婚約破棄戦争
第33話
「マカァ姫様が大活躍されておられます」
「そうか。
予想通りだけれど、どうすべきかな。
予定通り動くべきか。
それとも、もう少しイーハ王を動かした方がいいか」
「マカァ姫様には御苦労を御掛けすることになりますが、今しばらく活躍して頂き、イーハ王の威勢を削いでいただきたいと思います」
「そうだね。
イーハ王に味方している者が、皆が皆、悪人と言う訳ではないしね。
誰だって自分の身は可愛いし、愛する家族を護りたいからね」
「本当に許せない者は、予定通りにイーハ王を誅殺してから処分すればいいと思います」
「分かった。
マカァ姫様にはもう少し頑張ってもらおう」
前皇太子のオシーン・アイルは、大魔窟の中で着々と準備を整えていた。
最初から、この機会に皇国の奸臣を一掃する心算だった。
一時的に皇太子の地位を降り、大魔窟に隠棲した方が、民を戦乱に巻き込まずにすむと考えたのだ。
そしてその通りに事態は動いていた。
大魔窟の中には、オシーン皇子を慕う皇家の騎士と徒士が集まっていた。
皇子を慕う者全てが集まったわけではない。
皇帝陛下暗殺の恐れもある。
皇帝陛下さえ暗殺してしまえば、ルアン皇太子が皇位についてしまう。
そうさせないためには、万全の体制を敷かねばならない。
だから、オシーン皇子に付き従った騎士と徒士には条件があった。
家督を継いでいないと言う事だ。
家督を継いでいる者は、皇国で役目がある。
そのような者は、大魔窟に連れてくるわけにはいかない。
もっとも、むりやりついてきた騎士も多少いたが。
ほとんどの騎士と徒士は、家督を継ぐ前に嫡子か、部屋住みの次男三男だった。
中には隠居した前当主と言う古強者までいた。
皆忠義の心を持った騎士と徒士だった。
彼らはこの世界で最も危険と言われる大魔境の、更に巨大な魔獣が住むと言われる大魔窟についてきた忠義者だ。
だが彼らの大半は魔獣との戦闘経験が少なかった。
全くない訳ではないが、大魔境の、それも大魔窟の魔獣相手は厳しかった。
オシーン皇子の聖魔法を使えば、何とか生き延びることは出来る。
オシーン皇子の最側近は、聖魔法の助力があれば、魔獣とも互角に戦える。
命懸けで実力を伸ばすには最適の場所だった。
だが余りに危険だった。
彼らだけで挑むには危険すぎた。
しかし彼らには強力な助っ人がいた。
この世界で有数の強さを誇る戦士が味方してくれているのだ。
ギャラハー王家の第三王子、デグラ・ギャラハーだった。
「そうか。
予想通りだけれど、どうすべきかな。
予定通り動くべきか。
それとも、もう少しイーハ王を動かした方がいいか」
「マカァ姫様には御苦労を御掛けすることになりますが、今しばらく活躍して頂き、イーハ王の威勢を削いでいただきたいと思います」
「そうだね。
イーハ王に味方している者が、皆が皆、悪人と言う訳ではないしね。
誰だって自分の身は可愛いし、愛する家族を護りたいからね」
「本当に許せない者は、予定通りにイーハ王を誅殺してから処分すればいいと思います」
「分かった。
マカァ姫様にはもう少し頑張ってもらおう」
前皇太子のオシーン・アイルは、大魔窟の中で着々と準備を整えていた。
最初から、この機会に皇国の奸臣を一掃する心算だった。
一時的に皇太子の地位を降り、大魔窟に隠棲した方が、民を戦乱に巻き込まずにすむと考えたのだ。
そしてその通りに事態は動いていた。
大魔窟の中には、オシーン皇子を慕う皇家の騎士と徒士が集まっていた。
皇子を慕う者全てが集まったわけではない。
皇帝陛下暗殺の恐れもある。
皇帝陛下さえ暗殺してしまえば、ルアン皇太子が皇位についてしまう。
そうさせないためには、万全の体制を敷かねばならない。
だから、オシーン皇子に付き従った騎士と徒士には条件があった。
家督を継いでいないと言う事だ。
家督を継いでいる者は、皇国で役目がある。
そのような者は、大魔窟に連れてくるわけにはいかない。
もっとも、むりやりついてきた騎士も多少いたが。
ほとんどの騎士と徒士は、家督を継ぐ前に嫡子か、部屋住みの次男三男だった。
中には隠居した前当主と言う古強者までいた。
皆忠義の心を持った騎士と徒士だった。
彼らはこの世界で最も危険と言われる大魔境の、更に巨大な魔獣が住むと言われる大魔窟についてきた忠義者だ。
だが彼らの大半は魔獣との戦闘経験が少なかった。
全くない訳ではないが、大魔境の、それも大魔窟の魔獣相手は厳しかった。
オシーン皇子の聖魔法を使えば、何とか生き延びることは出来る。
オシーン皇子の最側近は、聖魔法の助力があれば、魔獣とも互角に戦える。
命懸けで実力を伸ばすには最適の場所だった。
だが余りに危険だった。
彼らだけで挑むには危険すぎた。
しかし彼らには強力な助っ人がいた。
この世界で有数の強さを誇る戦士が味方してくれているのだ。
ギャラハー王家の第三王子、デグラ・ギャラハーだった。
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