿見を見てみる。
綺麗なお椀型の胸はブラジャーに押しつぶされ、蓄えた贅肉によっておへそは横につぶれはじめていた。くびれ自体はあるもののだいぶなだらかになり、小さかったお尻はパンツからわずかにはみ出しており、色白の綺麗な腕と脚はマシュマロのようにぷにぷにしている。
私も体重計に乗る。前測った時が52kgだったから55kgくらいであって欲しいと思った。
しかし体重計は無惨にも次の数字を示した。
58kg。
はあっとため息をつく。
「最近食べすぎたね…」
「そうだね。食べる量を減らして、運動をすればしっかり痩せれるんじゃないかな?」
「運動…?」
「うん。やっぱあたし、太ってると部活にも影響が出るし…一緒にジム通わない?いつも行くショッピングセンターにジムあるし、部活のない土日は一緒にやろうよ!」
「そっか。ジム。。やろっか!」
運動か。
食べないことに意識が行きすぎて、そこに考えがいかなかった。食べる量をしっかりと減らして、運動すれば痩せれる。
たしかに、さやかの言う通りだ。
これで最後にすると言わんばかりに残りのお菓子を口の中に運び、翌日にはジムの入会手続きを済ませた。
私の家にさやかが泊まりに来る。
2年付き合いがあって何気に初めてだった。
小学校の時からあまり仲良い友達がいなくて、自分の家に誰かを呼んだことのない私は、さやかと一緒に朝まで遊べることが楽しみで仕方なかった。
昼過ぎ、さやかが家に来た。だぼっとしたパーカーに、これまただぼっとしたワイドパンツを履いている。
(家では、楽な格好の方がいいもんね。)
そうとしか思わなかった。
さやかが大量のチョコやポテチ、ケーキに炭酸を買ってきてくれたのでそれを胃に流し込みながら、2人で他愛もない話をする。
そして、お母さんお手製の夜ご飯を食べる。
「お母さんおかわり!」
「まりんまま、おかわりお願いします!」
「さやかちゃん。わかったわ。しかし、まりんよく食べるようになったわね〜!」
一瞬ギクッとした。
そう、期末試験のときに終わったら始めると言っていたダイエットはというと…全くできていなかった。数々の絶食により、完全にまりんの体は疲弊し、コントロールが効かなくなっていたのである。そのため、絶食できる期間も短くなり、相対的に爆食をする回数が増えていた。
まりんがよく食べるようになり、痩せ過ぎを心配していたお母さんも気持ちを良くしてたくさんのご飯を作る悪循環が生まれていた。
やばい。痩せなきゃ。こんなに食べてたら太る。と分かっているものの湧き上がる食欲に勝てず、見て見ぬふりをしていた。
結局、お代わりをし、自室に戻った2人は夜ご飯を食べたのを忘れたかのように深夜までケーキを貪り食っていた。
バタン!
「あっごめん!!」
さやかの隣にあった2ℓのサイダーが倒れ、こぼれてしまった。
ベッドの下まで広がってしまっているようだ。
雑巾を片手に四つん這いになって、ベッドの下に広がった液体を拭き取っている。
(あれ、さやかのお尻。。元々大きかったけどこんなに大きかったっけ?)
すると、あれという声とともにほこりをかぶった何かを引っ張り出した。
「なにこれ、服…?」
そういって、埃を払いながらジャージを広げる。
(まって、それわたしが太ってたときのだ!!やばい太ってたことがバレちゃう。)
「すごいでかいジャージだね。お兄ちゃんとかいなかったよね。。?」
「あ、それいなくなったお父さんのだよ!なんでそんなところにあるんだろう!…あはは…」
「でもこれ…女の子のっぽいよ…?」
「あ、えっと。。」
時が止まったように、沈黙が2人の間に流れた。
「もしかして、まりんのだった?ごめん。。気遣えなくて。。」
「ううん。たしかにそれ私のだよ。。」
私が肩を落としていると、さやかはこう続けた。
「えっと…恥ずかしくて言えなかったけど、私も昔太ってたから。あたしはお兄ちゃんが2人いるから2人に負けたくなくてたくさん食べてたの。そしたら小学校のときデブデブになっちゃって!笑。悔しくて、強豪の水蓮女子中陸上部に入ったの。そしたら、次第に痩せたんだ。」
そうやってさやかは照れ笑いした。気のせいかもしれないが、以前よりも顔が丸くなっているのか、そこまで笑っていなくても吊り目が目立たずとても優しく笑っているように見える。
「ふふ。そうだったんだ。私も昔太ってから一緒だね!笑 実は最近すごく太っちゃって。痩せないとやばい。」
さやかだって嫌な過去だったに違いない。そんな過去を話してくれたから、自分も嫌なことを曝け出した。
「えっ!あたしも!最近やばいの!2人でダイエットしようよ!!」
2人は顔を見合わせた。
まさかこんなとこでも意気投合するなんて。
かけがえない親友。
いつも一緒にいて、同じ出来事を共有できる。
そう思っていた私にとって、一緒にダイエットができるのは心強かった。
2人は太ってしまったことを話し、ダイエットするという意思を固めるため、手始めにお互い洗面所で半裸になりお互いの体たらくぶりを見ることにした。
「これまでの服がキツくてさ、今日は緩い服できたんだけど。。」
と言いながらさやかが服を脱ぐ。
私は驚きで目を見張った。
小ぶりで存在感のなかった胸が、決して大きくはないが、しっかりとここにあると分かる胸に成長し、腹筋のあったお腹は見る影もなく贅肉がたぷたぷとついていた。
腕もむちむちと成長し、特に下半身は元々大きかったお尻はさらに大きくなり同じく筋肉の見えなくなった太ももとともに雄を惹きつける色気を漂わせていた。
体重計に乗る。
67kg。
さやかがこんなに太っているとは思わなかった。私より身長が高いのもあるが、短距離の陸上選手とは思えない体つきだ。毎日顔を合わせていたから、変化に鈍感になっていたし、だぼっとした服を着ていたため全く今日は気がつかなかった。
「たしかに、さやかも太ったね。。でも私も同じだよ。」
そう言って私も服を脱ぐ。
さやかが目を皿のように驚く様が痛いほど分かった。
私自身でも姿見を見てみる。
綺麗なお椀型の胸はブラジャーに押しつぶされ、蓄えた贅肉によっておへそは横につぶれはじめていた。くびれ自体はあるもののだいぶなだらかになり、小さかったお尻はパンツからわずかにはみ出しており、色白の綺麗な腕と脚はマシュマロのようにぷにぷにしている。
私も体重計に乗る。前測った時が52kgだったから55kgくらいであって欲しいと思った。
しかし体重計は無惨にも次の数字を示した。
58kg。
はあっとため息をつく。
「最近食べすぎたね…」
「そうだね。食べる量を減らして、運動をすればしっかり痩せれるんじゃないかな?」
「運動…?」
「うん。やっぱあたし、太ってると部活にも影響が出るし…一緒にジム通わない?いつも行くショッピングセンターにジムあるし、部活のない土日は一緒にやろうよ!」
「そっか。ジム。。やろっか!」
運動か。
食べないことに意識が行きすぎて、そこに考えがいかなかった。食べる量をしっかりと減らして、運動すれば痩せれる。
たしかに、さやかの言う通りだ。
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コメント
わおん
さいっこ〜
村雨
太るまでの過程がしっかり描かれていてとても良いと感じました。あと、よく見られる現実離れした体重ではないのも良いです。ココからどうなるかは分かりませんが、残り4話も楽しみにしています。
個人的には運動してキチンと痩せるENDがイイな
(最後のはタダの個人の戯言です)